本編プロトSS(島の神様編)


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両親の都合で、引越しを繰り返すというのはけっこうよくある人生だと思う。
実際、僕の幼少期はそんな感じだったし、今日も新しいところに引っ越してきたばかりだ。
それで、都会の生活が長かったから、自然がいっぱいの島に興味を抱いて、散歩に出る。これも普通の感覚だと思う。
そう。何度考え直しても、僕は普通のことしかしていない。
なのに、

「――気分はどうじゃ? この、ばかもの」
                             ←●[イベントCG:巨人な少女と、人形少年(名前は適当につけただけ)]表示
視界を埋め尽くすほどの、巨人。
見下ろす視線は、獲物を見つめる獣のように鋭く、冷酷で。
状況が把握できない僕に、少女――体がとてつもなく巨大なことを除けば、可愛らしい――が、くすくすと笑みを浮かべながら、言う。

「おぬしは今、わしの術でちっぽけな人形のように縮んでおるのじゃ……周りをよう見てみれば、分かるじゃろ?」

言われて、ようやく周囲に注意を向けることができた。
さっきまで足元に転がっていた小石は、座れてしまいそうな程の大きさとなり、目の前に鎮座している。森の木々は、一番上を見ることができないほどの巨木になっている。
――なっている、という表現は適切ではない。僕がそれぐらい、それこそ部屋に飾られる人形のように小さくなっているんだ。

「まあ、それが分かったところでどうしようもないじゃろうがな……天罰の時間じゃ」

危険を感じて、慌てて逃げようとした。
けど、人形が持ち主からどうやって逃げられるというのか、と嘲笑うように、少女の巨大な手が僕をあっさりと捕まえていた。
                                                            ←●[イベントCG:巨人な少女と、人形少年(差分、主人公が捕まる)]表示
「鬼ごっこにもならぬのう。さて……どうしてくれようか」

巨大な手に持ち上げられる。気絶しそうな浮遊感の後、目の前には妖艶な笑みを浮かべる少女の顔があった。
圧倒的な体格差。現実感のない光景。ただ、本能的な恐怖だけが、これが夢ではないと語るように僕の中で警告を発している。

「くふっ。色々と弄って遊んでやろうと思っておったのに、おぬしというやつは……」

少女は、すごくあっさりと。

「我慢ならぬほど、美味そうなのじゃ」

おやつでも食べるかのように、僕をその口の中へ――。

●画面、ブラックアウト

    ○場面切り替え

●画面、ホワイトイン

●背景、ホワイト

両親が仕事で外国に行くことになり、僕は国内に残ることにした。
初め、両親は僕の病気のことなどをすごく心配していたけど、病院の先生に何度も完治していることを聞き、最後には条件付きで納得してくれた。
条件は、病気の事情などを知っている親戚の家に居候することにして、何かあったらすぐに病院に行けるようにすること、だった。
居候というのは、相手の人達に迷惑じゃないかと少し抵抗があったけど、向こうは快諾してくれたそうだ。
で、両親と別れて港から小型船に乗って数時間。地図にちょこんと書かれている、小さな島に僕は到着したのだった。    ←●イベントCG、島の全景

●背景、ブラック

「やあ、いらっしゃい。君が、○○(主人公)君だね」
「は、はい! ○○(苗字)○○(名前)です、これからよろしくお願いしますっ!」
「はは。もっとリラックスしていいんだよ。これからはいっしょに住むんだからね」

そう言って迎えてくれた親戚の人はとても親切で、港まで車で迎えにきてくれただけじゃなくて、郵送しておいた荷物の整理もしてくれていた。
案内された家は、木造建築の大きな和風の屋敷。中には親戚の家族や他の居候がいっしょに暮らしているそうだ。               ←●背景、和風の屋敷
短くはない歴史を感じさせるその屋敷は、親戚の家系が家業と共に代々受け継いできた、かなり昔に建てられたものらしい。
と、その屋敷に続く庭で、何人かの人が集まっていた。どうやら、僕達を待っていたらしい。

「遅いよ、親父。いつまで待たせるんだ」              ←●退魔士の家の双子(姉)立ち絵表示
「ああ、すまんすまん。船の到着が遅れてね」
「………………」                            ←●退魔士の家の双子(妹)立ち絵表示
「あらあら、こんにちは。遠くからよく来たわねぇ。疲れてない?」
「あ、だ、大丈夫です。えっと……」

誰が誰だが分からず、どう会話を続けていいか悩んでいると、その様子を親戚のおじさんが察してくれたようだった。

「さあ、みんな。自己紹介しないとね」
「そうね。じゃあまず私から……この家の財布を握らせてもらっている○○です。何かあったら、遠慮なく言ってねー」
「……○○(双子姉、名前)だ。よろしく」  ←●退魔士双子(姉)
「………………」                ←●退魔士双子(妹) 主人公が、幼い頃に遊んだ子じゃないかと考えている
「こら、○○(双子妹、名前)。ぼんやりしてどうした?」
「え、あ。 ご、ごめんなさい! えっと、○○(双子妹、名前)です。よろしくお願いしますっ!」
「はは、すまないね○○(主人公)君。どうやら○○(妹)は、君に一目惚れしたようだ」
「お、お父さん!? 何言ってるの、もう!」

