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2005/2/16 スレ4 635氏 悟空×チチ 初夜」(2008/11/20 (木) 13:20:58) の最新版変更点

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フライパン山での結婚式も無事に終り、パオズ山の新居への引越しも終了して早一ヶ月が過ぎた頃… 太陽が眩い光と共に昇り始め、新しい朝を作り出す。新しい台所に早くも慣れ、チチは手際良く朝食を作った。次々にテーブルに積まれた食材からは、湯気が立ち上っていた。 「こんな、もんだべか…」 花嫁修行の甲斐もあってか、チチは手際が良かった。これだけの量を一瞬にして作りだし、その料理の腕ときたら絶品であった。うめぇうめぇと料理を口一杯に頬張ってチチの作った料理を平らげる悟空の姿を喜々として想像しながら、寝室でまだ夢の中の悟空を呼びに行った。 「悟空さ、朝だべ」 肩を叩きながら声をかけてみる。 「…ん~」 悟空は寝返りを打つのみで全く覚醒する様子が無い。 「悟空さ、起きてけろ」 チチは肩を揺す振ってみたが、今度は反応すら無かった。 「もう!悟空さ!起きないとこうだべ!」 チチは頬を膨らませながら熟睡している悟空の脇腹を擽ってみた。 「わひゃっ!」 悟空は今までの無防備な寝姿とは打って変わり一気に目を覚ました。 「あんれ!悟空さはくすぐったがりだべ?」 「わひゃっ!ヒャッ!ヒャヒャヒャッ!」 悟空の反応がこうも素直だと嬉しくなりついついエキサイトしてしまう。 「ヒャヒャッ!チチ、や、やめろって!」 悟空は我慢できずにチチの両手を掴み瞬く間にベッドに組み臥した。この状態になってはチチは悟空に敵う筈も無かった。 「今度はオラの番だぞ!」 悟空はチチの脇腹を擽ろうと両手で脇腹を掴もうとした。 「きゃっ!悟空さ、オラの負けだ~、」 元来からこそばがりのチチはその動作でも耐えられなくなってしまい、咄嗟に自分の負けを認めた。 「おめぇずりーぞ!」 「これから悟空さ起こす時は素早く逃げなきゃなんねぇな」 笑い零れるチチを見て、悟空も楽しくなってきた。 「くっそ~やっぱりお返しだ!」 徐にチチの脇腹を掴んだ。 「ひゃ!悟空さ!冗談だべ!!!」 チチはやはり笑い興じながら悟空の両腕を力一杯掴んで抵抗する。 一方悟空の方はというと、瞬時に自分の両手から伝わってくるチチの身体の柔らかさを意識してしまった。 自分の心に芽生える感情に戸惑ってしまい擽るどころでは無くなっていた。目前に横になるチチの身体はしなやかで、細い腰は自分がこのまま力を入れれば折れそうだった。掴んだ力が無意識に緩んでいった。 「チチ」 悟空は赤面しながら低い声で目の前にいるチチの名前を呼んだ。突然の真面目な態度にチチは抵抗を辞め悟空を見上げた。 「悟空さ、どうしたんだ?」 チチが小首を傾げ問うた瞬間 "ググッ~" タイミング良く悟空の腹の虫が鳴った。それを聞いてまたチチは笑い転げた。 「ごっ、悟空さの腹の虫は大きな声で鳴くんだなぁ~、腹減ってんだな~」 「お、おう」 自分の深淵を見透かされるのを拒むかのように悟空も笑って見せた。 「朝ご飯出来てるから冷めないうちに食べるだよ」 「そ、そうだな~」 自分の腕を掴んでいるチチの手をしっかり握り悟空はチチと共に起き上がった。 「悟空さ、今日も修行で遅いだか?」 「あぁ、そうだな」 テーブルいっぱいに高く積み上げられた食べ物を頬張りながら、悟空が答えた 「そうけ。じゃ、今日もうんと上手いもん作って待ってるからな」 「おう」 態と素っ気無い態度で返答し、次々に食べ物を口に運ぶ。チチは他にも色々と話かけたが、悟空は心ここにあらずといった返答だった。 