西武、撤退を正式表明 仙台駅前中央南地区再開発



 仙台市のJR仙台駅西口の再開発構想で、西武百貨店(東京)は16日、
地権者6法人などでつくる「中央南地区まちづくり協議会」の会合で、百貨
店出店の見送りと協議会からの脱退を正式に表明した。約1800平方メー
トルの所有地については、売却を含め再開発事業に影響が出ないよう協力す
る意向を伝えた。



 関係者によると、会合で西武百貨店の山下国夫社長は、景気悪化の影響を
受けた百貨店業界の厳しい情勢を説明。準備組合の設立目前での方針転換を
陳謝したという。



 引き続き地権者は今後の対応を話し合い、12階の商業ビルと35階のオ
フィスビル建設などの計画を継続することを確認。西武百貨店に替わる新た
なテナント探しについても検討する方針を決めた。



 協議会は、2015年度の市地下鉄東西線開業に合わせ事業を計画。09
年度内の準備組合の設立を目指す。ビル周辺へのペデストリアンデッキの設
置や、西隣の「仙台朝市」への連絡路の確保など、都市貢献事業も検討して
いる。



 再開発予定地の面積は約1万5600平方メートルで、西武百貨店など6
法人と仙台市が所有する。中央南地区への同百貨店の出店見送りは1991
年と96年、2001年に続き4回目だが、所有地問題が解決すれば、再開
発事業が一気に加速する可能性もある。



【河北新報 2008年12月17日水曜日】
最終更新:2009年01月22日 01:36