とても、暖かい家族だった。
……正直、家業が退魔士と聞いた時は、もっと怖い人達を想像していたけど、そんなことはなかったようだ。
まだ緊張はするけど、これから居候させてもらうのだから、ちゃんと挨拶しておこう。

「○○(主人公)です。これから、よろしくお願いします!」



   ○場面切り替え


●背景、屋敷内主人公の部屋

「さて、と……これで終わりかな」

割り当てられた部屋で、運び込んでもらっていた荷物をタンスなどに収納して、準備は終わった。
親戚の人達が事前に整理してくれていたおかげで、すごく楽だった。
なんだか申し訳なくて、手伝いをしようと思ったけど、

「はは、いいんだよ気にしなくて。まあ、今後手伝いを頼むこともあるだろうけど、今日のところは散歩でもしてきたらどうだい?」

そう言って、笑っているおじさんだった。

「……お言葉に甘えて、ちょっと散歩しようかな」

正直、こんなにいっぱいの自然は都会では見られず、興味があった。
空いた時間、少しだけの冒険と行こう。


●背景、山の中

……そんな軽い気持ちだったのに。

「うう、迷っちゃったよ」

気付けば山の中、どっちがどっちだが分からないようになっていた。
迷っても人に聞けばいい、と思っていたけど、さっきから人とすれ違うことなんて全然なくて……。

「しょ、初日から迷子……いや、山の中だから遭難? どうすればいいんだろう」

思わず1人ごとを呟きながら、とりあえずこっちかなと思う方向に足を進める。
それで余計に道が分からなくなって、気付けば取り返しのつかないことになりつつあった。
――そんな時だった。

「……? あれ、なんか……あそこで、光ってる?」

草木の向こう側に、なんだかぼんやりと光る物があった、気がした。

「明かりがある……ってことは人がいるかも。行ってみよう!」

藁にも縋る思いで、その光を目指して進む。
鬱蒼と茂る緑葉の群れの中。そこに、目的の光があった。

●背景、小さな祠

大自然の中に忘れ去られたように、祠が建っている。
その周りを、蛍のような……よく分からないけど、光る何かがのんびりと飛んでいた。

「光ってたのはこれか……あはは、人なんて誰もいないや……」

がっくりと力が抜けて、その場に座り込む。
誰かいる、と思った期待が外れたショックはけっこう大きかったらしく、さっきまであった不思議な活力のようなものもなくなってしまった。

「……どうするかは、ちょっと休んでから考えよう」

そう思い、息を整えながら目の前の祠を見てみる。
かなり古い感じだけど、手入れしている人はいるのか、ゴミだらけになったりはしていない。
自然の中に建てられたものだけど、その自然と一体になっているかのように、違和感を感じさせずそこに存在していた。

「……あれ?」

なんだろうか。
初めて来る島、初めて見る場所のはずなのに。
なんだか、とても懐かしいような――。


「ようやく来おったな、○○――」
              ↑
(主人公の名前。ひらがな、かたかなだと舌足らずな感じを表現できる?)」


●背景、ホワイト

祠の扉が、ひとりでに開いた。
瞬間、突然視界が白い光に包まれて――。

「いつまで待たせる気じゃ、このばかもの」

●イベントCG「光に包まれた、島の神様」

――その少女は、光に抱かれて現れた。
鮮やかな柄の、古めかしい着物を身に纏い。開く瞳は、まっすぐに僕を見つめて。

「まあ、わしは寛大じゃ。素直に謝るのなら許さんでもないぞ?」

なんかすっごく怒りながら、僕の前に降り立った――。

●背景、小さな祠
●島の神様、立ち絵表示

「どうした? いまなら特別に、謝れば許すと言っておるのじゃぞ? 特別サービスというやつじゃぞ?」
「……え、いや、その」

その、明らかなに怒りを堪えて許してやろう、という様子は分かるけど……初めて会う少女にそんなことを言われても、どう答えていいのか分からない。

「ごめん、そもそも君はだれ?」

だから、まずは当然の疑問を聞いてみた。

「――いま、おぬし何と言った?」

そしたら、すっごい形相で睨まれた!

「だ、だから君は誰って……初めて会うよね、僕達?」

少なくとも、自分の知人にいきなり祠から飛び出てくるような不思議な少女はいない……はず。
けど、その答えは少女をすっごく怒らせたようで。

「て……てててて、てっ」 ←島の神様
「……て?」         ←主人公

「天罰じゃ、ばかものー!!」


そして、また視界が真っ白に染まり――。


●画面、ホワイトアウト



○場面切り替え



そして、気付けば。
巨大な少女に飴玉のようにしゃぶられるなんて、とんでもない事態になっていた。

「あむっ……じゅる……んっ、まことに美味じゃ」 ←前半部分、台詞というより涎をすする音のような感じ?

