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    <title>ヤンデレの小説を書こう！SS保管庫 @ ウィキ</title>
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    <description>ヤンデレの小説を書こう！SS保管庫 @ ウィキ</description>

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      ここは２ｃｈエロパロ板発祥のスレッド「 ヤンデレの小説を書こう！」に投稿されたSSの保管庫です。

*このまとめｗｉｋｉは１８禁です。社会的責任を取ることができ、現実と空想の違いをはっきりと認識できる方だけ利用してください。
　

現行スレ
ヤンデレの小説を書こう！Part51
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1324357113/

避難所
ヤンデレの小説を書こう！＠避難所　Part03
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/12068/1317993354/

#exp(){{
[[メニューです。携帯はこちらからどうぞ&gt;メニュー]]
}}

今日　　　&amp;counter(today)
昨日　　　&amp;counter(yesterday)
総数　　　&amp;counter()

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    <title>変歴伝　第二話『隣の花』</title>
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    <description>
      283 ：変歴伝　第二話『隣の花』 ◆AW8HpW0FVA：2011/11/01(火) 19:08:10 ID:DDgKlF9I
都では最近、血生臭い怪事件が続出している。
それは突如として現れ、暴風の如く人を殺していくのである。
漆黒の衣を身に纏い、白い面で顔を隠し、長髪をなびかせる殺人鬼は、
鉞で首ばかりを斬り裂いていくので、いつしか、刑天、と呼ばれるようになった。
しかし、道往く人々はこの刑天を恐れなかった。襲うのが、決まってごろつきだったからである。
検非違使が見向きもしないようなごろつき達の跳梁を、この刑天が解決してくれるのだ。
善良な人々は刑天に喝采を送り、ごろつき達は恐れ戦いた。

「刑天様だ、刑天様が降臨なさったぞ！」
白昼の都のとある一角に人だかりが出来ていた。既に三つの首なし死体が地に斃れている。
「うっ……うろたえるな！相手は所詮一人。数ならこっちが勝っている！」
ごろつきの頭が震える声で叱咤した。それを刑天は無慈悲な瞳で見つめていた。
悲鳴を上げて一人のごろつきが刑天に襲い掛かった。
鈍い音が轟いた刹那、首が宙を舞い、漆喰の壁に血玉が刻まれた。
一人、また一人と、ごろつき達は刑天の鉞に首を吹き飛ばされた。
「あっ……ありえねぇ……、数ではこっちが勝っていたのに……。
ばっ……化け物……うわぁああああああああああ！！！」
遂に一人になってしまった頭は、恐怖を抑えきれず逃げ出した。
ゆらりと動いた刑天は、鉞を下段に構え、勢いよくぶん投げた。
縦回転する鉞が、頭の背中に突き立ち、吹き飛ばした。
ゆっくりと歩み寄った刑天は、血反吐を吐き命乞いをする頭から鉞を抜き、
容赦なく首に振り下ろした。歓声が沸き起こった。
憎たらしい存在が無残に死ぬ瞬間というのは、今も昔も爽快極まりない。
そんな興奮を冷ますかのように、怒声が響いた。
騒ぎを聞きつけた検非違使が、刑天を捕らえようと人だかりに突入したのである。
一瞬にして混乱の坩堝と化した人だかりの中を、刑天はまるで蛇の如くすり抜け、姿を消した。 


284 ：変歴伝　第二話『隣の花』 ◆AW8HpW0FVA：2011/11/01(火) 19:08:39 ID:DDgKlF9I
刑天は走る速度を落とさず、とある路地裏まで来て足を止めた。
そこで鉞を地面に置き、黒衣に手を掛けようとした時、動きが止まった。
出入り口を塞ぐように、一人の男が立っていたのだ。身形からして武士のようである。
「やはりここに来ましたか。網を張っておいてよかったですよ」
「…………」
逆光で見えないが、男は笑っているのだろう、声が弾んでいた。
刑天は置いてある鉞に手を伸ばそうとした。
「安心しなさい。私は検非違使ではない。それに、君を役所に突き出そうとも思わない。
……少し、話をしたいだけです」
「…………」
刑天は伸びかけた手を引っ込め、男の方を見つめた。
「聞き分けがいいですね。二月で百人も殺められたのも、その冷静さがあってこそなのでしょう。
……話が逸れましたね。では、単刀直入に。……刑天、これ以上人を殺すのを止めよ」
「…………」
「お前はなにを偉そうに命令している、とでも言いたげですね。
ですが、君は聞かざるを得ない。君が我が家に仕えている以上、命令は絶対なのだから」
「…………」
「そういえば、まだ名乗っていませんでしたね。私は……小松、と名乗っておけばいいでしょう。では、これからの活躍に期待していますよ。君は我々の野望に必要な人材なのだから」
小松と名乗った男は去っていった。その後を、何人かの武士が付いていくのが見えた。
刑天は、それを見つめていた。


「三郎様、帰ってきてたのですか。随分と遅かったですね」
「あぁ、目当てのものが売り切れだったからな。探し回った」
そう言って、業盛は干し柿と干し桃を景正に見せ付けた。
甘いもの好きにとって、果物がなくなる事は死活問題であるため、
業盛は定期的に都に果物を買いに行っているのである。
早速、業盛は干し柿に噛り付き、至福の表情を浮かべた。
「ところで、今日も出たみたいですよ。刑天」
一瞬、業盛の表情が曇った。握っている干し柿の実が零れた。
「……そうか、今日は何人殺されたんだ？」
「八人、と聞きました。二月しか経っていないというのに、もう百人ですよ」
「そうか……」
食べかけの干し柿を一口で頬張り、業盛は背を向けた。
「平蔵」
「なんですか？」
「俺は今日から刑三郎（けいざぶろう）と名乗ろうと思うのだが、どうかな？」
「どうかなって、別にいいと思いますけど、なぜわざわざ……」
「聞いただけだ。気にするな」
景正の視線を背に受けながら、業盛は自分の部屋に戻った。 


285 ：変歴伝　第二話『隣の花』 ◆AW8HpW0FVA：2011/11/01(火) 19:09:40 ID:DDgKlF9I

年も明け、桃の花が咲き始める時季となった。
落ち着いた気候は、昼寝をするのには絶好だった。
いつものように仕事を終わらせた業盛は、縁側に寝転がり、春眠に勤しんでいた。
「刑三郎様」
が、その眠りを破る無粋者が声を掛けてきた。
薄っすらと目を開いた業盛は、無言で景正を睨み付けた。
「三日後に強女祭（うずめまつり）が行なわれますよね……」
強女祭。百年前から続く五穀豊穣を願う祭りで、
強女という文字が示す通り、芸能の神であるアメノウズメの名が由来となっている。
しかしこの祭り、非常に奇特な事で知られている。
「それがどうしたんだ？」
「実は、刑三郎様に女装してもらいたいのですが……」
業盛の拳が、景正の顔面を打ち抜いた。ニ、三度跳ねた景正が、床に血道を作った。
この強女祭、女装をして参加してもいいという事になっているのだ。
アメノウズメが裸で踊った事を典拠としているらしいが、裸と女装は掛け離れている。
この言葉を真に受け、女装して参加する大人子供は数知れず、
子供が連れ去られる、男同士の野合が行なわれるなど、事件には事欠かない祭りなのだ。
「平蔵、次馬鹿な事を言ったら蹴りを入れてやる」
「お待ちください！これには深い理由があるのです！」
「深い……か……。言ってみろ」
「私と女装した刑三郎様が一緒になっているところを因幡に見せ付けるのです。
女装も、強女祭の期間中ですから、周りから冷たい目で見られる事はありません！」
業盛の蹴りが、景正のまずいところにまずい勢いで入った。景正はのた打ち回っている。
「あれほどお前の事を思っている因幡を、まだ遠ざけようというのか！
この愚か者め、恥を知れ！そして、死ね！」
業盛は部屋に戻ると、強く戸を閉めた。
春の日差しが降り注ぐ縁側、そこで一人悶え苦しんでいる男の図。なんとも無様な光景だった。


強女祭が二日と迫った頃、業盛は因幡に呼び出され、景正の部屋に入った。
「実は、刑様に極秘でお頼みしたい事があるのですが……」
「なんだ、因幡？」
「源蔵様の本心を聞き出してほしいのです」
「……はぁ……」
子供の頃の約束を一途に守ろうとするその様は、非常に美しく、いじらしいものである。
それ故、因幡の思いを踏み躙る景正に、業盛の怒りが再燃した。
「お前はなんであんな馬鹿に惚れ込んでいるんだ？はっきり言って、お前とあいつは不釣合いだ。
あいつの事など忘れて、他の者と付き合った方がいいのではないか？」
「刑様、言っていい事と悪い事がありますよ！」
「はぁ！」
よかれと思い口にした発言に、因幡が激しい拒否反応を示した。
囂々たる反論もとい惚気話が、堰を切って業盛に襲い掛かった。
「源蔵様は、誰よりも正義感の強い、とても優しいお方なのです！
子供の頃にいじめられていた私を、源蔵様は助けてくれました！
それだけではありません！私のような醜女に、かわいいと言ってくれました！
私が今、この様に生きていられるのも、全て源蔵様のお陰なのです！
私は源蔵様に救われました。だから、次は私が源蔵様を幸せにする番なのです！
源蔵様を幸せに出来るのは私だけ……、私だけなんです！」
床をバンバン叩きながら捲し立てる様は、どこか鬼気迫るものがあった。
「まさか、過去にその様な事があったとはな。素晴らしい馴初めだ。
……まぁ、あの馬鹿は忘れているだろうな。だからあんな事が……」
数日前の事を思い出し、多少呆れた業盛であったが、
ここまで言われて断るのは男が廃る。業盛は、因幡の頼みを聞く事にした。
既に業盛の頭には策が浮かんでいた。一度は断った景正の計画に乗る事にしたのだ。
早速、準備を整えるため、業盛は銭を握り締め、都に向かった。 


286 ：変歴伝　第二話『隣の花』 ◆AW8HpW0FVA：2011/11/01(火) 19:10:42 ID:DDgKlF9I
強女祭当日、祭りで人気の少ない五条橋の袂に、景正が一人立っていた。
忙しなく景正が辺りを見ましていると、その視界に一人の女が飛び込んできた。
五尺五寸（約１６５ｃｍ）の身長に、背中まで伸びた黒髪を併せ持った女が、
その光沢ある髪をなびかせながら、景正に近付いた。
「待っていましたよ」
「遅れて悪かったな、平蔵」
女の正体は業盛だった。
「それにしても、似合う似合うとは思っていましたが、ここまで似合うと恐ろしいですね。
これは童顔という理由だけでは片付けられませんよ。……まさか、刑三郎様にはそっちの気が……」
「阿呆、そんな訳があるか！」
景正の言う通り、業盛の女装は異常なほど似合っていた。化粧もせず、ただ髪を下ろし、
女物の服を着ただけでこの変わり様なのだから、世の女は形無しである。
業盛としては、自分の気にしている童顔を指摘されたので、むっとした表情を景正に向けていた。
「そんな事より、早く六波羅に行って、因幡に見せ付けましょう。これで因幡も諦めるでしょう」
「あぁ……だといいな……」
ちなみに、業盛は因幡に計画の事を告げていない。波乱が起きるのは確実だった。



「もうお前は必要ないから」
「えっ……」
「…………」
血も凍るような状況に、業盛は出くわしている。
業盛は、景正の事だから婉曲に言うのだろう、と思っていたが、
部屋について放たれたのは暴言だった。
目を見開き、こちらを黙って睨み付けている因幡。紅い瞳が薄っすらと濁っていた。
「意味が分からない、という顔をしているな。ならばもっとはっきり言ってやる。
もううんざりなんだよ。お前と一緒にいるのは」
「……あっ……あははっ……。一体なにを言っているのですか、源蔵様。
全然笑えないですよ。あはははは……」
「嘘など吐くものか。私はお前などよりも、素晴らしい女性を見付けたのだ。
素晴しい者に出会ったのならば、そちらに乗り換える。……当然の事ではないか、なぁ、葵」
葵、と呼ばれ、業盛は無言で頷いた。
「嘘……。嘘に決まってる！源蔵様がそんな事をする訳がない。お前……源蔵様になにをした！」
「止めろ、因幡！」
業盛に掴み掛かった因幡を、景正が突き飛ばした。
信じられない、というような表情を因幡は浮かべていた。
「お前はこれまで私になにをしてきた。……全て、お前の自己満足だったではないか。
その自己満足に付き合わされた私の事を、お前は今まで考えた事があるか？」
「あっ……えっ……ごっ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
「またそれか。謝れば許してもらえると思ったら大間違いだ。
そんなに謝りたければ、一生そうしていろ」
「ごめんなさいごめんなさい……。気を付けますから……、
これからは源蔵様に迷惑を掛けないように気を付けますから、だから……」
「……行くぞ、葵。祭りに遅れる」
「…………」
「いやぁ……、行かないで……。源蔵様……げんぞうさまぁ！！！」
腹の中が抉られるような絶叫を背に、業盛は屋敷を後にした。 


287 ：変歴伝　第二話『隣の花』 ◆AW8HpW0FVA：2011/11/01(火) 19:11:13 ID:DDgKlF9I
やりきったという表情を浮かべる景正を、業盛は冷ややかな目で見ていた。
景正は、これで終わった、と思っているのだろうが、事がそんな簡単に収まるはずがない。
業盛はなんとなしに後ろを振り返った。祭りで湧く人ごみの中、
頭巾と布で顔を隠している不審人物が目に付いた。それが因幡であると、業盛はすぐに気付いた。
唐突にあんな事を言われて、はいそうですか、と諦める奴などいるはずがない。
「それにしても、もう女装の必要などないのに、……やっぱり気に入ったのですか、それ？」
「ここまできたら、最後までやってやるさ。
……ところで平蔵、もうやる事は終わったのだから、一杯やりたいのだが」
「あっ、いいですね。では、酒家に行きましょう」
「込み合っている所ではなく、空いている所で酒を飲みたいな」
とにかく、まずは人気ない場所に平蔵を誘導する必要があった。
幸いにも、祭りの影響で空いている酒家を探すのは造作もない。
業盛と景正は、祭りの喧騒の中から抜け出した。


町外れで酒家を見付けた二人は、そこに腰を下ろした。
「さてと、いい加減教えてもらおうか、平蔵」
業盛はあえて大きな声を出した。外で耳を立てている因幡に聞こえるほど大きく。
「なんですか、いきなり大声なんか出して」
「こっちはしたくもない女装までしてお前の縁切りに付き合ってやったんだ。
お前が因幡の事を、本当はどう思っていたのか、聞いたって文句はないだろ」
「だからそれは……」
「さっき因幡に言った事が全て、とでも言うつもりか？馬鹿言うなよ。
本当に迷惑で、十数年間もあいつの世話を、例え愚痴りながらとはいえ、受けてきたというのか？
俺にはお前がなにかを隠しているようにしか見えないんだが……、正直なところ、どうなんだ？」
景正が俯いた。それがしばらく続き、やっと口を開いた。
「……そんなの、決まってるじゃないですか。大好きですよ。愛していますよ」
「ハッ……」
「始めて見た時からずっと、因幡は私の憧れでした。
出来る事なら、因幡を自分のものにしたかった。
……とは言っても、私と因幡が不釣合いである事くらい分かっていました。
彼女はいずれ私よりも素晴らしい男と祝言をあげる。分かりきった事です。
ならばせめて、少しでも仲良くなりたい。
そう思っていた時に、いじめられている因幡を見て、それを助けました。
……打算的だと笑わないでくださいよ。
その時はなにがなんでも親しくなる切欠が欲しかったのですから。
しかし、それがそもそもの間違いだった。因幡は、私のお嫁さんになる、と言い出したのです。
それからは、以前にも言った尽くしっぷりです。
やりすぎですが、それだけ愛してくれているというのは痛いほど分かります。
ですが、私はその愛を受けきれるような器ではないのです。
彼女は私のような田舎武士と付き合ってはいけないのです。だから、私は……」
業盛は素直に驚いた。忘れていると思っていた馴初めを、景正も覚えていたからだ。
それどころか、相思相愛だった。これほど幸せな事はない筈だというのに、
景正の訳の分からない気遣いが、それを全てぶち壊していた。
「（こいつ、なに馬鹿な事言ってるんだ。恋をするのに理由なんか必要ないだろうに。
なのにこいつは、仕方がない、これが定めだ、などと自分を特別扱いしやがって……。
というか、因幡が平蔵の嫁になると言って、一族の者が誰も咎めなかったのだから、
政略結婚はないと分かるだろうに。そんな事も分からんのか、こいつは。あぁ～いらいらする）
……そうか。辛い事を聞いてしまったな。……平蔵、飲もう。俺がおごってやる」
「ありがとう……ございます……」
「さぁてと、辛気臭い話はこれで終わりだ。
今日は飲むぞ！思いっ切り飲むぞ！潰れても、粉になっても飲むぞ！」
「はい！」
「平蔵の縁切りに、乾杯だ（まぁ、縁を切るのは因幡ではないがな）！」
俄かに、寂れた酒家が騒がしくなった。 


