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高血圧治療ガイドライン」(2009/08/23 (日) 16:44:17) の最新版変更点

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高血圧治療ガイドライン (日本高血圧学会) 1. 高血圧の分類 A.成人における血圧値の分類 分類 収縮期血圧   拡張期血圧 至適血圧 < 120 かつ < 80 正常血圧 < 130 かつ < 85 正常高値血圧 130~139 または 85~89 I 度高血圧 140~159 または 90~99 II 度高血圧 160~179 または 100~109 III 度高血圧 ≧180 または ≧ 110 (孤立性)収縮期高血圧 ≧140 かつ < 90 B.(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化 正常高値血圧 130-139/ 85-89mmHg I度高血圧 140-159/ 90-99mmHg II度高血圧 160-179/ 100-109mmHg III度高血圧 ≧180/ ≧110mmHg リスク第一層 (危険因子がない) 付加リスク なし 低リスク 中等リスク 高リスク リスク第二層 (糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタボリックシンドローム※がある) 中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク リスク第三層 (糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3個以上の危険因子のいずれかがある) 高リスク 高リスク 高リスク 高リスク ※リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL、かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)、あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり、メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。 2.治療計画 A.初診時の高血圧管理計画 B.生活習慣の修正項目1.減塩 6g/日未満 2.食塩以外の栄養素 野菜・果物の積極的摂取* コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える 魚(魚油)の積極的摂取 3.減量 BMI(体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)])が25未満 4.運動 心血管病のない高血圧患者が対象で、中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)行う 5.節酒 エタノールで男性は20-30ml/日以下、女性は10-20ml/以下 6.禁煙    生活習慣の複合的な修正はより効果的である *重篤な腎障害を伴う患者では高K血症をきたすリスクがあるので、野菜・果物の積極的摂取は推奨しない。糖分の多い果物の過剰な摂取は、特に肥満者や糖尿病などのカロリー制限が必要な患者では勧められない。 C.主要降圧薬の積極的な適応  Ca拮抗薬 ARB/ACE 阻害薬 利尿薬 β遮断薬 左室肥大 ● ●     心不全   ●*1 ● ●*1 心房細動(予防)   ●     頻脈 ●*2     ● 狭心症 ●     ●*3 心筋梗塞後   ●   ● 蛋白尿   ●     腎不全   ● ●*4   脳血管障害慢性期 ● ● ●   糖尿病/MetS*5   ●     高齢者 ●*6 ● ●   *1少量から開始し、注意深く漸増する *2非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬 *3冠攣縮性狭心症には注意 *4ループ利尿薬 *5メタボリックシンドローム *6ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬 D.主要降圧薬の禁忌もしくは慎重使用例 降圧薬 禁忌 慎重使用例 Ca拮抗薬 徐脈(非DHP系) 心不全 ARB 妊娠、高カリウム血症 腎動脈狭窄症 ACE阻害薬 妊娠 血管神経性浮腫 高カリウム血症 腎動脈狭窄症 利尿薬 (サイアザイド系) 痛風 低K血症 妊娠 耐糖能異常 β遮断薬 喘息 高度徐脈 耐糖能異常 閉塞性肺疾患 末梢動脈疾患 *両側性腎動脈狭窄の場合は禁忌 3.臓器障害を合併する高血圧の治療 A.