逃げ出そうにも、全身を大蛇のような舌で絡め取られ、抵抗もできずに弄ばれる。
そもそも足場がぶにゅぶにゅした肉の塊だ。まともに立てるはずもなく、少女の思うままに口内で涎に塗れていく。

「あ、くっ……止めて、止めてぇ……!」 ←主人公。声を入れるなら喘ぐ感じで? 設定で男の娘(少女に見えるぐらい可愛いけど少年)

なんとか這い出ようとしてもあっさりと舌に捕まって、上顎に押し付けられて潰されそうになる。
元々山の中を動き回って体力は限界だった。必死の抵抗も長続きはせず、吸われる度に体力と気力まで吸い取られているような気にさえなってくる。

「もう終わりかえ? ならそろそろ……わが胎に納めてやろうかの」

少女は、世間話でもするかのような気軽さで死刑を宣告してきた。

「うっ……あ、ぁ」

最後の気力を振り絞って、僅かに開いた口の外へ手を伸ばした。
けど既に僕の体は喉の方へ運ばれていて、手が届くはずもなく――。

「ん……ごくっ」

少女に、嚥下された。
肉の壁に全身を包まれて、ゆっくりと運ばれていく。
最早自分がどの方向を向いているかも分からないけど、行き着く先は分かっている。
食べられたものの終着点は、胃袋と決まっている。
いくばくもしないうちに、大きな肉の檻へと放り込まれた。終着点に着いてしまったんだ。
胃酸の臭いが鼻を刺激し、その胃酸が自分を溶かそうとしているのが、先に溶けていく服が語っていた。

「うぁ、あ……」

逃げなきゃ。逃げなきゃ。逃げなきゃ。
でも、胃袋の中に逃げる場所なんてない。胃袋は、僕を消化するために激しく活動し始めている。
肉壁に捕まってよじ登ろうとしてみたけど、壁を掴むことすらできずに、体勢を崩して胃液溜まりに沈んだ。
早く起きなきゃ、と思ったときには、足が溶け始めていた。

「……ごめん、なさい」

無我夢中で、口を動かした。
初めに少女は、謝れば許すと言っていた。何のことか分からないけど、とにかく謝らないといけない、と思った。
ごめんなさい。ごめんなさい。喋るたびに口の中へ胃液が入ってくる。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。喋っている間にも、全身が溶けてきて身動きが取れなくなってくる。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
もう、あやまるためのくちも、とけて――――。



   ○場面切り替え



●背景、屋敷内主人公の部屋

「…………あれ?」

目が覚める。
そこは巨大な少女の胃袋ではなく、普通の部屋で――。

「ゆ、夢……? 変な夢、だったなぁ」

どっと疲れた。
環境の変化による緊張とかがあるにせよ、とんでもない夢だった。
いきなり現れた少女が、僕を縮めて、食べてしまうなんて。



「夢ではないぞ? ○○(主人公)」



その声に、心臓が壊れるかと思った。
今度は、光に包まれることも無く。そこにいるのが当然であるかのように、少女は目の前に現れた。

「おぬしはわしの胎に納まり、溶けて……その後、蘇生したのじゃ。服はサービスじゃぞ?」
「う、あ、あああ……」

みっともなく、這ってでも逃げようとする。
廊下に飛び出そうと襖を開けようとする。けど、いくら力を入れても開けられなかった。

「無駄じゃよ。いまこの部屋は出入りは叶わず、またどんな轟音とて外に響かぬ。ここで何が起きても、誰も知ることはできぬよ」

まあちょっと座れ、と。そう言いたいように、少女は部屋の真ん中で堂々と正座していた。
先程の恐怖が拭い去れず、近づきたくなかったが……言うことを聞かないと、また怖いことをされるかもしれないので、従うしかなかった。

「さて、まずは自己紹介じゃな。わしの名は○○(島の神様)、この島の神様じゃ……まだ見習いだがの」
「か、神様……?」

何を妙なことを、と思ったけど、先程のことが夢でないのなら……目の前の少女が普通の存在ではないのはたしかだ。
とにかく、機嫌を損ねないことも考えて、まずは黙って話を聞くことにする。

「うむ。まあ見習いといっても、後は実績を積めば認められるだろうがの。まあそれはどうでもよい。
それでじゃ……先程のことの説明と、謝罪したいことがあるのじゃが、よいか?」
「しゃ、謝罪? その、僕を……食べたこと、かな?」

自分で言って、なんて非現実的なことだろうと思った。
けど神様は否定することなく、すんなりと頷いて話を進める。

「そうじゃ。実を言うと……あのようなことをする気はなかったのじゃ。
せいぜい人形のように弄り倒して、痛い目に合わせてやるつもりだったのじゃが……その、おぬしがつい美味そうに思えて、の」

それはそれで大変そうだけど、とりあえず浮かんだ疑問を言ってみる。

「美味そうって……そ、その、神様は、人を食べるものなの?」
「普段はそんなこともないのじゃがな。おぬしに呪いをかける際、何やら手違いがあったようでの」
「――ちょっと待って、呪い? 僕、呪われてるの!?」
「ああ、その説明がまだじゃったな。
そうじゃの……まずわしは、おぬしに対してすんごーく怒っておる。そのため、懲らしめてやらんと気がすまん。これが呪いをかけた理由じゃな。
呪いの内容じゃが、わしがかけたのは、人形のように縮ませる……まあ小人化じゃな。
それと、保険のため小人化してる時に死んでも蘇生するようにしておる。これはどちらかというとまじないに入るじゃろうな。おぬしに悪いまじないではあるまい?」

返答する間もなく、神様はすらすらととんでもないことを語った。
つまり……神様の怒りが収まらない限り、またあんな目に遭わされるかもしれない、ということだ。

「して、謝罪なのじゃが……わしは本当に、おぬしを食すつもりはなかったのじゃよ。それだけは信じてほしい……まあ、食べてみたいという気持ちはあったのじゃが」
「それ結局食べようとしてたってことじゃない!?」
「違うわ、たわけ! おぬしら人間とて、欲はあるじゃろう? しかし、踏み止まる理性を持っておろう。わしの言った、食べてみたいという気持ちもそういう、抑えられる類のものじゃよ」
「け、けど結局食べちゃったわけですし……」