288 ：変歴伝　第二話『隣の花』 ◆AW8HpW0FVA：2011/11/01(火) 19:11:39 ID:DDgKlF9I
酒家から出てきた頃には、景正は正体なく酔っ払っていた。
一方の業盛も、大量に酒を飲んだというのに、顔色一つ変えていない。
服を着替えた業盛は、酔っ払って動けない景正を背負い、六波羅に帰還した。
空は既に薄暗くなっていた。
「入るぞ、因幡」
景正の部屋の戸を開けると、そこには顔を真っ赤に染めた因幡がいた。
「既に知っているとは思うが、葵は俺だ。それに、こいつの本心も、分かっただろう？」
「気付いていたのですか……」
「あの程度で諦める奴ではないと分かっていたからな。怒鳴ったのには驚いたが……」
「あれが女装だったなんて、全然気付きませんでした。私、もう少しで……」
「まぁ、事前に相談しなかったこちらも悪かった。
平蔵はここに置いていくぞ。後は好きにしてくれ」
業盛は部屋から出た。ここから先は二人の問題である。
やるべき事をやった業盛に、心残りはなかった。




この日を以って、景正と因幡は正真正銘の夫婦となった。 


289 ：変歴伝　第二話『隣の花』 ◆AW8HpW0FVA：2011/11/01(火) 19:12:25 ID:DDgKlF9I
武士が武芸に励むのは、別におかしな事ではない。
業盛と景正は、温かい風が吹き始めた空の下、木刀で激しく打ち合っていた。
一見すると、一方的に打ち込み、圧倒している景正が有利のようだが、
防戦一方であるはずの業盛は、涼しい顔で全ての打ち込みを捌いている。
徐々に景正の剣速が落ち始めた。木刀を振り下ろした際、動きが一瞬止まった。
間髪入れず、業盛は木刀を叩き落し、返す勢いで剣先を景正の眼前に据えた。
「どうした、平蔵。大会まで日は少ないんだぞ。もっとしゃんとしろ」
夏と冬に、六波羅では郎党を集めて武術大会が行なわれる。
この大会は優勝者に褒美が与えられるため、参加者が非常に多い。
去年のごたごたのせいで大会に参加できなかった業盛にとって、
自分の存在を家中に示すのに絶好の機会という訳である。
静かな闘志を燃やす業盛とは対照的に、景正はぐったりとしていてまるでやる気が感じられない。
それどころか、じろりと業盛を睨み付けた。
「ここのところ、因幡が寝かせてくれないんですよ」
「それは幸せな悩みだな。俺も分けてもらいたいぐらいだ」
「……過ぎてしまった事はどうしようもありません。私も男ですから責任は取ります。
……ですが刑三郎様、あなたは私の話を聞いていたのですか！？」
「あぁ、聞いたさ。しょうもない事でぐだぐだ悩んでいた阿呆の戯言をな。
背中を押してやったんだからありがたく思いな」
「あのですね、そもそも私が芝居をしたのは……」
「まぁまぁ、二人共静まって」
口論に発展しそうになった二人の間に、一人の男が割って入った。
服部弥太郎正連（まさつら）。ここ最近知り合った郎党仲間である。
歳は十六。背は業盛より一寸低く、面長に糸目が特徴的な人物である。
飄々としたしゃべり方から胡散臭さを感じはするが、
至って誠実な人物である、と業盛は心評している。
「刑兄は、因幡さんと源蔵さんの事を思ってやったのですから悪意はありません。
それに、源蔵さんもせっかく結ばれたのですから愚痴らない。因幡さんに聞かれたら大変ですよ」
「……分かったよ」
「分かってもらえれば……あっ……」
正連が間の抜けた声を出した。正連の視線の先を見つめた業盛も、
その原因に気付き声を出した。
「二人共、一体どうし……『源蔵様ぁ！』うぉ！」
因幡が景正に抱き着いた。
「こんな所にいたのですか。昼食の用意が出来ましたので、早く来てください」
「因幡、汚いから離れなさい」
「源蔵様に汚いものなどありません。んぁ……、源蔵様の汗の匂い……」
「嗅ぐな！っ……首筋を舐める……って、ちょ、待て！そこは止め……」
「源蔵様、源蔵様、げんぞうさまぁ……」
時も場合も場所も弁えず、因幡が景正にべた付いている。
それもおそらくは愛がなせる業なのだろうが、少々目障りであった。
「弥太、少し散歩に付き合ってくれ」
「……いいですよ」
業盛と正連は、さっさとその場を立ち去った。 


290 ：変歴伝　第二話『隣の花』 ◆AW8HpW0FVA：2011/11/01(火) 19:12:48 ID:DDgKlF9I
大会当日、張り詰める空気の中、これ以上もないほど、業盛は気合が入っていた。
なにせ、大会の優勝者に与えられる褒美が領地だと知ったからだ。
なんでも、その領地の前任者には子も親戚もおらず、流行り病で亡くなってしまった。
本来ならばすぐに後任の者を送るのだが、ちょうど武術大会が近いのだから、
いっその事、優勝者を後任にするのはどうか、という提案をする者がいて、
皆がその話に乗った結果、今回の褒美が実現したという訳であるらしい。
狭小で、兵の動員数も期待できないため魅力に欠けるものの、
領地のない業盛にとって、それは喉から手が出るほどほしいものだった。
功名心と物欲が絡んだ業盛は恐ろしく強い。今回も、それが大いに発揮された。
業盛と対峙する者は、放たれる殺気に手も足も出せず、
例えその殺気に耐えた者がいたとしても、刀を振る前に業盛の一撃に沈んだ。
業盛の斬撃は目視も敵わず、気付いた時には褥の上という凄まじいものである。
このため、誰一人として業盛の快進撃を止める事の出来る者はおらず、
途中で顔色の悪い景正を一蹴し、正連を気絶させ、遂に優勝してしまった。
こうして、なんの盛り上がりもなく武術大会は終了した。

大会翌日、業盛は呼び出され、領地授与の儀が行なわれた。
取り仕切ったのは清盛の嫡男重盛である。重盛の家中での評判は頗る良い。
文武両道にして、優れた孝徳を併せ持つ、次代を嘱望される逸材である。
それほどの人物に褒め称えられているというのに、業盛の表情は暗かった。
式典も終わり、立ち上がろうとした業盛に、重盛が歩み寄った。
「業盛、君の活躍には大いに期待しているよ」
「はい」
「分かっているとは思うが、領主は常に民の鏡でなければならない。
放逸を行ない続ければ民に棄てられる。その事を忘れぬように」
「……肝に銘じます」
ゆっくりと立ち上がった業盛は、深く頭を下げ、そそくさと立ち去った。
そんな業盛を、重盛は掴みどころのない笑みで見送った。     </description>
    <dc:date>2012-02-05T21:24:35+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2472.html">
    <title>ぽけもん　黒　　28話</title>
    <link>http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2472.html</link>
    <description>
      890 ：ぽけもん　黒　　28話 ◆wzYAo8XQT.：2012/01/30(月) 23:46:50 ID:XiaE8fNk
　熱波と圧力、音と光、そして砕かれ、巻き上げられた備品が閉鎖された空間に溢れる。
　その濁流の真っ只中に僕たちは投げ込まれた。
　まず光と音、それに圧力が到達し、ついで熱波が僕を襲った。
　咄嗟に蔦で全身を覆われ、強く抱き寄せられる。
　しかし蔦は僕の全身を覆うには足らず、むき出しの部分に破片が次々と突き刺さる。
　その暴力の濁流はフロア全体のガラスを突き破り、一気に外部に噴き出していく。
　一瞬の爆発が、何分も続いているかのように長く感じられる。
　光と音で目と耳をやられたせいで、感覚が狂ってしまったのだろうか。
　そんな濁流は、唐突に始まったのと同じように唐突に勢いを失い、終わった。

「ううっ……」
　目がかすむ。耳が痛い。見えるのは灰色の景色のみ、聞こえるのは強烈な耳鳴りのみだ。
　やられた。
　窮地に追い込まれたからと言って、まさか自分から自爆するなんて。
　信じられない。
　僕はロケット団というものを甘く見ていた。
　助かる道があるのに、任務のためにこうもたやすく自らの命を投げ出すなんて。
　そして皆はどうなったんだ。
「み、みんなー」
　自分の声すら変に聞こえる。耳がおかしくなってるんだから当然といえば当然だけど。
　爆発から距離があり、香草さんに守られた僕ですらこうなんだ、向こうの三人は……
　立ち上がろうとして、手をついた瞬間、手に激痛が走る。
　目を凝らしてみると、手にも数個の小さな瓦礫が突き刺さっていた。
　血も大分出ているみたいだ。
　こうして視認すると、今までしびれるようだっただけの手に酷い痛みが走る。
　この分だと、同様にしびれるようである足も、無事ではないだろう。
　目の中に血が入ってきた。
　上体を起こしたことで、血が流れてきたらしい。
　ということは、頭部からも出血しているのか。
　頭の痺れはてっきり目と耳がやられたせいだと思っていたのに。
　どうやら僕も大分重症らしい。
　意識があるのが幸いだ。
　今敵に襲われたらおしまいだけど、すぐに襲ってこないところを見ると、どうやら敵も無事ではないらしい。
　本当に助かる。
「香草さん、どこ」
　とりあえず近くにいるはずの香草さんに呼びかける。
　一刻も早く体勢を立て直さないと。敵もいつまで動けないか分からないし。
　僕の呼びかけからほとんど間を置かず、かすかに高い声が聞こえた気がした。
　香草さん……？
　耳鳴りのせいでまともに聞き取れない。
　突然、首筋に生暖かいものが触れた。
「ひいぃ！」
　状況が状況だけに、情けない叫び声を上げてしまった。
　咄嗟に振り払い、触れてきた何かの方を向く。
　霞む視界に、ぼんやりと何かの塊が見える。
　敵か、それとも味方か？
「…………ぉ……し……よ」
　言葉は途切れ途切れにしか聞こえないけれど、この声は多分香草さんだ。
「よかった、無事だったんだね！」
　無事かどうかは分からないけど、つい反射的にこういってしまった。
　すがるように近づいてきたその塊を、そのまま抱きとめる。
「ありがとう、僕は無事だよ」
　彼女を安心させるように僕は彼女にそう呼びかける。
　そのとき、唐突に腹部に猛烈な熱さを感じた。
　同時に足の力が抜け、立っていられなくなる。
「ゴールドォー!!」
　背後から叫びが聞こえてきた。
　例え耳がおかしくなっていたって分かる。これは香草さんの声だ。
　じゃあ目の前のこいつは……
　目の前の何かの輪郭が歪み、すぐにそれは別の形をとる。
「おま、え、は……」
「うふふ、ばぁーか」
　こいつは、ハシブトだ！
　僕の腹部には、彼女の鍵爪が深々と突き刺さっている。
　騙まし討ち……糞っ！　やられた！
　普段なら騙されることはなかっただろうけど、目と耳が霞んでいたのと、香草さんが心配だったのですっかり油断していた。
　足の力が抜け、僕はいまや彼女の鍵爪で無理やり立たされていた。
「あ……が……」
　痛みで思わず呻く。
「さーてお嬢ちゃん、この子の命が惜しかったら……」 


891 ：ぽけもん　黒　　28話 ◆wzYAo8XQT.：2012/01/30(月) 23:47:16 ID:XiaE8fNk
　彼女がそう言いかけた時。
　何かが僕と彼女の間に現れた。
　彼女はそれを避けるように咄嗟に回避したが、間に合わず、当たった腹部から血が弾けた。
　その直後、空気を切り裂くような音が聞こえた。
　ハシブトが再び姿を消したせいで、支えを失った僕はそのまま地面に倒れこむ。地面の感覚がおかしい。いや、おかしくなってるのは僕の感覚のほうか。
　動かない体で、何とか首だけ動かして視界を何かが来たほうに向ける。
　僕の視界の先にあるそれは、随分と赤くそまっているけど、それは……
「ち、こ……？」
　それは香草さんに見えた。
　彼女の手から伸びた蔦が、こちらに伸びているのも見える。
　じゃあさっきの一撃は彼女が？
　僕は信じられない思いだった。
　だって、さっきの一撃は……
「許さない……」
　さっきの一撃は、攻撃が見えた後に、音が聞こえた。
「私のゴールドを傷つけた……」
　満身創痍なはずの彼女の放った一撃は、つまり……
「私のゴールドを！」
　つまり、音の速さを超えていたことになる。
　彼女は咆哮とともに、周囲の全てをなぎ払った。
　金属製の机がまるでベニヤ板でできているかのように千切れ、部屋に跳ねる。
　僕はポケットに手をいれ、震える手で何とか止血剤を掴むと、傷口にかけた。
「うぐっ……」
　肉が焼けるような音とともに酷い痛みが僕を襲う。
　これなら放置していたほうがマシと思える痛みだ。
　しかし腹部の傷は浅くは無い。放置していたら出血で死んでしまうだろう。
　その間も、僕の上では酷い勢いで蔦が荒れ狂っている。
　衝撃波だけで人が殺せそうな迫力がある。
　視界が不明瞭だから香草さんの表情は伺い知れないけど、間違いなく彼女は正気じゃない。
　僕がやられて激昂しているのか。
「チコ……！　やめろ……」
　ちょっと大きな声を出すとすぐ腹部に響く。
　ただこれだけの言葉を吐き出すのに、酷い苦痛が伴った。
「……ゴー、ルド？　無事なの？　ゴールド!?」
　僕の言葉で案外あっさりと正気に返った香草さんがこちらに駆け寄ってくる。
「よかった、私、ゴールドが刺されたのを見たら、頭が真っ白になっちゃって……」
　僕の隣に蹲り、泣きじゃくる彼女の頬に手を伸ばす。
　近くで見ると、そこらじゅうボロボロになっているのが分かる。酷い怪我だ。思わず目を背けたくなる。
　だけど、今の僕にはそんなことはできない。
　そして、僕はそんな彼女に、彼女を労わる言葉より、彼女を鼓舞する言葉をかけなければならない。
「香草さん、僕は大丈夫だから、それより気をつけて」
「大丈夫、私、絶対に負けないから。ゴールドを守ってみせる」
　はは、頼もしいな。
　騙し討ちにまんまと引っかかって重体の僕と、僕の命を救ってくれた彼女。
　まったく、本当に僕は頼りない上に情けない。
　自虐もほどほどにしないとな。腹部はまだ酷く痛むけど、止血剤のおかげで血も止まったし、それに、傷も思ったより深くなさそうだ。あの爆発のダメージが相手にもあったんだろう。
　こうしている間に攻撃してこないってことは、おそらく先ほどの香草さんの一撃が思いのほか効いたか、それとも、その後の暴走で大怪我を負ったか。
　それなら、こちらに勝機が見える。
　後はやどりさんたちはどうなっているのか。
　僕たちよりはるかに爆心地に近いから、まともに食らっていれば大怪我は免れないだろう。

　あたりに立ち込めていた埃も晴れてきて、大分向こうの様子が見えるようになってきた。
　よく見えないけれど、三人とも立っている。無事みたいだ。
　黒い影がちらついていることから、ハシブトと応戦しているのだろう。
　そうか、こっちが手がつけられそうに無いからまず向こうを落としに行ったのか。
　しかもよく見えないけど、三人ともそれほどの怪我を負っているようには見えない。どういうことだ？
　もしかして、やどりさんがサイコキネシスで衝撃波と瓦礫のほとんどを相殺したのか。
　さすがやどりさん。
　でも、衝撃波を殺せても、音と光は防げない。
　視覚と聴覚へのダメージはこちら以上だろう。
　手放しで安心はできなさそうとはいえ、それでも一安心だ。
　彼らの元に向かおうと、体を起こそうとするが、腕に力が入らなくて出来なかった。
　彼らの無事を確かめたら、気が抜けたのだろうか。 


