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**太田昌国(編集者、民族問題研究家)
&bold(){皆さんが渋谷の首相の屋敷に向かっていたころ、私(たち)は法相の選挙区、千葉県茂原市にいた}
10月26日、金満家であることを自慢するという、不思議な感性をもつ首相の豪邸を目に焼き付けようという、いささかユーモラスな発想に基づいて「現実を知るためのツアー」を行なって、弾圧を喰らった皆さん、協働された皆さん。
インターネットを通して、皆さんの行動の様子と、警察権力が不当に介入した瞬間の映像を見ました。いまは、このような動画記録を通して、いつ、どこで、何が起きたのかを、その場に居合わせなかった者も確認できる時代です。これを見れば、警察の振る舞いの不当性が誰にも分かるでしょう。
皆さんが渋谷で、品性なき首相の屋敷に向かっていたちょうどその頃、私たち(18人)は、法相・森英介の地元、千葉県は茂原におりました。就任記者会見において、「死に神」鳩山前法相への共感を示した人物だけに、公判記録を精査するという法相の当然の義務を果たすこともなく執行命令書にサインする危険性を感じたのです。茂原駅前を行く地元の人びとに、死刑執行阻止を呼びかけるビラを渡し、その後森氏の事務所へ要請行動に向かいました。訪問の趣旨を事前に伝えていたにもかかわらす、事務所には誰もいませんでした。(付け加えるなら、この緊急行動が設定されなければ、私は渋谷に行く予定にしておりました)。
それから、2日後の10月28日、福岡と仙台の拘置所で、ふたりの死刑囚が絞首刑を執行されたことは、皆さんもご存知のとおりです。
私は、「戦争」と「死刑」という、人殺しを行なうふたつの権限を国家が握っている状態を止めさせなければならないと考えています。日本国家はその意味で、いま最悪の状況にあります。アフガニスタンにおける米軍の一方的な殺戮行為を助けるために自衛隊が「給油活動」を継続することに執念をもやす麻生首相の意図と、再審請求を準備していた(冤罪の可能性すらある)死刑囚の執行命令書にサインした森法相の軽率な行為は、人の生死を自由に操ることができると錯覚している「現代日本国家」なるものを軸に重なり合っています。
国の内外の民衆の「窮状」にこころを揺さぶられる感性もなく、「金なら唸るほどある」ことを自慢げに公言する人物を首相を据えている国は、情けなくも、世界にも珍しいでしょう。
私は、人間的に低劣な、こんな人物に代表される「国家」に、人の生死を左右する権限を委ねたくありません。その意味で、切実な思いを、いささか皮肉で、ユーモラスな形で表現しようとした渋谷における皆さんの行為に、深い連帯感をおぼえています。
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