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Delusion1

    

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Delusion 1


死者の宮殿 ~最深部~



『うーむ、またしても失敗作を増やしてしまったようですねぇ。
完全な記憶の再生までは実現できなかった…。
ただ、今回は細胞の再生と記憶の一部再生までクリアできたンです。
細胞と記憶の再生。あと少しなンですけどねぇ。何かが足りない。
どちらか一方を果たすと、もう一方に破綻が生ずる…。
まだこの束縛から逃れられないンですよ。』

 深く沈みこんでいた意識が、低く掠れた声に呼応しゆっくり呼び戻される。
浮上させられた意識に先程耳にした言葉が沁みこんでいった。
石畳の上に横たえられた身体は、鉛でも付いているのかと錯覚する程重い。

 軋む身体を起こし声の方へ目をやると、異様な雰囲気を纏った男が私を見下ろしている。
その顔を目の当たりにするまで人間だと思っていたが、人間と形容するには憚られる容姿をしていた。
肌の色は青白く眼孔は落ち窪み、その奥にある眼には生気を感じることは出来ない。
この世の者とは思えぬ存在に畏れを感じ合わせた目を背けると、床に着いた自分の腕が目に入った。
手の甲や五指は皮膚が爛れ肉は削げ落ち、骨が露出している箇所もあるが、不思議と痛みを感じない。
私は一体どうなってしまったのだろう・・・・・・。

『仕方ありませンねぇ。貴方には新たな実験体を集めて頂きます。
国を興し戦争を始めなさい。そして多くの実験体を集めてくるンですよ。
さあ、お行きなさい。クククク。』

 そう言うやいなや男はローブから小さな石を取り出し頭上へ掲げると、どこかへ消えてしまった。
恐らく「転移石」を使ったのだろう。
自分が何者かという記憶はないが、こういう記憶は残っているらしい。
「この場から離れ・・・そして国を興さなければ・・・・・・。」
床から沸き出る溶岩の熱で、私の体力は容赦なく奪われてゆく。
成さねばならないという思いが一度死した身体の内より沸き起こり、私の身体を突き動かした。

私は部屋の壁にある大きな石扉へ歩みを進めた。


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