悟空の目前に食べ物を置いたら、それに集中してしまい自分に愛想がなくなり話を聞かない事は生活を共にしてよく解かっていた。 日常茶飯事的な悟空の態度を気にもとめなかった。勿論、悟空の憂いにも気付く事などなかった。 「じゃ、行ってくるな」 「うん。気を付けるだよ」 玄関先では、筋団雲に乗った悟空をチチが見送っていた。 「おう」 早々に筋団雲が高く空に舞い上った時、チチが大声で呼び止めた。 「悟空さ、弁当!」 それに気が付き、悟空は筋斗雲に乗りながら近付いてチチに近付いた。 「わりい、わりい」 悟空はチチから弁当を受け取ると脱兎の如く大空へ上昇し、彼方に消えた。 「悟空さが食べ物の事忘れるなんて、今日は雨でも降るんだべか?」 最愛の夫の微妙な変化を感じながらもチチは特に気にも留めずに家の中へ入って行った。 「チチの奴、全くその気がねぇんだもんな…」 筋斗雲を走らせながら悟空は呟いた。筋斗雲から地上を覗くと森の間を縫って川が流れている。 悟空は筋斗雲を急降下させると、水辺に降り立った。足元に転がる小石を川に投げ入れると水飛沫が豪快に弾けた。 「はぁ~」 煌びやかに舞い散る水泡を眺め、悟空は溜息を吐いた。 今朝のやり取りも自分には精一杯のシュチュエーションだったにもかかわらず、チチは見事にスルーした。 孫家ではここ半月はそんな不毛なやり取りが繰り広げられていた。 「チチの奴、いってぇどういうつもりなんだ?」 暗鬱な気持ちを掻き消す様に武道着のまま川に飛び込んだ。確かに結婚したいと申し出たのはチチの方だった。 しかし、そう言った甘いムードをチチは全然出してこない。 悟空の方というとウェデングドレスの一件から、チチをどんどん身近に感じていると言うのに、チチはまるで仲の良い兄弟、例えばブルマやクリリンの様に接してくる。 悶々と考え込む悟空は川底に付き、そこで座禅を組んだ。自分の服から残っていた空気が泡となって目の前通りすぎていく。 まさか、夫婦の本当の意味を知らない訳でもないだろう。 出会って直ぐに結婚したから自分を見定めているのかもしれない。しかし、チチはそんな計算高い女には全く見えない。 それに自分も神様の所で修行してなければ何も解かっていなかったかもしれない。散々考えた挙句にその考えに辿り着くと、悟空は禅を解き川底を蹴って水面を目指した。 「ぷはっ」 水面に顔を出し、新鮮な空気を取り入れた。 「よし!」 水辺に上がり二、三度頭を振り水を弾き飛ばすと、大声で筋斗雲を呼びその場を後にした。 そのころチチは庭で洗濯物を干していた。真っ白に洗いあがったシーツは空の雲と同じ色。 気持ち良いぐらいに晴れあがった空を見上げた。 「悟空さは変だったけど、雨は大丈夫そうだな」 専業主婦とはいえ、やることは次々に出てくる。次は部屋掃除だ、等と考えながら伸びをすると、チチの目前の青い空白い雲の中に金色に光る雲が近付いてきた。 「んっ?」 伸びを途中で止め凝視すると悟空だった。 「あんれ?悟悟空さ?どうしたべ?」 突然帰宅した悟空に驚嘆しながらも嬉しそうに近付いていった。 「いや、今日は修行に身が入らねぇから帰ってきたんだ」 「ふ~ん…悟空さでもそんな事があるんだなって、あんれ!悟空さ何やってきただ!服がびちょびちょでねーか!」 チチの表情は感嘆から一変して頬を膨らませ怒ったフリをしてみた。勿論悟空にもそれは通じていたので、頭を二、三掻いて誤魔化した。 「早く風呂入んねぇと風邪ひいてしまうべ」 チチは膨れっ面をやめて、空になった洗濯籠を持ち上げた。 「あ、オラ持ってやるよ」 何も入っていない籠は軽いもので、それに庭から家は目と鼻の先だった。それでもチチは悟空の気持ちが嬉くなった。 「そうか、ありがとうな」 家族はお互いがお互いを思いやれば、幸せになれると実感した。