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Delusion3

    

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Delusion 3


死者の宮殿 ~B55~

 どれ程の時間を汚泥に埋もれ過ごしただろうか。
全部溶けてなくなるかと思ったのだが、骨だけは一向に溶ける様子はなかった。
溶かしてしまうなら肉だけでなく、いっそ全て溶かして消してくれたらいいのにと思い、
崩れ落ちたまま茫然としていたが、ただただ時間が経過しただけだった。
あるのは意識、ゾンビ以降の記憶。失ったのは以前の記憶、肉体、私を知る手掛かり。
あの男は私を「失敗作」と、「細胞と記憶両方の再生は片方に破綻が生じる」と言っていた。
ゾンビということは細胞の再生は不完全。記憶が再生される可能性はあるんだろうか?

 骨だけになった自分の姿を見たくはなかったが、仮初めであれ終わりのない2度目命を、
私の身体を奪った泥の中で過ごすことに抵抗を覚え、ついに立ち上がる決心をした。
すると先程までバラバラに埋もれていたカラダは、スっと寄り集まると一つに纏まり形を成した。
眼球はなく頭蓋骨に暗い穴が開いてるだけだったが、なぜか周りの様子を伺うことができる。
目の前には大きな石扉。入室してから目指していた扉を、白く細い手をゆっくり添える。
その時、扉の向こうからポコポコとガスが発生する音以外に、別の音が聞こえてきた。
私はギュっと身を強張らせながら、恐る恐る腕に力を込め扉を押した――――



 繰り返し襲ってくる不死者との戦いと宮殿の毒気にあてられ、意識は朦朧としている。
ここが何階なのか、いったい何日戦い続けているのかさえもうわからない。
ひとり、またひとりと死んでいく部下を残し、
鈍く黒光りする鋼の甲冑を身に纏う赤髪の女騎士は下へ下へと深く降りていく。
『残るは、私ひとりか・・・』
漆黒の竜を屠り、その牙の餌食となった部下を見下ろしながら赤髪の女騎士はそうつぶやいた



 私は重い扉を押し開け少し開けた部屋へと入る。

『・・・ッ!!次から次へと!忌々しい!!』

女騎士は有無を言わさず私を切り捨て、さらに下の階層へと降りていった。
振り下ろされた剣によって私のカラダは砕かれ、私は再び床へ崩れ落ちることになった。
飛び散ったカラダの一部が、少しずつ私の意識の宿る頭蓋骨へ集まってくる。
カラカラと音を鳴らし、元に戻るまでそう時間はかからなかった。
「こんなところに人間がいるなんて・・・。」


その後、この女騎士と肩を並べ戦うことになろうとは、今は知る由もない
私はまた地上へと上り始めた。

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