「飾りつけ、終わりましたよ。」
「おかあさーん!見てー!」
クリスマスツリーの飾りつけは、ここ数年、悟飯と悟天の役目である。
「うわぁ!綺麗に飾っただなあ。二人とも、お疲れさま。」
チチに褒められて、悟飯と悟天は顔を見合わせて会心の笑みをもらす。
チチは悟天に気付かれないように、そっと悟飯の袖を引っ張った。悟飯は瞬時にその意図を察した。
「悟天。サンタさんに今年は何をお願いするんだい?」
何のことはない。これで悟天の欲しいものを聞き出すのだ。だから悟天は7歳の今でも、サンタクロースが自分の欲しいものをプレゼントしてくれるのだと信じている。初めて、チチから悟天の欲しい物を聞き出すように頼まれた時、悟飯は手品のタネを見せられたような気がした。自分も幼い頃、サンタの存在を信じていた。
「あのねえ。ボク、サンタさんに、弟を下さいってお願いするんだ!」
飛び出した悟天の言葉に、チチと悟飯はひっくり返りそうになった。
弟!弟!と、チチのエプロンを引っ張りながら、はしゃぐ悟天にチチは困惑した。
「しゅ、宿題は済んだだか?宿題もしねえ悪い子の所に、サンタさんは来ねえだぞ。」
そう言って、その場は悟天を黙らせた。
悟飯がそっとチチに耳打ちをした。
「あとで、それとなく第2希望をきいておきますから・・・」

「おとうさん、あのね。ボク、サンタさんに弟が欲しいって、お願いしたの。」
風呂に入りながら、悟天は顔かたちから、髪の跳ね具合まで自分にそっくりな父親に、今日の出来事を話した。
「ふーん。悟天は弟が欲しいんかぁ?で、母ちゃんはなんて言ってんだ?」
「宿題もしない悪い子に弟はくれないって。だから宿題もしたし、明日の用意だって自分でしたよ。」
いい子にしていたら、サンタさん、弟、くれるかなあ?心配そうに風呂の天井を見上げる次男坊に、悟空はバシャッと湯をかけた。
「まあ、そんなこたぁ関係ねえんだけどな.・・・よし!そんじゃ、父ちゃんが弟か妹、作ってやっから。」
「ええっ!おとうさんが?!弟を作るの?どうやって?!」
悟天は目を丸くして驚いた。
「それに、ボクは妹じゃなくて、弟が欲しいの!」
妹だと一緒に遊べないでしょ!悟天は口をとがらせた。
「男か女かなんてできてみるまで分かんねえさ。だから、もし妹ができても、文句はなしだかんな。まっ、とにかく、父ちゃん、頑張っから!」
―― 赤ちゃんはサンタさんがくれるのに、どうして、おとうさんが頑張るのかなあ?
なぜか超化して、指をポキポキとならす父が、悟天には不思議でならなかった。

「遅かったじゃねえか。」
全ての片付けを終えたチチが寝室に入ると、悟空は腕枕をして、ベッドの上に寝そべっていた。
「まだ起きていただか?」
嫁入り道具の鏡台に向かい、チチは黒い滝のような髪を丁寧に梳く。櫛けずるたびに、艶やかな黒髪は一層の輝きを増す。
鏡に映ったお互いの顔を見ながら、二人、たわいの無い話をする。パオズ山のてっぺんが雪で白くなっただの、晩飯に喰ったどれそれが旨かっただの。夫が再び生き返ってくれた今、この「普通」の時間を、この上なく幸せだとチチは思う。
「そういや、今日、悟天がさ。弟が欲しいって言ってたぞ。」
「悟天ちゃん、悟空さにもそんなこと言っただか?」
慌てて振り向くと、悟空はチチの真後ろに立っていた。
「だからさあ、なあ、チチィ・・・」
悟空は後ろからチチに手を回した。
「今夜から、ゴムは無しだ。」

