t-PA療法の適応と非適応
強い力で血栓を溶解することは、一方では頭蓋内外での出血のリスクたり得ることが、その理由の一つです。
t-PA使用例中の5.8%が頭蓋内出血を起こしたという本邦データがあります。
t-PA療法 適応の要点
・発症より3時間以内。
・症状の急速な改善がない。
・軽症(失調、感覚障害、構音障害、軽度の麻痺のみを呈する)ではない。
t-PA療法 禁忌事項
・頭蓋内、消化管、尿路の出血性疾患既往
・3ヶ月以内の脳梗塞既往
・CTで出血が否定できないサインがある。
・痙攣
・頭蓋内腫瘍、動脈瘤、AVM、もやもや病
・適切な降圧療法後も、sBP>185Torr dBP>110
・Early CT signで、広範な梗塞(=MCA領域の1/3以上)が示唆される(→症候性頭蓋内出血との関連が示唆されている)
・BS<50 or BS400
・Plt.<10万
・ヘパリン、ワーファリン投与中。
t-PA療法 慎重投与例
・75歳以上
・NIHSS≧23(=神経学的に悪いということ)
・JCS≧100
・10日以内の、分娩、生検、3ヶ月以上経過している脳梗塞既往
・消化管の潰瘍や炎症性疾患
・結核
・月経中
・腎不全、コントロール不良糖尿病
・感染性心内膜炎
神経学的欠損が、重すぎず、軽すぎず、ほどよい程度であることが求められています。
厳密にはNIHSSスコアで、ですが、ごく簡単に言うとJCSで2ケタ程度の症例に適応症例が多いということになるでしょうか。
この薬を使用した後は、NIHSSスコアによる評価が15分ごと→1時間後からは30分ごとに推奨されており、Dr.がベッドサイドに張り付けになってしまいます。
胃洗浄の適応と非適応
最終更新:2009年08月20日 19:46