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内視鏡の消毒
「胃カメラ後急性胃炎」胃カメラを受けた後に発生する急性胃炎 胃カメラを介してピロリ菌が移る

内視鏡の消毒法で最も理想的な方法はグルタールアルデヒドという強力な劇薬で一回一回消毒する
(1)消毒に時間がかかるため全検査に消毒するのは大変。そのため検査前の血液検査で振り分けてグルタールアルデヒドを選択的に使う施設が多い
(2)人体への悪影響がある

  長所 短所
グルタールアルデヒド 歴史が古くデータが豊富。学会で正式承認 消毒に時間がかかる。人体への毒性。
フタラール、過酢酸 長時間安定。学会で正式承認 高価(1回分数万円)
酸性水 安価(1回分数百円)。学会で注釈付きで承認 短時間しか安定でない。有機物の混入で効果が半減・結核菌に弱い。内視鏡が酸のため、腐食する。

フタラール、過酢酸の短所とは
フタラール、過酢酸は高価で安定性が高いため、通常は同じ消毒液を「反復使用」します。そして効果が無くなるころに消毒液を交換します。ここが「落とし穴」です。安定性が高いといっても1~2週間の時間が経つか30回も消毒に使うと効果が低下します。(低下の最大の原因は内視鏡に付着した水の混入による消毒液の希釈です)。気前良くまめに消毒液を交換するならよいのですが、交換をけちった場合は・・・・・反復使用された消毒液は逆に感染の原因になります

酸性水の短所とは
酸性水はフタラール、過酢酸と正反対で安価で短時間しか安定でないため、電気分解した「作りたての新しい消毒液」を毎回使用します。「反復使用」することはありません。しかし、上の表にあるように「注意事項」が多くあります。そのため学会では「酸性水について十分な知識を持った医師が正しく使うべき」と「注釈付きで承認」となっています。

過去の内視鏡による感染事故はどのようなものですか?
ピロリ菌、緑膿菌、サルモネラ菌、肝炎ウイルス、などが報告されています。正式な論文では感染の頻度は180万の1といわれています。しかし、これは「感染が証明された件数」であって、内視鏡専門家の多くは「実態ははるかに多いだろう」と考えています。事故の原因は大きく2つ考えられています。一つは、前述のような「誤った消毒液の使い方」です。そして、もう一つが「処置具」で、実は後者が「最大の原因」です。

感染の最大の原因は処置具なのですか?
処置具とは細胞検査やポリープ切除をおこなう器具です。これらは粘膜を傷つけますからメスや注射針と本質的に同じものです。内視鏡本体よりも遥かに厳しい消毒(滅菌と言います)が必要です。前述の高レベル消毒では不十分です。

処置具はどのように消毒されるのですか?
処置具の消毒法は2つあります。オートクレーブ(高圧高温滅菌) 日本の学界で推奨。
日本の標準的な方法
一回ごと使い捨てにする 米国で標準的な方法


どちらがよいのですか?
通常はオートクレーブで生き残る病原体はいないので「オートクレーブで全く問題無い」とされていました。しかし、米国では(1)処置具を完全に滅菌できない人的、機械的なエラーの可能性(2)オートクレーブの反復により処置具が劣化し最高の状態で検査・切除手術ができない(3)注射針はオートクレーブしても肝炎の感染事故を起こしたことがある。処置具は針やメスと同じ扱い(使い捨て)にすべき(4)「狂牛病の原因のプリオンはオートクレーブでは不活化されない・・・・等の理由で「一回ごと使い捨て」が標準的です。このため医療費が日本よりはるかに高額になっています。 (胃カメラでしたら日本で3割負担の方でしたら1万円以下ですが米国では10万円近くかかります)。しかし最近は日本でも「お金がかかってもいいから完璧な消毒を」という希望が多く「一回ごと使い捨て」が徐々に普及しています。