「そ、そっだらことして、子供ができたらどうするだ?!」
回された両腕を解こうともがいても、悟空の逞しい腕はチチの細い身体を包み込む。
「悟天のヤツが欲しいって言ってんだ。だからさ、なっ?」
「子供の言うことさ、いちいち真に受けてどうすんだべ・・・はんっ・・・」
悟空はチチの夜着の襟元から手を差し入れ、ふっくら膨らんだ胸の頂点の突起を指の先でこね回した。触れられていない方の乳首まで、夜着の上からも分かるほどに、その形を現した。
「やんだ、悟空さ・・・離してけれよ・・・」
鏡の中のチチが、しびれるような快感に思わず眉を寄せる。いたずらな手から逃れようと身をくねらせても、その動きは悟空の欲望の炎に油を注ぐだけだ。チチが身じろぎ出来ないように両の腕できつく抱きしめながら、その右手は片方の乳房をすっぽりと包んだ。
「悟天もでっかくなったしさ。もう一人くれぇ、いてもいいんじゃねぇか?」
包んだ乳房を優しく揉みしだきながら、悟空はチチの白いうなじに唇を押し当てた。
「か、簡単に言うでねぇ・・・んん・・」
夫の作戦に乗るまいと、チチは意識を持っていかれないよう抵抗する。
「今さら、2人も3人も同じじゃねぇか。」
「同じじゃねえべ!」
悟空の不用意な発言に、チチは形の良い柳眉をキッと逆立てて、猛然とまくしたてた。
「だいたい悟空さは、悟飯ちゃんと悟天ちゃんの教育費ってものを考えたことがあるだか?今の世の中、大学くれえ出ておかねえと生きていけねえだぞ!そればっかじゃねえ。悟飯ちゃんも悟天ちゃんも、悟空さと同じくらい、たーんと食べるだよ!あの二人の食費だけでも大変だったところへ、悟空さが生き返ったおかげで、家はこれ以上、首が回らねえだよ!これで、もう一人、大飯喰らいのサイヤ人が生まれたら・・・・」
チチの身体に回されていた悟空の両腕が、するり、と解けた。チチが後ろを振り向くと、悟空はその黒い目をパチパチと瞬かせていた。

「・・・オラ、生き返っちゃ、いけなかったんかなあ・・・・」
悟空は鼻をしゅんとすすり上げると、鼻の下を人差し指でこすった。
「あ。・・・悟空さ。おら、そんなつもりで言ったんじゃねえだよ・・・」
わかってるって。慌ててとりなすチチの肩を悟空は優しく叩くと、寂しそうに笑った。
「オラ、もう寝るな・・・・」
じゃあ、おやすみ。悟空は布団に入ると、壁の方を向いて寝てしまった。
チチは夢中で悟空の後を追ってベッドに上がると、自分に背を向けている悟空の肩に手を置いた。
「悟空さ、ごめんな。堪忍してくんろ。先月も、先々月もその前も赤字だったもんで、おら、つい、ひでえこと言っちまって・・・そんな、悟空さが生き返らなきゃよかったなんて、おら、これっぽっちも思ってねえだよ。」
「うん。わかってるさ。気にすんなって。オラも気にしちゃいねぇから。」
その声音はいつも通りの穏やかなものだったが、悟空は背中を向けたままだった。
「なあ、悟空さ。聞いてけれ。おら、悟空さに死なれたときは、ホントに辛かっただよ。悟空さが生き返ってくれるのなら、おら、何でもするって思ってただよ・・・」
「何でも・・・?」
悟空は背中を向けたまま、小さな声で尋ねた。
「あ?ああ!何でもしてやるだよ!もし食べてえ物があるなら、何でも作ってやるかんな!何がいい?肉まんか?それとも豚の丸焼きけ?何でも言ってみてけれ!」
「ホントに、何でもいいんか・・・・?」
「あったりめえだ!何して欲しいんだ?」
「・・・・じゃあさあ、チチィ・・・久しぶりに、オッパイにオラのアレをはさむヤツやってくれよ!」
くるりと寝返りをうつと、してやったり、の顔をした悟空がいた。