悟空は洗濯籠を受取り、空いている手でチチ手に触れてみた。 チチは莞爾として笑んで悟空の手を握り返す。二人は手を繋いだまま家へ向かった。 「ありがとうな、悟空さ。これ、おいてくるべ」 家に入って悟空から籠を貰おうとした時、急にチチの視界が山吹色になった。 「ひゃ!!!」 突然の出来事にチチは驚愕の声をあげた。何が起こったのか理解出来ずにいると、頬には悟空の鼓動が響き、刹那、抱き締められている事が解かった。 幼い頃に抱かれた(いだかれた)父牛魔王の懐を思い出す。しかし牛魔王の慈愛に満ちた抱き方とは全く違い、強く抱き締められている。 それに聞こえてくる悟空の胸の早鐘と比例してその腕にかけられる力が徐々に強くなっていった。 「悟空さ、服が濡れちまうべ!」 腕の中のチチ声で悟空は我に返り手を解いた。 「お、おう!」 チチは、悟空の腕から逃れ悟空の顔を覗きこむと眉間に皺を寄せた。 「それに、力が強すぎるべ?そんなんじゃ、悟空さとオラの赤ちゃん出来た時に潰されちまうでねーか。オラ心配だべ」 「え!」 悟空はチチの一気に捲し立てられた言葉の中にある、意味深長な部分を聞いて固まってしまった。 やはり自分の気持ちを見透かされているのだろうか? 「な~に驚いてるだ?一緒に暮らしてたらそのうち子供が出来るべ?」 やはり悟空は強張った表情のまま動けないでいた。 「…じゃ、お風呂沸かして来るべ」 そう言って、チチは足早に浴室へと向かって行った。悟空はそんなチチを呼び止める言葉が見つからなかった。 二人の歯車は微妙にずれていった。 夜が来ていつもの様に寝室で眠る。満月の光りがカーテン越しに差し込む。その先には、すっかり熟睡しているチチ。その隣には頭を抱え物思いにふける悟空の姿があった。 「どういう事なんだ?」 溜息混じりに呟きながらチチを見遣る。口を少し開け、あどけない表情で眠るチチ。 今まで自分なりに精一杯のアピールもしてみたが、どうも甘いムードとは程遠い。 子供を成すという意味を解かっているのかいないのか…もし、解かっていないのなら自分が一から教えなければならない。 しかし本来口下手な自分が神様の所で学習した事をチチに一から教える事は到底無理に近い。 隣では小さな寝息を立てて眠るチチ。これ以上の生殺しは身体が持ちそうも無い。 満月の光りが雲で遮られ辺りが暗くなったとき、悟空は言葉より行動で示そうと決意した。 冷たい空気を身体に感じ、チチは眠りが浅くなった。蒲団を蹴飛ばしてしまったのだろうか? 寝ぼけた頭で暗闇の中を気だるそうに細い腕を動かし、自分に掛けられているであろう蒲団を探す。 手に触れる物があり、自分に掛けようと思ったが、何時もの蒲団の感触とは明かに違う。 その感触確かめながら、徐々に覚醒していった。 「う~ん?」 重い瞼を開き目を凝らしてみる。暗くてはっきりとは見えないが、明かに自分に覆い被さる人影が見えた。 「…う…ん、悟空さ?」 自分が触っているのは悟空の引き締まった大胸筋、しかも直接肌に触れていた。そして自分も一糸纏わぬ姿である事に気付いた。 悟空の胸から手を離し、目を擦りながら呟いた。 「何でオラこんな格好で寝てるだ?悟空さも何で服きて無いん…」 悟空は素早くチチのその腕を掴んで蒲団に押しつけ、自分の唇でその言葉を遮った。 「……!」 突然のキスにチチは瞠目する。悟空の荒い息がチチの顔に掛かる。チチは成すすべも無く、悟空の舌を受け入れた。 悟空のそれはまるで生き物の様にチチの口内を侵食し、チチは苦しさから首を左右に振ろうとした。 しかし悟空は素早くチチの両腕をチチの頭上に組んで片手で捕らえ、残った手でチチの顔を固定した。 「…!…!」 チチの声にならない声がくぐもった音を発した。 どうして、悟空は自分にこんな事するのだろうか?