892 ：ぽけもん　黒　　28話 ◆wzYAo8XQT.：2012/01/30(月) 23:47:45 ID:XiaE8fNk
「チコ、僕は大丈夫だから……、彼らを助けてきてよ……」
　気が抜けたせいか、大きな声を出すわけでもないのに、喋るのが億劫だ。体が重い。少し休みたい。
　ランは自分を守ることはできるけど、味方に被害を出さずに相手を倒すのは難しい。
　やどりさんは超能力が通じない以上、決定力に乏しい。
　なら、相性はあまりよくないとはいえ、香草さんが一番の適任のはずだ。
　現に先ほど大きなダメージを与えている。
「だめよ！　私はゴールドの傍にいる！　絶対離れたりしないんだから！」
　香草さんは僕の言うことを聞こうとしない。
　そういえば香草さんは、最初会ったときから、僕の話を聞いてくれなかったっけな。
　起き上がろうともがくことに疲れて、僕は手を降ろす。
　彼女は慌ててその手を抱きとめ、自分の胸に寄せた。
「嫌っ！　ゴールド！　ゴールド！」
　どうしたの香草さん、そんなに慌てて。僕は大丈夫だよ。
　そう言おうと思ったけど、口を動かすのが酷く億劫だったから、目を瞑りそのまま休むことにした。
「いやぁぁぁ!!　ゴールドォォォォォ！」
　香草さんが絶叫し、僕にすがり付いてくるのが分かる。
　そんなに慌てなくても大丈夫だよ。ただちょっと一休みするだけだから……
　しかし香草さんにこう縋られてはそれも叶わない。
　その旨を告げようと、何とか力を振り絞って目を開くと、香草さんは僕の頭を抱えて粛々と泣いていた。いつの間に頭を持ち上げられたんだろう。気づかなかった。
「いや、ゴールド、こんなの絶対にいや。絶対にゴールドを死なせたりしないんだから」
　彼女はそう言って、僕の頭を強く抱える。
　苦しい。
　目の前が塞がれて、真っ暗になるはずなのに、なぜか視界が薄明るい。
　怪訝に思っていると、どんどんその光は強くなってきた。
　何だ？　香草さんが光を放っている？　いや、周囲から光を吸収しているのか？
　草ポケモンの中には、光を吸収して急速に自らのエネルギーにできる者がいる。
　香草さんもその能力があったのか。
　ぼんやりとそんなことを思っていると、気づけば、その光は香草さんだけではなく僕にも伝わっていることに気づいた。
　同時に、内部から力が湧き、全身の感覚が戻ってくる。
　激痛、そして恐怖で全身から汗が噴き出した。
　さっきまで、僕はいったい何を考えていたんだ!?
　先ほどまでの症状は明らかに失血による意識の喪失一歩手前だったじゃないか!!　どう考えても休んでいい状況じゃないだろ！
　危なかった、危うく死ぬところだった。どうやら正常な判断力を失っていたようだ。
　体力が回復したおかげで、少し正気が帰ってきた。
　そのまま光に包まれていると、傷の痛みも若干引き、大分マシになってきた。
　それにしても、この光は何なんだ？
　光を吸収して回復することができても、それで回復するのは香草さんだけのはずなのに。
　おかげで僕は死なずに死んだのだけれど、わけが分からない。
　考えているうちに、香草さんと僕の発光は序々に弱まり、おさまった。
　体を起こし、香草さんの腕の中から抜け出す。
「ありがとう香草さん、助かったよ」
「ゴールド!?　大丈夫なの？」
「うん、香草さんのおかげだよ。本当にありがとう」
　僕がそういうと、香草さんは泣きながら飛びついてきた。
「ごーるどぉ！　よかった！　本当によかったよぅ」
　声はすっかり涙で滲んでいる。
　回復してもらったとはいえ、衝撃が加わると大分傷が痛むのだけれど、何とか受け止めた。
　泣きじゃくる彼女を抱きとめ、背中を撫でる。
　しかしここは戦場だ。
　そんな隙だらけの人間を放置するほど甘くは無い。
　すぐに空間が揺らぎ、そこにハシブトが現れた。
　僕は香草さんごと攻撃を避ける。
　敵は随分と消耗しているのか、香草さんを抱きかかえながらでも攻撃は何とか回避できた。
　香草さんもすぐに攻撃されたことに気づいたらしい。
「あんたのせいでゴールドが大怪我しちゃったじゃない……！　アンタは絶対に許さない……！」
　僕に見せる表情とは180度変わった表情となり、ハシブトに向けて蔦を振りかざす。
　回避するハシブトを追って、そのまま攻める。
　一方僕は飛んできたナイフを身をよじって回避した。
「おいガキ、さっきのはいったい何だ」
　僕に向かってナイフを投げた男が、僕にそう問いかける。 


893 ：ぽけもん　黒　　28話 ◆wzYAo8XQT.：2012/01/30(月) 23:48:11 ID:XiaE8fNk
　爆発の後、姿が見えなかったけど、不意打ちでも狙っていたのだろうか。
　つくづく汚い奴だ。
　それにしても、さっきのがいったい何だなんて、聞きたいのは僕の方だ。
　回復中なんて一番無防備なときに攻撃されなかったと思ったら、この人たちも僕たちが突然光りだしたことの理由が分からず、警戒していたからだったのか。
　もちろん、僕はその質問の答えを知らないし、答える気も無い。
「ロケット団員ってのは最低な人間だな。劣勢だからって部下に自爆させるなんて」
　だから僕は憎まれ口を叩いてやる。
「質問に答えろ小僧。それに、あれは俺が指示したわけじゃない。自分から勝手にやったことだ」
「自分から勝手にやったことだって！　それがお前のために死んでいった部下に言うことか!!」
「黙れ！　お前に何が分かる！」
「何も分からなくたって、お前が最低な奴ってことは分かるさ！」
「これだからガキは嫌なんだ」
　そういう男の背後にハシブトが現れ、二人そろって姿を消した。　また不意打ち狙いか？
　しかしまだ爆発の衝撃から立ち直っていない僕たちに時間を与えるようなことは、あまり上策とはいえない。
「チコ、向こうと合流しよう。わざわざ敵に合わせて一対一でやることもない」
　僕は香草さんに駆け寄ると、そのまま向こうの三人に向かって駆け出した。
　するとその三人のところに、男とハシブトと、そして何かの塊が現れる。
　その塊を残し、二人はすぐに消え、やどりさんたちの攻撃を回避する。
　そういえば、あの大爆発以来、ガドータの姿が見えなかった。
　彼女が一番爆心地に近かったから、てっきりその衝撃でバラバラになったものだと思っていたのだけど……
「みんな、逃げ――」
　僕がその意図に気づき、叫び終わる前には、僕は香草さんの蔦によって香草さんに引き寄せられ、彼女に抱えられるようにして地面に伏せさせられていた。
　瞬時に蔦で周囲の瓦礫を集めて壁が作られ、さらに物理攻撃のダメージを半減させる半透明の壁が展開する。
　その即席の防壁は、すぐに大爆発によって消し飛ばされた。
　なんてことを。
　奴ら、瀕死の味方を爆弾として利用しやがった！
　再び、構内に閃光と大音響、そして暴風と熱波が駆け巡る。
　何をやるか分かっていたから、僕たちにはダメージは低かったけど、目の前で爆発されたあの三人は。
「シルバー!!」
　思わず、叫びが喉を突いて出た。
　壁が消え、目の前にはただただ黒煙が広がる。
「ゴールド、落ち着いて！　今動くのは危険よ！」
　香草さんはそう言って僕を抱きとめるけど、頭で分かっていても、とてもじゃないがじっとしてなんていられなかった。
「やどりさん！　ラン！」
　僕の叫び声は空虚に崩壊した構内に響く。
　その時不意に、悪寒を感じて振り向いた。
　ハシブトの鍵爪が、今まさに香草さんの頭に振り下ろされるところだった。
「危ない！」
　地面を蹴っ飛ばし、香草さんごと後ろに倒れこむ。
　それを追うように、事態に気づいた香草さんが無数の蔦をハシブトに伸ばす。
　しかし再びハシブトは煙に溶けるように姿をくらまし、蔦から逃れる。
　クソッ！　爆発がただそれだけで終わるわけが無いじゃないか！
　どうしても動揺してしまい、彼らから注意が逸れてしまった。
　どうして僕はこう馬鹿なんだ！
「いやああああああ!!　シルバァアアアアアアア!!」
　今度は何だ！
　自己嫌悪に駆られている僕の耳に、誰かの絶叫が突き刺さる。
　いや、こんな叫びを上げる人間なんてこの場にはひとりしかいない。
　周囲に警戒しつつ、焼けた瓦礫を踏みながら急いでその声の場所に近寄ると、そこには何かの上に倒れるようにしてむせび泣くランの姿があった。
　煤と怪我で全身が汚れていて、さらに涙やらなにやらで彼女は酷い有様だった。
　まさか。
　僕は浮かぶ疑念、いや、確信を必死に打ち消しながら、彼女が覆いかぶさっている何か、に近づく。
　真っ黒に焦げたそれは、おおよそ生き物とは思えなかった。
　だが、それは……
「し、シルバー……？」
　見る影もなく変貌したそれは……
「……よ、よう……ゴールド……」
　掠れて、普段のものとは程遠いその声は、やはりシルバーのものであった。 


894 ：ぽけもん　黒　　28話 ◆wzYAo8XQT.：2012/01/30(月) 23:48:32 ID:XiaE8fNk
　声も出ない。
　重度の火傷に加え、全身にいくつも瓦礫が突き刺さっていて、さらに手足の一部は明らかにちぎれてなくなっていた。
　誰が見ても一目で分かる。
　もうシルバーは助からない。
　今生きて意識があるのが不思議なくらいだ。
　ここがポケモンセンターだったら助かる可能性もあったかもしれないが、いくらポケモンセンターだって死者を蘇らすことなどできはしない。
「シルバー！　死ぬな！」
　でも、僕はシルバーにそう言わずにはいられなかった。
　ロケット団に人生を蹂躙され、ランにまっとうな生活を奪われ。
　このまま死ぬんなら、何のために生まれてきたか分からないじゃないか！「……怒鳴るなよ、うるせえな……死なねえよ……」
　口の端には血の泡が溢れている。
　彼の減らず口が今だけは頼もしくて泣けてきた。
「どうなったんだ……？　暗くて、何も見えねえ……」
　確かに視界は悪いけど、何も見えないというほどではない。
　もう目も見えていないのだろう。
「泣いているのは、ランか？　泣くなよ……」
　シルバーはそう言ってランの頭に手を載せた。
「ゴールド……覚悟しておけよ……」
　いつにない、神妙な口調。やめろよ。やめてくれ。
「覚悟って何を」
　僕の声も、震えていた。
「お前も……俺と同じ、運命に……」
　シルバーの目はもう僕を見てはいない。
　意識が錯乱しているのか？
「糞みてえな、人生だったが……それでも……」
「シルバー！　もう喋るな！」
「ラン、最後だから、言ってやるよ……」
「シルバァアアアアアア！　いやぁあああああああ!!」
「ラン……好きだ……ずっと……お前に逢えて……よかった……」
　彼はランを抱くように動いたが、しかしランを抱くことなく、動きを止め、肢体を投げ出した。
　そしてそれを最後に、動かなくなった。
「じょ、冗談だろ？　なあシルバー？」
　分かっている。
　コイツは食えない奴だけど、こんな状況でふざける様な奴じゃない。
　でも信じられない。
　殺しても死なないような奴じゃないか。
　それが、こんなあっけなく……
「ゴールド、しっかりして！　このままじゃ……」
　ハシブトと戦っている香草さんも、僕達を守ったまま戦うのは辛そうだ。
　確かに、今は感傷に浸っていられるような状況じゃない。僕は混乱した意識を無理やり戦闘に集中させる。
　黒煙が粗方晴れたお陰で辺りが見えるようになってきた。
　そのため、煤で汚れているものの、床に倒れているやどりさんを見つけることが出来た。
「やどりさん、しっかり！」
　瓦礫に半分埋まったやどりさんを何とか掘り起こす。
「う、うーん……」
　よかった、気絶していただけみたいだ。
　気ぐるみと超能力で身を守れる分、彼女の怪我は軽かったようだ。だけど今回は一回目と違いランやシルバーを守る余裕が無かったのか。
「はやくチコさんの傍に！」
　未だ意識が朦朧としているやどりさんには酷だろうけど、今は落ち着くまで待ってもらう猶予もない。
「ランも早く！」
　ランの方を見ると、彼女は炎に包まれていた。
　それも異常な熱を持っている。
　一目で正常じゃないと分かる。
　彼女のショックは僕の非ではないはずだ。
　どんな暴挙に出てもおかしくはない。
　まず真っ先にそのことを考えるべきだったのに。
　冷静に行動したつもりだったけど、内心ではすっかり動揺しきっているみたいだ。
「ラ、ラン！」
　どうしよう、なんて言葉をかければいいんだ。
　どんな言葉をかけたって、今の彼女を何とかすることなんて……
　ちくしょう、シルバー！　お前だけなんだ！　お前だけしかランをどうにかできる人間はいないってのに!!
　僕が手をこまねいている間にも、彼女から放たれる熱量がどんどん上がっている。
　もはや近づくことも不可能だ。
「隙だらけよ！　ってあっつい!!」
　ランを狙ったハシブトも返り討ちに会った。
　彼女はこれで安全かもしれないが、このままではこっちがたまらない。
「ラン！　落ち着いて！」
　言うに事欠いて落ち着いてとは、自分でもどうかと思う。
　一層熱量が上がった。
　ぎゃ、逆効果か!?
「ゴールド、ふざけてる場合じゃないわよ！　このままじゃ、このビルが保たないわよ!!」
　ふ、ふざけてなんかいない！
　シルバーの体はすでに火に包まれ、パチパチと爆ぜている。
　もしかして、これは火葬のつもりなんだろうか。それこそ、そんな場合ではない。 


895 ：ぽけもん　黒　　28話 ◆wzYAo8XQT.：2012/01/30(月) 23:48:51 ID:XiaE8fNk
「ラーン！　話を聞いてくれー！」
　業火の中にある彼女は、強い口調で答える。
「煩い！　アンタと関わらなければ！　アンタがいなければシルバーは！」　まるで僕のせいでシルバーが死んだと言わんばかりだ。
「最初からこれでよかったのに！　あたしはシルバーがいればそれでよかったのに！」
　さらに熱量が高まり、その一部が熱波となってこちらに押し寄せる。
「アンタさえいなければ!!　アンタが、アンタが死ねばよかったのよぉー!!」
「ゴールド！　逃げるわよ！」
　ランの絶叫と共に、猛烈な熱風が押し寄せてくる。
　香草さんは咄嗟に僕を蔦で取り上げ、そこから逃げ出す。
　僕は反射的にやどりさんの襟首を掴んだ。
　意識を取り戻したやどりさんが水の膜を張る。
　同時に、水を噴射して僕達を加速させた。
　先ほどの爆発から逃れ、燃え残っていた可燃物が片っ端から燃えていく。
　馬鹿げた熱波だ。
　熱の濁流が、狂ったように空間を飲み込んでいく。
　隔壁の手前まで逃れ、何とかまともに熱波に晒されることを避けることが出来た。
　しかしそれでもランから大した熱が損なわれた様子は無い。
　あれだけの熱を放出していながら、彼女は未だ煌々と輝いていた。
　限界が見えない。ここも安全とは言えない。
「やどりさん、チコさん、僕達が通れる大きさでいい！　隔壁をぶち抜いて！　は、早く！」
　その声は、思いのほか震えていた。
　ランに対する恐怖も無いとは言えない。
　でもそれより、彼女に死ねと言われたことがショックだったのだ。
　彼女は、本当にシルバーのことしか見えていなかったんだな。
　僕なんて、ただの他人、いや、むしろ彼らの間に割り込む敵。
　そのように思われていたんだな。
　僕だけだったのか。
　昔の、あの三人で過ごした日々を、大切に思っていたのは。
　生命の危機に、何を寝ぼけたこと言っているんだと思われるかもしれない。
　この旅に出てからの、度重なる恐怖と命の危機で、僕の危機意識はすっかりおかしくなってしまったみたいだ。
　そもそも、こんな自分の命を自分で危険に晒すような計画に参加してしまった時点で、僕はもうどうかしていたのかもしれない。
　シルバーを失い、ランから罵倒され。
　確かに、彼女の言うとおり、僕は最初から関わるべきじゃなかったのかもしれない。
「ゴールド！　開いたわよ！」
　彼女の方を見ると、分厚い隔壁を貫いて、ギリギリ人一人通れそうな穴が開いていた。
　この短期間でよくやったものだ。
「チコさんから通って！」
「いいえ、ゴールドから！」
「いいから！　早く通って！　隔壁の向こうの安全を確保するんだ！」
　僕はそう言って彼女を先に通らせる。
　隔壁の向こうに敵がいるだなんて思っちゃいない。
　今この場にいるまともな戦力は香草さんだけだ。
　だから彼女の安全を真っ先に確保しなければならない。
　今僕達に揉めている猶予は無い。
　それは彼女もよく分かっているのだろう。
　普段なら食い下がるところだけど、彼女は僕を何か言いたげに一瞬見たものの、すぐに隔壁の向こうに潜った。
　ランを一瞥する。
　白々した火柱に彼女は包まれていた。
　とてもじゃないが話なんて出来る状況ではない。
　頭を伏せ、隔壁を潜った。
　上体を向こうに出したところで、香草さんによって引っ張られる。
「やどりさんも早く！」
　隔壁を抜けると、僕はすぐに向こう側に手を伸ばした。
　ボロボロになった着ぐるみの、ゴワゴワとした感触が手に返ってくる。
　そのまま彼女を引っ張るが、途中で動かなくなった。
「どうしたんだやどりさん!?　まさか、ロケット団に掴まれて……」
「違う……き、きぐるみが、ひっかかって……」
　彼女はこんな事態にも関わらず、恥ずかしげにそう答える。
「着ぐるみなんて脱げばいいだろ！」
　一刻も早くここを通り抜けないと、いつロケット団から背中を狙われるか分からないってのに！
　彼らが姿を消しているのは機をうかがっているのか、それともさっきの熱波にやられて、まともに動けないのか。
　後者であって欲しいけど、後者だということを想定して行動することはありえない。
「で、でも……」
「いいから、早く！」
　僕は彼女の手を持ち、無理やり引っ張る。
　着ぐるみの腕のところとそこから上の部分は、余程脆くなっていたようで、あっさりと千切れた。
　そういえば、この着ぐるみも今まで散々痛めつけられてきたもんな。
　そしてそこが切れたことで、ずるりとその中身であるやどりさんが出てきた。
　当然全裸である。 


