Slicex

Slicexは高度なビート検出アルゴリズムを用いてソング/パーカッションサンプルを細切れにスライスし、ピアノロールやコントローラから単独で演奏できるようにします。もしwaveファイルがスライス/リージョンデータを含んでいれば、ビート検出アルゴリズムの代わりに自動でそちらの方を使います。Slicexはスライスの再生、並べ替え、およびドラムループに最適化されたタイムストレッチング機能も備えています。関連するプラグインはFruity SlicerEdisonです。

Slicexを使う

このセクションはSlicexを使うためのクイックスタートガイドです。新規ユーザーが遭遇するであろう最も一般的な問題を取り扱います。

クイックスタート

Slicexを使う人が最初に知りたいであろう四つの質問についてまず答えます。

  • リージョン(スライス)を演奏する には? キーボード パネルやピアノロールや外部コントローラを使います。リージョンを右クリックしたときは、アーティキュレーション設定を一切無視して該当の生オーディオデータを単独再生するので、キーボード/ピアノロール経由の時とはちょっと違って聞こえるかもしれません。
  • Slicexでキーボードショートカットを有効にしたければ KB INPUT をONにしておく必要があります。デフォルトでは、スライスのテスト演奏のためにPCキーボードを使えるようOFFになっています。
  • キーを押している長さにかかわらず、常に スライス一つをまるごと再生する ようにするには?リンクされているアーティキュレータのVOLおよびENVマッピングのところで「Vol - sustaining.fnv」をロードして下さい。
  • Fruity Slicerのように 最後まで再生 を行うには?script > Regions > Play to endを実行して下さい。 注: play to end機能はローテンポなドラムループやfill-gap機能とは互換性がありません。

リージョン(スライス)を操作する

  • サンプルやループをロードする - SlicexはデッキA・B(Wave Editorからアクセスする)にそれぞれ独立したサンプル/ループをロードし、スライスすることができます。既にSlicexのウィンドウを開いてあるとして、サンプルをロードする方法はいくつかあります。
    • ブラウザからSlicexのチャンネル、もしくはウィンドウにサンプルをドラッグ&ドロップする。
    • (まだサンプルをロードしていない時に)アーティキュレーションパネル左側に表示されるグレーのSlicexロゴをクリックする。
    • 空のWave Editorウィンドウをクリックしてファイルブラウザを開く。
    • Wave EditorのFileアイコンをクリックしてファイルブラウザを開く。

しかるのちSlicexはサンプルをロードし、自動的にスライスします(意図的にデッキBにロードしたのでない限り、通常はデッキAが使用されます)。

  • セレクションを使用して手動でテンポを設定する - サンプルのテンポプロパティを手動で設定すれば、多くの場面で自動スライス機能の精度を向上させることができます。オーディオ中ではっきりビート数がわかっている部分を選択し、プロパティダイアログ(F2)を開きます。すると普段は「Length (beats)」と表示される部分が「Sel (beats)」に変わっているはずです。たとえば今選択した範囲が4ビートの範囲だとしたら、4を入力します。これで全体のテンポが検出されます。
  • ダウンビートを使用して手動でグリッド/テンポを調整する - オプションによっては背景のグリッドに沿ってスライスを行いますが、ビートの方に手動でグリッドを合わせたいこともあるかもしれません。サンプル上で最初のダウンビートマーカーを置きたい位置を右Ctrl+右Shift+クリックし、必要ならばそのまま水平にドラッグして微調整して下さい。しかるのち右Ctrl+右Shiftは押したまま、マウスボタンを離してもう一度クリックするとグリッドをビートに合わせられます。

