【膣内分泌物】
 性的興奮とは関係なく常に膣内を湿らせている“おりもの”などのこと。膣液や膣の上皮細胞からはがれおちたカスなどが混じり合ってつくられる。一般的には生理前に増加し、生理が終ると共に減少し、排卵気前に再び増加する。
 分泌物に含まれたグリコーゲンは細菌により乳酸に分解され、雑菌の繁殖などを防ぐ自浄作用がある。それゆえ善玉の老廃物と考えられる。本来、健康な状態の“おりもの”は無臭だ。もし匂いがある場合は、細菌によって分解された乳酸の甘酸っぱい匂いのことが多い。常に0.5cc~0.7ccほど分泌されているのが普通である。

【膣液】
 愛撫などの直接的な性的刺激によって、膣壁から湧き出る液体のこと。いわゆる膣の汗と呼ばれているもので、他の液体が1cc以下しか分泌されないのに比べ、膣液の分泌量は平均で10cc~100ccとケタ違いの量。愛液のメインをなす液体といえよう。
 分泌しはじめたときはサラサラとして無職透明の液体が、ペニスが挿入されることで脂肪分が増え、徐々に粘りのある白っぽい液体へと変わっていく性質をもっている。また、血管から漏れてきた液体だけあって、膣液の成分は血液の成分でもある血漿がほとんど。

 その中にはタンパク質や糖分などの有効成分も含まれている。このタンパク質や糖分が膣内で分解されて性フェロモンになると考えれれている。

【スキーン腺液】
 女性の前立腺ともいわれる(女性には前立腺は存在しない)尿道口の左右に位置するスケネー氏腺から分泌される液体。分泌量はバルトリン氏腺液よりも少なく0.2cc~0.3cc。これ、実はスケネー氏腺のまわりを湿らせる程度でしかない。
 しかし、このスケネー氏腺とバルトリン氏腺液によって、膣の入口や膣口周辺、そして黄金の三角地帯と呼ばれる膣前庭は常に湿り気が保たれることになる。

 要するに、このスキーン腺液によって膣の乾きや摩擦などによりひび割れを防いでいるのである。分泌直後こそ粘度は高いが、他の粘液や様々な分泌物、そして膣液などと混ざりあることでサラサラした液体に変化していく性質を持っている。

【バルソリン腺液】
 バルソリン腺は膣口の両脇下に位置する。愛撫の段階で、ここからバルソリン腺液と呼ばれる粘り気のある透明、あるいは淡い乳白色の液体が分泌してくる。男性のガマン汁(カウバー腺液)に近い液体だ。
 分泌量は0.2cc~0.5ccと少ない。かつては、このバルソリン腺液が愛液の正体と考えられていた。だが、ペニスを挿入したときの潤滑油にしてはあまりにも量が少ないため、今は膣周辺の乾きを防ぐ程度の役割しか果たしていないと考えられている。

 そして、バルソリン腺液が愛撫などで性的に興奮したときにだけ出る液体なのか、それ以外のときでも出ているのかについては、いまだにはっきり釈明されていないのが実情だ。

【子宮頚管粘液】
 子宮頚管とは、膣の奥と子宮につながる細い首のような形状の場所。ここから出る粘り気の強い白濁した液体(唾液より少し濃度が高い)が子宮頚管粘液だ。分泌用は0.3cc~0.5cc。女性がエクスタシーに達する直前に分泌される為、絶頂汁と呼ばれることもある。
 かつては精子が子宮へ進行するのをサポートする働きがあるといわれていたが、粘膜にアレルギー反応をおこす物質が含まれていることから、逆に精子の進行を阻止する液だとの説もあり、現在はこちらが主流だ。

 子宮頚管粘液は、子宮から出るものだけに生理と密接な関係があり、排卵器には女性ホルモンの影響で量が増加するが、排卵期以外の時期には粘度が高くなるという性質を持っている。

【Gスポット液】
 Gスポットを刺激されたときに尿道から飛び出してくる液体がGスポット液。“潮”と呼んだほうがわかりやすいかもしれない。いわゆる潮吹きは、Gスポットを圧迫することによって内側から膀胱を圧迫し、スポイト効果によって膀胱にたまった尿を強制的に押し出すと見られている。
 だが、実際に潮の成分を分析すると、尿には含まれてないはずの酸性ホスファターゼなども混ざっているため、一概に尿とは言い切ることが出来ず、いまだ正体は不明だ。Gスポット液はすべての女性に愛液が含有されているわけではないが、Gスポットの刺激に慣れた女性ならたいていは含まれているとみていい。分泌量も膣液以外の液を比較すれば2cc~3ccとかなり多め。



排卵期頸管粘液
卵胞エストロゲン分泌により羊歯状結晶
NaClとムチンによる
羊膜により分泌?
胎児尿からも分泌

羊水
排卵期頸管粘液とほぼ同じ成分
最終更新:2009年09月29日 07:47