DSS(Dopamine System Stabilizer)と呼ばれる、抗精神病薬の新薬。
統合失調症をはじめ、うつ病や躁うつ病など様々な精神病に用いられる。
成分名は「アリピプラゾール」(Aripiprazole)

一言でいえば、従来の非定型抗精神病薬(SDA・・・リスパダール、ジプレキサ、
ルーラン、セロクエル)の副作用が少ない進化形。

<薬価>
エビリファイ錠3mg: 98.30円
エビリファイ錠6mg:186.00円
エビリファイ散1%:198.30円

開始用量 6~12mg
維持用量 6~24mg
最大用量 30mg

最高/最大血中濃度到達時間(TMax) 3.4~6.0時間
半減期(T1/2) 約65~279時間(長い!?情報源によって差異あり)
定常状態まで 約2週間


~処方箋より~興奮をおさえて、不安、緊張などをやわらげたり、何もやる気がしない、何も興味がもてないというような状態を改善する作用があります。
アルコールを含む飲料水はこの薬の作用を強くしますので、アルコールは控えてください。




マメ知識
日本での承認が下りる以前は、スマドラ(スマートドラッグ)として通販で購入することができた。
(しかも統合失調症ではなく、躁うつ病の治療薬として販売されている)
“Abilify”と記述するのでアビリファイと発音されていた時期もあるが、抗うつ薬「アビリット」との混同や誤認を防ぐため、今のエビリファイという発音になった。
2006年、優れた治療効果をもたらす薬剤に贈られるという、フランスの「プリ・ガリアン賞」を受賞した。



『エビリファイ』の薬効

ドパミン作動性神経伝達が過剰活動状態の場合には、ドパミンD2受容体のアンタゴニストとして作用し、ドパミン作動性神経伝達が低下している場合には、ドパミンD2受容体のアゴニストとして作用する。(パーシャルアゴニスト)

脳内でドパミンが大量に放出されているときには抑制的に働き、ドパミンが少量しか放出されていないときには刺激する。
このようにドパミン作動性神経伝達を安定化する働きをすることから、本薬は「ドパミン・システム・スタビライザ―」(DSS)と称されている。

また、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用やセロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用をも併せ持っていることから、統合失調症の幻覚・妄想などの陽性症状だけでなく、感情的ひきこもり、情動鈍麻などの陰性症状をも改善する。



『エビリファイ』の長所

統合失調症の陽性症状、陰性症状の両方に有効
過鎮静や眠気が少ない
高プロラクチン血症(乳汁分泌、月経異常、射精困難)を起こさない
体重増加・食欲亢進が現れない
(食欲不振の可能性がある。ただし食欲不振は糖尿病のサインである事もあるので注意。)
高脂血症、心電図異常がみられない
錐体外路症状が少ない(但しアカシジアは稀にある)
起立性低血圧がない
用量設定が幅広い



『エビリファイ』の副作用

(2週間くらいで収まることが多い)嘔気
アカシジア
不眠
眠気
不安
易怒性
焦燥
頭痛
口渇
便秘
筋肉痛
倦怠感
手足の痺れ
脱力感
赤色尿



『エビリファイ』の歴史

1988年 日本の大塚製薬が発見、開発を進める


2002年 11月、アメリカにて統合失調症の治療薬として承認を受ける

2006年 1月23日、日本国内での承認を受ける
      6月1日、薬価収載
      6月8日、遂に日本での発売が開始される
最終更新:2009年08月22日 19:50