  • スライスをより完璧にする - サンプル/ループをロードしたとして、そこでは二つの可能性が考えられます。
    • {スライス間の隙間は前もって処理済み 。既製のSlicexループやREXファイルは大抵これ以上加工を行う必要がなく、すぐに再生できる状態になっています(作者がスライスループの正しい作り方を知っていた場合)。
    • スライス間に隙間があったり、ブチッという音が入っていたりする。 この場合、(必要なら)手動でスライスポイントを調整するところから始めましょう。スライスマーカー上側の小さなタブをクリックして適切な位置に動かします。これで大抵の問題は解決しますが、もしうまくいかなければ;
      • Tools > Regions > Declick out all regions もしくは
      • Tools > Regions > Perfect all regions を試してみましょう。どちらがいいかは耳で判断して下さい。Declick outはアタック部をそのままにしてディケイ部分だけをスムージングするので、一般にドラムループに対してPerfectよりうまく働きます。さもなければ↓
      • Tools > Time > Drum(loop) stretch こちらの機能はグローバルにかけることも、より精度が欲しい時はスライス毎にかけることもできます。この方法はオリジナルのサンプルデータを上書きする(破壊編集)ので、自動では行われません。このストレッチによる方法は、既にドラムサウンドが十分短くカットされており、ディケイ部を削るやり方ではこれ以上対処できない場合に役立ちます。 注: 実はSlicexの内蔵サンプラー自身もリアルタイムのクリック音除去機能を持っているのですが、ディケイ部が既に十分短いような場合には効き目がありません。
  • スライスを重ねる - Slicexは一連の強力なレイヤリングツールを備えており、あなたのスライスループにより創造的なエッジを与えてくれます。スライスのリージョンマーカータブを右クリックし「Trigger note」を選び、それからピアノキーを選択しましょう。そして別のスライスをまた同じキーにアサインすれば、あとはマスターパネルのレイヤーオプションでいろいろなことができます。
  • サンプルをエディットする - SlicexはEdisonの全ての力を受け継いだ波形エディタを備えており、スライスを心ゆくまで編集し、いじり倒し、処理し、調整することができます。
  • 自己表現する - プログラムのバリエーションこそ表現コントロールの要です。Slicexは設計理念として無限のバリエーションを備えています。リージョンは単一デッキであれデッキ間であれ、マスターパネルの設定を使っていくつでもレイヤリング/クロスフェードすることができます。リージョンスライスはどのキーにでも、全てのキーにであろうともアサインできます。その裏ではフィルタ、エンベロープ、LFOその他もろもろを備えたアーティキュレータセクションがこれらのサンプルやレイヤーを管理します。
  • ループ以外のことも考える - そう、Slicexは完璧なループ/ビートスライサーであり、パーフェクトなパーカッション管制室です。とは言ったものの、Slicexはどんなオーディオソースでも同じように扱えます――それならメロディ、ヴォーカル、ギター、はたまた曲全体をスライスしたっていいじゃないですか!創造と音の可能性に終わりはありません。

マスターパネル

左から右の順で説明しています。

マスターレベル

  • Master level - Slicexの最終出力のボリューム。
  • Master randomness level - ランダム性のレベルを調整します。
  • Master LFO - LFOレベルを調整します。
  • Master Pitch - 全スライスのピッチを変更します。

モジュレーション


  • X/Y Modulation Pad - ここをクリックしてマウスを動かすとX/Yコントロールを同時に操作できます。
  • Smooth - モジュレーションの入力をスムージングします。
  • X & Y knobs - 独立に動くX/Yコントロールです。

レイヤリング

To activate layering between regions within OR between Decks A and B, select a layering option from the Options menu. To create a layer simply assign more than one region to the same note/key. These regions can come from within the same deck or between decks. Layered regions are played in order - Deck A (left to right), Deck B (left to right).

  • Drum layering mode - ドロップダウンメニューになっています。
    • All - 二つ以上のリージョンが同じノートにアサインされていた場合、それらを全て再生します。
    • All (gain compensated) - 上と同様ですが、最終出力のボリュームが下げられてスライス二つの時の音が一つの時より大きくならないようにします。
    • Velocity-mapped - Velocity values are used to crossfade between co-assigned slice regions using the crossfade method/curve set below the layering menu.
    • Modulation X-mapped - X modulation values are used to crossfade between co-assigned slice regions using the crossfade method/curve set below the layering menu.
    • Modulation Y-mapped - Y modulation values are used to crossfade between co-assigned slice regions using the crossfade method/curve set below the layering menu.
    • Random - A random modulation value is used to crossfade layered slice regions. When the crossfade method is set to NONE this will randomly flip between assigned slice regions.
    • Cycle - Alternates between co-assigned slice regions.
    • Song time-synced - Selects the slice region that is closest to the current tempo.
  • Same deck (switch) - If slice regions from Deck A & B are layered, both will play. If the 'same deck' switch is on and the notes are received from an even MIDI channel co-assigned regions of Deck A will be layered if notes are received from an odd MIDI channel Deck B regions will be layered. Layering is according to the crossfade type selected below. NOTE: Each color in the Piano roll represents a different MIDI channel (1 to 16). To see the number, open the color selector, hover over the note colors and look at the hint bar.
  • Crossfade curve - The crossfade icons select the following crossfade curves:
    • None - 重なっているリージョンは一方から一方へただちにスイッチします。
    • Linear - 数学的にリニアなクロスフェードです。
    • Balanced curve - 聴覚上バランスのとれたクロスフェードです。
    • Unbalanced curve - 早いクロスフェードです。
    • Adding - 早いクロスフェードその2です。

