マビノギ限定ギルド@Wiki

ドクターあすさん10

最終更新:

mabinogi-gentei

- view
管理者のみ編集可
ここは皮肉にも仁岡が通っていた大学の病院である。


酒に酔い、転倒して意識を失っていた仁岡は、深夜、病院の個室で目を覚ます。



田中「……気がついたか」
仁岡「……俺はどうしたんだ……」
田中「どうしたって? どうしたと思う?」
仁岡「わからない……」


かつては大学で言い争いをしたこともあった二人であるが、
薄暗い深夜の病室で、静かに言葉を交わしていた。


田中「俺がわかるか?」
仁岡「田中か……? ぜんぜんわからない……」
田中「…………」
仁岡「冗談だよ……ちゃんとわかってる……」
田中「気分はどうだ?」
仁岡「どう……と聞かれても……な……」
田中「銅じゃないぞ。ブロンズではない」
仁岡「あぁ…俺、製錬やろうとしてたんだっけ……」
田中「なるほど。記憶に問題はないみたいだな」

仁岡「あぁ…そうだ…ティルコで…あすさんと……」
田中「ぷっ………」
仁岡「あれだろ……田中の言ってたのは……」
田中「それよりも仁岡、本名プレイはないだろう」
仁岡「俺の勝手だ……」


仁岡のいつもの口調で話す様子に、田中はようやく落ち着きを取り戻す。

そして、重要なことに気がついた。


田中「いったい何があって倒れたんだ?」
仁岡「……あすさんがいけないんだ……」
田中「なん…だと…?」
仁岡「俺がトイレ行くって言ったら、あすさんが茶碗をチンチン鳴らすんだよ…」
田中「なに? まさか、あすさんと一緒にいたのか?」
仁岡「いや…違う……顔文字で……茶碗をチンチンと叩いて……」
田中「………………」


田中は手帳を取り出し、何かを書き込んだ。




「まだぁ?(・∀・ )っノシ凵 ⌒☆チンチン」




仁岡「そう…それ…」
田中「そうか……。あすさんが何かやらかしたわけではないんだな…」
仁岡「ただ………」
田中「どうした?」
仁岡「あすさんはお酒が嫌いと言ったわ……」
田中「…………」
仁岡「あたしもファッションコンテスト出れるもん……」
田中「……わかったから……」


仁岡は「マビノギ」に相当のめり込んでいる様子がうかがえた。

そして、そのネタがすぐにわかる田中もまた相当にハマっているのである。




仁岡「俺……酒、やめようかな……」
田中「あすさんに言われたのか?」
仁岡「それもある……けど、もう…こんな痛い思いをしたくない……」
田中「まあ、ほどほどに、な」
仁岡「田中が来てくれなかったら……俺、今ごろ冷たくなってたな……」
田中「返事がない。ただの屍のようになっていたかもな」
仁岡「ケツの青い男、田中は俺の命の恩人です…」
田中「あ、青くねえ! 見ろ、今日のパンツは赤だ」



深夜の病院ではあるが、個室で騒ぐ二人の声は外には漏れなかった。





目安箱バナー