激しいキスの中チチは悟空の理解出来ない行動の原因について考えていった。 自分を凝視していたり、何を言っても上の空だったり、やたらと身体を密着させてくる。かと、思えば急にびっくりしたり…。 今までの悟空の性格を把握出来ていなかったので、それが彼の気質だと思っていた。 自分が悟空を知らない間に怒らせてしまったのか?そういえば、最近悟空の様子がおかしくなかっただろうか? おかしいといえば、ここ最近食欲が落ちているような気がする。全身を触って来たり、凝視するのは…。そうして、この貪るようなキスはひょっとして…。 成すすべも無く悟空を受け入れているチチは、いきなり抵抗を始めた。そんなチチの態度に、悟空は舌での侵食を止め、唇を離す。 チチは息苦しさから咳き込んだものの、間髪入れずに悟空に問うた。 「悟空さはオラを食っちまうつもりなのか?」 パニック寸前のチチは冷静な判断力を失っていた。勿論ギリギリのところにいる悟空も同じ事であった。 食っちまうという言葉を別の意味に捉えた悟空は、今までの杞憂はや心労は何だったんだと思うと同時に、自分を試したチチに苛立ちを感じ始めていた。 お互いの思考がかけ離れていく瞬間だった。 「そうだ」 悟空は、低声で短く告げ、その苛立ちからかチチの手首をきつく握り締めた。 「や、やんだ!」 チチは完全にパニックに陥ってしまった。身体をひねり悟空の束縛を解こうとするのだが、当たり前だが無駄な事だった。 どんなに抵抗しても悟空は拘束を外さない。 「いや!悟空さ!」 悟空はチチの抵抗を軽く遇って首筋に舌を這わせて軽く噛む。その啄みは、チチを余計に恐怖に陥れ、ぞくりとした感覚が背中に走った。 悟空の熱い体温と荒い息遣い、そして強い鼓動をチチは感じていた。自分は、ここで食べられてしまい死んでしまうのだろうか? 自分を育ててくれた優しい父にももう逢えないのか?ずっと恋焦がれていた最愛の人との夢の様な暮らしも今夜で終りなんだろうか? きっと、悟空は結婚を承諾した時からこのつもりだったのであろう。でなければ、あんなにあっさり返答出来る筈も無い。 チチは憔悴しきって抗う事も諦め、瞳を閉じ、悟空に身を委ねた。瞳から勝手に零れ落ちる涙は止められなかった。 悟空は既に抵抗を辞めたチチの四肢から自分の掌を持って来ると、チチの胸にある柔らかな果実を揉みしだく。 それは柔らかいのに弾力性に富んでいて、それでいて吸い付いてくる様で、悟空にとっては初めての感触であった。 その感触を楽しむかのように玩んでいると、少しずつではあるが、双実の中央にある突起が隆起してきた。悟空は痛いぐらい上向きになっている突起の周囲に息を吹きかけてみた。 いくら無抵抗になっているといっても、普段全くそういった刺激を受けない部分なので、チチは身体を震わせた。 そんなチチの反応を見て悟空は口元で笑い、果実をきつく啄み吸うと滑らかなチチの胸に赤い印が刻まれた。 その行為を終無く続かせると、チチの真っ白な艶やかな胸は無数に悟空の印が刻み込まれていた。 そして悟空はチチの大腿を強引に開くと未だ充分に濡れていない入り口に自らの欲望の塊を宛がった。瞬間チチは悲鳴を上げた。 それはまるで自分の体内に焼鏝を当てられているような感覚たっだ。今まできつく閉じられていた瞳を大きく見開いて、覆い被さっている悟空を捕らえた。 しかし、涙により直ぐに視界が歪んだ。苦痛により身体を仰け反らせるが、悟空の太い腕に押さえ込まれた。 悟空は少しずつ腰を進めていくと、チチの体内のある部分に辿り着いた。 そこは異物の侵入を防ぐかのように悟空を拒絶する。悟空は先ほどとは一変して一気に侵入した。 その行動によりチチの体内で、何かが壊れた。先ほどとは比べられないその激痛、しかも悟空は更に奥へ奥へと捻じ込んで行こうとする。