心疾患を合併する高血圧の治療狭心症 ●器質的冠動脈狭窄 ●冠攣縮 ●降圧が不十分な場合 β遮断薬、長時間作用型Ca拮抗薬 長時間作用型Ca拮抗薬 RA系阻害薬の追加 心筋梗塞後 ●慎重に130/80mmHg未満に降圧を図る ●RA系阻害薬、β遮断薬が第一選択薬 ●降圧が不十分な場合 ●低心機能症例 長時間作用型Ca拮抗薬、利尿薬の追加 アルドステロン拮抗薬の追加 心不全 ●標準的治療 ●重症例 ●降圧が不十分な場合 RA系阻害薬*2+β遮断薬*2+利尿薬 アルドステロン拮抗薬の追加 長時間作用型Ca拮抗薬の追加 心肥大 ●持続的かつ十分な降圧を図る ●RA系阻害薬/長時間作用型Ca拮抗薬が第一選択薬 心房細動(予防) ●予防の観点からRA系阻害薬を中心とした十分な降圧が勧められる (特に、発作性心房細動や心不全合併症例、左室肥大や左房拡大が明らかな症例) ●慢性心房細動患者では、心拍数コントロールのためにβ遮断薬やジヒドロピリジン系Ca拮抗薬を考慮する *1適応例では冠インターベンションを行う *2収縮機能低下では少量から開始し、慎重にゆっくりと増量する B.慢性腎疾患(CKD)を合併する高血圧の治療計画継続 ●原疾患の治療 ●生活習慣の改善 腎機能、血清電解質、尿検査 、尿のAlb/Crの測定*1 ACE阻害薬またはARB*2 ●ACE阻害薬またはARBの続行 ●降圧不十分なら利尿薬、 Ca拮抗薬の併用、用量調節、他薬の併用 腎機能、電解質、尿の定期的検査 ●Scr30%以上の上昇 ●血清K5.5mEq/L以上 ●急激な血圧低下 No Yes 専門医に相談 原因検索*3 *1尿アルブミンの測定は保険診療上、「糖尿病性腎症疑い」でのみ認可されている。それ以外では尿蛋白を測定する。 *2血清クレアチニン値(Scr)2.0mg/dl以上では小量より投与開始 *3原因:腎動脈狭窄、NSAID、心不全、脱水、尿路異常など *4尿蛋白1g/日では125/75mmHg未満、*5糖尿病性腎症、*6糸球体腎炎 目標 血圧:130/80mmHg未満*4 尿Alb/Cr:30mg/g未満*5        300mg/g未満*6 C.糖尿病を合併する高血圧の治療計画 *血圧が130-139/80-89mmHgで生活習慣の修正で降圧目標が見込める場合は、3ヶ月を超えない範囲で生活習慣の修正により降圧を図る 4.高齢者高血圧の治療 高齢者高血圧の治療計画 第1ステップ (降圧不十分や忍容性に問題がある場合には変更も可) 第2ステップ 2剤併用 第3ステップ 3剤併用(症例によりβ遮断薬、α遮断薬も使用可) 降圧薬の初期量は常用量の1/2量から開始し、4週間から3ヶ月の間隔で増量する。最終降圧目標は、140/90mmHg未満。ただし、75歳以降で収縮期血圧160mmHg以上の場合は、150/90mmHg未満を中間目標として慎重に降圧する。
●日本高血圧学会の作成する「高血圧治療ガイドライン」は2004年に改定され,生活 指導として塩分制限が1日7gから6gに変更され,野菜や果物などの摂取が勧められるようになった.また,すべての患者において生活習慣の修正を指導することが示され,生活習慣修正から降圧薬治療開始までの期間が短縮された(低リスク群では 6カ月から3カ月へ,中等リスク群では3カ月から1カ月へ,高リスク群では1、2週間以内から直ちに開始).全般的に降圧薬の迅速な開始が推奨されている. 高血圧治療ガイドライン (日本高血圧学会) 1. 高血圧の分類 A.成人における血圧値の分類 分類 収縮期血圧   拡張期血圧 至適血圧 < 120 かつ < 80 正常血圧 < 130 かつ < 85 正常高値血圧 130~139 または 85~89 I 度高血圧 140~159 または 90~99 II 度高血圧 160~179 または 100~109 III 度高血圧 ≧180 または ≧ 110 (孤立性)収縮期高血圧 ≧140 かつ < 90 B.(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化 正常高値血圧 130-139/ 85-89mmHg I度高血圧 140-159/ 90-99mmHg II度高血圧 160-179/ 100-109mmHg III度高血圧 ≧180/ ≧110mmHg リスク第一層 (危険因子がない) 付加リスク なし 低リスク 中等リスク 高リスク リスク第二層 (糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタボリックシンドローム※がある) 中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク リスク第三層 (糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3個以上の危険因子のいずれかがある) 高リスク 高リスク 高リスク 高リスク ※リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL、かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)、あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり、メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。 2.治療計画 A.初診時の高血圧管理計画 B.生活習慣の修正項目1.減塩 6g/日未満 2.