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PAS陽性

肺胞蛋白症は肺胞腔内にリポ蛋白様物質が貯留するまれな疾患である。肺胞は呼吸(ガス交換)を行う場であるため、肺胞腔内に物質が貯留すると呼吸困難をきたし、また咳嗽を呈する。

肺胞内に貯留する物質はリン脂質、特に肺サーファクタントの主成分であるレシチンに富む。また、肺サーファクタント蛋白であるSP-A、SP-D濃度も増加していることから、この貯留物質は肺サーファクタント由来であると考えられている。肺サーファクタントは、II型肺胞上皮細胞によって産生され,肺胞マクロファージによって分解・除去される。本疾患においては、肺胞マクロファージの機能異常により、肺サーファクタント蛋白が肺胞から除去されずに貯留すると考えられている。近年、GM-CSFあるいはその受容体遺伝子の欠損マウスが本症類似の病態を発症すること[1][2]、本疾患患者の血清中に抗GM-CSF抗体が存在すること[3]等が報告され、これらのことからGM-CSFによる肺胞マクロファージの成熟過程に障害がおこることで、肺胞マクロファージの機能異常をきたし、肺胞腔内から余分な肺サーファクタントを除去できずに貯留し、本疾患が引き起こされると考えられるようになった。


先天性と後天性に分けられ、また後天性は特発性と続発性に分けられる。続発性は免疫異常をもたらす白血病等の血液疾患、HIV感染症、粉塵や化学物質の吸入暴露等によって二次的に引き起こされるものである。90%以上は原因不明の特発性である


肺胞マクロファージの機能異常、肺胞内の液体貯留等により、易感染性となり、アスペルギルス、カンジダ、結核菌、非結核性抗酸菌、ニューモシスチス、ウイルスなどの感染症を合併しやすい。→ステロイド禁忌


肺洗浄
確立された治療法である.全身麻酔下に片肺ずつ洗浄を行う全肺洗浄と,局所麻酔にて気管支鏡下に行う方法とがある.
GM-CSF
近年、本疾患に対しGM-CSF投与が有効である可能性が期待されており,治験が進行中である。
最終更新:2009年12月19日 08:01