第9話

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秋。 夏の休養を経てさらに成長した春の活躍馬、夏も頑張り続けて着実に力を付けてきた上がり馬がそれぞれ激突する時期。 まずはトライアル、セントライト記念。 ダイシュンブレイヴ、ナリタトッシロードが神戸新聞杯を選んだ為、セントライト記念は空き巣と化してしまった。 それにつけこみ出走したフィフスペトシが快勝、菊花賞へ名乗りを上げた。 しかし競馬ファンの注目はそちらではなく次の週の神戸新聞杯だった。 雹豪「ここで負けたとしても賞金的には菊花賞には出れるから何も心配は要らない。とにかく無理だけはするな。ダメージを残さず回ってこい」 吉田孝一「ゲボは吐いてもいいが無理はしないでくれ」 淑之「お言葉に甘えて早速うぉぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇげろげろ」 吉田孝一「万が一の時は吐いてもいいといっただけで今吐けとは言ってないが」 そしてゲートが開く 実況「菊の道への最終切符、実績馬が格を見せるのか、上がり馬の台頭か。神戸新聞杯今スタート!宣言通りアーネストシーが逃げて行きます。ダイシュンブレイヴは4~5番手の位置。マークするようにゲボノトップガンがいます。ナリタトッシロードは中団やや後ろといったあたりでしょうか」 ・・・ 実況「直線向いて先頭はまだアーネストシーが粘っているがいっぱいいっぱいか!早めに仕掛けてきたダイシュンブレイヴを見てゲボノトップガンも上がってきた!ナリタトッシロードは外!」 実況「ここで先頭はダイシュンブレイヴに変わったが今度はゲボノトップガンが一気に突き抜ける!ダイシュンブレイヴも懸命の粘り!」 NEWT「なんだこいつ…」 どんどん「淑之ちゃんとやれや!!!」 実況「ようやく外からナリタトッシロード!しかし前はまだゲボノトップガン!並ぶか!ナリタトッシロードがこれを捉えるか!もう一度内からゲボノトップガンがもうひと伸び!ゲボノトップガン!ゲボノトップガンが1着でゴールイン!2着はナリタトッシロード、ダイシュンブレイヴは3着までか!」 雹豪「…………」 吉田孝一「ゲボを吐いてもいいと言ってしまったことがプレッシャーになったのでしょうか」 雹豪「いや、厩舎スタッフの仕上げ不足ですよ。あとはあの騎手が敗因でしょう。今日はあまり勝てる気はしなかったしな」 ポンコツ「あの騎手は本当に下手だな」 雹豪「まあ、これで本番もマークされずに気楽にいけるでしょう」 1着ゲボノトップガン福永騎手のコメント「ダイシュンブレイヴをずっとマークして直線で出し抜く理想の競馬が出来た。夏は条件馬だったが、明らかに別の馬になっている。距離が伸びることは歓迎。最後の一冠にようやく間に合いました」 2着ナリタトッシロード淑之騎手のコメント「今日はゲボを吐かないと決めてレースに臨んだが…せっかくゲボを我慢できたのにレースに負けたのは馬が弱いからだと思う。騎乗は完璧だった。菊花賞に勝つには馬の実力を上げてくれないと無理」 3着ダイシュンブレイヴNEWT騎手「休み明けの分、出来は割引。手応えはそれほど悪くなかったが、夏に走ってきたか、休み明けかという部分が勝った馬との差だと思う。一発叩けた分、次は上がり目があるので期待したい」 4着アーネストシー佐藤哲三騎手「(いつごろ4着を確信したかと聞かれ)スタート切ってから」 秋華賞ではキムヨナが快勝。桜花賞ダービー秋華賞という超変則三冠を達成した。 [[第10話]]

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