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1)鼻血 2)頭が重い 3)右目のかすみ 4)鼻づまり 5)右目が少し飛び出す 6)右目と右頬が大きく飛び出す 病名 ⇒ 若年性鼻咽腔血管線維腫 (じゃくねんせいびいんくうけっかんせんいしゅ) <なぜ、鼻血から若年性鼻咽腔血管線維腫に?> 「若年性鼻咽腔血管線維腫」とは、 鼻の奥、頭蓋底と呼ばれる頭蓋骨の底に、腫瘍ができる病。 転移することはないため、良性の腫瘍と考えられています。 しかし、この病気が恐ろしいのは、 腫瘍が周囲の骨を溶かしながら大きくなり、 視神経など脳の大事な神経を破壊してしまうこと。 ゆっくりと進行することが多い病ですが、 時にW・Sさんのように3年で10センチという 驚異的なスピードで大きさを増すこともあります。 そのまま放っておけば、腫瘍は頭蓋骨の底を突き破り、脳を圧迫。 意識障害などを引き起こし生命に危険を及ぼすこともある恐ろしい病なのです。 発症の詳しい原因はまだわかっていませんが、 小学校高学年から高校生くらいにかけての思春期、 それも男性に起こることが多いため、 男性ホルモンが関係していると考えられています。 日本での発症人数は年間20人ほどという非常に珍しい病です。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ここからが本当の苦難の始まりでした。 W・Sさんの腫瘍は大きくなりすぎていた。 無理に手術をすれば死亡する危険が高かったのです。 この日から病院探しが始まりました。 どこの病院でも答えは同じでした。 そうしている間にも症状は進み 右の頬も膨らみ 左右の視力も失いかけていました。 病院に通っても経過を観察するだけでした。 そんなある日 ネットで治療を探していた父親が ある医師の存在を知るのです。 2008年7月その医師を尋ねました。 東京医科歯科大学 頭頸部外科教授、岸本誠司先生 頭頸部外科というのは鎖骨より上で脳と眼球の腫瘍を扱い 鼻腔ガン・口腔ガン・咽頭ガン等の治療が専門 先生は頭頸部外科で5千例以上の手術を手がけてきたエキスパート。 先生の手術は画期的な腫瘍の摘出手術 「フェイシャルディスマスキング法」 顔の3分の2もの皮膚を、顔面神経ごとはがすという大胆なもの。 岸本先生は、元々形成外科で行われていたこの手術法を取り入れ、 飛躍的に腫瘍摘出の可能性を向上させたのです。 顔を大きく開くことで、顔の底にある大きな腫瘍を 取り残すことなく、摘出することが可能な手術法。 さらに顔面麻痺などの後遺症や、傷もほとんど残らないといいます。 W・Sさんの診察が終わった先生の言葉は 「リスクが厳しく 手術が難しい」という厳しいものでした。 腫瘍は脳にまで及んでいたため 先生の守備範囲を超えていました。 もう無理なのかとあきらめかけていた時 先生はあきらめたわけではなく 摘出方法を模索していました。 脳神経外科の医師に相談 ・脳に食い込んだ腫瘍を安全に摘出できるのか? 形成外科の医師に相談 ・腫瘍を摘出した後の隙間を何で埋めるのか? 診療科の枠を超え検討会議が何度も開かれ ようやく手術成功の可能性を見出しました。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 2008年9月あきらめかけた親子の前に名医が集結しました。 手術法 1)形成外科チーム   フェイシャルディスマスキング法で頭蓋骨を露出。 2)脳神経外科チーム   頭蓋骨の一部を取り外し脳に食い込んだ部分の腫瘍を摘出。 3)岸本先生ら頭頸部外科チーム   頬骨と頭蓋底の一部を外し腫瘍の本体を摘出。 4)形成外科   腫瘍を摘出した後の隙間に腹の筋肉を移植。 5)形成外科   骨・皮膚・神経を元に戻す。 2008年10月6日ついに手術を受けることになったW・Sさん。 20時間にも及ぶ大手術は無事終了しました。 若年性鼻咽腔血管線維腫は通常はゆっくり進行し 思春期を過ぎると進行が止まったり腫瘍が小さくなる。 症状がひどくない場合はあわてず経過観察することも1つの方法です。

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