「バ、バッ、バカ言うでねえ!!」
腹立たしいやら、恥ずかしいやら。チチは顔を朱に染めて怒鳴った。
「何でもするって言ったじゃねえか。」
なあなあ、チチィ。逃げられぬように悟空はチチの肩を掴んだ。
「アレ、最後にしてもらったの、いつだったっけかなあ?・・・そうそう、セルゲームの前だ。覚えてっか?」
「・・・・・!」
思い出した。戦いに赴くまでの9日間、不安がる自分を夫は笑って励ましてくれた。
―― だいじょうぶ。何とかなるって。
では何か勝算があるのかと尋ねると、ただ笑うばかりで何も答えなかった。
後から思えば、夫の死を心の片隅で覚悟していたのかもしれない。余命幾ばくもない夫に、出来る限りのことをしてあげようと、悟空の望むことをチチは全て受け入れた。悟飯を神殿に預けてからの二人だけの一週間は、思い返すと身震いするほど、ケダモノじみた日々だった。
「アレは良かったなあ。なあ、チチ。アレ、やってくれよ。」
「だ、ダメだ。そっだらこと・・・おら、したくねえ!」
「・・・やっぱ、オラ、生き返らなきゃよかったかなあ・・・?」
悟空は上目遣いにチロリとチチを見た。
「わ、わかった。わかっただよ!一回だけだぞ!これっきりだかんな!!」
「おう、わかってるって!!」

返事が終わるや否や、悟空の口がチチの唇を捉えた。急に跳びつかれ、鼻の頭がぶつかった。痛い、と言いたくても、チチの舌は悟空の舌に巻かれ声にならなかった。
舌を絡ませながら、悟空はチチの夜着のボタンを外しはじめた。一つ、また一つと外される度、束縛を解かれた、たわわな二つの果実が顔を出す。子供二人を生んだとは思えない柳のような細腰。細い木に揺れる形の良い乳房の先端は、少女のように淡いピンク色をしている。顕わになった乳房を下からすくい上げる様に掴むと、塞いだチチの口から、くぐもった声が洩れた。
冬を迎え、外はしんしんと冷え込んでいる。部屋の中も決して暖かくはないのに、チチの身体はうっすらと汗ばみ、その乳房は悟空の手の平にぴったりと吸い付く。この柔らかく、温かい物体に、己自身を包まれる快感を思い起こしただけで、悟空は達してしまいそうだった。
チチの両肩を掴み唇を引き離すと、朝露に濡れた蜘蛛の糸のように、二人の口の間を唾液が光る線をつーっと描いて途切れた。
「なあ、コッチもしてくれよ。チチ・・・」
悟空は膝立ちになってズボンの紐を解き、下着ごと下ろした。枕を背に腰を下ろすと、その股間のモノは、鎌首をもたげた蛇のようにチチを待ち構えていた。
チチは悟空の男根を見て、咄嗟に顔を背けた。結婚して子供を二人儲けているのに、未だ夫の裸を正視できない。そんな仕草が悟空の中の征服欲を焚きつける。荒ぶる気持ちは、そのまま自身の形を変え固さを増す。

悟空に促され、チチは襟元を広げ、自ら両の乳房に手を添えると、ゆっくりと上半身を倒していった。体を前に屈めると、張りのある乳房と、ツンと上を向いた乳首が、重力に逆らえずに下を向く。
目を背けたくとも、悟空の男根は目の前にある。チチは乳房を持ち上げると、恐る恐る、悟空の男根を両脇から挟みこんだ。
「うはっ・・・!」
悟空が堪らず声を上げた。柔らかく、温かく、信じられないほどの弾力で、自身を包み込む。チチの胸の谷間で、悟空の陰茎は更に猛り狂い、一気にその体積を増した。
「柔らけぇ・・・すっげー、イイぞ・・・」
思ったことは腹蔵なく口にする。悟空が悦んでいると知って、チチも口元が緩む。作った料理を褒められて嬉しいように、自分の行為で悟空が悦んでいると知って、チチも嬉しくなる。身体は正直で、チチの股間に熱い歓喜の泉がジュワッと湧いた。
チチは乳房に手を添えたまま、上下にゆっくりと動かした。亀頭の張り出し具合から、肉棒の脈打つ筋まで、乳房でその感触が分かった。
悟空の先端から、先走りの汁が伝わり始めた。男性の精液独特の渋く、草いきれのような匂いがチチの鼻を打つ。
―― 悟空さの匂いだ・・・・
その匂いを嗅いだだけで、また、湧き出す泉の量が増えた。身につけたままの下着の濡れた感じがチチには心地悪かった。
先走りの液と、チチ自身の汗で胸の谷間はより潤滑になった。肉棒は二つの丘の間で、じゅるん、じゅるん、と擦られた。時々、カリ首が固い乳首に引っかかる。その度に、二人同時に声をあげた。

