※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 

 

〔短縮版〕

 

 私が慶應義塾大学総合政策学部を志望する動機はひとつしかありません。

 

 無税国家の実現――それは、松下政経塾の懸賞論文で優秀賞を頂いて以来の志です。

 

 さて、今日の日本においては、景気の低迷を招いている三つの失敗があります。

 

 第一には、構造改革の失敗です。今日でも税金は、圧力団体を通した流通の途中ではかからず、私たちが商品を購入するときにかかるようになっています。このことが、既得権者の力を強め、生活者の力を弱めているのです。私たちは、すべての間接税を廃止したのち、流通の途中にも税金がかかるようにしなくてはなりません。一律付加価値課税制度の導入――税金の操作による産業の操作をなくすことが、政府により締め出された経済の活力を蘇らせます。

 

 第二には、量的緩和政策の失敗があります。私たちはもっと別の形でより金利を下げる必要があります。総合資産課税制度の導入――あらゆる富にマイナス金利を掛けるという新たな考え方です。

 

 今日では、世代間によって大きな賃金格差があります。同じ価値のあるはたらきに、同じだけの給料が払われることはまれです。総合資産課税制度は世代間格差を是正します。仮に財産が海外に流出したとしても、円安が促されれば若い派遣労働者がはたらく製造業は息を吹き返します。

 

 第三には積極財政の失敗があります。しかし、これは一方で、国が多くの資産を持っているということでもあります。

 

 ですからまずは、国有資産を1年あたり55兆円ずつ処分します。一年目は外貨預金と証券の一部、二・三年目は外貨証券、四~七年目は財融資金の回収、八~十年目は学校や公共施設、はたまた郵貯から簡保、高速道路にいたるまでを売却します。これは十年間計画です。

 

 次に先に述べたような5%の付加価値課税で1年あたりそれぞれ25兆円、1%の総合資産課税で30兆円、小計55兆円を確保します。すべてあわせて110兆円です。これにより、多くの企業・個人では課税額が6割以上減ります。

 

 予算を減らす余地もあります。政権公約で10兆円、基礎年金で10兆円、福祉で4兆円、公共事業で3兆円、防衛で3兆円、地方で10兆円、農業で5兆円、計45兆円の削減ができます。このほかの予算からも、地方への権限委譲や民間への開放で15兆程度の削減が可能です。この60兆の削減は、15兆円の最低所得保障制度へと取って代わります。予算を25兆にまでしぼりこめるのです。

 

 具体的には、憲法による赤字国債と過剰賃金の禁止、診療段階別医師免許制度の導入と医学部=医局制度の廃止、年金基金のより柔軟な運用、PFI免税債導入による投資効果の高い事業への資本集中投下、武器輸出の解禁と指名徴兵制度の導入、総合資産課税と付加価値税を除く諸税源の地方への委譲、農家ベーシックインカムの導入、地方公務員の大幅なリストラと賃金削減によりこれらの予算削減を実現します。

 

 国債費以外の歳出を25兆まで抑制すれば、85兆の余剰を生み出すことができます。これを10年間は国債のくり上げ返済に充てます。そして、10年後にはいよいよ歳入余剰金と外貨準備高、さらには今日では大半が国債に流れている郵貯や簡保の資金、ならびに市中銀行の預金を財源とした国家ファンド群を立ち上げます。ここから、年間30兆円の利益を生み出せれば、もはや税金など必要ありません。総合資産課税も付加価値課税も含めてです。

 

 これから、日本の製造業はますます空洞化するかもしれません。しかし、無税国家では円安すらひとつの好機です。相手方通貨建ての対外投資から、為替の差からくる利益を得ることができるようになるのです。私たちはもっと多くの為替差益を得ることができます。また、近隣諸国に対し、コンサル・金融・先進技術開発援助を行うことで、1年あたり1割の利益をあげることも不可能ではありません。こうして、日本は「ものづくり国家」から「研究所国家」へと進化していくのです。

 