いくら抵抗しても、泣き叫んでも、悟空は辞めなかった。 激しい痛みから逃れる術はただ一つ…。チチは、意識を手放した。 薄暗い朝靄の中でチチは目を覚ました。口内はカラカラに乾いており、頭痛もした。 重い身体を起こそうと試みるが、全身が特に自分の中心が痛くて起きあがれない。それでも無理に起きあがると、掛けられていた蒲団が乾いた音を立ててベッドの下に落ちていった。 その事によって自分の身体に無数の赤い斑点が付いている事に気付き、瞬時にあの恐ろしかった出来事が走馬灯の様にチチの脳裏に駆け巡った。 「目ぇ覚めたんか?」 不意に背後から声をかけられた。その声の主は悟空。背後に悟空がいる、そう意識しただけで全身が身震いし、チチの全身にじんわりと冷たい汗が流れる。 チチは背中に痛いほどの視線を感じたが、恐怖が身体を支配して悟空の方を振り向けずにいた。まだ家の周りにいる動物達も眠っているためか静寂の中時間だけが過ぎていく。 「チチ」 その沈黙を破ったのは悟空だった。 「チチ、こっち向けよ」 しかし、チチは振り向く事が出来ないでいた。悟空は身体を起こしてチチに近付き、その震える肩を掴んで強引に自分の方に引き寄せた。 腕の中のチチの身体は冷たく、全身を強張らせ震えていた。そんなチチを見て悟空は罪悪感に苛まれた。 「辛ぇ事して悪かった…」 悟空は沈痛な面持ちでそう告げた。昨夜はあんなに恐ろしく見えた悟空が、今は意気消沈している。 やはり自分を食べなかったからなのか?自分が抵抗したからだろうか?チチは、悟空の寂然とした態度の前でどんどん自責の念にかられていった。 と、同時に自分がどれだけ悟空の事を愛しているかも実感した。そして、こんなに愛している人の一部になれるなら本望ではないかと感じた。しかし、チチの心に新たな疑問が生まれる。 「どうして、途中で止めたんだ?」 今にも泣き出しそうな声で呟いた。 「へっ!?」 悟空は不意を付いた質問にどまぐれるが、 「おめぇが、意識失っちまったから途中で止めた」 極めて真摯な態度でそう告げた。 「そうか…今からオラを食っちまうつもりなのか?」 「おめぇが良いって言うんだったらよ…」 「そうか、解かっただ。」 チチは一度頷いてから悟空の顔を見た。 「でも最後にお願いがあるだ。おっとうに逢いたい。プライパン山の景色も見たいんだ。まだ、お別れを言ってないべ…」 ほろりとチチの瞳から涙が落ちた。 「お別れって、おめぇ何言ってんだ?」 悟空は呆気に取られ涙を拭く事が出来ない。チチは自らの涙を手で拭うと 「悟空さ今からオラを食べちまうんだろ?」 それだけ告げ、また項垂れた。 「…!」 思考を巡らせ、悟空はチチが今発してた言葉の意味を悟った。昨夜、はっきり言葉に出来ない自分にチチが誤解してしまったのだ。だからあんなに脅えていたのかもしれない。 可哀相な事をしてしまったと思うと同時に、自分がチチに試されていたのでは無い事に気が付いた。 そして、今までの暗鬱な気持ちが無くなると、嘘の様に心の澱が解けていき、自然と笑みが毀れた。 食うの意味を誤解したままのチチにちゃんと説明しなければいけないと解かってはいるものの、どうしても笑いが止まらない。 そんな態度の悟空にチチも最初は驚いたが、何時まで経っても笑っている悟空に腹が立ってきた。 「何がそんなにおかしいべ!最後ぐらいおっとうに逢わせてくれてもいいべ!」 チチは目の前にある悟空の大胸筋を思いっきり抓った。 「痛っ!悪ぃ悪ぃ」 悟空はチチに対する愛しさが込上げて来て、自然と頭を優しく撫ぜた。チチはそんな悟空に疑心の目を向けた。 「チチ、昨夜は辛ぇ思いさせて悪かったな。」 悟空はチチをあやす様に抱きながら続けた。 「でもいくらオラが大食らいだからって、おめぇを食べたりはしないって。」 「だって悟空さはオラを食べるって言ったじゃねえか!」 