896 ：ぽけもん　黒　　28話 ◆wzYAo8XQT.：2012/01/30(月) 23:49:12 ID:XiaE8fNk
「……っ」
「……な、あ、あっ！」
　両者の反応は予想通りであるので、僕はすでにそっぽを向いて、何も見ていないことをアピールする。
　そもそも二人ともそんな場合じゃないだろうに。
　上着を脱いで、やどりさんに差し出してやる。
「とりあえず、これ着て！　そしたらすぐにその穴塞いで！」
　ロケット団の二人、窓を破って入ってくることも考えられなくも無いけど、これだけの大騒動になると、この周囲に警戒が集まっているはず。
　つまり外にでればその瞬間、下手したら集中砲火を浴びせられることになる。
　さらにあの二人は大分消耗しているはず。
　窓の強化ガラスを破るのにも苦労するはずだ。
　ランの熱波を避けるためにも、彼らの追撃をかわすためにも、まずはこの穴を塞ぐべきだ。
　ちょうど計ったように穴から炎が噴き出し、僕達を焦がす。
　一触即発であった香草さんとやどりさんもこのことで頭が冷えたらしい。
　二人して急いで穴を塞いでいく。
　そのとき僕は気づいてしまった。
　僕の上着は度重なるダメージを受けてボロボロになっており、やどりさんの大事な部分がまったく隠れていないことを。
　普段なら嬉しいんだけど血の気が引いていく。もしこれに香草さんが気づいたら。
　彼女も必死だったのか、幸いにも香草さんはそのことに気づくことなく、穴を塞ぎ終わった。
　同時に、地響きがし、建物が大きく揺れた。
　隔壁ごしでも熱が伝わってくる。
　他の場所での戦いはどうなったんだろう。
　通信機器が壊れている今、僕にそれを知る術はない。
「もう少し離れよう、ここじゃ危険だ」
　隔壁を警戒しておきたいんだけど、それよりも僕達の安全が優先だ。
　建物が何だか傾いてきている気がする。
　もしかして、この建物はもう保たないのかもしれない。
　結局、ロケット団から人々を守ることは出来たものの、ラジオ塔を守ることは無理そうだ。
　僕達が隔壁から大きく離れたころ、ひときわ大きな爆発が起こり、隔壁が吹っ飛んだ。
「ぐうう！」
　やどりさんが超能力で器用に僕達に飛んでくる大きな瓦礫を逸らし、力を壁のようにして小さな破片からも僕達を守る。
　香草さんも光の壁とリフレクターを発動し、ダメージを低減した。
　先ほどまで僕達がいたところは見事に吹き飛んで、跡形もなくなっていた。
　隔壁があった場所の向こうには、ちょうど円の形をしたクレーターが出来ていた。
　すべてが赤熱し、何もかもが赤く融け、まるで溶岩でも噴き出したかのようになっている。
　これを、ランがやったのか。
　肝心のランも、影も形も無い。
　これほどの熱を発したんだ。おそらく彼女も……
「ラン……シルバー……」
　駄目だ、ここにいても熱で肌が焼かれる。
　僕は瓦礫の影に屈みこんだ。
　く……どうして、どうしてこんなことに……
　ロケット団を撲滅し、大勢の人を救おうとした結果がこれだ。
　僕達は、一体何のために……
「ゴールド、危ない！」
　その言葉を聞くか聞かないかのところで、体が勝手に浮き上がり、後方に吹っ飛ばされた。
　その直後、僕のいたところに小規模の爆発が起こる。
　そこには黒い塊が突き刺さっていた。
　これは、ハシブトの不意打ち？
　そんな、まさか！
　そこには、血まみれでボロボロのハシブトと、ロケット団の男が立っていた。
　顔面も含め、いたるところに酷い火傷が見られる。
　しかもハシブトの腹部には、大きな瓦礫が突き刺さっていた。
　生きていたなんて！　どうやって逃げ延びたんだ!?
　とはいえ、相手は満身創痍。もう勝負は付いている。
「お前ら……もう諦めろよ……」
　こいつらのせいで、シルバーは死んだ。
　それなのに、不思議と彼らに対して強い怒りは沸かなかった。
　あるのはただただやるせなさだ。
　復讐という形ですら、もうこいつらと関わりたくない。
　香草さんが両手から蔦を伸ばし、ハシブトと男を拘束した。
「俺バァ！　成功ズル！　成功ジデ、ノシ上がッデ、ゴノ国を変エデヤルんダァ!!」
　口から血の泡を飛ばしながら、男がそう怒鳴る。もうその目に正気は無かった。
　男の言葉が、やたら気に障った。
「そんな幼稚な妄想のために、どれだけの人間を犠牲にしたと思っているんだ、お前はぁああああ！」
　僕は体当たりを食らわせ、男を押し倒す。
　咄嗟に、鋭利な瓦礫が目に入った。
　僕はそれを両手で掴むと、思いっきり振りかぶり、男の胸に突き立てた。
　その切っ先は骨に当たり、骨の隙間にずれ込むようにして肉の中にめり込んでいく。
「ぐ、ヌオオオオオオオオ!!」
　それは、酷い断末魔の叫びだった。
　彼の死に顔は、間違いなく僕の見てきた中で一番酷いものといえるだろう。
　大悪党に相応しい、悲惨な末路だ。 


897 ：ぽけもん　黒　　28話 ◆wzYAo8XQT.：2012/01/30(月) 23:49:30 ID:XiaE8fNk
「はぁ、はぁ。はは、ざまあみろ」
　僕はその悲痛に歪んだその死体に、そう吐き捨てた。
　脱力し、瓦礫の山にへたりこむ。
　終わった。これで全て終わったんだ。
　ロケット団の作戦は完全に失敗した。
　肝心のラジオ塔が全壊してしまったんだから、僕達の作戦も成功とは程遠いけど。
　しかし僕の胸に去来するのは達成感でも、勝利の愉悦でもなく、ただ空虚のみだった。
　何も得ることが出来なかった。
　ただ失うだけの戦いだった。
　シルバー。
　この作戦が成功するには、やっぱりお前が生きてなきゃ駄目だったんだよ。
　僕じゃなく、お前が……
　虚しさに支配され、呆けている僕の腹部に、突如強い衝撃が走った。
　腹部にめり込んでいるのは鳥の翼。
　真っ白になる視界に、驚愕している香草さんの顔がうっすらと映る。
　香草さんの前には、確かに縛られたハシブトの下半身があった。
　コイツ、まさか、自分の下半身を引きちぎって!!
　誰もが想像もしていなかった。
　それゆえ、誰も反応することが出来なかった。
　飛行なんていうまともなものじゃなく、ただの勢い任せの突進。
　しかしそれは、それでも僕を壊れた窓の外に投げ出すのに十分な威力だった。
「グギャギャギャギャギャギャギャ!!」
　野太い、狂ったような叫びが、どんどん僕から遠くなっていく。
　僕が落ちているから。
　下は瓦礫。
　助けてくれる人はいない。
　つまり、死ぬ。
　僕は呆然と落ちていった。
　何の感慨も沸かない。
　こういうときには、今までの思い出が走馬灯のように見えるって言うけど、そんなこともない。
　その代わり、世界がスローモーションで見えるってのは本当だったようだ。
　僕が落ちた窓が、酷くゆっくりと遠ざかって行く。
　なんだか酷くあっけない。
　シルバーも、こうだったのかな。
　ランは……そんなことはなさそうだな。
　彼女は最後までシルバーのことだけを想って死んでいったのだろう。
「ごーるどぉおおおおおおお!!」
　誰かの絶叫が、僕の耳に届く。
　ああ、最期だってのに、ちっとも香草さんのことが頭に浮かばなかった僕は、だめな彼氏だな。
　そう思った。
　世界がどんどん加速していき、体に強い衝撃が走った。
「ううっ！」
　痛みで呻くが、あんなに高いところから落ちたにしては随分大したことの無い痛みだ。
　あんまりに強い痛みだから感覚が麻痺してるのかな。
　それに、何だか風を感じる。
　まるで空を飛んでいるみたいだ。
「ごーるどぉ!!」
　大声で呼びかけられた。
　まるですぐ傍から呼びかけられたような……
　目を開けると、僕は本当に空を飛んでいた。
　な、なな、これは!?
「会いたかったです！　ごーるどぉ！」
「ポポ！」
　首を上げて見えたのは、満面の笑みで笑うポポの姿だった。
　僕はちょうど彼女の両足に掴まれている形らしい。
「ポポ、君が助けてくれたんだね！」
　地面に落ちる寸前のところで、彼女に救出されたのか。
「はいです！」
　久しぶりに見るポポは以前と何も変わりなく……いや、以前よりさらに力強く、美しく見えた。
「ポポ、ありがとう」
　今まで張り詰めていた緊張の糸が切れ、僕は意識を失った。     </description>
    <dc:date>2012-01-31T10:46:20+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/280.html">
    <title>ぽけもん　黒</title>
    <link>http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/280.html</link>
    <description>
      -[[ぽけもん　黒　　旅立ちの朝]]
-[[ぽけもん　黒　　鳥と草むら]]
-[[ぽけもん　黒　　ロケット団復活]]
-[[ぽけもん　黒　　吉野町と解氷]]
-[[ぽけもん　黒　　トラウマとライバル]]
-[[ぽけもん　黒　　脅威の怪我人食]]
-[[ぽけもん　黒　　変化と誤解]]
-[[ぽけもん　黒　　覚醒と何も知らぬ僕]]
-[[ぽけもん　黒　　緊張と告白]]
-[[ぽけもん　黒　　長老の頭が一番フラッシュ]]
-[[ぽけもん　黒　　激戦！　桔梗ジム！]]
-[[ぽけもん　黒　　香草さんがフラッシュでした]]
-[[ぽけもん　黒　　変異と成長]]
-[[ぽけもん　黒　　激闘！　檜皮ジム！]]
-[[ぽけもん　黒　　草むらの会敵]]
-[[ぽけもん　黒　　第十六話]]
-[[ぽけもん　黒　　第十七話]]
-[[ぽけもん　黒　　１８話]]
-[[ぽけもん　黒　　19話]]
-[[ぽけもん　黒　20話]]
-[[ぽけもん　黒　　21話]]
-[[ぽけもん　黒　　22話]]
-[[ぽけもん　黒　　23話]]
-[[ぽけもん　黒　　２４話]]
-[[ぽけもん　黒　　２５話]]
-[[ぽけもん　黒　　26話]]
-[[ぽけもん　黒　　27話]]
-[[ぽけもん　黒　　28話]]    </description>
    <dc:date>2012-01-31T10:45:25+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2471.html">
    <title>ヤンデレの娘さん　再会の巻</title>
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      873 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:42:14 ID:6bJj/6Gg
　「俺達は、ほんの少しだけ絆を深めたんだよ」
　なんてクサい台詞をドヤ顔で言った、（ついでに「似合わねー！」「格好付け過ぎ」というブーイングをゼロコンマ1秒で受けた）その日の放課後。
　「よぉ」
　俺と三日は聞き慣れた相手に声をかけられた。
　中性的、というより今となっては凛々しいと表現するべき面立ち。
　中学時代と比べるまでもなく、女性として限りなく理想に近い、しなやかな猫を思わせるプロポーション。
　その全てを台無しにするシニカルな笑み。
　しかし、今この瞬間には、その釣り目に剣呑な表情を湛えた彼女―――天野三九夜（アマノサクヤ）。
　「やー、天野。何か用？」
　俺はいつも通り、片手を挙げて応じる。
　「『何か用』、ね。フン」
　俺の言葉を皮肉っぽく返す天野。
　「まるでオレちゃんを怒らせたことなんて無かったような言い草じゃぁねーか」
　「いや、怒らせた覚えは無いんだけど、なぁ？」
　俺は困惑して、三日と目を見合わせた。
　「オイオイ。オイオイオイ。見た目だけは品行方正なお前がいきなり無断欠席で、そのオチがデートだっつーんだぜ？コレを怒らずにナニを怒れってぇんだよ。なぁ、キロト」
　「キロト言うな、天野（アマノ）ジャクが」
　それは、俺の嫌いな仇名だった。
　いわゆる１つの黒歴史。
　いつも通りを装いながらも、怒りオーラ全開の天野さん。
　「ま、良い機会だ。オレちゃんを怒らせるってのはどーゆーコトか。改めてその身に刻みつけてやりに来てやったぜ。ありがたく思え」
　「……それは」
　危険、では無いだろうか、と言いかけた。
　と、言うのも、俺は一度天野に八つ当たり気味にブチキレられて笑えない目に会っているからだ。
　あまりに笑いごとで無いので、世間的には無かったことになってはいるが。
　「大丈夫だ。オレちゃんが直接手ぇ下すンじゃねーよ。着いてきな」
　そう言って俺を促す天野。
　「いやだ、と言ったら？」
　「もちっと酷い目に会うだけだ。特に、横のちっこいお嬢ちゃんがな」
　そう言って、天野は凶悪な笑みを浮かべた。
　それでは着いて来ない訳にはいかない。 


874 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:42:49 ID:6bJj/6Gg
　「さーあ、着いたぜ」
　連れてこられたのは剣道場だった。
　クラブ活動の無い日なので、中はガランとしており、奇麗に掃除された板張りの床が良く目立つ。
　さらに言えば、１人、防具を身につけて道場の真ん中に立つ学生の姿も。
　恐らくは、１年生だろうか。
　高校生としては小柄な方で、中学生と言われても納得してしまうかもしれない。
　細身ながら、防具の上からも、適度な筋肉が着いていることが伺える。
　面を被っているので断言は出来ないが、恐らくは男子だろう。
　「彼は？」
　「ああ、後で紹介するよ。ま、強いて言うなら剣道部のスーパールーキーなスーパーエースってトコロだ」
　どうでもいいが、『スーパー』ほど二つ並びでこれほど頭の悪く感じる言葉は無いのではなかろうか。
　「それよりもホレ、奥の更衣室でちゃっちゃと着替えて来なよ。胴着は用意してあるからよ」
　と、当たり前のように指差す天野。
　「着替える、って何でさ？」
　「キロト、手前まさか制服でウチのスーパールーキーとやりあう気か？」
　だから、キロト言うな。
　「確かに、制服じゃ動きづらいけどさ･･････」
　「なら良いだろ？嫁さんにはオレが着方教えるから」
　「･･･嫁さん、ですか」
　天野の言葉を顔を赤らめて反芻する三日。
　ヤバい、普通に可愛い。
　「だーから、ちゃっちゃと着替えてきな。どの道、地獄を見るのには変わりないからよ」
　そう言ってわらう天野の顔は、俺の腑抜けた感想を吹き飛ばすには十分すぎるほど凶悪だった。 


