陽性尤度比=感度/(1-特異度)
陰性尤度比=偽陰性率/特異度

数値の目安(陽性尤度比)
10以上 確定診断に使える
5~10 検査はある程度有効
2~5、あるいは0.2~0.5 検査後確率と検査前確率の差が大きくならないので検査はあまり有効ではないが、場合によって重要な差となる場合もある
1~2、あるいは0.5~1 この検査が有効なことは滅多にない


筋性防御は腹膜炎で認められる所見ではあるが、腹膜炎のない症例でも緊張などの心理的な因子によりしばしば偽陽性となる。

×d 圧迫を急速に解除したときに痺痛が誘発されるのが反跳痛で、陽性の際には腹膜炎が疑われる。臨床の現場では重要視されるが、感度・特異度は報告によりまちまちである。

○e 板状硬は患者の心理的因子を除いた上でも認められる不随意的な腹筋の収縮を指す。感度は低いが特異度が高く、陽性尤度比が最も高いとされる。


板状硬>反跳痛、筋性防御


■ EBM(根拠に基づく医療:Evidence-Based Medicine)

 「診ている患者の臨床上の疑問点に関して、医師が関連文献等を検索し、それらを批判的に吟味した上で患者への適用の妥当性を評価し、さらに患者の価値観や意向を考慮した上で臨床判断を下し、専門技能を活用して医療を行うこと」(医療技術評価推進検討会報告書 平成11年3月)

●実際の多忙な臨床では、文献の検索を効率よく行うため、専門家があらかじめ内容を吟味・評価してEBMに役立つと認めた文献の概要や診療ガイドラインを集めたもの(コクランライブラリー、Best Evidence、UpToDateなど)を使用している。日本人による質の高い臨床研究が少なく、これらを積極的に作り出す努力も必要である。
最終更新:2009年08月23日 19:51