悟空は既に最大値まで膨張し、胸の谷間の上部に頭を突き出している。あと少しでチチの顎まで届きそうだ。
―― この際だし、ついでに・・・・
自分の開いた両脚の間で身を屈め、懸命に奉仕する妻の姿に、悟空の頭に不埒が考えが浮かぶ。
チチの後頭部に手を置くと、悟空は腰を浮かせた。
「あ・・・」
肉棒の先端がチチの唇に触れた。チチは思わず頭を上げようとした。しかし、戒めるように置かれた悟空の手が、それを許さなかった。
「なあ、チチィ。今度は舐めてくれよ・・・」
返事を待たずに、悟空はチチの頭に置いた手に力を入れた。
亀頭に触れた唇は、少し逡巡した後、観念したように開かれて、その先端を口に含んだ。優しく口に含みながら、割れ目に沿って下から上に舐めあげると、悟空の口から喘ぎが洩れた。
性器を口にするなど今でも信じられないが、頭の上に降る悟空の声にならない息遣いが、チチの道徳心や羞恥心を壊していく。
―― 大きくなったら、お嫁にもらってくんろ
フライパン山で初めて会ったあの幼い日に、身も心も未来さえも、この男にくれてやる覚悟をしたのだから。今さら何を惜しむのだろうか。
―― 悟空さ、もっとキモチよくしてやるかんな・・・
袋を一方の掌中で転がしながら、陰茎に優しく歯を立ててしごいた。
「チ、チチッ・・・・」
悟空は更なる刺激を欲した。チチの黒髪に手を通して頭を押さえつけると、立て膝になってチチの喉奥まで一気に突きこんだ。

「む、むぐ、んんん・・・」
息苦しさにチチが呻いた。悟空は自分を咥えさせたまま、チチを四つん這いにさせると片手で頭を押さえて抽挿を繰り返した。
正直、口内を犯しても、チチの膣内の感触には遠く及ばない。だが眉間に皴を寄せ、小さな口いっぱいに己を頬張る痴態を見ているだけで、身体中の血が一点に集中する。
「チ、チチ・・・オラ、もう・・・出していっか?」
限界を告げる悟空にチチは頬張ったまま頷いた。悟空の亀頭が力を溜めるように膨らんだ。チチは心の準備をした。一瞬の間を置いて、悟空が「・・うっ!」と呻く。同時にチチの口内に悟空の性がほとばしった。
チチは舌先に、渋く、苦く、暖かい液体を感じた。とめどなく流れ込む液体を、チチは少しずつ飲み込んでいった。
「はぁー」
悟空の満足気な溜め息が聞こえた。チチは潤んだ目で、おずおずと悟空を見上げた。
「悟空さ、もう、怒ってねえ?これで、さっきの事は堪忍してくんろ。」
どうして妻はこんなにも、自分に嫌われることを恐れるのだろう?悟空はいじらしく思いながらも、その心配をぬぐい去ってやるような言葉を、今までかけてやったことのない我が身を嗤った。
夫の自嘲の笑みを、チチは満足した証しと受け取った。夜着の胸元を合わせるとボタンを留め始めた。
「お、おい。チチ!待てって!」
悟空は追いすがるようにチチの両肩を掴むと、引き寄せて唇を重ねた。少し苦いような変な味がした。それが自分の精液だとは思わなかった。