食塩以外の栄養素 野菜・果物の積極的摂取* コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える 魚(魚油)の積極的摂取 3.減量 BMI(体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)])が25未満 4.運動 心血管病のない高血圧患者が対象で、中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)行う 5.節酒 エタノールで男性は20-30ml/日以下、女性は10-20ml/以下 6.禁煙    生活習慣の複合的な修正はより効果的である *重篤な腎障害を伴う患者では高K血症をきたすリスクがあるので、野菜・果物の積極的摂取は推奨しない。糖分の多い果物の過剰な摂取は、特に肥満者や糖尿病などのカロリー制限が必要な患者では勧められない。 C.主要降圧薬の積極的な適応  Ca拮抗薬 ARB/ACE 阻害薬 利尿薬 β遮断薬 左室肥大 ● ●     心不全   ●*1 ● ●*1 心房細動(予防)   ●     頻脈 ●*2     ● 狭心症 ●     ●*3 心筋梗塞後   ●   ● 蛋白尿   ●     腎不全   ● ●*4   脳血管障害慢性期 ● ● ●   糖尿病/MetS*5   ●     高齢者 ●*6 ● ●   *1少量から開始し、注意深く漸増する *2非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬 *3冠攣縮性狭心症には注意 *4ループ利尿薬 *5メタボリックシンドローム *6ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬 D.主要降圧薬の禁忌もしくは慎重使用例 降圧薬 禁忌 慎重使用例 Ca拮抗薬 徐脈(非DHP系) 心不全 ARB 妊娠、高カリウム血症 腎動脈狭窄症 ACE阻害薬 妊娠 血管神経性浮腫 高カリウム血症 腎動脈狭窄症 利尿薬 (サイアザイド系) 痛風 低K血症 妊娠 耐糖能異常 β遮断薬 喘息 高度徐脈 耐糖能異常 閉塞性肺疾患 末梢動脈疾患 *両側性腎動脈狭窄の場合は禁忌 3.臓器障害を合併する高血圧の治療 A.心疾患を合併する高血圧の治療狭心症 ●器質的冠動脈狭窄 ●冠攣縮 ●降圧が不十分な場合 β遮断薬、長時間作用型Ca拮抗薬 長時間作用型Ca拮抗薬 RA系阻害薬の追加 心筋梗塞後 ●慎重に130/80mmHg未満に降圧を図る ●RA系阻害薬、β遮断薬が第一選択薬 ●降圧が不十分な場合 ●低心機能症例 長時間作用型Ca拮抗薬、利尿薬の追加 アルドステロン拮抗薬の追加 心不全 ●標準的治療 ●重症例 ●降圧が不十分な場合 RA系阻害薬*2+β遮断薬*2+利尿薬 アルドステロン拮抗薬の追加 長時間作用型Ca拮抗薬の追加 心肥大 ●持続的かつ十分な降圧を図る ●RA系阻害薬/長時間作用型Ca拮抗薬が第一選択薬 心房細動(予防) ●予防の観点からRA系阻害薬を中心とした十分な降圧が勧められる (特に、発作性心房細動や心不全合併症例、左室肥大や左房拡大が明らかな症例) ●慢性心房細動患者では、心拍数コントロールのためにβ遮断薬やジヒドロピリジン系Ca拮抗薬を考慮する *1適応例では冠インターベンションを行う *2収縮機能低下では少量から開始し、慎重にゆっくりと増量する B.慢性腎疾患(CKD)を合併する高血圧の治療計画継続 ●原疾患の治療 ●生活習慣の改善 腎機能、血清電解質、尿検査 、尿のAlb/Crの測定*1 ACE阻害薬またはARB*2 ●ACE阻害薬またはARBの続行 ●降圧不十分なら利尿薬、 Ca拮抗薬の併用、用量調節、他薬の併用 腎機能、電解質、尿の定期的検査 ●Scr30%以上の上昇 ●血清K5.5mEq/L以上 ●急激な血圧低下 No Yes 専門医に相談 原因検索*3 *1尿アルブミンの測定は保険診療上、「糖尿病性腎症疑い」でのみ認可されている。それ以外では尿蛋白を測定する。 *2血清クレアチニン値(Scr)2.0mg/dl以上では小量より投与開始 *3原因:腎動脈狭窄、NSAID、心不全、脱水、尿路異常など *4尿蛋白1g/日では125/75mmHg未満、*5糖尿病性腎症、*6糸球体腎炎 目標 血圧:130/80mmHg未満*4 尿Alb/Cr:30mg/g未満*5        300mg/g未満*6 C.糖尿病を合併する高血圧の治療計画 *血圧が130-139/80-89mmHgで生活習慣の修正で降圧目標が見込める場合は、3ヶ月を超えない範囲で生活習慣の修正により降圧を図る 4.高齢者高血圧の治療 高齢者高血圧の治療計画 第1ステップ (降圧不十分や忍容性に問題がある場合には変更も可) 第2ステップ 2剤併用 第3ステップ 3剤併用(症例によりβ遮断薬、α遮断薬も使用可) 降圧薬の初期量は常用量の1/2量から開始し、4週間から3ヶ月の間隔で増量する。最終降圧目標は、140/90mmHg未満。ただし、75歳以降で収縮期血圧160mmHg以上の場合は、150/90mmHg未満を中間目標として慎重に降圧する。

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