|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|

Delusion2

    

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

Delusion 2


死者の宮殿 ~中央部~



 背丈の倍程ありそうな重く大きな扉を押すと、低く唸る様な音とともに粉塵が舞い降りてきた。
思わず口元を腕で覆ったが、吸い込んでしまった粉塵に喉の奥をチリチリ刺激される。
喉に覚えた不快感に少し咳き込むと、「息を吸った」という事に改めて気がついた。
生ける屍という不死の身体にされても生前の習慣で自然と呼吸をしているのだな、と苦笑してしまった。


 扉の移動で出来た隙間にするりと身体を滑り込ませると、冷たい空気が私を包む。
扉の後ろとは一転し、この部屋は薄暗く部屋の隅が確認出来なかった。
足元は瘴気と悪臭を帯びた汚泥で所々泥るんでおり、たびたび足を取られてバランスを崩してしまう。
泥に足を踏み入れる度に足の肉が溶け、骨の露出部分が広がっていった。
痛みはないが自分の身体が溶け出す様は恐怖だった。
泥を避ける頼りになるのは天井に近い位置で仄かに光るアスモデ神の意匠のみ。
仄かとはいえ闇を司る神に自分の行く末を示されているとは、何とも不思議な感じがする。


 壁伝いに新たな通路がないものか探しながら進んでいると、人型の石像が目に入った。
武具を身に纏った石像は、今にも動き出しそうな程の躍動感を湛えているが、
その様子は恐怖に慄いているかのように顔を引き攣らせている。
どのような目的でこの場所にこんな表情の石像を作ったのだろう・・・。
訪問者への警告だろうか、意図が気になるが今はそれどころではない。


 石像から少し離れた前方の壁に、先ほどの扉と同じ大きさの溝が確認できる。
進んでいると足を滑らせ、汚泥の上に倒れこんでしまった。
ぐちゃ、と嫌な音を立て泥が全身に付着した。足と同様に泥の着いた部分が溶け出し始めた。

「ああああああああ・・・・・・!!!!」

 自分の顔が、胸が、腕が・・・ドロドロと汚泥の中に溶け落ち、泥の一部と化してゆく。
私の記憶を辿る手掛かりすら溶けて消えてしまう。焦燥感に駆られながら半狂乱で泥を払い除けるも、
乾いた肌に染み入る泥の侵食を止められず、身体は骨のみとなり私はその場に崩れ落ちた。





 累計ゴルゴン教徒  -
  今日の入信者  -
  昨日の入信者  -