悟空は唇を離すと、チチの胸元をまた広げ、薄桃色の先端を口に含んだ。
「はあ・・・悟空さ。もう、満足したべ?今夜はもう・・・」
「おめえはまだ満足してねえだろ?」
いつのまにか、夜着の裾から進入した悟空の手は、裾をたくし上げながら、チチのふくらはぎから太ももへと滑るように辿った。そして、きつく合わさった両腿の間にたやすく手を差し挟むと、下着の上から敏感な部分をなぞった。下着越しに指で押しただけで、じゅくじゅくと地下水が湧き出すのが分かる。
「チチィ。おめえ、すげえ、濡れてっぞ。」
『動かぬ証拠』を押さえて、悟空はいたずらっぽくチチの目を覗き込んだ。
「しゃぶってるだけで、こんなに濡らしてたんか?」
「そ、そっだらこと・・言わねぇでけれよ・・・」
チチは首をすくめて、消え入りそうな声で呟いた。悟空はチチをゆっくりと寝台に倒しこんだ。チチの上に馬乗りになる形で、開きかけの胸のボタンを外し始めた。胸元まであるボタンを全て外すと、太ももまでたくし上げた裾を持って、一気に頭から引き抜いた。
粗末な寝台の脇にある、粗末で小さなランプの薄明かりが、チチの白い裸身を浮かび上がらせた。チチは両手で胸を隠した。
イヤじゃねぇんだろ?悟空は心で呟いた。それが証拠に、妻は両手を挙げて、夫が脱がせ易いように協力したのだから。

悟空はチチの両手首を掴むと胸からもぎ取った。上を向いた乳房がテラテラと弱く光っているのは、悟空の唾液なのか精液なのか。悟空が尖った乳首を口に含み、歯を当てると、あん、と小さな啼き声がした。
乳首から口を離して、身体を起こすと悟空はチチが唯一、身につけているショーツを下にずり下ろした。小さな下着は愛液でじっとりと濡れていた。
悟空は身を倒しチチの上に覆いかぶさった。その厚い胸板に、チチの豊かな胸が押しつぶされる感覚が伝わってくる。
悟空は顕わになったチチの女陰に指を這わせた。赤く剥き出しになった突起を指でコリコリと撫で回した。
「ぁあんっ!!」
眼も覚めるような声でチチが大きく啼いた。その声にチチ自身が驚き。思わず口を塞いだ。二階で眠る息子達に聞かれたのではないかと、気が気ではなかった。
だが、そんな心配をよそに悟空は構わず秘所をまさぐった。大小の陰唇を分けると、あっという間に秘孔を探り当てた。
十分に潤った赤い口に、人差し指と中指を揃えて入れると、口は容易く飲み込んだ。
「んん・・・はぁ・・」
チチが切ない吐息を漏らす。
二本の指を膣内で折り曲げ、腹部の側の壁をなぞっていくと、蠢く肉の壁の中に、ざらついた部分を見つけた。
「やん!ご、悟空さ・・・や、やめてけれ・・・」
吐息まじりの声で、チチは悟空の片腕を制しようとするが、彼女の細腕が敵うはずがない。
「ん?どした?イヤなんか?」
悟空は内部の壁を掻き回しながら、外に出た親指で、更に赤く熟んだ果実をクリッ、クリと撫で回した。
チチは悟空の肩口に顔を押し付け、声が洩れるのを必死に押さえている。
―― ホントはおめえの声が聞きてぇんだけどさ・・・
さすがに悟空も息子達に気を遣うようになった。
だったら、その声ごと吸っちまえばいい。肩口に押し当てられた顔を外して、自分の方に向けると、その桃の花のような唇に舌を差し入れた。

