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本題に入れないうちにだれて長くなってしまったので、申し訳ないんですが途中まで投下させて下さい。
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17号×チチ
陵辱注意 ダーク注意
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今思えば、それはひどく幼稚で、子どもじみた独占欲だった。
金属をつぎあわせたような小さな機械に手を伸ばし、恐る恐るボタンに触れる。
扉から母の寝室や、師が眠る客間へ音が漏れないよう、音量のつまみを最小までひねり、
息を潜めてその時を待つ。
モニターに現れた文字に、幼い心臓は高鳴った。
『Input the age when you wanna go _ _ _ 』
ほんの少しの罪悪感と、血の踊るような興奮の中で、懸命に年を数える。
『その女性』が死んだのは、俺がまだ物心つく前。彼女の夫が死んでほんの数年後だったと
いうから、今から4,5年前だ。
指折り数えて、俺は適当なエイジを入力した。開発中のマシンらしく、時折乱れる映像の中に、
少年の頃の師の姿を見つけ、追いかける。そして、とうとう見つけた。
初めて見る彼女―――師の母は、想像していたよりずっと幼く、少女のような面差しをしていた。

師は、修行の合間によく昔のことを話してくれた。
二体の機械人形に壊されたこの世界が、まだ美しかった頃のこと。
そこには無数の生命が溢れ、師は生き物を研究する学者になりたいと思っていたそうだ。
戦闘に巻き込まれ、魔族に師事し、争い事に手を染めるようになっても、その夢を
捨てたことはなかった。それを見守ってくれた仲間たち、誰より強く優しい父。
もうみんな死んでしまったけれど、と師は寂しげに笑ったが、俺はその時間が好きだった。
父とも兄とも慕っていた師が、大切な思い出を語ってくれることが、嬉しくてならなかった。
けれどある日、気付いたのだ。一度も語られたことのない、ある人の存在に。
もしかしたら仲が悪かったのかもしれない、とずっと遠慮していたが、ある日とうとう
聞いてしまった。
―――あなたの母は、どんな人だったのか、と。
師は、苦しげに顔を歪め、話を逸らした。やはり生さぬ仲だったのかと思い、師に嫌なことを
思い出させたと、後悔していた。母に、師の母親のことを問い質すまでは。
『仲良かったわよ、すっごく。どっちかっていうと過保護なお母さんだったけど、嫌ってる
そぶりなんか全然なかった。僕がお母さんを守りますって、よく言ってたもの』
母の言葉は、ひどく俺を動揺させた。師に迎え入れられたと思っていた、温かな世界から、
突如として放り出されたような思いだった。覚えていないはずはない。憎んでいたはずもない。
母親を守るなどと、偽善で言えるような人ではないのだ。なら、何故隠した?
身勝手で、理不尽な憤りだった。多分、師の母親に嫉妬していたのだと思う。師と母からの
愛情しか知らない俺は、その全てを独占したいと、無意識に思っていたのだ。
師と彼の母親が共有する過去に、一歩も踏み込めない自分が、惨めでならなかった。
胸に染み付いて離れないその思いが、俺を母の研究室へと向かわせた。タイムマシンを
開発中の母が、過去を映し出す受像機を開発済みで、使い方も知っていたからだ。

再生速度を最速にして流しながら、要所要所で映像を止める。
どうやら、師の父が死んで間もなくらしい。喪服と思しき黒い服を、律儀に毎日着込み、
それでいて実に明るく逞しく、彼女は笑っていた。くるくるとよく働き、慎ましいが
温かみのある小さな家は、いつでも清潔感に溢れている。驚くべきことに、それは
あの2体の機械人形が現れ、平和だった世界が無残に荒らされた後も変わらなかった。
『ちゃんと野菜も食べるだぞ。好き嫌いにも勝てねぇ子が、人造人間に勝てるはずねぇだ』
余りにのんきな物言いに、俺はモニターの前で吹き出した。師の父は、変わり者揃いの
仲間達にさえ呆れられるほど破天荒な人だったと言うから、そんな夫と均衡をとるために、
彼女は“日常”にこだわったのかもしれない。
どれほど外界が変わり果てても、少しも変わるところのないその温もりに満ちた家で、
師はとても安らかな顔をしていた。とてもではないが、『母親』と聞いただけで顔をしかめるような
原因など見当たらない。夏の陽の下に咲く向日葵に似て、明るく可愛らしく、大らかな彼女は、
見れば見るほど、師が語ってくれた思い出の中心にいるにふさわしい。
やはり、ただの弟子に過ぎない俺に、一番大切な母との思い出を語りたくなかっただけなのだろう。
うそ寒い、それでいて胸のすくような思いがした。
見てはいけないと言われたものを見ることは、どうして心地良いのだろう。
敬愛する相手に禁じられたものならば、尚更快楽を増すのは、何故。

