ヴライク・イオネスク

 ヴライク・イオネスク(Vlaicu Ionescu, 1922年4月1日-2002年2月26日)は、ルーマニア出身の古画鑑定士・修復士、哲学博士(ブカレスト大学)。ルーマニアの首都ブカレストの出身で、共産主義政権下のルーマニアで2年間の投獄経験をもつ。1955年頃、アメリカに亡命し、本格的にノストラダムス解釈を行うようになる。のちに全米ノストラダムス協会の会長となった。

 処女作は『プロレタリア時代に関するノストラダムス・メッセージ』(フランス語、1976年) で、1987年にパリの出版社から刊行された『ノストラダムス 世界の秘史』や1991年に角川書店から出版された『ノストラダムス・メッセージ』(監訳者竹本忠雄) は、その改訂版ともいえる。
 イオネスクはアナトール・ル・ペルチエを崇敬し、その後継者を自認していた。その解釈手法はオーソドックスなもので、占星術による時期予測やアナグラムによる暗号解読などを行なっていた。

 しばしば指摘されるように強い反共意識が随所に垣間見える点が際立っていたが、その中で1991年6月にソ連が崩壊すると解釈していたことは、ソ連崩壊後に予言的中と話題になった(ただし、ソ連の公式な解体は1991年12月)。先立つ1991年春に来日し、フジテレビ深夜特番への出演や筑波大学での記念講演などをこなした。



著書

 イオネスクの著書は、相互に重複する章、増補された章、削除された章などが錯綜しているので、単純に再版・増補版などと位置づけがたい関係にある。そのため、ここでは刊行年順に並べる。

雑誌記事・論説など

  • プロレタリアの時代に関するノストラダムス・メッセージ (“Le Message de Nostradamus sur l’ere proletaire”, Nouvelle Acropole, no.41, 1978, pp.2-8)
  • ノストラダムスとグノーシス (“Nostradamus et la gnose”, Atlantis, no301, 1979, pp.148-155)
  • ノストラダムスと土星以遠惑星 (“Nostradamus et les planètes trans-saturniennes”, Atlantis, no325, 1983, pp.205-241)
  • ノストラダムスに予言されていた共産主義の激震 (“Les soubresauts du communisme prophétisés par Nostradamus”, Atlantis, no 364, 1991)
  • 権威イオネスク博士が湾岸戦争を解読! (『週刊プレイボーイ』1991年3月5日号、pp.44-48)
  • 『諸世紀』研究の第一人者、ヴライク・イオネスク氏に直撃インタビュー (『ボーダーランド』1997年7月号、pp.12-18)


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最終更新:2021年08月04日 22:06