 つい先程、チチの口の中に全部吐き出したのに、悟空のモノは形を変えていきり立ってきた。悟空は自身を掴むと、さっきまで指で愛していた蜜壺の入り口にあてがった。
「んんっ!んふっ!!」
悟空の隆々とした自身が触れた瞬間、塞がれたチチの口から声が洩れた。悟空は入り口をなぞり、その蜜を己に塗りつけた。
先端を沈めようとしたとき、チチは悟空の頬に手をかけて、唇を引き離した。
「ゴムつけてけれ!!」
「ゴム?」
「おらの鏡台の引き出しに入ってるから、持ってきて、着けてけれ!」
「ムチャ言うなよ。こんな状態で離れられるわけねえだろ?」
悟空はチチの手を取ると、猛り狂う自分自身に触れさせた。
「だ、だども、おら、今日は危ねえ日なんだべ。子供ができたら・・・」
男根を握らされながら、チチは真っ赤な顔で抗議した。
「丁度いいじゃねえか。悟天も弟を欲しがってんだしさ。」
妻の抗議を無視し、悟空が再び入り口に身を沈めようとした時 ――
「だったら、外に出してけろ!」
「は?」
「ゴムさ着けたくねえんなら、出そうになったら外に出してけれ!」
「いい?!んなこと出来るわけねえだろ。」
「悟空さは気のコントロールが出来るんだべ?だったら、そのくらいしてけれよ。」
そういうのは気のコントロールとは違うんじゃねえか?反論しようと思ったが、己の分身が収まるところに収まりたいと、筋を立てて急かす。
「・・・ま、一応、やってみっから・・・」
悟空はチチの背中を抱きなおすと、力を込めてチチの中へ身体を沈めた。

「んんん・・・はあ・・・」
息が出来なくなる程の圧迫感に、堪らずチチが眉間に皴を寄せ、苦しそうに呻く。
悟空は睾丸がチチの尻に当たるまで自身を沈めると、そこから、ゆっくりと引き抜いた。たっぷりと愛液をまとわせて、自身を先端ぎりぎりまで引き抜くと、再び一気に貫いた。
「ひゃ!」
チチが白い喉を反らして、身体をのけぞらせた。
激しく動く度に、無数の肉の花びらが、一枚一枚と悟空に絡みついてくる。胸の谷間よりも、口の中よりも、格段に暖かく、柔らかい襞が悟空を包んで蠢く。
「な、なあ、チチ・・・やっぱ、ムリかもしんねえ・・・おめえん中に出していいだろ?」
「だ、だめ・・・はあ、はん!そ、外に、んんふ・・外に出してけれ・・・」
目をつむり、口を半開きにし、そして、泣きそうな顔で、最後の理性をふりしぼって懇願する。
――そんなイキそうな顔見たら、オラ、我慢なんかできねえぞ・・しょうがねえなあ
「はあああああああああ・・・・」
チチと繋がったまま、悟空は気を膨らました。ほの暗い部屋を金色のオーラが照らし、金色の髪は炎のように逆立ち、漆黒の瞳は翡翠色に変わる。身体が一回り大きくなるにつれ、男根もチチの中でズンと大きくなった。
「あぁんっ・・・ご、悟空さ。セ、セックスの時は超サイヤ人にならねえ約束だべ?」
「普通のままなら、このまんま、イッちまうぞ。だいたい、チチ。おめえがオラのを、すっげえ締め付けて離さねえんだぞ!」
「そ、そっだら、こっぱずかしいこと、言わねえでけれ・・・はあっ、はああんっ!!」
悟空は遮二無二、チチの内部を掻き回した。
「はん!ご、悟空さ・・・いい、いいだよ・・・ああっ、あん!おら、もう・・」
「・・・チ、チチッ!い、一緒にイクからな・・・」
チチの白い脚がピクピクと痙攣した。
―― やべっ。今、抜かねぇと・・・
悟空が自身をチチから引き抜くと、間一髪。肉棒は震えながら、チチの白い腹の上に、びゅる、びゅるっ、と白濁した液を吐き出した。チチは腹部に広がる液の生暖かさを、目を閉じて感じていた。

「・・・悟空さ。やっぱり、外に出すと、良くなかっただか?」
身を起こしたチチは、ティッシュで汚れた体を拭いながら、釈然としない面持ちの夫に尋ねた。
「そりゃ、中に出した方がいいさ。」
最奥に押し込んだまま、恍惚とした表情のチチを見ながら、たっぷりと己の性を注ぎ込む快感は言葉では言い表せない。
身支度を整えたチチは悟空の横に体を横たえた。悟空の耳元に口を寄せ、そっと囁いた。
「大丈夫だって日には、ゴムもつけなくてもいいだよ。」
「え?そんな日があんのか?いつだ?」
「半月くれえ向こうかなあ?」
うへぇ。悟空は首をすくめた。
「少しは辛抱してけれよ。これが『家族計画』ってもんだべ」
諭すように話す妻の頭の下に、枕代わりの腕を差し入れた。
「じゃあ、悟天の弟はどうすんだ?」
「二番目に欲しい物は新しいゲームだと。それをもらえば、弟のことなんか忘れちまうだよ。」
そんなもんかぁ?悟空はやはり釈然としなかった。

