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ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞障害)



抗原となる標的細胞が体内に侵入すると、免疫反応によってその細胞は破壊される。この作用を細胞障害作用(cytotoxicity)という。細胞障害作用は以下の三つに大別される。

ⅰ)リンパ球が直接働くリンパ球媒介性細胞障害(lymphocyte-mediated cytotoxicity)

ⅱ)産生された抗体とその補体による抗体依存性補体媒介性細胞障害
(antibody-dependent complement-mediated cytotoxicity)

ⅲ)産生された抗体とリンパ球様の非特異的細胞による抗体依存性細胞媒介性細胞障害

(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity;ADCC)





来、細胞障害作用はⅰ)、ⅱ)の二つとしてとらえられてきたが、1965年にMöllerが端を発して以来、ADCCが細胞障害作用における液性免疫と細胞性免疫の協同作用として多く取り上げられるようになった。依然として明らかにされていないことも多いが、様々な実験による解析が進み、ADCC活性が少なくともリンパ球系に存在することは間違いないと言われている。




ADCCにおける攻撃細胞(effector cell)





K細胞(killer cell)とよばれるリンパ球様の非貪食性(non-phagocytic)の細胞である。サイズはリンパ球よりもわずかに大きく、膜表面にIgG抗体に対する強力なFcレセプターを持つ。そのため循環IgGと結合することができ、生体内ではB細胞と間違われることがあるが、B細胞とは異なり抗体を合成せず、また時間の経過とともにFcレセプターと結合したIgGを喪失する。Fcレセプターを有する細胞には、その機能によってレセプター部分に不均一性が存在しており、ADCCに関するFcレセプターは機能上他のものとは異なった特性を持つと考えられている。K細胞はNK細胞(natural killer cell)※1と同一のものであるという説と、NK細胞とは別の集団に属するという説が論じられてきたが、現在では後者のほうが正しいのではないかとされている。






ADCCの作用機序

標的細胞が侵入すると、IgG抗体がその細胞に結合する。K細胞はIgG抗体に対して強力なFcレセプターを有するため、標的細胞に結合したIgGのFc部分と結びつき、標的細胞と攻撃細胞が隣接した状態となる。すると、まず、K細胞からパーフォリンという膜穿孔因子が標的細胞との間に放出される。カルシウムイオン存在下ではパーフォリンは重合化され、標的細胞の膜上にポリパーフォリンチャネルを形成する。さらにK細胞はこのポリパーフォリンチャネルを通して、腫瘍細胞壊死因子(tumor necrosis factor;TNF)を標的細胞へ放出する。TNFはサイトカイン※2の一種で、標的細胞を壊死させ、破壊する。