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7. この病気にはどのような検査法がありますか

脳の病変部位には炎症がありますので、脳脊髄液に炎症反応があるかどうかをみることが重要です。その為に腰椎穿刺という検査を行い、髄液をとってしらべます。これは腰の部分に針を刺して脳脊髄液をとってしらべるもので、針を刺した部分の痛みがあり、人によっては検査後に頭痛を訴えます。急性期のMSではリンパ球数の増加、蛋白質の増加、免疫グロブリンIgGの増加など炎症を反映した所見が見られます。また髄鞘の破壊を反映して髄鞘の成分であるミエリン塩基性蛋白の増加が見られます。

近年、核磁気共鳴画像(MRI)という方法で病巣を検知することができるようになり、MSの診断は容易になりました。脱髄病巣はT2強調画像およびフレア画像で白くうつります。また、急性期の病変はガドリニウムという造影剤を注射すると、造影剤が漏れ出て白くうつるので、参考になります。脱髄病変に不可逆性の軸索変性が生ずると、T1強調画像で黒くうつります。

脱髄が起こると電線がむき出しになり、電気の伝導が遅くなります。これを脳波で捉える検査法があり、誘発脳波と呼んでいます。視覚誘発脳波、聴覚誘発脳波、体感覚誘発脳波など様々な方法が開発・応用されています。
8. この病気にはどのような治療法がありますか

急性期には副腎皮質ホルモン(ステロイド)を使います。一般にソルメドロールという水溶性のステロイド剤を500mgないし1,000mgを2~3時間かけて点滴静注します。これを毎日1回、3日から5日間行い1クールとして様子を見ます。本療法をパルス療法と言います。
まだ症状の改善が見られないとき数日おいてもう1~2クール追加することがあります。ステロイドの長期連用には糖尿病や易感染性・胃十二指腸潰瘍や大腿骨頭壊死などの副作用が出現する危険性が増すため、パルス療法後に経口ステロイド薬を投与する場合でも(後療法と言います)、概ね2週間を超えないように投与計画がなされることが多くなっています。

急性期が過ぎるとリハビリテーションを行います。対症療法として有痛性強直性痙攣に対しカルバマゼピンを、手足の突っ張り(痙縮)に対してはバクロフェンなどの抗痙縮剤、排尿障害に対してはプロピヴェリンなど適切な薬を服用します。MSの再発予防にはインターフェロンβ、コポリマー1、ガンマグロブリン、慢性進行性MSにはシクロフォスファミドなどが良いと言われており、我が国ではインターフェロンβ-1b(ベタフェロン)とインターフェロンβ-1a(アボネックス)が認可されています。大量ガンマグロブリン静注療法の治験が進行中です。近年、活動性の高い患者さんに対してミトキサントロンを使用するという選択肢が注目されています。