どんな理由があろうと、その事実は変わらない。
目の前の少女が神様だろうと何だろうと、僕を……人を食べたいと思い、そして食べてしまったことは、信じられないことに現実のことのようだ。

「それなんじゃがの。原因が分からぬが、呪いに多少手が加えられておるのよ。その内容が……その、言いにくいんじゃが」
「ちゃ、ちゃんと教えてよ。なんか不安だから」
「うむ……その内容はの。おぬしが異性に対して、その……欲情すると、小人化して周囲に『おぬしが食べたい』という暗示を振りまいてしまうようなのじゃよ」

さっきから、とんでもない内容ばかりだ。
いきなり神様に怒られて、縮められて、食べられて……挙句の果てに、女の子に欲じょ……ドキドキしたら、縮んで食べられるかもしれない、なんて。
さすがに怒ろうと思ったとき、神様は深々と頭を下げた。

「――本当にすまぬ。何とか最後の部分は直そうとしたのじゃが、どうしても上手く書き直せぬのじゃ。
このような苦境を押し付ける気はなかった……信じてなどもらえぬかもしれぬが、どうか……この通りじゃ。
責任を持って、呪いは必ず書き直す。だからどうか、今しばらく堪えてはくれぬか……?」

本当に、ひどい話だと思う。
一方的に呪いなんてものを押し付けられて、しかも手違いだから許してほしい、なんて。
普通、許せる話ではない。
許せる話じゃないけど――。


「……分かった。だから、顔を上げてよ。神様」


僕は、許そうと思う。許せるように、努力しようと思う。
怒り狂って、感情を叩き付けて、罵声を吐き出してもいい状況だと、誰かは言うかもしれない。
けど、彼女は言った。僕に対して怒っている、と。
なら、きっと――知らないうちに、僕は目の前の少女を傷つけたんだ。

「だから、神様も許してほしい。僕が君を怒らせたことを、じゃない。
君がなんで怒っているのか、分かってあげられない僕を……どうか、許してほしい」
「…………」

神様はしばらく顔を上げず、土下座していたけど。

「……やはり、おぬしは優しいの」

最後は、なんだか嬉しそうに笑って、顔を上げてくれた。


    ○


それから、もっと詳しく話を聞いた。
神様の名前は○○(神様の名前)というらしい。これからは名前で呼べばよい、とのことだった。
呪いの条件なども改めて聞いて、確認しておく。頑張ってなんとかする、とは言っているが、初めての事態で時間がかかりそう、とのことだった。
ただ、ひとつだけ教えてくれないことがあった。

「わしが怒っている理由は……自分で、見つけてほしいのじゃ」

聞いてみても、答えてくれることはなかった。
けど、最初に○○(神様)がかけた呪いは、怒っている理由を僕が見つけることで、解呪されるようになっているそうだ。(今は○○(神様)が自力で解けないように改竄されているらしい)
それが何なのか、今は分からないけど……呪いを解くためにも、○○(神様)のためにも、なんとか見つけないと。

「さて……今日はこの辺りにしておくかの。ではまたな、○○(主人公)」
「あ、うん。またね、○○」

○○(神様)は現れた時と同じように、いないのが当然のように姿を消した。
それがスイッチになっていたように、部屋の外の音が戻ってくる。試しに襖に手をやると、簡単に開くことができた。

「……これから、どうなるんだろう」

両親の仕事の都合で、親戚の家に居候することになった僕。
たったそれだけのことなのに――これからの生活に、とんでもない不安を抱えることになるのだった。






●OP終了。ここから1話(まだ途中)




今日から、この島の学園に転校することになる。
まだこっちの学園の制服ができていないらしいので、前の学園の制服を着て登校することになった。
和食中心の朝御飯をおいしくいただき、○○と○○(妹と姉)に、学園まで案内してもらっている。
今は通学路の途中。周囲は森や田んぼなど、田舎らしいほのぼのした風景が広がっていた。
港周辺や、市役所などの施設がある島の中央区はある程度開発が進んでいるけど、それ以外の場所は概ね自然が溢れた島のようだ。

「昔は港とかなくて、そのまま岸に船を繋げたりしていたんだけどね。桟橋とかは今も木製なんだけどね」

学園に向かいながら、○○(妹)は島について教えてくれていた。
話によると、開発が進んでいるのはこの島を観光地として機能させるためだそうだ。
豊富な自然に囲まれていることが売りなので、人の出入りが多い港や、観光者の拠点となるホテルなどがある中央区を集中して開発したらしい。
これについては賛否両論で、便利で使いやすいとか安全になったとか賛成する人、島のあるべき姿を壊すなとか自然を見に来たのに開発されてるなんてとか
反対する人に意見が分かれている。

「私は、都会の物とか買えるようになって嬉しいんだけどね。色々な料理の道具や材料がすぐに揃うのは、すっごく助かるよ」
「○○さん(妹)って、料理とかするんだね」
「まだ修行中だけどね。休日にはおかし作ったりもするよ」
「…………」(姉)

おしゃべり好きらしい○○(妹)とは逆に、○○(姉)は口数が少ない。○○(妹)に話を振られて、短く答えるぐらいだった。
別に仲が悪いとかじゃなくて、それが自然な状態なのだろう。
ただ……。