チチは悟空の顔を睨み付けながら言い放った。 「あぁ、オラが悪かったって…食って言ったのはなぁ…違う意味の食うだ」 あやす様に諭す様にチチとは正反対のゆっくりとした口調で言う悟空に毒気を抜かれチチは落ち着きを取り戻す。 「なんだ?どういう事だ?」 「夫婦の意味の食うって事だ」 チチは悟空の言っている事が理解できず深く考え込んだ。チチの中では食うイコール食うなのであって、他に意味は成さない。すると悟空はまた続けた。 「ところでおめぇ、子供ってどうやって作るんか知ってっか?」 夫婦の食う話と子供を作る話はどういう接点があるのか解せなかったが、 「ばかにすっでね!そんな事ぐらい知ってるだ!夫婦が一緒に仲良く暮らしたら神様が奥さんのお腹に赤ちゃんの種を運んでくれるだよ。小さい頃に読んだ絵本にそう書いてあっただ」 悟空に自信満万にそう主張した。悟空はチチの返答を頷きながら聞いて、これまでのチチの一連の行動に合点がいった。チチは子作りの何たるかを全く理解していないのだ。その結論を出した以上、正確な知識を教えるのは夫である自分の勤め。 でなければ、この先チチはその度に傷付きそして泣くのであろう。それだけは嫌だ。それだけは絶対に避けなければいけない事と思った。しかし自分には上手くその意味を説明する自信が無い。 「う~ん…」 チチの今までの意気揚揚とした態度は困惑している悟空を見て不安そうな表情をに変わっていった。 「ひょっとして…違うだか?」 「う~ん…神様っていうのがなぁ…」 「違うんけ?」 「う~ん…それじゃオラの子じゃねぇ、神様の子供になっちまうな」 「ええっ!おら緑色で触覚のある子供なんて嫌だ!どっどうしたらいいだ!おら悟空さの子供がいいべ!」 悟空は狼狽するチチの肩を抱き宥める様に頭を撫ぜた。 「でぇじょうぶだ。神様には出来ねぇ。オラの子供だったらオラにしか無理なんだ」 「悟空さに出来る事なんだな?」 「あぁ。オラが実践で教えてやる」 そう言い切って悟空はチチをベッドの中央に横にさせた。 「オラ、どうしたらいいだ?」 未だ不安な表情を向けるチチの頬を撫ぜ、破顔すると 「大丈夫だ。オラに任せとけって」 悟空はチチの唇を指で拭い自分の唇を合わせキスをした。それは昨夜の様には荒々くなく、チチを愛しそうに味わうものだった。 最初チチは悟空の舌の動きに戸惑っていたが、ようやくそれに慣れた。そして自らも悟空を感じ取る様に自分の口内に入っている悟空の舌を軽く擽った。 長い長いキスの間チチは頭が甘く疼くのを感じた。悟空は唇を離すと、二人の間には細く光る糸が渡る。 「悟空さ、オラなんか変な感じがするべ」 「あぁ、それでいいんだ」 短く答えられたが、それでチチは安心し再び悟空に身を任せた。悟空はチチの鎖骨を縫って昨夜自分が無数に付けた赤い印を唇でなぞっていく。 悟空は休む事無く果実に舌を這わせた。昨夜はあんなに恐ろしかったその行為。しかし今は、チチの身体の芯に痺れるような感覚が芽生えさせた。 その感覚は昨夜悟空に壊された部分に甘い痛みを与えていった。チチの漏らした息は、徐々に甘い吐息に変わっていく。そんな微妙な変化を楽しむかの様に、悟空は中央の隆起を口に含み舌先で転がした。 「あっ…!」 チチはその感覚に耐えきれずシーツを掴み身体を固くした。しかしその小さな喘ぎを悟空は聞き逃さなかった。突起への刺激を止めると身を乗り出してチチの顔に近付いていった。 チチの頬はピンク色に上気し妖艶な瞳で悟空を見た。悟空も普段とは明らかに違う情熱的な瞳でチチを見ている。始めて見る互いの表情。 チチは面映さから思わず顔を背けてしまうが、悟空はそんなチチの態度に益々自分の猛りを熱り立たせた。悟空はチチの両足を割り間に入っていくと、自分の鈴口をチチの泉に二、三滑らせ侵入を試みた。 