875 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:44:22 ID:6bJj/6Gg
　「つーワケで、ヤロウ共。罰ゲームのルールを発表しまーす」
　胴着に着替えた天野が宣言した。
　「罰『ゲーム』なのか？」
　「･･････」
　「うるせーぞ、ヤロウ共」
　ちなみに、防具と竹刀を身に着けてるのは男子のみで、天野と三日は胴着のみ。
　ショートヘアの天野が身に着けた胴着は、彼女の宝塚的な凛々しさを強調させ、黒髪ロングの三日には和装が良く似合うことが再確認される。
　ウン、やっぱり和服には黒髪ロングだよね。
　じゃ、なくて。
　「ルールは何でもあり（バーリトゥード）。とにもかくにも、暴力行為で相手を『参った』と言わせれば勝ち。以上！」
　「負けたら？」
　「オレの言うことを１つ聞いてもらう」
　酷いルールだった。
　「質問は他に無いな。それじゃあ、はじめ！」
　有無を言わさず宣言した天野の声に、俺はためらうことなく――――相手の顔面に向かって脚を跳ね上げた！
　「･･･剣道じゃない!?」
　「言ったろ、バーリトゥードって」
　後ろで三日と天野が話しているが、それに答えるつもりは無い。
　天野が何を考えているのかは知らないが、少なくとも長引かせても仕方が無い。
　不意打ちであろうが掟破りであろうが、速攻で決めさせてもらう！
　しかし、
　「そう上手くはいきゃぁ、オレちゃんを差し置いてエースなんて呼ばれちゃいねーさ」
　天野の言葉通り、俺の蹴りは彼の両手に持った竹刀で受け止められていた。
　「！？」
　「せいや！」
　それでも、少年は俺の蹴りの勢いを殺しきれない―――が、その勢いを逆に利用して鋭い脚払いをかける。
　「うお！？」
　丁度片足立ちになったところに、モロに入る一撃に、俺は板張りの床の上へ無様にたたき付けられる。
　「ハイィ！」
　倒れこんだところに、竹刀が飛び込んでくる。
　避けるか―――いや。
　「うおら！」
　床の上から跳ね起きると同時に、掌打を伸ばす。
　交錯する拳と竹刀。
　俺は竹刀を起きると同時に避け―――相手は拳を頭を逸らして避ける。
　「！？」
　「っしゃぁ！」
　少年は避けると同時に正拳突きを放つ。
　「ク！」
　俺はその鋭い拳をいなすと同時に拳打を打とうとするが、逆に顔面へ裏拳を連打される。
　何が『剣道部の』スーパーエースだ。
　確実に剣道の動きではないだろうが！
　「･･････ゥエイっ！」
　俺が驚愕している間に、相手は身体を沈め、腹部に突き上げるような掌打を見舞う。
　胃の中のものが逆流しそうな感覚。
　『感じても思っても考えても仕方がないものがあるなら―――全て無視してしまえば良い。そしたら、何も無かったのと同じになる』
　瞬間、昔聞いたある言葉が思い出された。
　九重、お前はいつだって正しいな、残酷なまでに。
　俺はその痛みを堪え、否、無視し、体制を立て直すと、彼の掌打を竹刀を抑えようと振るった。
　少年は片手を制されてもひるむことなくもう片方の手に持った竹刀で、俺の鳩尾に鋭い突きを見舞う！
　同時に、封じられた方の手を振りほどいた少年は、俺に向かって反撃の暇も与えることなく、突き上げるような掌打を次々に見舞う。
　190cm代の俺とは身長差があるため、少年の攻撃はどうしても突き上げるような軌道を描かざるを得ない。
　彼自身、俺のような相手との戦いは慣れてもいないだろう。
　しかし、それでも彼が繰り出すのは、一切の無駄のない、鋭くまっすぐな攻撃だった。
　「･･･強い」
　「オレらには負けるがな。まぁ、アイツもガキんちょの頃から剣道やってたらしいしなー」
　「･･･でも、あの動き･･････」
　「あー、アイツ前の部長経由で良い先生を紹介してもらったかんな。その人との稽古で剣道の腕も一気に上がったけど、あーゆーいらないモンも一気に身に着けて帰ってきやがった」
　「･･･誰ですか、そのいらんことしいな先生は」
　「アンタの姉さん」
　背景でずっこける音。 


876 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:46:13 ID:6bJj/6Gg
　「･･･お姉様！？二日お姉様ですか!?私の知らないところで何やったんですかあの人って言うか私聞いてないです!!」
　「あー、あの人も大概にしてシャイだからなぁ。何でも、前部長と一緒に市の体育館レンタルしてこっそりやったとかって聞いてるぜ。オレも詳しくは知らんけど」
　「･･･剣道部に剣道以外のことを教えて、何考えてるんですか･･････」
　とどのつまり、この少年の動きは劣化二日さんということか。
　二日さんの戦いを直接見たことは無いが、少なくとも金持ちの家のSPを倒してしまうほどの腕前だ。
　その弟子だと言うのなら、なるほど確かに強いはずだ。
　俺は素早い掌打を避け様に、その隙をねらい打たんと手足を大きく振るい、勢いのある突きや蹴りを繰り出そうとする。
　しかし、そのことごとくを避けられ、いなされ、同時に瞬時にカウンターを決められる。
　俺は、それに対して思いつく限りの返し技を相手に打ち込もうとする。
　攻防は、いつしかカウンター合戦の組み手のような様相を呈していた。
　「おーおー、立つねぇ立つねぇ頑張るねぇ」
　「･･･千里くん」
　「あのバカが逃げないのは、アンタを守るためかい。･･････いや、違うな」
　半ば１人ごちるように、天野が言う。
　「単に嫁さんを守りたいなら、オレをボコせば良いだけの話だ。それをしないで、こうしてアイツにボコられ痛い思いをしてるのは、オレに対する義理立てのつもりか、謝罪のつもりか･･････。アイツも大概にしてイカれてやがる」
　「･･･見透かした風なことを言うんですね」
　「そうかい？フツーに素直な感想のつもりなンだがな。一応は長らくアンタのダンナさんのダチをやらしてもらってっし。相応にアイツのことは理解しているつもりさ」
　「･･･」
　「アイツは狡い手管を使えない不器用者だよ。だから、荒事に巻き込まれたり、手前も暴力を使わなくちゃいけない場面に巻き込まれ易い」
　「･･･それは、知ってます」
　「だろうな。だから、相応に場慣れしてるし、そこそこ強い。けれども、同時に相手を傷つけたくないって思いも強い」
　まったく、本当に見透かしたことを言う。
　俺はこれみよがしなフックを放つそぶりを見せる。
　それをフェイントに、もっと大振りな踵落しのモーションに入る。
　大きく、重い袴を身に着けているが、それだけに見た目が派手に、威圧的になるはずだ。
　心の方が折れてくれれば、体が軽傷のまま、この三文芝居を終えられる。
　「でも、どーなんだろうねぇ。どーも代わりに自分が身体を張れば、自分が苦労すればそれで良いと思ってるフシがありやがる」
　脚を振り下ろす前に、少年は俺に身体を密着、俺がそれを認識した瞬間にはエルボーを見舞っていた。
　防具の無い所に叩き込まれた、強烈な一撃。
　「それは、確かに時として『誰かのため』ってぇでっかいモチベーションになる。それをオレは否定しない。ソレに助けられたクチだからな。けれども、どうなんだろうねぇ」
　グラリ、と体制を崩し、俺は崩れ落ちた。
　竹刀を無理やりに掴み、立ち上がろうとする。
　「･･･何が、言いたいんですか？」
　「ンな自己犠牲を、アイツはどう感じてんのか。･･････や、違うわ」
　荒い息を吐き出しながら、痛みをシカトし、疲れを無視し、立ち上がる。
　「傍目から見たら、ドンだけ痛々しいか分かってンのかねぇ」
　「･･･」
　「アンタはどー思う？嫁さん？」
　天野の言葉に、三日は答えることは無かった。 


877 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:46:32 ID:6bJj/6Gg
　その前に、少年が宣言したからだ。
　「参りました」
　と。
　「参った参った参りましたよ!こんだけやられりゃぁ、尊敬する御神先輩がどんだけのお人なのか痛いくらいに分かりました!罰当番だろうが何だろうが、俺に好きなだけ言いつけてくださいよ、先輩」
　フルフルと首を振り、少年が言う。
　「おや、フルボッコにしなくて良いのかい」
　「人をドSみたいに言わないでください。俺はこれでも、目の前に死にそうな人がいたら自然と助ける程度には平和主義者なんですから」
　「そのネタは真性のシリアルキラーでないと笑えないジョークだな」
　「どこが冗談ですか！とにかく、この勝負俺は降りますからね！」
　と、竹刀を振る少年。
　白旗を振っているつもりなのだろうか。
　「まったく、天野先輩も人が悪いにもほどがありますよ。俺に御神先輩を紹介する条件として、その御神先輩相手にこんなイジメみたいなことを持ちかけるなんて」
　不満もあらわに、天野へと詰め寄る少年。
　「いや、まー･･････。俺も俺で引き受けた側だしー」
　立ち膝のまま、俺は少年をなだめていた。
　「いや、先輩はむしろ怒って良い側ですよ!」
　「そーだぜ、神の字。ソコはコイツに味方するルートだ」
　少年の言葉に、からかうように天野（アマノ）ジャクは笑った。
　「天野先輩が言わないでください!」
　「まぁ、そー怒るな。約束どおり紹介してやっからよ」
　すっかり頭に血がのぼっている少年をからかい混じりにいなす天野。
　見事なまでに相手の扱いを心得ているようだった。
　「ほんじゃまー、改めて。コイツが我が夜照学園高等部の剣道部1年きっての期待の新人、超人エース、宇宙のエース･･････」
　「弐情寺カケル、です」
　そう言って少年―――弐情寺カケルは、面を外し、少年らしさの残る素顔を晒した。 


878 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:48:27 ID:6bJj/6Gg
　「ええっと、弐情寺くん、で良いのかな？」
　「あ、俺のことはカケルで良いです。敬愛する御神先輩のことは天野先輩から常々聞き及んでおりました」
　弐情寺くんは、ハキハキした少年だった。
　まっすぐな瞳で、こちらを見上げている。
　容貌としては悪くない部類で、素直そうな印象を見るにそれ相応に女子からの人気はありそうな気がする。
　少なくとも、俺個人としては好感の持てる人柄が感じられた。
　そんな男の子が、どうして俺のことをキラキラした眼で見つめているのかは、多分に困惑するところではありますが。
　「･･･弐情寺くん、そんなに千里くんを見つめないでください。･･･千里くんが引いているのが分からないんですか」
　「すみません、敬服する御神先輩の恋人さんであるところの緋月三日先輩」
　心持ちトゲのある三日の言葉に、シュンとする弐情寺くん。
　裏表の無い性格なのだろう、表情の変化が非常に分かり易い。
　「いや、まぁ引いてやしないけどさ」
　と、三日をなだめつつ、俺は弐情寺くんをフォロー。
　俺と三日は、勝負の後に弐情寺くんと天野に説明を求めていた。
　先ほどから、場所は変わらず剣道場。
　顔の汗はタオルでふき取ったとはいえ、冬の冷たい空気が、苛烈な殴り合いで火照った身体を冷やす。
　ただし、俺たち４人は全員制服に着替え、円になって座っている。
　俺と天野が胡坐で、三日と弐情寺くんは正座だった。
　三日の正座はごく自然な仕草ながら、純和風の容貌に相応しく、美しい姿勢だった。
　随分と手馴れた仕草で座ったので、ひょっとしたら何かしら正座をすることの多いお稽古事でも習っていたのかもしれない。
　「それにしても、何でまたこんな勝負を?天野から俺を紹介してもらう条件に―――とか言ってたけど」
　「はい。俺は天野先輩や他の方々から、御神先輩の評判を聞くたびに、憧れの念を強め、遂にはお会いしたいと思っていました」
　熱烈にと言った調子で、弐情寺くんは語りだした。
　「ねぇ、天野ジャク。このコに俺のこと何て言ってたのさ」
　「そりゃぁ、千キロト。事実を事実のまま、ありのままに話しただけだぜ？もちろん、隠すところは隠して。つか、天野ジャク言うなや」
　ヒソヒソと話す俺と天野。
　「しかしながら、どうにも間が悪く、先輩とお会いする機会を得られないままでした」
　「コイツがオレに、キロトに会いたい、って言い出したのは今年の夏休み明けだったからな」
　夏が明けてから、というのは思いのほか最近だったので意外だったが、同時に納得した。
　その上、ここの所明石と葉山関連の一件にかかづらっていたから、弐情寺くんと会う余裕なんて無かったからだ。
　今思うと、その辺りのことを、意外と空気の読める天野は敏感に感じてくれていたように思える。
　空気の読める部長だけに、見事なエアリーダーである。
　「･･････オイ、それあんまし上手くねーぜ、キロト」
　「･･････人の心を読むな、天野ジャク」
　俺らがバカ言ってる間にも、弐情寺くんは熱の入った口調で話を続ける。
　「それで本日、天野先輩にお願いしてみたところ『オーケー分かった。条件として、あのでくの棒と勝負してやれ。イヤだと言うなよ？部長命令だかんな分かったか!?』とすごいイイ笑顔で言われまして」
　「閻魔の笑顔の間違いじゃ無い？」
　「オレのような聖人君子を捕まえて何言いやがる」
　「天野先輩も、普段はこんなじゃ無いんですけどね。スパルタンですけど」
　天野の酷さはさておき、話としては分かった。
　「んで、天野ジャクはどうしてこんな茶番をマッチメークしたわけさ」
　「･･･そうです。･･･大した怪我こそ増えなかったものの、千里くんが痛そうにしているじゃないですか」
　そう言って、俺たちは天野の方に目をやった。
　「その前に、忘れちゃいないだろうな。勝負のルール」
　「まーね」
　ルール、負けた方は天野の言うことを１つだけ聞く。
　「もっと自分を大事にしやがれ」
　そう命令する―――否、懇願する天野の顔は、いつになく真面目だった。
　「オレはいつだって真面目だ」
　「人の心を読むな･･････って言うのはともかく、どうしたのさ、いきなり」
　正直、怒っているものとばかり思っていたのだが。 


879 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:49:07 ID:6bJj/6Gg
　「あー、ブチ切れてたさ。さんざっぱら心配かけといて、『学校サボって旅行行ってました』なんていう手前に、今朝まではな。ただ、それをゼンの奴にブチ撒けたら、さ」
　ゼン、千堂善人。天野の一番大切な恋人。
　「アイツ、『外見に似合わず真面目っ子してる御神がそんなことするとは思えないけど？僕たちのときみたいに、誰かのために奔走してたのが丸分かりじゃないか。ホント、嘘吐くの下手だよね、キロトくんも』って言ってさ」
　カップル揃って、人の心を読みきったようなことを言う。
　「そしたら、別の意味でむかっ腹が立ってきた。何で、オレらに何も言わずにそんな無茶をするのか、そんなにオレらが頼りないのか、ってな」
　「いやいや、嘘なんて吐いて無いよ。ホラ、バイクの免許だってこの通り」
　と、俺は財布の中から免許証を取りだした。
　「って、発行年が去年になってますけど」
　「とっくの昔にゲットってるなら、エキサイトして学校サボる理由には、薄いわな」
　「……」
　自分で自分の首を絞めていた。
　「別にナニを隠そうが知ったこっちゃねーがよ。ンなにオレらが頼りねーか？」
　「そんなつもりは･･････」
　無かった、と言っても説得力は無いだろうなぁ。
　実際、先の一件で天野を頼ったことは無かったわけだし。
　「今日はその意趣返しを兼ねて、って奴さ。コレでチャラにしてやるよ、今回『だけ』はな」
　そう言って、天野は立ち上がった。
　「天野？」
　「言っただろ、『兼ねて』って。本命は後輩に憧れの先輩と好きなだけ話させてやることの方。用事の終わったお邪魔虫は、一足お先に帰らせてもらうぜ」
　そう言って、出口へと天野。
　「じゃーな、お前ら。あ、弐情寺、帰りに道場に鍵かけて帰れよー」
　そう言って悠々と見せる天野の背中を見て、俺は、俺の周りにはかなわない人が多すぎると思わずにはいられなかった。