「え、えっと、○○(姉)さんは料理とかするの?」
「いや、特にはない」
「そ、そうなんだ。じゃあ休日とかはどうしてるの?」
「……素振りとか」

慣れない側からすると、もうちょっと話してくれた方がやりやすいなーなんて思ったりもした。


     ○


職員室に挨拶に行くため、案内してもらってから二人と別れた。
挨拶を済ませると、すぐに先生が出てきて教室に案内してくれた。
木造の校舎内には外からの陽射しが射し込み、暖かい雰囲気が溢れていた。
アットホーム、というのだろうか。初めての場所なのに、なんだか懐かしいような気がしてくる。

「ここよ。ちょっと待っててね」

ひとつの教室の前で立ち止まり、廊下に待たされて教師は教室に入った。
どうやら転校生が来る、という紹介をしてくれているようで、中から期待やら何やらの声が聞こえてくる。
……新しいクラスメートの人達。仲良くなれたらいいんだけどな。
入ってきて、と先生の呼び声が聞こえたので、一度深呼吸してから教室に入った。
自分に視線が集中しているのが分かる。転校は何度も繰り返しているが、この緊張感は未だに慣れることができない。
もう一度、深呼吸。そして黒板に名前を書き、名乗る。

「○○ ○○(主人公、フルネーム)です。
この島には来たばかりで、慣れないことも多いのですが、これからよろしくお願いします」

そう言って、お辞儀する。
すると――。


「都会っ娘だー! しかもかわい娘ちゃんだー!!」
「僕男だよ!?」

なんかとんでもない誤解している女の子の叫びに、思わずツッコんでしまった。
まあ、正直もう慣れた展開だけど。転校するたびに似たようなこと言われてるし。
よく女の子と間違われることは、ちょっと気にしていることだから、いつかちゃんと男らしくなりたいなぁ……。

「じゃあ、○○(主人公)君の席は……」
「はいはーい、ここが空いてまーす!」
「あら、ほんとね。それじゃ、○○(主人公)君はあそこに座ってね」

そんな僕の願いも口で言わねば伝わるはずもなく、先生はさっさと僕の席を指定していた。
廊下とは反対側の、窓際の後ろから2つ目の席だった。
こういう時、足を引っ掛けてくる輩もいるので足元に少し気を配りながら、その席に向かう。
席の近くには、まず後ろ側には先程叫んでいた少女がいた。こっちこっち、とばかりに笑顔で手を振っている。なんだか明るそうな少女だ。
そしてその明るい少女の隣には○○(姉)。こちらを一瞥してから、特に興味なさそうに黒板の方に視線を向けた。
さらに、僕の隣の席には○○(妹)。なんだか嬉しそうに微笑みながら、僕の席になる机の椅子をそっと後ろに引いてくれた。

「ありがとう。同じクラスになれてよかったよ」
「うん、そうだね。それも隣だし……あ、教科書とか大丈夫? まだないんじゃない?」
「あ、うん。そうなんだ。よかったら見せてくれるかな」
「もちろんいいよ。ちょっと席を近づけるね」

僕と○○(妹)の様子を見ていた、先程の明るい少女が、なんだかにやにやしながら話しかけてきた。

「おやおやー? 我らがクラスの癒しの花こと○○(妹)ちゃんと、美少女系少年○○君は何やら仲がよろしいですなー?」
「も、もう。止めてよ○○(情報通)ちゃん。そんなんじゃないってば」

後ろの席の少女は、○○(情報通)という名前らしい。
○○(情報通)は、○○(妹)と○○(姉)とは友達らしく、二人に「じゃあどうゆうことかなー?」としつこく話しかけているが、二人に拒絶はされていないようだ。

「う、うん。えっとね……なんて言ったらいいのかな」
「……別に考える必要はないだろう」

なんだか言い辛そうにしている○○(妹)とは対称的な態度の○○(姉)は、あっさりと。



「ただの同居人だ。それ以上の説明がいるか?」



誤解を招きまくるとんでもない言い方で、事実を告げた。


『な、なんだってーーーーーーーーーーーーーー!?』


……転校生という立場は、とにかく初日は目立ちやすい。クラスという大きなグループの中に、突然に新参者が現れるのだから、ある意味当然の反応とも言える。
だからこそ、できるだけ目立たないように無難にやり過ごしたかったのに――。

「こ、こいつは予想外のスクープ……! ヘイ、ガール! その話詳しく聞かせろやこら」
「だから……昨日から私達の家に住むことになっただけで、」
「お、お姉ちゃん! 肝心な説明が抜けてるよ!」
「そうか? ……そういえば、親戚だと言い忘れていたな」
「親戚? なるほど……つまり結婚できるということですね!!」

――これはもう、無理っぽいなぁ。
次々と質問とか言葉の嵐が吹き溢れるのを聞きながら、諦めて小さく溜め息をついた。



    ○



その後は、何度も質問攻めにあったり男子の視線が痛かったり女子に可愛いーとか言われたりしつつ、なんとか新しい学園での生活を過ごしていた。
席が近いこともあり、○○(情報通)と○○(姉)、○○(妹)の三人で昼食を屋上で食べたり、平和な時間が続いていた。
――昼休みの、この瞬間までは。

「ねえ、○○君!」

教室で、急に小声で話しかけられる。
朝から休み時間の度に質問されまくっていた僕は、内心でまたかと溜め息をつきつつ振り返る。
そこに、



「女の子みたいに可愛くても男の子なんだし……こういうの、興味あるんじゃない?」



○○(情報通)が、内緒話でもするかのように。
今の僕にとっては天敵とも言える――エロ本を、僕にだけ見えるように差し出していた。

(や、やばい……!)

