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現時点でALSの診断基準に盛り込まれている唯一の検査法が、針筋電図検査です。針筋電図検査による脱神経の所見は、筋萎縮や筋力の低下がはっきりしない段階でも捉えることができる場合があり、これにより頸椎症では説明できない範囲にまで脱神経の所見を認めれば、ALSが疑われます。しかし、針筋電図検査はあくまでも下位運動ニューロンの障害を捉える検査であり、これのみで診断できるものではありません。

 一方、上位運動ニューロンの障害を捉える試みはまだ発展的段階にあります。上位運動ニューロンの変性を示す指標として以前から試みられている方法の1つに、中枢性運動神経伝導時間(CMCT)の測定があります。しかし、すべてのALS患者でCMCTの延長が認められるわけではありません。また、最近に開発された手法としては、3T-MRIにおける拡散テンソル画像(DTI)を用いてのトラクトグラフィによる錐体路の描出があります。これは、脳内の特定の神経線維の走行を画像化するものですが、ALS患者ではこの描出が不良であることが多く認められます(図3)。ただし、これもまたすべてのALS患者で認められるわけではありません。CMCTの所見とトラクトグラフィの所見も完全には一致しないことから、両者ともに、その診断における感度と特異度については、まだ今後の検証が必要とされています。

ALSの進行を抑制する治療薬として、リルゾールがあるということです。リルゾールは、神経毒性を有するグルタミン酸の神経系における放出抑制などにより神経細胞の保護作用を示す薬剤であり、米国神経学会の勧告では下記の患者への適用が推奨されている*ことからも、早期診断による早期の治療開始が求められます。* 米国神経学会の勧告では、下記の1)~4)を満たす患者への適用を推奨するとされている。
1)	World Federation of Neurology(WFN;世界神経学会)の基準(他の原因によって進行性
筋萎縮となった場合は除く)で“definite”または“probable”であること
2)	罹病期間が5年未満であること
3)	努力性肺活量が理論正常値の60%以上であること
4)	気管切開未実施例であること