　「ィよぉ、色男」
　剣道場を出た天野三九夜は、校門の前で待っていた相手にそう声をかけた。
　「やぁ、美人さん」
　それに対して相手、千堂善人は慣れた調子でそう返した。
　善人は、心身共に幼さのあった中学時代と比べ、かなりの程度精悍な印象が強くなっていた。
　御神千里ならば「男前が増した」と手放しに褒めることだろう。
　「寒空の下、態々待っていてくれるとは、よほどオレちゃんのことを気にしていてくれたのかい？嬉しいねぇ」
　「気にもなるさ。三九夜（サク）のような美女が、密室に男２人を連れ込むんだからさ」
　「妬いてるのかい？益々もって嬉しい限りだぜ。ムカシなら考えられなかったからねぇ」
　慣れたやり取りなのか、心底愉快そうに笑う天野。
　「よしてくれよ、昔の話は。一応、反省してるんだし」
　と、子供のようにすねた表情を作る千堂。
　「ハハ。悪い悪い。まぁ、ナニも無かったのは言うまでもねーがな。女のコも一人いたしよ」
　「と、女の子と言えば」
　天野の言葉に、何かを思い出した様子の千堂。
　「何だ、オレちゃん以外の女郎に目移りか？」
　「そ、そうじゃなくて･･････」
　一気に殺気を帯びた天野の視線に気圧されながらも、言葉を続ける千堂。
　「さっき、剣道場の方から、見慣れない女の子が出てくるのが見えて、さ。それで」
　「見慣れない女？黒髪ロングのクリっとした目のちっこいコじゃなくてか？」
　怪訝そうな顔をして、取りあえずは三日の特徴を伝える天野。
　「違う違う。そんな背は低くなくて、いや高くも無かったかな･･････ちょっと覚えてないけど」
　「どっちなんだよ」
　「何だか、印象に残りづらいって言うか、特徴らしい特徴が思い出しづらくて」
　「いや、自分から話題振っといて･･････」
　ツッコミを入れながらも、剣道部部長としても先を促す天野。
　「うーん。強いて言えば、長い髪に、糸目の、どこかとらえどころの無い狐みたいな娘だったかなぁ」 


880 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:53:36 ID:6bJj/6Gg
　その後、俺と弐情寺くんは、三日を交えて帰り道に安めのファストフード店に寄り道して、長々と話し込んだ。
　半分は、俺の過去の行いをぼかしぼかしの紹介で、俺を英雄のように持ち上げようとする弐情寺くんには苦笑せずにはいられなかった。
　三日までそれに乗っかるので（『･･･天空から私を助けに現れた千里くんは、天使よりも美しかったです』だの）、俺はブレーキをかけるのでやっとだった。
　もう半分は、『人を助ける』ということについて。
　と、言うか、高校生男子らしい正義論。
　推理小説の名探偵を例に出した弐情寺くんの持論は、中々興味深く、同時に彼の存外思慮深く洞察力のある、それこそ名探偵のような一面を垣間見て、話は思いのほか白熱した。
　「とどのつまり」
　と、俺は考えを整理しつつ、柔らかに言った。
　「人を助けるという行為を選んだ瞬間に、その人は当事者の側になっちゃってるんだと思うなー。あくまで、その人も助けられる側と同様当事者として動いただけで、その間に上下関係は無いんだと思う」
　コーラを片手に、俺は言う。
　「助ける側がすごいとか、えらいとか、そんなことは無くてさ」
　「けれども」
　と、弐情寺くんは食い入るように反論した。
　俺を尊敬していると言いつつ、その意見に唯々諾々と従わない姿勢には、むしろ好感が持てた。
　素直で芯が強い、と言うある種の矛盾を両立させた彼の性格は、ある意味非常に少年漫画的な主人公向きだと内心感服せずにはいられない。
　「『助けた』『助けられた』という関係性が成立してしまってることは事実じゃないですか?いや、まぁ、そこに恩義を感じるかどうかは人それぞれですけど。助けた側が英雄的ヒーロー的で強力なポジショニングになったのは確かなわけで･･････」
　うーん、と唸る弐情寺くん。
　彼の中でも、考えが纏まりきっていないようだ。
　「･･･私なら」
　と、考え始めた弐情寺くんの間をもたせるように、ジュースの入った紙コップを置いて三日が言った。
　「『助ける』という行為の前に、誰を助けるのかを選ぶところから始めると思います。･･･その人が困っているから、とかじゃなくて、その人が私にとってどんな人なのか･･･力になりたい、と思える人なのか、とか」
　「大事なのは誰を助けるのか、誰を助けたいのか、ですか」
　「ある種、とても人間らしい回答だね。最適解の１つとも言える」
　この辺りは、つい昨日まで親友がトラブルを抱えていた三日自身の経験を踏まえた上なのだろう。
　「さっきまでの、御神先輩のお話じゃ無いですけど、ヒーロー的に鮮やかに誰かを助けるってのは「カッケェ！」と思うんですけど、同時になんかやらしさを感じると言うか･･････」
　「力を見せ付けてるみたいに、ってコトー？」
　俺の言葉に、迷いながらも頷く弐情寺くん。 


881 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:54:11 ID:6bJj/6Gg
　「･･･最初の『ウルトラマン』でもありましたよね。･･･ウルトラマンや特捜隊が、正義の名の下に弱者を虐げてるんじゃないか、みたいな」
　「ジャミラ回か」
　若い子には分かりづらいたとえを出せる三日だった。
　初代ウルトラマンとか、普通若い子は映画でしか知らないんじゃないだろうか。
　「もし、そこらへん勘違いしてるなら、俺の持論を言わせてもらうけど。その助ける奴の凄さとか優れているとか、そう言うのって大したイミ無いと思うんだよね」
　三日にならって、俺も自分の経験を踏まえて、言わせてもらうことにした。
　「意味、ですか？」
　「そう。正直、格好良いだの悪いだの、強いだの弱いだの、頭良いだの悪いだの、機転が利くだの利かないだの、優れているだの劣っているだの、勝つだの負けるだのなんて、俺にとってはくだらねーカスでしか無いんだよ」
　「･･････カス、って、それは･･････」
　「だって、格好良いだの悪いだの、強いだの弱いだの、頭良いだの悪いだの、機転が利くだの利かないだの、優れているだの劣っているだの、勝っているだの負けてるだので、人の心は振るわせられやしないんだからさ」
　「･･････」
　「そんなモンで、人は恋に落ちてくれない」
　そう、実際俺がどれだけ格好をつけても、どれだけ強くあろうとしても、どれだけ賢くあろうとしても、どれだけ機転を働かせようとしても、どれだけ優れていようとしても、どれだけ勝とうとしていても、そしてどれだけ助けても―――
　彼女は俺に「好きだ」と言ってくれたことは一度としてなかった。
　彼女は、九重カナエは。
　「だから、助けるだの助けないだの、目に見える分かり易いところじゃなくて、それが周りの人の心にどう響くかが大事―――なんて、俺も偉そうなことを言えるほどの者じゃあ無いけどさ。ゴメンね、下らないこと上から言って」
　そう、俺は、にへらと笑って自論を笑い飛ばした。
　「･･････いえ、大変参考になりました」
　しかし、弐情寺くんは深々と頷いていた。
　「正直、白状すると、俺旅先で女の子をちょっと助けたことがあったんです」
　「いかにもロマンスに発展しそうな話だね」
　「正直、俺もちょっとそう言うの期待してました。そこまではいかなくても、彼女を助けたことを、誇り、驕っていました」
　自らの行為をはっきりと卑下する弐情寺くん。
　「ま、結局その後イイ雰囲気になるどころか、連絡１つもらえませんでしたけどね！まぁ、アレですよね。俺の行いが、俺が思ってたよか、あの女の子の心に響かなかったってことなんでしょうねー。ハハッ！」
　そう言って、空しくわらう彼の姿に、昔の俺が重なった。
　ひょっとしたら、彼が助けたのは、九重カナエ、のような女の子だったのかもしれない。 


882 ：ヤンデレの娘さん　再会の巻 ◆yepl2GEIow：2012/01/24(火) 14:54:49 ID:6bJj/6Gg
　「先輩がた。今日は、貴重なお時間を取らせていただき、ありがとうございました！」
　「いやいや、俺らも丁度暇だったしー」
　「･･･あなたが千里くんに手を出す同性愛者で無いことが分かっただけ、この時間は貴重でした」
　そう言って、俺たちと弐情寺くんは別れた。
　「しっかし、『助けること』ねぇ。ヒーローオタクとしては、中々感じ入るものがあったなぁ」
　三日と２人、自宅のマンションのエレベーターの中で、俺は誰にともなく言った。
　「･･･ヒーロー、と言うよりは千里くんそのものだったようにも思えますけれど」
　「それはアレだよ。俺が子供の頃に夢見た正義のヒーローをロールモデルにして生きているからじゃない？まぁ、ロールモデルというより、劣化コピーと言った方がいいだろうけど」
　「･･･いいえ、千里くんは、十分ヒーローです。･･･ただ１つを除いて」
　俺の方をまっすぐに見上げ、三日が言った。
　「ただ･･･１つ？」
　「･･･心があることです。作り事の登場人物と違って」
　まっすぐにこちらを見る三日の本心は読めない。
　いや、本当に読めないのは･･･････
　「･･･千里くんは、何度と無く私を助けてくださいました。･･･けれども、その行為は千里くん自身の心には･･･どのように響いたのでしょうか」
　「･･････俺の、心に？」
　「･･･千里くんは、どうして私を助けてくれるんですか？守ってくれるんですか？･･･優しく、してくれるんですか？」
　「それ、は･･････」
　質問ニ答エヨ
　密室の中、黒く淀んだ彼女の瞳がそう言っているように見えた。
　「･･･私は、千里くんが好きです。･･･何度もそう言ってきたつもりですし、その言葉に千の偽りも万の嘘も１つたりともありません」
　エレベーターの密室、逃げようの無い状況でこんな風に切り込んだ、三日のある種の引きの良さに戦慄せずにはいられない。
　「･･･けれども、千里くんは･･･どう･･･なんですか？」
　本人は狙っていないのに、俺が勝手に追い詰められる！　
　「･･･一度も、私に言ってくれたこと無かったですよね」
　静かな声音の中にも、強い響きがある。
　「･･･私を助けることが苦･･･ではないと、私を守ることを厭う･･･ていないと、私に優しくすることは気持ち悪い･･･わけでは無いと」
　答えることを強要するような、強力な響きが。
　「･･･私のことが･･･好きだと」
　と、そこで唐突にエレベーターの扉が開いた。
　予兆も伏線も何もかも吹き飛ばして。
　まるで不意打ちのように。
　扉の先には、人がいた。
　１人の女の子が。
　見慣れた相手、と言うと語弊があるだろう。
　けれども、一度たりとも、一瞬たりとも、忘れたことの無い相手。
　その彼女に、俺の眼は自然と吸い寄せられる。
　「･･････九重」
　三日に問い詰められる以上の戦慄を覚えながらも、俺は彼女の名前を口にしていた。
　「九重･･････かなえ」
　それに対して、目の前の少女は、以前と変わらぬ、狐のような笑顔で、
　「やぁ、久しぶりだね、千里」
　と、まるで何の感慨も無いかのように、当たり前に言ったのだった。







　おまけ　夜照学園学内施設解説
・各種武道場/剣道場
　本校は進学校ではありますが、部活動も盛んです。
　その為、体育館に隣には、この剣道場をはじめとする武道場や各種スポーツのコートが設けられています。
　十分なスペースに板張りの床（柔道場を除く）、各道場には男女の更衣室・空調設備も完備されています。
　体育の選択授業に使われることも多々あるこれらの道場ですが、その維持・管理には学生たちによる自主的な清掃・維持が不可欠です。
　今日も、彼らが自らピカピカに磨いた道場で稽古する声が校内に響きます。

　生徒からの声
　「掃除が生徒主体だから汚い部の道場はドキータねぇンどってるのはベツにどーでも良いんだけどよ、補修やら何やらそれ以外の全部部費でまかなえってのはどうにかなりませんかねぇ？おかげで毎年、各部で部費の取り合いが鬼のよ（以下検閲削除）」

（夜照学園高等部入試案内用広報誌『SATELITE 30』より抜粋）     </description>
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    <item rdf:about="http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1858.html">
    <title>ヤンデレの娘さん</title>
    <link>http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1858.html</link>
    <description>
      -[[ヤンデレの娘さん　告白の巻]]
-[[ヤンデレの娘さん　交際の巻]]
-[[ヤンデレの娘さん　恋敵の巻]]
-[[ヤンデレの娘さん　義姉の巻]]
-[[ヤンデレの娘さん　脅迫の巻]]
-[[ヤンデレの娘さん　見舞の巻]]
-[[ヤンデレの娘さん　転外　やんでれどうめい]]
-[[ヤンデレの娘さん　夏祭の巻　前編]]
-[[ヤンデレの娘さん　転外　ぺぇじぇんと]]
-[[ヤンデレの娘さん　夏祭の巻　後編　上]]
-[[ヤンデレの娘さん　夏祭の巻　後編　下]]
-[[ヤンデレの娘さん　休暇の巻（表）]]
-[[ヤンデレの娘さん　休暇の巻（裏）]]
-[[ヤンデレの娘さん　転外　とすと]]
-[[ヤンデレの娘さん　暴露の巻]]
-[[ヤンデレの娘さん　転外　3×3=9 part1/3]]
-[[ヤンデレの娘さん　荒事の巻]]
-[[ヤンデレの娘さん　転外　3×3=9 part２/3]]
-[[ヤンデレの娘さん　観点の巻(男子) ]]
-[[ヤンデレの娘さん　観点の巻(女子) ]]
-[[ヤンデレの娘さん　転外　3×3=9 part3/3]]
-[[ヤンデレの娘さん　朱里の巻part1]]
-[[ヤンデレの娘さん　朱里の巻part1.5]]
-[[ヤンデレの娘さん　朱里の巻part2]]
-[[ヤンデレの娘さん　朱里の巻　part3]]
-[[ヤンデレの娘さん　朱里の巻part4]]
-[[ヤンデレの娘さん　朱里の巻part5]]
-[[ヤンデレの娘さん　転外　やんでれほてるのこわれもの]]
-[[ヤンデレの娘さん　転外　びぎんずないと]]
-[[ヤンデレの娘さん　再会の巻]]    </description>
    <dc:date>2012-01-25T19:03:13+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2470.html">
    <title>初めから　第九話</title>
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    <description>
      856 ：初めから ◆efIDHOaDhc：2012/01/21(土) 03:17:53 ID:3wsYddL6

夏の陽射しが強い中、本来なら開くはずのない、屋上の扉は開いた。
下駄箱に入っていた手紙によれば、私を呼び出した奴はここに居る。
そう思い周りを見渡すと、見知った男が一人こちらを見ていた。

渡辺 健一。小学校からの顔馴染でいつも突っ掛ってきた男だった。
身長は学年で一番高く、翔太と重秀がいない今、男子の中では成績も学年一位と言っていい。
一時期は番長染みたこともしていた――そんな男だ。

「…さやか、俺と付き合ってくれないか?」

私の顔を確認した途端、唐突に口を開く。
考えていた通りの展開になった。今時ラブレターなんて真似をするから
ドッキリか何かかとも思っていたが。純粋に、メールを使わない所は私なりに評価する。
だが、付き合うか?と問われれば、答えは決まっている。

「嫌よ」

私のこの返答に何を思ったのか、健一は考え込む。小学校位のときは
散々私の邪魔をしていた男だ。それがこんな事を言い出すとはお笑い草だ。
私の好感度で言えば、ランク外。そもそも対象ではないのだ。

そんな男は、顔を上げ私を見つめてくる。

「そんなに…翔太がいいか?」

「……は？」

この男、いきなり素っ頓狂なことを言い出した。確かに、私は良く翔太に凜子、
そしてあのバカ秀と行動を共にしていた。客観的に見れば、翔太に気がある
女の子二人と、クラスでも人気の男の子である翔太、そしてその友人の重秀。
そうゆう感じに見られていたのだろう。

この男もそう捉えて、こんな事を言い出したのか……勘違いも甚だしいが
これはこれで問題ない。勝手に勘違いして勝手に暴走するのだ。
見てる分には非常に滑稽だ。

「…それで?」

「もういない奴よりも、今居る奴の方が良いだろう?」

それに翔太よりも俺の方がカッコイイ、そう続ける。なんとも笑える冗談だ。
確かに、健一は人一倍オシャレにも気を使っておりクラスの垢抜けない男子や
何かを勘違いしている奴らよりよほど、カッコいいのだろう。それは、私自身が
認めてもいい。しかし翔太と比べるのは間違いだ。今じゃ売れっ子の芸能人、
知名度やその他を含めても健一が勝てる要素はない。