昨日、言われた呪いの条件を思い出す。
『おぬしが異性に対して、その……欲情すると、小人化して周囲に『おぬしが食べたい』という暗示を振りまいてしまうようなのじゃよ』
あれは別に、生身の女性に対してとは言っていなかった。
なら――こういう、エロ本なんかでも発動する恐れはある。
現に、年相応に現れる興味が、我ながら情けないことにわずかな興奮を促し……それに食らいつくように、妙な感覚が溢れてくる。
内側から、飲み込まれていくような……なんともいえない、奇妙な感覚。
これはやはり、呪いが発動しようとしているのか……!?

「そ、そんなの教室で広げちゃだめだよっ!」

とっさに目を逸らし、呪いを振り切ろうとする。
けど○○(情報通)は何を思ったのか、にやりと笑うと。

「露わになった女性の秘丘を、彼は執拗に揉みしだき――」
「ちょ、何を読んで――!?」

耳元で囁く様に、本の内容だと思われる文章を、やはり小声で読み始めた。
加速する、呪いの感覚。
興奮しちゃだめだ、と思うほどに、余計に興奮するかのように――。
あ。もしかして、我慢した方がだめだったのかな? と暢気に思った時にはもう遅かった。
ボン、と。何だか気の抜けた音がして、唐突に煙が生まれて。
気付いた時には、僕はまた小さく縮んでいた。

『………………………』

視線が、すごく怖い。
恐る恐る、今では僕の何倍も大きくなってしまった○○(情報通)を見上げる。
彼女は、黙って僕を見下ろしていた。何が起こったのか分からず、呆然とした様子。
その、彼女の口から。

「……○○君、おいしそう」

たらり、と。
嫌な予想通りの言葉と、一筋の涎が零れ落ちた。

「――――!!」

とにかく一目散に逃げ出した。
けど、教室中の女子達はみんな呪いのせいで正気を失い、僕を食べるために捕らえようとしてくる。
追跡を振り切ろうにも、縮んだ今では歩幅が違いすぎて、ちょこまかと動き回って伸びてくる手を避けることで精一杯だ。
幸いなのは、女子達が協力していないことか。「私が食べるの!」「いいえ私よー!」みたいな感じで、言い争いながら僕を追ってくる。
後は、小さくなったことで視界から消えやすくなったことだけど……その有利もいつまで通用するかは分からない。
というか、体格差が圧倒的過ぎて、有利のうちに入らないかもしれない。


僕は、どうすれば――!



選択肢

1助けを呼ぶ(神様の好感度+1)

2とにかく教室の外を目指す(姉の好感度+1)

3物陰に隠れてやり過ごす(妹の好感度+1)

4このまま逃げ回り続ける(情報通の好感度+1)




●1の場合(とりあえずいまはこれだけ)


自力では、どうしようもないことは分かりきっている。
だから、届くかは分からないけど。

「た……助けて、○○(神様)――!」

とにかく必死で、大きな声を振り絞った。
大声を出してしまったせいで、位置を特定されて、女子が飛び掛るように迫ってくる。
もうだめ、と諦めかけた時、

「うむ。任せよ!」

頼もしい声が聞こえた瞬間、僕は誰かに掴まれていた。
怯えて身が竦んだ。けど、「もう大丈夫じゃよ」と話しかけられて、思わず閉じていた目を開ける。
周囲の景色は、教室から外へと変わっていた。どんな原理かまったく分からないけど、一瞬でここまで移動してきたようだ。

「あ、ありがとう。来てくれて助かったよ」
「呪いの原因はわしじゃしな。別に構わぬよ……。ああ、それにしても縮んだおぬしは、何度見ても美味そうじゃな……」

全然助かってなかった!?

「ちょ、待って、待っ――」
「……いただきますのじゃ」

ぱくり、と。
逃げる暇もなく、今日も○○(神様)の口に放り込まれることになった。

………………。
…………。
……。
(ここに口内シーン。後日執筆予定)


ぐにぐにした肉壁に包まれて、食道をずりずりと運ばれていく。
逃げ回って体力の限界だった僕は、もう抵抗することすらできずに嚥下され、間もなく胃袋に落ちた。
ばしゃ、と胃液が跳ねる音。僕を溶かすために、胃袋が僕を捕えた証の音。
それを聞きながら、僕は。

「ああ、もう……好きにして」

もう完璧に諦めて、活発になっていく消化活動に身を任せることにした。


      ○



「そ、その……すまなかったの」
「もういいよ。できれば止めてほしいけど……呪いの暗示のせいなんでしょ?」

あれからしばらくして。
どうやってかは分からないけど、消化された僕の体はすっかり元通りになっていた。
体の大きさも戻っていて、○○(神様)も正気に戻ったようだ。
何度も謝る神様に、大丈夫じゃないけど、「大丈夫だから」と言う。
代わりと言ってはなんじゃが、と○○(神様)は話を切り出した。