「痛いっ!」 痛みは昨日よりは幾分かはマシになっていたがそれでもかなり痛い。悟空は腰を引き、侵入を辞めた。 「ひょっとして昨日、痛かったんか?」 チチは黙って頷いた。悟空は昨日自分がした事によってチチが壊れてしまったのではないかと突如不安に陥った。そして心配そうに入口を覗き込むと、微かに血液の匂いがした。 やはり、傷つけてしまったのか?悟空は落ち込んだが、悟空は幼少より傷は舐めて治すという信念があった。それを実行しようと決めた。舐めてみるそこはしっとりと濡れていた。 「ひゃっ!悟空さ何やってるだ!」 チチは驚きの声を上げて両足を閉じ様とする。しかし悟空は黙してがっちりと両足を掴み、そのまま舌で傷口をなぞっていく。随分とその行為を繰り返すと傷口から、愛液が滴り落ちた。 チチの吐息は先ほどの様に甘く、時折小さな喘ぎを漏らす。悟空はその行為がチチに快感を与えている事が解かった。 悟空も実のところセックスのノウハウまでは教わっていなかった。神様とミスターポポが受精のメカニズムについては詳細に渡って説明してくれたが、女性の喜ぶ部分や感じる部分など教えてくれてはなかったのだった。 亀仙人の所で国後の時間に読んだマーガレットとボブの話も肝心な所が抜けており参考にもならなさそうだ。だったら自分で見つけていくしかない。 「チチ、気持ち良かったら言えよ。」 悟空の舌はチチの泉を探る様に動かしていく。舌が泉の上部にある小さな突起に当った時、チチは大きな嬌声をあげた。その芽は大半が周りの皮膚に囲まれており、悟空は芽を何度も舌先で突付いてみた。すると控えめに顔を出していた部分は少しずつ固さを増した。 悟空は舌で器用にその芽の周辺の皮膚を剥き軽く吸ってみると、 「あっ!は…あああぁあっ」 チチはあられもない声を上げ絶頂に達してしまった。 それを挿入の合図と取った悟空は素早くチチの入口に鈴口を密着させ 「入れっぞ」 と低い声で告知した。先ほどの甘い波に浸るチチに悟空の言葉は耳に入らず、返答は無かった。悟空は腰を押し進めチチの中に己の猛りを埋没させていく。 充分に濡れたそこはきつく狭かったが、昨夜よりも上手に悟空を受け入れた。それによってチチは先ほどの甘い夢から現実に引き戻された。 昨夜の恐ろしい出来事がチチの脳裏にフラッシュバックする。しかし昨夜より痛みも少なく、先ほどの余韻により痛みすら快感に変えていった。 悟空は、チチの様子を見ながら緩やかに動いていく。 「う…あんっ、悟空さ…」 チチはうっすら目を開けて悟空の名前を呼び縋り付いた。 「チチ、チチ」 愛しくて堪らない。何度もチチの名前を呼び、腰を激しく打ち付けた。先ほどよりも強い刺激を受け、チチの足元から快楽の波が訪れ全身を駆け巡る。 「あっ!あ!………ごっ…悟空さ、ああぁああっ!」 チチは一層高い婀娜声を上げる。チチの体内が激しく痙攣を起こして、悟空自身を締め付けた。 悟空もチチの身体を抱き締めながら、自分の遺伝子の結晶をチチの最奥に放った。チチは自分の体内に暖かいものがいっぱいに広がるのを感じ、それが悟空の種である事を理解した。 二人はようやく本当の夫婦になれた。 「解かったんか?」 悟空は隣で荒い呼吸のままの横になるチチの黒髪を玩びながら問いかけた。 「うん。これで悟空さの赤ちゃん出来ただなぁ」 嬉しそうに自分の下腹部を撫ぜる。 「いや、それは解からねぇ。そっからは神頼みだな」 「ふ~ん。そういうもんだべか?」 少し残念そうに言うチチを抱き寄せ悟空は耳朶を舐めた。 「あぁ。この先オラがゆっくり時間をかけて仕込んでいってやるよ」                       完

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