まぁ…余り身形に拘らないバカ秀には、勝てるだろうが…

「あんたが?…笑わせないでよ」

「何が良いんだよ!あいつの何処が!?」

私の一言が気に障ったのだろうか?健一は顔を赤くし声を張り上げる。こいつはこいつで、翔太に
コンプレックスでも抱いていたのだろう。健一の事で思い出すのは、以前凜子に
告白したことがるという話だ。凜子はいつもどうりその申し出を断り、健一をフッたのだろう。
無駄に自尊心が強いこの男は、それに痛く傷ついた――大方そんなところだろう。

そしてフラれた理由に、凜子がいつも親しくしていた翔太に原因がある――そう考えでもしたのだろう。
それ以来、どうも翔太に対してライバル意識をむき出しにしているというのか、
健一は、翔太に突っ掛る事が多くなった。

どうして自分がフラれたのか?その原因を翔太に求め、その結果必要以上に翔太をライバル視している。
学校行事にも積極的に参加し、不沈で有名な凜子と共にいる翔太。今や凜子と共に芸能人という肩書も付き
もはや勝てる要素などない。だが――彼らは東京に行った、もういないのだ。
そんな奴がいない今、チャンスとでも思ったか、同じく翔太と一緒にいた私に狙いを付けてきたのだろう。

本当に笑える。傍から見れば翔太を中心としたグループに見えるだろうが、
実際は――

「もういい!帰るっ!」

私が考え事をしている内に、言いたいことを言い終えたのか、健一は不機嫌そうに去っていく。
去り際にドアを叩きつけるように閉める様は、それだけ怒っている心の表れなのだろう。 


857 ：初めから ◆efIDHOaDhc：2012/01/21(土) 03:20:24 ID:3wsYddL6

「無様ね……」

しかし、なんで私はこんな事をしているんだろう?勉強の当てにしていた凜子は、東京に行けると聞いて
芸能界に突っ込んでいくし、翔太の奴も自分の彼女を置いていくような真似をするし。

「バカ秀何してんだろう?」

ふと最初に東京に行ったバカの事を思い出す。我が強過ぎて周囲と馴染めない私を影ながら助けてくれ、
気の弱い凜子を勇気づけ、馬鹿をしでかそうとする翔太をなだめ、まるで子や孫を見るかのような目線で
私たちを見ていたあいつ。

無性に気になって、携帯を取り出しメールを打つ。内容はあいつが覚えているかどうかも分からない昔の
話だが、今でも記憶に残っている――いろんな意味で――話で脅しでも掛けてみよう。
唐突なメールだが、あいつなら問題ないでしょう。

『リコーダーの事、まだ覚えてるからね?』

急なメールだったが返信はすぐに来た。

『代わりに俺の笛、ペロペロさせてやんよ』

どうにも最近、あいつは頭のネジが緩んでると思う。

「そういえば……あれ以来あいつの行動って妙にハッチャける様になったわね……」

元々私と凜子の笛を嘗めるというのは、男子達がおふざけでやった罰ゲームで、あのバカ秀はそれに負け
屈辱にまみれながら――の、割には妙にノリノリで『グヘヘ、おいし～だす』などと言いながら――私達二人の
笛をこれでもかと云うくらい、下劣に汚ならしく嘗め回していた。

男子達の考えでは、泣き喚く凜子と怒り狂った私がボコボコにするという光景を思い浮かべていたのだろう。
しかし、実際に見てみれば固まって動けない私たちを見て男子達はガッカリしたようだが……

私達にして見れば、あいつが――あんな厭らしい顔で私たちの笛を嘗め回す光景は、
なんというか、なんで『笛』なんかにというか……

「あれが、切欠になったんじゃ……」

それ以来、重秀は遠慮というものが消えた――悪い意味で。
今までの大人ぶった態度から一転、遊び尽くす!!というような態度になってゲームに打ち込み
趣味のプラモデル作り、挙句の果てには人をからかい始めるなど一気に堕ちて行った。

「……はぁ」

急に虚しくなってきた。親しい連中は揃いに揃って東京に行ったし、こっちには健一みたいなバカが多いし。

「あいつ、ちゃんと大事にしているかな?」

私 の 首 輪 


858 ：初めから ◆efIDHOaDhc：2012/01/21(土) 03:21:06 ID:3wsYddL6

「あれ?返信がないな」

流石に冗談が過ぎる返信だったか、さやかからの返信がない。
あの程度の下ネタで動揺するような奴とは思えないんだが、まぁ良いだろう。どうせいつか会えるんだし
その時にでも話しかけるか。

「おい、おい、見ろよ重秀!凜子ちゃんだぜ!」

成城への合格に向けての勉強会、俺と歳久、委員長と咲が現在俺の家にいる。
俺の部屋だと手狭なので、居間でゴロゴロしながら勉強となるのだが、案の定歳久はテレビに夢中になり
勉強などそっちのけで、食いついている。それを心配そうに見つめる委員長と、関係ないとばかりに集中している咲。
如何も勉強にならない。

しかし、歳久の奴あんな事があった割にケロッとしてやがる。
一体どうゆう神経してるんだ?

「ま、その様子なら写真は必要ないか」

「「「写真?」」」

俺の一言に、三人一斉に反応してきた。

「写真ってなんの写真だよ?」

「ほら、お前が前に言ってた金銀」

何!?写真取れたのか!?と俺に顔を近づける歳久。女子二人も金銀の話は知ってはいるようだが、さして興味が無い様だ。

「おおっ!すっげ!真正面から!こんなに近く!しかもすげぇ可愛い笑顔!!どうやって撮ったんだよ!?」

「聞いて驚くな?メルアドもゲットしたんだぞ?」

「まじで!?ちょっ今からメールしろよ!」

イヤ、しかし知り合ったばかりの娘にいきなりメール?

「ふぇぇ…恥ずかしいですぅ」

「貸せ!俺がメールする!」

俺の渾身のギャグを華麗に無視しつつ人の携帯に手を伸ばす歳久。無駄に力が強いから困る。

「?……もしかしてアーニャかしら?この娘」

「知っているのか？」

「ええ、仲が良い訳じゃ無かったけど、以前同じ学校だったから。けど珍しいわね、この娘が連絡先を教えるなんて」

聞けば成城ではその容姿と氷の様な冷たさから、周りは彼女に対して一歩引いていたらしい。
実際に彼女――アーニャも友達が少ないとかそうゆう事を言っていたな。

「そうゆうのコミュ障って言うんだっけ?
そんな女と関わるの、やめておいた方が良いわよ。
第一その女からいきなりメルアド押し付けて来たんでしょう?
気を付けた方が良いわ。気が付いたらメルアドや電話番号だけじゃなく、
　家の住所や郵便番号、毎日の家庭ごみや交友関係、普段何しているのか、どうゆう本を買って
どうゆうビデオを見るのか、趣味や休日の過ごし方、挙句の果てには普段の自慰の回数や性癖、
それらが細かくチェックされて『重秀君、こうゆうのがいいんだ……』とか何とか勘違いしだして、
メールに添付されてくる写真が、だんだん卑猥な物になっていき気付けばリストカットなどしだす。そして
構ってくれなきゃ死んでやる!!見たいな事書き出して、重秀君の同情心を煽り授業中にも平気で『会いに来て』とか
やり始める。もちろん断ればお得意の死ぬ死ぬ詐欺。仕方ないから遅れていくと私の事嫌いになったんだとかなんとか、
そして呆れた貴方が、そいつと関係を絶ち他の娘と仲良くなると、貴方を殺して死んでやる!!――きっとそんな事になるわ。
私の予想だけど、重秀君は土砂降りの雨の中お腹を刺されて、ついでに首も持って行かれる。そんなことになるわね。
予想ではあるけど、限りなく確信に近い筈よ。いい?だからその女との関係は慎重に考慮して?」

「お、おう……」

ならいいわ。そう言いつつ最近伸びてきた長く綺麗な黒髪を、無駄に色気のある仕草でかき上げる咲。
普段のクールな感じは何処へやら物凄い勢いで捲し立てる。それくらい喋れるのなら、もっと普段から喋れば良い物を。
しかし咲の言う事も一理ある。話して感じは其処まで酷い娘ではなかったが、人の本性と云うのは存外分からない物だ。
付き合いが深くなれば見えなかった部分も見えてくるだろうし、慎重を期すのは悪い事ではない。

「ほらっ!!みんなちゃんと勉強しなさい!!」

委員長の一喝で無駄にだらけていた空気が引き締まった。
不思議と彼女の声には人を従わせる力がある――そう感じられる程だ。

「翔太達元気にやってるかな…」

最近連絡を取っていない友人たちを思い、ペンを奔らせた。 


859 ：初めから ◆efIDHOaDhc：2012/01/21(土) 03:22:42 ID:3wsYddL6

「うっ嘘でしょ!!アーニャちゃんに男の子の友達!!」

「声が大きいわよ。もう少し静かに」

私の親友、アーニャ・ミハーイロフは――こうゆう恋愛ごとには、
『恋愛?学生の身分で良くそんな余裕があるわね』とか言っちゃう過激派だ。
そんな彼女が、友達とはいえ異性と積極的に関わろうとしているのだ。これを春と言わずに何と言おう!?

「す、すごいよアーニャちゃん。男の子の連絡先ゲットするなんて」

私たちの学園は華の女子中、しかも良いとこのお嬢様達が通う学園なのでこの手の話には厳しい面がある。
しかし、私を驚かせたのはアーニャちゃんの珍しい積極的行動だ。アーニャちゃんは金髪碧眼の美少女、
鋭い眼光の目と、威圧的な雰囲気、何をやらせても気だるげに軽くこなしてしまうその能力、冷たい美貌とでも言うべきか、
アーニャちゃんは何だか凄い魅力があって、下級生たちからはお姉さまなんて呼ばれている。

そんなアーニャちゃんに、私は何度も恋愛の話を振ってみたけど全て興味なさそうに相槌を返す状態だった。
しかし、今日の話を聞く限りなんとアーニャちゃんから友達になってと頼んだというのだ。私にはそれがビックリでならない。
私はてっきりアーニャちゃんは、百合百合な人かと思っていたけど。

「ええ。でもほとんど直感だから、まだ確証がないの」

何の?とは問わない。そんな野暮な事言われなくても分かってる、恋は何時も突然なのだから――受け売りだけど。

「私応援するよ!!」

「うん。ありがとうね菜々美、でも――」

妙に艶っぽく、とても14歳とは思えない色気を醸し出しアーニャちゃんが口を開く。

「私、菜々美の事もすごく好きよ――」

食べちゃいたい位――そう続けるアーニャちゃんは、やっぱり百合なんじゃ…
そう思わずにはいられなかった。




「……はぁ」

携帯を片手に溜息をつく。今日で何度目になるだろうか?ここ最近ずっと同じことを繰り返してる気がする。
もっと正確に言うと、秀君からの連絡が一切ないのだ。私から連絡をしても、何時もならふざけた返信をするのに
最近はとても素っ気ないメールしか返ってこない。私と一緒に上京した翔太君とはいっぱい連絡してるのに、
なんでなんだろう?

「何かしたかな……私」

翔太君と秀君、私とさやかちゃんは小学校から一緒に遊んできたとても親しい友達だ。
特に秀君は小さい頃から気の弱い私や、逆に気の強すぎるさやかちゃん、小さい頃は色々問題を起こしていた翔太君、
他にもいろんな子達の相談役というか、保護者役というか、そんな感じの事をしてきた人だ。
とても面倒見がよく、明らかに周囲の子達とは『見ている物』が違っていた。そんな秀君が訳もなく連絡を絶とうとしているなんて
私には考えられなかった。

「なんで…連絡くれないのかな」

始めは、男の子たちに苛められているのを助けてもらい、一人ぼっちで居た私を仲間に入れてくれ、将来の為と言いさやかちゃんや、
周りの女の子達との仲も取り持ってくれた。勉強だって人一倍出来、両親に勉強を強いられプレッシャーになっている私の為に、
特製のプリントも作ってくれた。

「秀君……」

秀君に会えると思って、東京へ――アイドルになったのに、秀君と会えないんじゃ意味がないよ。
電話にも出てくれないし、私如何したらいいの?