「呪いの暗示によっておぬしを食らおうとした女性の記憶は、問題ないように改竄しておいた。
これで先程のことを覚えているのは、わしとおぬし以外はおらぬよ。今後もこの作業は必ずわしが行おう」
「……うん。それは助かるな。よろしくお願いね」

記憶の改竄を行っても、後遺症などが起こることはないそうだ。
問題のある記憶を忘れたり、別の記憶に補完されたりするようになるらしい。
呪いが発動しないのが一番いいんだけど、今日みたいなこともあるだろうし……呪いが解かれるまでは、記憶の改竄を頼るとしよう。

「では、わしはそろそろ行くぞ。またあのような事態になったら呼ぶがよい……その、また我慢できなくなったらすまんがの」

そう言い残して、○○(神様)は去っていった。
……不安なことはいっぱいだけど、とりあえず今は教室に戻るとしよう。
当たり前だけど、昼休みはもう終わりかけだった。



●2(姉)の場合


ただでさえ圧倒的な体格差があるというのに、協力され始めたらもう絶望的になる。
――いちかばちか、走り抜ける!
タイミングを計り、みんなが僕を見失った瞬間を狙って、廊下に続くドアへ全力で走る。
現在、ドアは微かな隙間しか空いていないが、今の自分の大きさならなんとか通り抜けられるはずだ。
運がよかったのか、女子達がこちらに気付いた頃には、教室のドアは目前に迫っていた。
……いける!
廊下に出たからといって追跡が終わるわけではないけど、今よりはマシな状況になるはず。
そう信じて、いたんだけど。

「なんだか騒がしいな。おい、一体何が……」

ガラ、と。出口となるドアを開いて入ってきたのは、○○(姉)だった。
……僕にとっては、出口を塞がれた上に挟み撃ち、という最悪の状況。
○○(姉)は、しばらく教室を見渡してから僕に気付いたようで、こちらを見下ろして……。

「――うまそう、だな」

やっぱり、暗示にかかっていた。
いちかばちか、足元をすり抜けようとしてみる。

「ふん、女性の下を通ろうとは……あわよくば下着でも拝もうと思ったか? この変態」

ひどい誤解を招きながら、あっさりと捕まってしまった。
あっという間に○○(姉)の顔近くまで持ち上げられてしまい、文字通り手も足も出ない状態になってしまう。
ずっと走り続けていたこともあり、もはや抵抗する体力も気力も残っていなかった。

「さて、ではいただこうか……」
「――ふふっ。だめだよ、お姉ちゃん」

○○(姉)に話しかけたのは、○○(妹)だった。
まさか、暗示が解けて助けてくれようとしているのか、とちょっと期待したけれど……。

「独り占めなんてずるいよ……私にも、味見させて?」

むしろ、暗示の効果は獲物を前にしてますます強くなっているような気さえした。
普段からは想像もつかないほど、妖しい笑みを浮かべて近づいてくる○○(妹)。

「うん、まあ……姉妹だしな。少しぐらいなら、いいぞ」

その笑顔を真っ向から見つめ、優しく受け止める○○(姉)。
姉の返答に、妹は「わあ」と嬉しそうに呟いて。

「ありがとうお姉ちゃん。大好きっ」

姉妹は仲良く抱擁しあう。
彼女達の姉妹愛を感じさせる光景とは裏腹に、僕をどうやって二人で味わおうか相談し始めていた。

「やっぱり、まずは捕まえたお姉ちゃんからどうぞ」
「そうか? なら遠慮なく……あむっ」

成すすべもなく、僕は○○(姉)の口へと運ばれた。
口内という肉に囲まれた檻の中で、巨大な舌に好き放題にもみくちゃにされる。
もはや身動きひとつ取れないような、一方的な状態に、さらに追い討ちがかかった。

「じゃあ、私も……んっ」

○○(姉)の口内に、○○(妹)の舌が滑り込んでくる。
……キスしてる!?
姉妹による同性のキス、なんて倒錯的な光景も、今の僕にとっては脅威以外の何者でもない。
二つの大きな舌にもみくちゃにされ、吸われ、圧迫されて……もうどれがどっちの舌かなんて分かる状態じゃない。

「あっ……ひぅ!?」

大蛇のように蠢く二つの舌の動きが、どんどん激しくなっていく。
もう僕を閉じ込めた口の中は、唾液と吐息が混ざり合って、まるで嵐のようだ。

「ん、はふ……お姉ちゃん、おいしいね……ちゅぷ」
「ふっ、くちゅ……ああ。なかなかの味、だな……」

キスしながら、会話している二人の声が聞こえる。
口の中にいるため、よく聞こえるはずなんだけど……なんだか、頭がぼんやりして、よく分からなくなってきた。

「んくっ……そろそろ、飲み込もうかな……」
「……うーん、もうちょっとだけ……味見させて」
「あっ……○○(妹)、そんな、激しく……ぁ」

求め合う二人の舌に、飲み込まれていく様。
もはや今の僕は、○○(主人公)という名の人間ではなく……二人に使われる、食べても平気な性道具のようなものだ。
けど……何故だろう。そんなこと、気にならなくなってきた。
まるで、身も心も食べ物になってしまったかのように。今の状況に浸っているだけの自分がいた。

「ふぁ……! ○○(妹)、ほんとにもうこれ以上は、私……!」
「んむっ。分かったよ。じゃあ……どうぞ、お姉ちゃん」

双子の妖しい遊戯も、終わりが近づいたようだ。
もう、自分がどんな状態になっているかも分からないけど。僕の体が巨大な舌に押し込まれて、喉の奥へと運ばれていくのは、なんとなく分かった。
ごくり、と。自分を嚥下する音だけが、なぜだかはっきりと聞こえた。
どくん、どくん。大きな心臓の音を聞きながら、肉の管を滑り落ちていく。
一瞬だったのか、それとも数分ぐらいは過ぎたのか。時間の感覚が曖昧になったまま、胃袋に放り込まれた。
僕が来るのを待ち構えていたかのように、肉壁がうねりだす。
制服はあっという間に溶けて、僕も待つ間もなく――。


    ○

※(ここから共通ルートにした方がいいかも?)