『―――ちゃん、仙豆忘れてるだ!』
その日、彼女は珍しく、師の修行場に姿を現した。驚いてストップボタンを押した俺と同様に、
少年の頃の師が慌てている。
『お母さん、駄目ですよ外に出ちゃ!危険だっていつも言ってるでしょう!』
『何言ってるだ、これがなかったら危ねぇのはおめぇも一緒でねぇか』
飛んできたらしく、息を切らしながら、彼女は師に小さな袋を渡した。あの中に、話に聞く“センズ”が
入っているのか。俺はまじまじと、師がそれを受け取る様を見ていた。あれが今も残っていれば、
ちぎり取られた師の隻腕は元に戻るのだ。
『ありがとうございます。でも、早く帰ってください、お願いだから。それから、今度からは何が
 あっても、絶対外には出ないで。今の僕じゃ、奴らには勝てません。お母さんを守れないんです』
『……おめぇは、いつもそれだな。そんなに気ぃ張らなくてもいいだぞ。おっ父が死んだからって、
 何もかも全部おめぇが背負うことはねぇだ。おめぇのためだったら、ちょっと危ねえくらい、
 おっ母は何でもねえんだぞ』
彼女の柔らかそうな白い手が、彼女と同じ色をした師の髪を撫でる。いつもは結い上げている髪を
おろし、化粧気もない彼女は、師と並んでいると、母子というより姉弟のようだった。
『どんだけ強くたって、おめぇはまだ子どもだ。少しは甘えてけれ。母親の立つ瀬がねえでねえか』
『……はい』
はにかみながら、師が頷く。微笑ましさに、思わず頬を緩めたそのとき、
『よう。今日は連れがいるのか』
モニターの中で響いた声に、俺は凍りついた。言葉を覚えるより先に刷り込まれた、圧倒的な恐怖心に、
嘔吐感さえ覚える。一瞬にして吹き出した冷や汗が頬をつたって落ちる頃、奴らは樹の上から
師ら母子の前に舞い降りた。金の髪、黒い髪、ガラス球に似た無機質な4つの瞳。
今と寸分違わぬ美しい姿形をした双子の悪魔は、同じ顔で笑っていた。

師が腕の後ろに彼の母を庇い、奴らに対峙する。幼さの残る掌で拳を握る師を、女の悪魔は
けらけらと嘲笑した。
『あらあら、ガキが格好つけちゃって』
『少しは強くなってるかと思って来てやったのに、女といちゃついてるとはな。
 こりゃ期待できそうにない』
『……何とか注意を逸らします。逃げて下さい』
間合いを計って、師が飛び出す。その瞬間に彼女は空へ飛び立った。余裕の表情で交互に
師の拳を受ける双子に、彼女を追う気配はない。彼女は助かる、そう予感して息をつきかけたときだ。
金髪の双子が放った閃光に、師の身体が貫かれた。
『ウアアアアア!!』
師は倒れ伏し、獣のように悲鳴をあげた。一見して死をあやぶませる量の血が、やわらかな草地を
禍禍しく染めていく。のた打ち回る師の脇腹からは、赤黒い肉と骨がのぞいていた。
ほとんど反射的に、彼女は飛ぶのを止め、惨劇の場を振り返る。瀕死の師を見つけ、
彼女は息子の名を叫びながらその場に戻ってきた。黒髪の双子はその様を笑い、一瞬のうちに
空中で彼女の背後をとると、その身体を拘束した。
『離せっ!』
『気が荒いんだな。せっかく可愛いのに』
黒髪の手が、彼女の手をとる。血反吐を吐きながら、師は黒髪を睨みつけた。
『お母さんにっ……さわ、るな……!」
『母親?お前のか』
黒髪は驚いて彼女の顔を覗き込む。彼女は息子に負けぬ激しさで黒髪を睨むと、奴の頬に
唾を吐きかけた。憤怒の色を示す黒髪に、彼女は少しも怖けない。
『一度しか言わねぇ。おらを離すだ。おらの息子に何かあってみろ、おめぇたち二人とも
 ただじゃすまねぇからな』
弾けるように、金髪が笑った。
『言うじゃないか。さすがは“あの男”の妻ってわけだ。ただ殺すのが惜しくなったよ』
頬を拭いながら、黒髪も唇だけで笑う。
『ああ。たっぷり可愛がってやろうじゃないか。“あの男”の代わりにな』