オプション

  • 下矢印 > Macros(Slicexの設定を行うスクリプト)
    • Assign both decks to whole keyboard - デッキAとBのスライスをキーボードの左と右にそれぞれアサインします。
    • Assign both decks to black & white notes - デッキAのスライスを白鍵に、デッキBを黒鍵にアサインします。
    • Layer both decks - 両方のデッキをパラレルにレイヤーします。つまり、デッキAの1~n番目のリージョンとデッキBの1~n番目のリージョンが関連づけられるということです。
    • Layer selections in both decks - Assigns the selection in both decks to the same note.
    • Layer homonymous regions - Layers regions with the same name ('homonymous' adjective} - of homonym; having the same name). NOTE: This is a macro so you need to re-run it if you subsequently give some more regions the same name.
    • Assign deck A regions to articulator 1 - Assigns all regions in Deck A to Articulator 1.
    • Assign deck B regions to articulator 2 - Assigns all regions in Deck B to Articulator 2.
    • Normalize layered region levels - Normalizes the volume of layered regions.
  • 下矢印 > Settings
    • Sample start covers whole length - OFF: The sample start mapping covers 100ms. ON: Covers the length of the slice region. This setting is used to limit (or not) the sample start modulation articulation to the attack portion of the sound (~ 100 ms).
    • Link velocity to volume - Key velocity controls region slice volume.
    • Loop half of regions - Loops the last 1/2 of regions.
    • HQ envelopes - When selected, envelopes will have greater accuracy.
    • Lock audio data - Prevents editing of the audio.
  • About - Slicexに関する情報。
  • Auto dump - サンプルがデッキAにインポートされたら自動的にピアノロールにダンプするようにします。デッキBをピアノロールにダンプしたい場合はEditorパネルから明示的に「Dump score」を実行しなくてはいけません。
  • KB Input - Editorセクションのキーボードショートカットを有効にします。PCキーボードでSlicexのスライスを演奏したい場合はOFFにして下さい。

ディスプレイモード

  • Keyboard - プレビューキーボードを表示/非表示にします。
  • Full - 全てのメインパネルを表示します。
  • No audio editor - オーディオエディタパネル(一番下)を隠します。
  • No region settings - アーティキュレーションパネル(真ん中)を隠します。
  • Compact - マスターパネル(一番上)だけを表示します。

アーティキュレーションパネル

波形エディタ

キーボード/ピアノロールコントロール


スライスしたリージョンをノートにアサインしたりテスト演奏したりしたい時にはキーボードを使います。この表示画面はピアノキーボードのキーをステップシーケンサっぽいパッドで置き換えた外観になっています。ここでセットしたリージョンのキーアサインは、Slicexが外部から入力されたノートにどう反応するかにも影響を及ぼします。 : このキーボードは見た目こそステップシーケンサ風ですが、別にそういう機能を持っているわけではありません。ただのプレビュー用キーボードです。

  • 範囲セレクタ - 左側の下矢印は開始位置をC0~F3の範囲で選択するスイッチです。
  • キーを使う - キーを左クリックすると関連づけられたリージョンを再生します。キーを右クリックするとアサインオプションを開きます。
    • Assign current region to this key - 選択中のリージョンをいま右クリックしたキーにアサインします。
    • Select region assigned to this key - いま右クリックしたキーにアサインされているリージョンを選択します。
  • キーとレイヤーのアサイン - アサインされたキーは…えーと…「赤」とか男らしい色を言いたかったんですけど、とてもそういう色には見えませんね。はい、ピンクで示されます。「この色はティー・ローズじゃなくて?」と仰りたい女性ユーザーの皆様にはお詫び申し上げます。作者(♂)は原色の名前しか知らないんです。
    二つ以上のスライスリージョンを同じノートに割り当てるとレイヤーができます。アサインはデッキA・Bいずれかだけでも両方にまたがってもかまいません。マスターパネルでいろいろなクロスフェードカーブやレイヤーオプションを選ぶことができます。

ピアノロールでのデッキコントロール

ピアノロールのノートカラーはデッキ1/2を独立にコントロールするためにも使えます。下図に示すように偶数のカラーはデッキ1を、奇数のノートはデッキ2を再生します。カラー15、16は特殊な「リバース再生」カラーです。ノートカラーは1~16のMIDIチャンネルをも意味しており、従ってMIDIコントローラ経由でも同じことができるということも覚えておいて下さい。

プラグインクレジット

Code & GUI: Didier Dambrin.
Script compiler: paxCompiler

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