「ようやく起きたのか○○(主人公)。もう昼休み終わるぞ?」
「ああ、うん……なんだか眠くてね」

意識を取り戻した時、僕の耳に届いたのは○○(姉)の、ぶっきらぼうだが僕を気遣うような言葉だった。
教室の様子は、先程の呪いが発動する前の平穏な状態に戻っていた。
昨日、神様に説明されたように記憶の改竄が行われたようで、クラスメート達は普通の日常らしい会話をして過ごしていた。

「引越してきたばかりだし、疲れが溜まってたのかもね……。大丈夫? ○○(主人公)君」
「あ、いいのがあるよー。最近発売された栄養ドリンクでね、なんかこれ一本で徹夜明けもすっきり爽やか……って宣伝してた」
「そんなものに頼っていると、体を壊すぞ。疲れた時には休息、温泉、それと温かい茶だろう」
「○○(姉)ってけっこう渋い趣味してるよね……まあ1本上げるよ、いらなかったら捨ててくれていいからねー」

本当に、平和な会話だった。
……僕は、先程の光景を思い出して、まだ怖かったりもするけれど。

「うん、ありがとう。ありがたくもらうね」

みんなを不安にさせるわけにはいかない、と。恐怖を抑え込んで、なんとか笑顔でそう返答した。



●3物陰に隠れてやり過ごす(妹)の場合


教室の外に逃げたとしても、廊下にだって女子はたくさんいるだろう。
仮に学園の敷地外まで逃げ切れても、町中で誰かに会わないとは限らない。
なら……この教室内で、なんとか呪いの効力が終わるまでやり過ごすしかなさそうだ。
教室内を見渡す。小人になったというだけで、まるで映画の中にでも迷い込んだような、非日常的な光景だ。
机はまるで樹海に生える大樹のようにそびえ、その机よりもさらに大きい巨人達が、僕を探してうろついている。
……本当に、逃げ切れるの?
圧倒的な迫力に、弱気な考えが浮かぶけど……逃げ切れなければ、もっと怖いことが待っている。
必死に活路を探す。と、窓際で床まで垂れている長いカーテンを見つけた。
あれに隠れれば、今よりはだいぶ見つかりづらいはずだ!
もちろん隠れても見つかる可能性はあるが、迷ってる時間が惜しい。とにかく、女子達が自分を見失っているうちに隠れてしまおう。

(――いまだっ!)

女子達の視線が、目標のカーテンから外れたタイミングを見計らって、一気に走り出す。
運よく見つからずに辿り着けて、一安心した。カーテンの陰に隠れて、息を整える。
時間が経てば呪いの効果が切れる、なんて聞いてないけど、何もしないよりはマシだと信じたい。



「……あはっ。○○君、見ーつけた」



けど、たいして時間を稼ぐこともできずに、○○(妹)に見つかってしまった。

「なんだかここにいるような気がしたんだけど、本当に見つけられるなんて、ラッキーだなぁ……くすっ」

獲物を狙う豹のように、四つん這いになって、こちらを見下ろしている。
鋭い眼光。本当に獣になったかのように、○○(妹)はいつもの様子からは考えられない程、美しい程に残酷な笑みを浮かべていた。
発見された場合、今自分がいる教室の隅という場所には逃げ道がまったくない。
最悪の、状況だった。

「うっ……うぁ」
「怖いの? ○○(主人公)君。大丈夫だよ……優しく、食べてあげるからね?」
「――!!」

もう作戦も何もなく、必死に駆け出した。

「あ、逃げるの? ……ていっ」

けど、あっさりと巨大な手にはたかれて、転がされる。
立ち上がろうとしてもすぐにまた転ばされて……まるで、猫に襲われているネズミのように、何もできずに弄ばれる。


●4このまま逃げ回り続ける(情報通)の場合




第1話終わり(もう少し伸ばすべき?)次は2話






ここから後書き


すいません。編集モードを変更しないと容量が足りないと表示されたのでその通りにしたのですが…。
その状態だとプラグインが反映されず、コメントフォームが消えてしまいました(汗)。
そのことに気付かずページを保存してしまったため、元に戻すこともできず……コメントくれてた方、本当にすいません(汗)。
左メニューの製作wiki用掲示板の方に、本編への感想用スレを作ろうと思いますので、今後はそちらに書き込んでもらえると助かります。
本当にすいませんでした。
ちなみに、消える前のコメントは右の更新履歴「コメント/本編プロトSS(島の神様編)」から見れます。
プラグインの使える@wikiモードでは、これから更新していくには容量不足のようなので、ここのページはテキストモードでいこうと思います。
すいませんが、よろしくお願いします。