『何を……する気だ』
師は捕らえられた母親に手を伸ばしたが、風穴を空けられた身体は動かない。
金髪は幼い子どもにするように、師の前髪をあげてその額を撫でた。
『分からないのかい?……ほんとはすぐに、あんたの目の前で殺してやろうと思ってたんだけどね。
 “お母さん”が、あんまりいい女だからさ』
暴れる身体を殴りつけ、黒髪は彼女の衣服を裂いた。
師はその意味を悟り、おぞましさに戦慄する。
『貴様らっ……!』
『よく見てな。母親のオンナの顔なんて、そうそう見れるもんじゃないよ』
卑猥な台詞を吐きながら、金髪の顔は作り物らしい冷たさを失わなかった。
素裸に剥かれた彼女の身体と、衣服を着けてはいるが強暴な黒髪の身体は、激しくもつれ合いながら、
次第に人間らしさを失っていく。まるで、獣の交尾だ。それも、犯される側は死ぬのかもしれないと
予感せずにいられない、激烈で一方的な。師は歯軋りをしながら目を閉ざし、涙を零す。しかし俺は、
ほんの少し目を逸らすことさえできずに、その様に釘付けになっていた。滅びかけたこの世界は、
子孫を残したい本能からか早熟な子どもが多く、俺とて男女のことを知らないではなかったが、
そんなものを見るのは初めてだった。
黒髪は動きを止め、彼女の背後に回ると、師に向かって大きく彼女の脚を開く。
裂傷したらしく血の溢れるそこに、黒髪は下から己を突き入れた。
『見ろよ、目を開けろ。でないと、この女を殺すぞ』
かすかに息を乱しながら、黒髪は師を脅迫した。憎しみに満ちた師の眼差しに、双子の悪魔は
楽しくてたまらない様子で笑った。突き上げられ、丸く実った乳房が毬のように跳ねる。
その度、彼女は泣き声の下で、死んだ夫の名を呼んだ。その声が一際大きくなり、黒髪が
ある一点で動くのをやめるまで、俺は身じろぎもできずにそれを見ていた。

『こ、ろし、て、やる……』
『フフ、良い顔だね。自分が死にそうなくせしてさ』
金髪は、罪を知らない幼子の残酷さで笑い、師の胸元に手を差し入れた。隠し持ってあった
仙豆を一粒取り出し、立ったままの高さから師の口内へ落とす。同時に、残りの仙豆が入った袋を
掌中で焼き尽くすと、金髪は師を挑発した。
『サイヤ人は死にかける度に強くなる……はずだよね?反撃してみせてよ』
重傷ゆえ嚥下さえ難しいらしく、必死に飲み込もうとする師を、金髪は嘲笑した。
『ね、それにさ。“超サイヤ人”になるには、心の底から怒ればいいんだろう?
 今ここで、なってみせてよ。なれるもんなら』
地獄へ誘う悪魔のような、甘美な声に、師は、日ごろの穏やかさからは想像できないような形相で
ゆっくりと立ち上がった。黒い瞳の両親を持つ師の瞳が、わずかに青みがかっている。
父親譲りらしい硬質の髪が、ざわざわと弥立つのも見えた。
獲物を見つけた獅子のように、師は金髪に飛び掛かる。やはりあの女と伍することはできないが、
先程とは段違いのスピードで、師は執拗に攻撃を続けた。そうして数メートルの距離から、
金髪にエネルギー波を放つ。金髪は易々とそれを避けたが、その行方を追ったガラス球の目は、
かすかに見開かれた。光弾は、しなる弓に似た曲線を描きながら、陵辱を終えて着衣を整えていた黒髪へ
向かっていたのだ。はじめから、黒髪を狙っていたのだろう。
―――当たれ!
俺は手に汗を握り、叶うはずもない願いを内心で叫んだ。しかし、黒髪は不敵に笑うと、拳一つで
師の技を払いのけた。
『驚かせるじゃないか。今日はなかなか良い線いってるな、その調子だ』
挑発的な台詞に、師は唇を噛み締める。狂ったような金髪の笑い声が、山野にこだました。
黒髪が身構え、返礼とばかりに、その手の内にエネルギー波を満たした。


(未完)