「凜子、休憩はおわりよ」

マネージャーが、私の肩を叩く。日々のトレーニングと勉強に追われている私を良く気遣ってくれるいい人だ。

「成城……」

秀君は成城学園へ進学すると言っていた。ならもっと一杯勉強して、成城で詳しい話を聞こう。
実際に会って話せば秀君だってちゃんと答えてくれるはず。

「待っててね秀君?」

ずっと話しかけていた、貴重な秀君の寝顔の写真を、私はそっと――財布にしまった。






こうして、時は流れて行った。    </description>
    <dc:date>2012-01-21T12:50:28+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2427.html">
    <title>初めから</title>
    <link>http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2427.html</link>
    <description>
      -[[初めから　第一話]]
-[[初めから　第二話]]
-[[初めから　第三話]]
-[[初めから　第四話]]
-[[初めから　第五話]]
-[[初めから　第六話]]
-[[初めから　第七話]]
-[[初めから　第八話]]
-[[初めから　第九話]]    </description>
    <dc:date>2012-01-21T12:45:27+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2165.html">
    <title>簡易掲示板/コメントログ</title>
    <link>http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2165.html</link>
    <description>
      - テスト   &amp;br()--  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-04 12:06:30} 
- 保管庫への連絡、要望等がある際お使いください(´･ω･｀)  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-04 12:07:11} 
- てことで復活。 &amp;br()まさかこれをまた使う日が来ようとは(^_^;)  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-04 12:09:06} 
- 前の掲示板はどこに消えたんだ？？？？？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 17:33:26} 
- あの掲示板を再利用すればよかったんじゃあなかったのか？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 17:42:29} 
- トップページに避難所のアド足しといていいですか？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 17:52:31} 
- あ、前の掲示板消すの早すぎたか。 &amp;br()でわ事情説明用に(^_^;)つhttp://www2.atchs.jp/yanddere/ &amp;br() &amp;br()避難所のうらるかあ &amp;br()どこに足しましょうか(´･ω･)。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-04 18:59:49} 
- ってトップページ指定かｗ &amp;br()やっぱりそれがいいのかな。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-04 19:31:30} 
- このwikiに避難所のアドレスって張っているのかな？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 20:06:40} 
- トップページに足して凍結しちゃうのが良いかと &amp;br() &amp;br()トップページが編集合戦になるのはいくらなんでもまずい状況だと思う  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 21:32:19} 
- ここだけの話、トップページに関しては暴れてるの一人だけというか &amp;br()しかも……・ﾟ・(つД｀)・ﾟ・ &amp;br() &amp;br()あんまり深くは言えないが  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-04 21:48:11} 
- それだと避難所の存在がわからないから誰も投下しないと思うんだけどなぁ &amp;br()  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 21:48:47} 
- 避難所のURLを明記するならトップページかメニューが良いと思うよ &amp;br()ただ凍結してくれないと荒らしが消しちゃうかもしれない &amp;br()本スレで定期的に誘導をするなら載せないってのも手かもしれない  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 21:51:07} 
- 本スレで読まない人のために張るべきだし、作家さんにも避難所の場所を &amp;br()知らせるために必要なんだけど。トップペーシを荒らしている奴がいるのか？ &amp;br()  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 22:01:11} 
- いるっぽい &amp;br()気付いた人が細かく直してくれてる  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-04 22:12:18} 
- トップページにうらる足しときますた(´ー｀)y─┛~~。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-04 22:16:11} 
- 管理人様おつです  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-05 11:35:15} 
- 乙  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-06 16:56:31} 
- 管理人さん、管理人さん &amp;br()作品修正したいってときはどうすればいいの？ &amp;br()下手に修正されるとバックアップで戻されそうな気がするんだけど。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-10 21:04:06} 
- 変歴伝みれなくなってるとかどういう事なの・・・  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-12 06:55:40} 
- ＞修正 &amp;br() 左上の「編集」から「このページを編集」を選んで後はお好きにどうぞ(^_^;)  &amp;br()自分で修正している作者さん割といるのであまり気にしないでおk。 &amp;br() &amp;br()＞変歴伝 &amp;br() 作者さんから書き直したいので削除してほしいって依頼受けたので凍結中。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-12 12:13:19} 
- まじか・・・ありがとう管理人さん。 &amp;br()遠慮無く修正とかやることにする！  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-12 19:32:23} 
- 一応ローカルルール読んで欲しいので避難所へのリンクに板を追加しました  &amp;br() --  (避難所管理人)  &amp;size(80%){2011-04-14 17:47:12} 
- うーん……(´-ω-`)y─┛~~  &amp;br() &amp;br()・下手にうらる増やすと住人が混乱する。 &amp;br()・そこまでしてもローカルルール読む人がそんなに増えるとは思えない。 &amp;br() &amp;br()ってことで元に戻してみる（　＾ω＾）。  &amp;br()  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-14 20:54:26} 
- 了解です。あと保管依頼とかってここに誘導していいんですかねぇ。  &amp;br() --  (避難所管理人)  &amp;size(80%){2011-04-15 22:57:32} 
- どうぞどうぞ（　´∀｀）つ  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-04-17 11:57:53} 
- 更新お疲れ様です！ &amp;br()本当にありがとう！  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-04-20 20:07:25} 
- 中の人ご無事ー？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-03 23:55:04} 
- 割と元気です（・∀・）。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-05 11:35:58} 
- 長編・短編ＳＳが雑多になってきているので、 &amp;br()初回投稿年ごとに分けてみてはどうですか？ &amp;br()たとえば、 &amp;br() &amp;br()長編ＳＳ &amp;br()｜-２００６・７年 &amp;br()｜-２００８・９年 &amp;br()｜-２０１０・１１年 &amp;br() &amp;br()という風に。 &amp;br() &amp;br()小分けすることによって、触れられる作品も増えると思う。中の人、ぜひご一考を。 &amp;br()みんなの賛同を得られるなら私が編集しても構わないです。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-07 11:39:30} 
- 実は一応投稿順に並んでいるんだけど……(^_^;) 。 &amp;br()年度別に分けたほうがいいのかな？ &amp;br()たしかにずらっと並んでいてとっつきにくいとは思うのだが。 &amp;br()  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-07 11:50:17} 
- あ、もう一つの問題として。 &amp;br()あまり区分けすると編集する人が困る、というかいなくなるという問題があるのですよ。 &amp;br()今も圧倒的に人手不足だし。 &amp;br()編集してもいいと立候補してくれてるのは感謝涙目なんですけど &amp;br()継続していくとなると大変なんだな、これが。 &amp;br()だからできるだけ編集に参加しやすいように簡素化したいんだけど…… &amp;br()大丈夫かな？(^_^;) 。  &amp;br()  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-07 12:03:20} 
- 中の人お疲れッス！ &amp;br() &amp;br()本スレは相変わらずだけど、避難所は充実してきたし‥これから忙しく成るかもですが、頑張って下さい  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-07 18:40:23} 
- なんだかんだ言いつつ面白そうなので区分けしてみますた。 &amp;br()しかし、これ携帯だと見づらいが……まあしょうがないかな(^_^;) 。 &amp;br()  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-08 08:08:51} 
- あ、短編はまた後で(^_^;) 。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-08 08:10:31} 
- よっしゃ短編も終わったーヽ( ･∀･)ﾉ  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-08 09:39:37} 
- 年代順はいいけど &amp;br()ＰＳＰからだと開けないけど &amp;br()どうすればいいかな？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-08 12:00:10} 
- 開けなくなったのだけどどうすればいいの？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-08 13:23:53} 
- 新しい表示方法携帯から開けない…  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-08 13:40:36} 
- おまえらｗ &amp;br()さすがに相手できないって言うか(^_^;) 。 &amp;br()まあガンガレ。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-08 13:51:09} 
- 何…だと &amp;br() &amp;br()俺も開けないorz  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-08 16:35:19} 
- マジかよ(´･ω･) &amp;br()しょうがない、ちょっと変えてみる。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-08 17:12:24} 
- とりあえず長編は変えたぞ(；ﾟдﾟ)ﾊｧﾊｧｾﾞｨｾﾞｨ  &amp;br() &amp;br()短編はスマンが後日ﾉｼ &amp;br()  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-08 17:25:09} 
- 今更だけど、名前順でもよかったんじゃ？  &amp;br() --  (あ)  &amp;size(80%){2011-05-08 18:14:43} 
- それだと編集する時ものすごくめんどくさいんだな、これが(^_^;) 。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-08 18:38:38} 
- 年度別に分けたんですね。 &amp;br()完結・未完結で作品を分けたページも欲しいと思う今日この頃  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-10 04:09:55} 
- そこまでいくと管理しきれる自信がないのだ(^_^;) 。  &amp;br()まあできる人がやってくれるなら別なんだけど…… &amp;br()現実として途中から放置の可能盛大だと思うのですよ。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-10 12:06:04} 
- 思うところがあって色々過去からいじることにしてみたが &amp;br()最近の更新が流れちゃうな、これ(^_^;) 。 &amp;br() &amp;br()しばらく続くかもしれないけどよろしこ。  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-20 15:31:26} 
- 乙ー &amp;br()風邪やら何やら流行ってるけど（諸ダメージ受けて休中）体調管理しっかりな。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-20 15:37:08} 
- 大丈夫だ、問題ない。 &amp;br()一応現時点までのSSは全部保管しますた。 &amp;br()どんなSSが保管されたか知りたい保管庫組の諸君！ &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()自分で調べろ(｀・ω・´)9mﾋﾞｼｨ!  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-05-20 15:58:44} 
- マジ乙  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-05-21 23:42:02} 
- ここのSSは文化だな  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-06-09 23:31:30} 
- きみとわたる、面白かった  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-06-29 10:04:00} 
- ヤンデレの娘さん読んでてすごく面白かった  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-07-19 14:49:35} 
- 触雷ｷﾀｰ(゜∀゜)  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-07-28 05:53:26} 
- 末永くこのサイトが続きますように。 &amp;br()  &amp;br() --  ((名無しさん) )  &amp;size(80%){2011-08-17 15:46:43} 
- Wiki編集をしてくださいました方、どうもありがとうございました。  &amp;br() --  (愛と憎しみ・作者)  &amp;size(80%){2011-08-20 07:20:47} 
- 　僭越ながら、『ヤンデル生活』２～３話を追加させていただきました。 &amp;br()　作者さん、次回も楽しみにしています。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-08-23 15:50:56} 
- 愛され姫様がかわいすぎて砂を吐きそうです。いいぞもっとやれ。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-08-25 11:58:23} 
- すみません、ＩＤも持ってないのに題名のない長編の「サク坊とヤンデレな女の子達」の編集ミスりました。 &amp;br()申し訳ございませんが、ＩＤ持っている方、編集お願いします。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-09-23 19:06:22} 
- ドラゴン・ファンタジーのなく頃にの作者ってまだ生きてるのカナ（・∀・）  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-09-26 23:31:53} 
- えー今更の話、長編短編を年度別に分けたら &amp;br()読もうとするとき面倒になったんだけど。 &amp;br()元に戻していいかしら &amp;br()返答なかったからそうしちゃうけど（；＾ω＾）  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-09-30 23:14:24} 
- 私は戻して良いと思いますが。皆さん的には如何でしょう？ &amp;br() &amp;br()あの作品が読みたいと思った時、各年度のリンクをクリックしていって探すのは確かに億劫な気もしないでもない。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-01 19:57:56} 
- 戻してみちゃった(´･ω･｀) &amp;br()改善点あったらご意見くだしあ  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-10-03 12:17:58} 
- 何処に書けば良いかわからないのでここに投稿。 &amp;br()今平安時代がメインのヤンデレ小説を久々にみたいな～と思っていたんですが作品名がわからない。どなたか覚えていたら惜しい得てくれませんか？  &amp;br() --  (名無し)  &amp;size(80%){2011-10-04 22:23:41} 
- ひょっとして変歴伝だろうか(^_^;) &amp;br()もしそうなら作者さんから書き直したいって依頼受けたので凍結中 &amp;br()今は読めない(^_^;) &amp;br()  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-10-04 22:33:55} 
- トップページの編集をしたら、なぜか荒らし判定を受けました。 &amp;br()解除お願いします。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-05 00:41:38} 
- 該当者が見当たらないでござる(^_^;)  &amp;br()規制されてるとしたら何かほかの理由ではないでしょうか  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-10-05 01:40:04} 
- そうですか、分かりました  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-05 01:40:50} 
- 中の人さん情報ありがとうございますm(_ _)m &amp;br()名前を聞いたら其れだ！！とピン！！とキました＾＾ &amp;br()凍結されてて読めないのは残念ですが読める日を楽しみにします＾＾ &amp;br()  &amp;br() --  (名無し)  &amp;size(80%){2011-10-05 02:23:07} 
- 中の人へ &amp;br()メールを送りました。見てください。 &amp;br()  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-08 20:31:50} 
- 分類戻したんですね！ &amp;br()見やすいです。ありがとうございます。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-09 23:53:50} 
&amp;size(80%){2011-10-11 21:43:47} 
- Cinderella &amp; Cendrillon &amp;br() &amp;br()好きなんだけどなぁ～  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-15 07:37:15} 
- 自分のものも含めて、ここ最近のＳＳ保管させていただきました。 &amp;br()オウルの人がサブタイつけていらっしゃらなかったので、苦肉の策であのようにさせていただきましたが、見づらいでしょうか？ &amp;br()上手い区別の仕方を思いついた方がいらしたら、編集よろしくお願いします。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-21 11:32:21} 
- 変歴伝が来た &amp;br()この喜びをレスごときで表現できない。 &amp;br()こんな気持ち凄く前にほととぎすが来た時以来だ。 &amp;br() &amp;br()だからこの気持ちを体で表したいんだがどうしたらいいのだろうか &amp;br() &amp;br()  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-23 04:14:35} 
- なぞのページに関しては気にしないで頂戴(^_^;)  &amp;br()  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-10-24 16:34:25} 
- 変歴伝内容結構変わった？  &amp;br() --  (ドールマニア)  &amp;size(80%){2011-10-30 13:29:23} 
- サイエンティストの危険な研究はすごい好きなんで早く続きお願いします  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-10-30 18:19:58} 
- サイエンティストの第五話が見つからないんだが・・・保管忘れでは？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-11-01 23:29:28} 
- 　Wikiなのだし、↑の方は自分で保管されては？個人だとどうしても抜けが出たり、最新話におっつかなかったりしますし。 &amp;br()　それにしても、依存ヤミ完結か。寂しいけれど、楽しませていただいたなぁ。オウルさんお疲れ様です。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-11-02 01:30:23} 
- 猫とワルツを　面白いです！続きお願いします！  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-11-10 02:20:53} 
- 　独断と偏見で依存ヤミ１０話保存さしていただきました。 &amp;br()　オウルさん、楽しませていただきました。 &amp;br()　次回作を期待してます。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-11-12 12:53:35} 
- ウィキへの保存ありがとうございます。 &amp;br()猫も順調なんで、これからもよろしくお願いします。  &amp;br() --  (オウル)  &amp;size(80%){2011-11-13 01:38:54} 
- 猫とワルツを２が表示できないのですが…  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-11-21 01:03:43} 
-  &amp;br()猫とワルツがケータイで一話分全部表示されないんで、だいたい一話を二分割ぐらいに分けれませんかね？ &amp;br() &amp;br()一話→一話＆二話に分けるみたいな。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-11-21 07:20:42} 
- ファイルシークとかぐるっぽとか使っても無理かのう(´Д｀； )  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2011-11-21 13:14:37} 
- ｢初めから｣すごく好きです。 &amp;br()頑張ってください。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-11-23 23:53:47} 
- 猫とワルツの続きが気になります！  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-12-02 09:00:03} 
- 『依存』まだ完結してない？のに完結ってなってる気がす…  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-12-02 21:22:10} 
- 猫とワルツを2が携帯でみれない…  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-12-13 02:09:53} 
- 『猫とワルツを』は他サイトで掲載してるから自分でそこ見ればいいんじゃない?? &amp;br()保管所に頼る前に探してみては??  &amp;br() --  (名無し)  &amp;size(80%){2011-12-15 00:54:21} 
- ↑↑↑携帯のＰＣサイトブラウザで見なさいな  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-12-16 16:07:36} 
- ぽけもん黒キタ━━━━(゜∀゜)━━━━！！  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-12-18 20:42:41} 
- 恋の病はカチカチ山をも焦がすの作品はもう更新されないんですかね？  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2011-12-18 21:52:14} 
- ↑↑自分は携帯プラウザで見れなくてどうしても見たいからサイト探して見たですよ &amp;br()携帯プラウザで見れないのは知ってます &amp;br()  &amp;br() --  (名無し)  &amp;size(80%){2011-12-19 02:03:26} 
- 更新遅え  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2012-01-16 18:20:06} 
- 自分でやればいいんじゃね(^_^;) &amp;br()  &amp;br() --  (中の人)  &amp;size(80%){2012-01-16 18:40:00} 
- 俺も最近更新やってなかったしなあ。 &amp;br()ただ、注意すれば多分誰でもできるプロセスだと思うし、俺みたく無責任に更新する（笑）名無しさんがもっと増えて欲しいなあ。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2012-01-17 15:37:53} 
- 昨日書き込んだ者っす。 &amp;br()ここ最近の小説をwikiの方に保管いたしましたので、ミス、抜け等ありましたら有志の方修正よろしくお願いします。  &amp;br() --  (名無しさん)  &amp;size(80%){2012-01-18 11:50:45}     </description>
    <dc:date>2012-01-18T11:50:45+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2469.html">
    <title>手紙</title>
    <link>http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2469.html</link>
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      845 ：手紙：2012/01/16(月) 05:56:29 ID:rHmqrhJQ
ところで、小村雄介君を覚えていますか。
小村君はこの田舎の町に多分戻ってきません。
彼は都会で1人の女性と出会ったのです。
お相手は私の親戚の御嬢さんで、昨年、大学を卒業しました。
小村君と彼女は周囲の反対をうけ、駆け落ちともとれる失踪をしてしまったのです。
ですが、私にはそう思えません。
小村君からの最後の便りを紹介する前に出会いからの今までの流れをさらりと記してみます。

私たちが高校を卒業した時、君は工業大学に進み、私と小村君は都会の大学に進学しましたね。
小村君と私は新入生歓迎会でとても美しい女性を見かけ、声を掛けたのですが彼女は振り向いてもくれませんでした。
そんなありさまだったものですから、私と小村君はあきらめていました。
その会の三日後小村君は彼女と下宿部屋のカギを探し、日が落ちた頃部屋に帰ってきました。
なぜそのようなことになったのか私も詳しくは分かりません。
そこで分かったのは、彼女が極度の照れ屋で大勢の前でしゃべれないことと、ある一定の距離に入ると饒舌になることでした。
小村君に対して心開いた彼女は小村君に交際を申し込み、交際を始めました。
私の部屋に小村君が帰ってくることも少なくなり、私は内心喜んでいました。 


846 ：手紙：2012/01/16(月) 05:57:51 ID:rHmqrhJQ
大学三年生になり、小村君が彼女の部屋に引っ越した頃、私は都会に住む伯母の下で働いていました。
そこで彼女が従妹であることを知ったのです。
この頃になると彼女は小村君に対し、依存のような情を抱いておりました。
小村君と二人で出かけることもままならぬほど情緒も不安定でした。
それからです、結婚の話が持ち上がったのであります。小村君はあまり乗り気ではありませんでした。
小村君は卒業の後、幹部候補生学校に入校し幹部自衛官を目指していたからです。
自衛官となってしまうと彼女を一人にする時間が増え、精神的に不安定にしてしまうからです。
そうなる前に彼は彼女の新しい依存先を作ってやろうとしましたが、私を含む他の誰にも靡かず、
ただ小村君を追い続けていました。私はそんな二人の有様をただ見ているだけだったのです。
大学卒業後、私は小さな電気器具製造会社に入社し、小村君は希望通り幹部候補生学校に入校し、卒業しました。
そこで再び結婚の話が持ち上がりましたが、今度は彼女の両親が反対しました。
小村君が自衛官であるというのが気に入らなかったようで、彼女は実家に連れ戻されてしまいました。
そして先月、自衛隊から外出中の小村君が失踪したとの電話が入りました。
そのころ、彼女も姿を消してしまったようで伯母さんが訪ねてきました。
彼女は駆け落ちすると書き残し、部屋から忽然と姿を消してしまったようなのです。
小村君は脱柵扱いとなり、今更戻ったところで処分は免れないでしょう。
私には小村君が望んで駆け落ちしたとは思えません。
彼は最後の便りに営内生活の様々な事、将来への希望を書き綴っていたのです。
そして最後の一行が私の心に残るのです。
「俺はお前に面倒を掛けるだろう、彼女は諦めない。」
おそらく、彼はどこか遠くで彼女と暮らしているでしょう。

19日の同窓会、私は参加できそうもありません。
それでは、お体に気を付けて。さようなら。     </description>
    <dc:date>2012-01-18T11:49:39+09:00</dc:date>
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