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あすさんの家庭教師9 - とてつもない機転

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明海は、あすさんに対して期待しすぎることはなかった。
あすさんはあくまで「助言を与える機械」にすぎず、問題を解決するのは機械ではなく自分だ、と思っているからだ。
この冷淡すぎるほどの合理的な思考により、明海はすぐに立ち直ることができるのである。


明海「高校進学していないあすさんには、やっぱり難しいのかな…」
あすさん「難しいもなにも、高校という時点でお手上げだよ。私の守備範囲を完全に超えている」
明海「ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…」
あすさん「明海が自分の力でどうにかできるのが一番いい」
明海「(。-`ω´-)ンー」
あすさん「私が解決したらおかしいじゃないか」
明海「それもそうだね……なんで他人が……って……」
あすさん「しばらく考えてみるかね?」
明海「……待って……」
あすさん「あわてることはない」
明海「待って、あたしには無理……今のままで学校に行けるとは思えない……」
あすさん「そのことも含めて、しばらく考えてみるといい」
明海「あすさんも考えて」
あすさん「∩(・∀・)∩ モウ オテアゲダネ」
明海「真面目に考えて」
あすさん「真面目に考えたら∩(・∀・)∩ モウ オテアゲダネ」
明海「最後まで面倒みてよ……」
あすさん「( ゚д゚ )」
明海「本気のあすさんを見せてよ」
あすさん「Σ(;´△`)エッ!?」
明海「いつも手を抜いてるでしょ…」
あすさん「Σ(゚Д゚;エーッ!」
明海「…わかるよ、とぼけても」
あすさん「Σ(゚д゚) エッ!? オヨビデナイ!?」

明海「あすさんはいつも1%の力しか発揮してくれない…」
あすさん「(ヾノ・∀・`)ナイナイ」
明海「本当はあと99%の力が眠ってる……」
あすさん「ネ━━━━(゚д゚;)━━━━!!」
明海「あたしってそんなものだったのね」
あすさん「いやいや…明海の高校生活に関しては、私はこれ以上は何もしてあげられないぞ?」
明海「…………………」
あすさん「助けてやりたいよ。でも、どうやって? まさか一緒に登校しろと?」
明海「そんなの無理に決まってる…」
あすさん「仮にそんなことを実行したとしても、明海を助けていることにはならないはずだ」
明海「でも! あすさんなら! 何とかしてくれると思うじゃない!」
あすさん「違う。何とかするのは明海自身だ。私はただアドバイスやヒントを与えることしかできない」
明海「あたしにはぜんぜん足りないのよ」
あすさん「……それを私が満たしてやることは不可能だよ…残念だけど…」
明海「あすさんにはできない?」
あすさん「できない」
明海「…………………」

あすさん「私にできるのなら、とっくに何とかしているよ。間違いなく」
明海「……どうしてそんなにバカ正直なの……」
あすさん「真面目に考えるからこうなるのだよ」
明海「真面目…………」
あすさん「私も経験上、真面目に考えるだけでは行き詰るということを知っている。
 不真面目に考えたとしても、すぐに答えが見つかるわけでもないということも…」
明海「それはあすさんの1%の力ではないのね?」
あすさん「100%でこの程度だ。これ以上の力を出すには、別のものが必要になる」
明海「別のもの?」
あすさん「私以外の力だ」
明海「どんなもの?」
あすさん「私以外の力だったら何でもいい」
明海「あたしの力でもいい?」
あすさん「もちろん」

明海「じゃあ、こういうのはどう?」
あすさん「( ゚ω゚)フム?」
明海「今からあたしのところへ来て」
あすさん「(´゚д゚`)」
明海「来れる?」
あすさん「(´゚д゚`)」
明海「あたしの力で来てって言えば来てくれる?」
あすさん「本気で言っているのか? 本気だとしても…」
明海「無理? なぜ? お金がないから?」
あすさん「…………そのとおり…………」
明海「あすさんの力では無理ってことでしょ? でもあたしの力を使ったらどうなの?」
あすさん「どうするつもりだ……」
明海「あたしが運賃を出す。といっても親に頼むんだけど」
あすさん「待て……悪循環だ……」
明海「信じてもらえないかもしれないけど、あたしんち金持ちなの。あすさん一人を呼ぶのに困ることなんてないの」
あすさん「(;・`д・´)な、なんだってー!!(`・д´・(`・д´・;)」
明海「あたしはあすさんを信じてるよ」
あすさん「 ゚д゚ 」




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