 よりよい未来のために、私たちは夢を見なければなりません。所得倍増計画や日本列島改造論のような――私たちはそんな目標を持たなければなりません。

 

 私たちは、既得権者と同じように、資金を集め、権力を手に入れ、たくさんの支持者を共通の崇高な目的によってひとつにしなくてはなりません。

 

 私は、そんな思いに駆られて「あなたのマニフェスト」というサイトを立ち上げました。ツイッター形式の意見集約システムで、専門分野に精通した市民からマニフェストを集めます。

 

 私にはそうした活動から得た人脈と方法論があります。この大学で、私は公共部門業務における民間活力の導入と民間企業の公共部門参入とを手助けする活動を始めます。経営に関しては井上教授、政策に関しては曽根教授、通商に関しては渡邊教授にも助言を頂きたく思います。

 

 ここから生まれるのはやさしくて小さな政府です。小さな政府は問題さえ、新しい力に変えていきます――。このことを人々に示すために、ぜひとも貴学のお力添えを願いたいと考えています。

 

 (原本)

 

 私が慶應義塾大学総合政策学部を志望する動機はひとつしかありません。

 

 無税国家の実現――それは、松下政経塾の懸賞論文で優秀賞を頂いて以来の志です。それは、今日の日本における諸問題を解決するものです。それは、希望を失った日本に、新たな力を与えてくれるものです。私は、税金のない国家こそ最良の政策であると信じています。

 

 さて、今日の日本においては、景気の低迷を招いている三つの失敗があります。

 

 第一には、構造改革の失敗です。今日でも名もなき弱者のために使われるべき税金が、圧力団体へと流れています。今日でも意欲ある起業家たちが、旧態依然とした財界の重鎮たちに踏み潰されています。今日でも税金は、圧力団体を通した流通の途中ではかからず、私たちが商品を購入するときにかかるようになっています。このことが、ロビイストの力を強め、生活者の力を弱めているのです。

 

 私たちは、すべての間接税を廃止したのち、流通の途中にも税金がかかるようにしなくてはなりません。一律付加価値課税制度の導入――国による産業の操作を無くすことが、経済をより活性化されます。企業は政府に依存することよりも先に、自らを改善することを考えるようになります。流通の構造改革がなされれば、圧力団体も消えます。結果として、生産者はより高い報酬、消費者はより安い商品を得ることができるようになるのです。これこそ、政府の肥大化に締め出された民間企業の底力を完璧に引き出す政策です。

 

 第二には、量的緩和政策の失敗があります。金利を無くしてもお金を借りる人がいない時代がやってきたのです。とはいえ、銀行からお金を借り、元本以下の返済をすることは許されません。ですから、私たちは別の形でより金利を下げる必要があります。総合資産課税制度の導入――あらゆる富にマイナス金利を掛けるという新たな考え方です。

 

 今日では、世代間によって大きな賃金格差があります。同じ価値のあるはたらきに、同じだけの給料が払われることはまれです。財産が海外に流出したとしても、円安が促されれば製造業は息を吹き返すでしょう。雨が降ってこそ、地が固まるのです。そもそも、海外移転への心理的抵抗や為替のリスクを考えたときに、このような議論は考慮する必要はほとんどありません。

 

 第三には、積極財政の失敗があります。しかし、今まで本当にたくさんのお金をつぎ込んできたのですから、私たちの政府には数え切れないほどの資産があります。まずは、学校や公共施設、インフラや流通網、はたまた金融機関も含めた国有資産を1年あたり55兆円ずつ民間企業に売却します。これを十年間続けます。次に先に述べたような5%の付加価値課税で25兆円、1%の総合資産課税で30兆円、小計55兆円を確保します。すべてあわせて110兆円です。これにより、多くの企業・個人では課税額が6割以上減る上、さまざまな人々から平等に税金が徴収できるようになります。それだけではなく、結果として税収も増えてしまいます。

 国債費以外の歳出を25兆まで抑制すれば、85兆の余剰を生み出すことができます。これを十年間は国債のくり上げ返済に充てます。そして、十年後にはいよいよ歳入余剰金と外貨準備高を財源として国家ファンド群を立ち上げます。ここから、年間30兆円の利益を生み出せれば、もはや税金は必要ありません。総合資産課税も付加価値課税も含めてです。

