Bernard-Soulier症候群の概念

Bernard-Soulier症候群は、先天的に重篤な出血傾向を呈し、巨大血小板性血小板減少症と出血時間の延長、リストセチンによる血小板凝集欠如を特徴とする常染色体劣性遺伝性疾患である。

本疾患は、von willebrand因子受容体であるGPIb/IX複合体の先天的欠損が原因で起こる。血管内皮下組織コラーゲンへの、血小板粘着が低下することから出血時間が著明に延長する。

Bernard-Soulier症候群の診断

通常、幼児期あるいは小児期に皮下出血斑(紫斑)や鼻出血、歯肉出血などの出血症状で発症し、強度の出血で致命的な場合がある。血小板数は減少する。

末梢血塗抹標本では大型血小板が多数認められ、リンパ球や赤血球大の(直径15~20μm)巨大血小板も出現する。自動血球計数装置では、見かけ上さらに血小板減少となる。そのため、目視による血小板数算定が必要となる。

骨髄巨核球数は正常である。血小板機能検査では、リストセチン凝集が欠如または低下する。

確定診断には、フローサイトメトリーによるGPIb/IX複合体発現欠如の同定が必要となる。

Bernard-Soulier症候群の治療

特異的な治療法はなく、新鮮血小板輸血が最も確実な止血法である。
最終更新:2009年12月31日 12:55