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振戦 安静時振戦
   動作時振戦 姿勢時振戦
         運動時振戦
安静時振戦 パーキンソン病
姿勢時振戦 Wilson病 慢性アルコール中毒 甲状腺機能亢進症 本態性振戦

ふるえの種類

 ふるえには、4種類あります(表)。
震えの種類 出現するとき 見られる病気
 1 安静時振戦  安静時  パーキンソン病
 2 姿勢時振戦  一定の姿勢時  本態度性振戦
 老人性振戦
 肝性脳症
 甲状腺機能亢進症 など
 3 企図振戦  何かしようとしたとき  脊髄性小脳変性症
 小脳や中脳の梗塞・出血
 小脳腫瘍
 多発性硬化症 など
 4 動作時振戦  動作時  脊髄性小脳変性
 多発性硬化症 など




 安静時に出現するものを安静時振戦といいます。椅子に座ってじっとしているときや、静かにベットに横になっている時などに手や足がふるえるのが安静時振戦です。腰掛けた姿勢で、手のひらを上にして、両手を膝の上に置いてみて下さい。体の力を抜いてじっとしている状態で手がふるえれば安静時振戦です。手を動かす(動作時)と、ふるえはなくなります。


 ある姿勢をとったときにふるえるのが姿勢時振戦です。たとえば上肢を前方に挙げて、そのままの姿勢を保っているときに手がふるえるのがこれに当たります。


 3番目は企図振戦です。何か動作をしようとしたときに出現します。たとえば、人指し指を自分の鼻の頭に持っていく動作の始めや、鼻に近づいたところで手がふるえてしまい、指先を鼻に付けることができなくなります。


 最後の動作時振戦は、ある動作をしているときにみられるふるえです。例えば、人指し指を鼻の先に付けようとした時に鼻に指が到達する間に出現するふるえです。指が鼻につくと消失します。指を鼻に付けるという一連の動作をなめらかに連続して行うことができないので、手がふるえてみえます。


これはパーキンソンによれば、ガレノスも記載し、動作時振戦と安静時振戦を区別していたそうです。
 気体の法則で名高い17世紀の科学者ボイル(Robert Boyle, 1627-1691)は医学にも詳しく、チョコレートリキュールで振戦が減少する事を報告しています。

 パーキンソン病による安静時振戦と、多発性硬化症による動作時振戦の区別をシャルコーらが発見した事は以前お話しました。

 姿勢振戦をきたす疾患である甲状腺機能亢進症は、1835年ダブリンのグレブス(Robert James Graves, 1776-1853)や、1840年メルゼブルクのバセドウ(Carl Adolph von Basedow, 1799-1854)によって発見されました。

 残った姿勢振戦、本態性振戦は、およそ19世紀後半頃から記載され、家族性振戦は1887年ニューヨーク、コロンビア大のダナ(Charles Loomis Dana, 1852-1935)が報告(Am J Med Sci)、1949年のクリッチレー(Macdonald Critchley, 1900-1997)の論文(Brain)で、本態性振戦の概念が確立しました。

 振戦を原因でではなく、発症様式から安静時振戦(パーキンソン病)、固定姿勢時振戦(アルコール)、企図振戦(多発性硬化症)の3つに分類したのは1900年デジュリーヌの教科書です。