 

 これから、日本の製造業は空洞化していくでしょう。相対的に国力が弱まれば、通貨も弱くなります。しかし、円安はひとつの好機です。相手方通貨建ての対外投資から、為替の差からくる利益を得ることができるようになるのです。あの失われた十年のあいだでも、工業国・日本の通貨に対して欧米は二倍あまりの自国通貨安を体験したのです。私たちはもっと多くの為替差益を得ることができます。また、日本が発展しつつある近隣諸国に対し、コンサル・金融・先進技術開発援助を行うことで、1年あたり1割の利益をあげることも不可能ではありません。こうして、日本は「ものづくり国家」から「研究所国家」へと進化していくのです。これは、世界初の脱工業化社会です。

 

 予算を減らす余地は、まだまだたくさんあります。政権公約関連予算で10兆円、基礎年金国庫支出分で10兆円、福祉負担適正化で4兆円、公共事業削減で3兆円、防衛の効率化で3兆円、中小企業助成と地方交付金で10兆円、農業の自由化で5兆円、ここまでで45兆円の削減ができます。このほかの予算からも、地方自治体や民間企業への開放を進めていけば、15兆程度の削減が可能です。この60兆の削減は、15兆円の最低所得保障制度へと取って代わります。よって、国債費を除いた支出は25兆にまでしぼりこめるのです。

 

 よりよい未来のために、私たちは夢を見なければなりません。所得倍増計画や日本列島改造論のような、無謀だとはいわれながらも人々の心を突き動かした――私たちはそんな目標を持たなければなりません。私は第三の時代において、「無税国家論」こそが目指すべき道だと考えます。

 

 税金のない国家――この展望は、わたしたちの政府の問題をすべて解決します。

 

 貧困層は癒着と不正な中抜きのない社会保障が受けられるようになります。中流層は、信頼できず質の悪い公共サービスを押し付けられることがなくなります。富裕層は高額な税負担を強いられずにすむようになります。すべての人々にとって利益のある政策なのです。

 

 しかし、私たちは資金を持ちません。権力を持ちません。人数を持ちません。小さな政府を支持するたくさんの声なき人々の声があります。大きな政府を支持する少数の騒がしい声が聞こえてきます。私たちもまた、彼らと同じように、資金を集め、権力を手に入れ、たくさんの支持者を共通の崇高な目的によってひとつにしなくてはなりません。

 

 私は、そんな思いに駆られて「あなたのマニフェスト」というサイトを立ち上げました。ツイッター形式の意見集約システムで、専門分野に精通した市民からマニフェストを集めます。四ヶ月の取材を経て、地方紙にも紹介され、今では公認会計士から都市開発の専門家までたくさんの人々が「あなたのマニフェスト」を書いてくださっています。私自身もまた、その一人です。

 

 私にはそうした活動から得た人脈と方法論があります。この大学でも、「あなたのマニフェスト」を集約し、ひとつの形にします。そして、最終的にはそうした政策を、コンサルタントとして実現させていきます。公共部門業務における民間活力の導入と民間企業の公共部門参入とを手助けするのです。その中で、シカゴ大学から生まれたマッキンゼーをもしのぐ新しいコンサルティングファームを築き上げていきます。そうした中で、経営に関しては井上教授、政策に関しては曽根教授、通商に関しては渡邊教授にも助言を頂きたいと考えております。

 

 ここから生まれるのは工夫ある民営化です。地方を切り捨てるだけではない。弱者を切り捨てるわけではない。そうではなくて、すべての人々が、賢明な人々の限りない創意工夫のなかで幸せに暮らせる社会を実現する。そのための、やさしくて小さな政府を作りたいのです。

 

 小さな政府は問題さえ、新しい力に変えていきます――。この言葉を現実のものとして人々に示すために、ぜひとも貴学のお力添えを願いたいと考えています。