―― クリスマスの朝。イブの夜から降り続いた雪は、パオズ山も、麓の村も一面の銀世界にしてしまった。
悟天の枕元には「第二希望」のゲームソフトが置かれていた。
チチが予言したとおり、悟天は「第一希望」の事は言わなかった。早くも綺麗にラッピングされたプレゼントの箱をビリビリと破り、中身を取り出していた。
「なんだ、悟天。弟じゃなくても良かったんか?」
「余計なこと言うでねえだ!!」
朝食のテーブルの下でチチは悟空の足を蹴っ飛ばした。
「いってえー!いってえなあ。何すんだよ、チチィ。」
せっかく忘れているだに!チチは悟空を睨みつけた。
「いいの。サンタさんは、あとできっと弟をくれるから。」
あとで。まだ諦めていねえだか。あのなあ、悟天ちゃん、とチチが言いかけた時。
「だって、遅くなったけど、サンタさんは、ちゃんとおとうさんをくれたよ。」
悟天の言葉にチチは凍りついた。あれは悟天が2つか3つの時だった。「クリスマスに何が欲しい。」と訊くと、悟天は「おとうさん。」と答えた。
「おかあさんの前で、おとうさんが欲しいなんて、二度と言うな!!」
間髪入れずに悟飯が大喝した。日頃、温和な兄に怒鳴られ、悟天はその理由も分からず泣き出した。弟の泣き声で悟飯は我に返った。火が点いたように泣く悟天に、成す術もなく立ち尽くす悟飯。そんな息子達の首をそれぞれの腕に抱えて、チチはその胸に抱きしめた。
息子達を抱きしめながら、チチは少しも悲しくなかった。むしろ、この兄弟を誇らしくさえ思っていた。そして、この子供達を遺してくれた亡き夫に心から感謝した。
悟天は言葉を続けた。サンタさんは必ず約束を守る。今年は何か事情があって「弟」をくれないのだ。今年のクリスマスには間に合わなくても、いつか、きっと届けてくれる。
おとうさんがそうだったように。

「おっほー!積もったなあー。なあ、これから雪合戦しようぜ!」
突然、悟空が窓の外を見ながら、素っ頓狂な声を上げた。
「えー!ゲームしたーい・・・」
「ほれ。いいから、いいから。」
渋る息子達を外に追い立てると、悟空はチチに言った。
「チチ。おめえも来いよ。」
「おらはいいだよ。第一、悟空さ達と雪合戦なんかしたら、怪我しちまう。」
「大丈夫だって。オラがついてっから・・・いいから行こうぜ。」
悟空はチチの手を取った。繋がれた手は随分と暖かかった。

「よし!悟飯と悟天、オラとチチの二組に分かれっぞ。悟飯!悟天!こっちには母ちゃんがいるんだから手加減しろよ。」
チチは前に立った悟空の背中を見た。夫なりに自分を守ろうとしてくれている。そう思ったら、鼻の奥がキュンと痛くなった。ふと悟空の横顔を見やると、鼻の頭が真っ赤だった。それは寒さのためだけではないように思われた。その目も赤くなっていた。
「みんな!超サイヤ人になるのはやめてけれよ!」
夫と、そして恐らく自分の、赤い目と鼻を子供達に指摘されないように、チチは大声を張り上げた。
チチの澄んだ声に、悟飯と悟天が呼応する。
「おとうさん!瞬間移動も反則ですよ!!」
「舞空術も使っちゃダメだよ!」

この奇跡の家族に、悟天のサンタクロースは、もう一度、奇跡を起こすのだろうか?

(終)

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最終更新:2008年11月19日 13:02