サクラチトシオー5

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皐月賞の大舞台で2着の好走。 セールで売れ残った馬の奇跡の走りに、陣営は皆満足していた。 そしてダービー、菊へと続くクラシックロードへの期待にも胸を躍らせていた。 しかし、この男だけは違った。 調教師のポンコツだ。 ポンコツは皐月賞を「勝てたレース」とした上で「ダービーを勝つために足りないのは全て。能力を底上げ出来ればダービートレーナーになれる」と考え、皐月賞直後からダービーまでの短い期間、サクラチトシオーにスパルタ調教を施した。 それまで調教をろくに見なかったポンコツが、毎日調教に参加するようになったのだ。 他の厩舎では当たり前のことだが、今までとの勝手の違いに、厩務員や助手は戸惑っていた。 これまでは助手たちが各々、馬の調子や疲労を見極めながら調教メニューを組んでいた。 それが、ポンコツが調教メニューを組むようになった上、ポンコツは馬の状態を見極められるような目を持っていなかった。 そのため、調子が上がらない馬に対しても「やる気がないからタイムが悪いんだ」と決めつけ、無理な調教を命令するようになっていった。 その結果、期待の2歳馬トシノダイヤモンド、ダートに活路を見出し始めていたアトォーシィーらが相次いで故障。 それでもポンコツは「あの馬だけは違う」と信じて、サクラチトシオーに厳しい調教を命じ続けた。 全ては皐月賞の雪辱を、ダービーという最高の舞台で晴らすためだ。 バラバラだったはずのチームが、頼りないながらも調教師が引っ張っていくことで、ようやく一つにまとまりを見せ、その結晶としてダービーを掴みに行く。 はずだった。 ダービーを目前としたある日、悲報が走った。 サクラチトシオー、骨折。 タフだタフだと言われていたサクラチトシオーが厳しい調教に耐え切れず経度の骨折。 タフすぎたために幸い軽度で済んだものの、ダービーへの出走は当然見送ることとなった。 これに激怒したのは小林牧場のスタッフだ。 オーナーの小林は必死にポンコツを擁護していたが、 サクラチトシオーの幼少期から見てきたスタッフらは「あれだけ小さい頃から頑丈だった馬が、並大抵のことで骨折するわけがない。よほど人知を超えた調教をさせたのだろう」という見解で一致していた。 牧場側から、ポンコツあてにクレームが届くのも時間の問題だった。 お金のためではなく、「競走馬が無事でいることの大切さ」を理解している牧場スタッフだからこその考えだった。 一方、世間の競馬ファンはサクラチトシオーの皐月賞2着をフロック視する声も少なくなく、「逃げ馬が一頭消えただけ」とみなされていた。 そしてサクラチトシオー不在のダービー。 強力な逃げ馬不在のダービーは、過去に例を見ないスローペースからの上がり勝負。 粘り込みのトゥシグトーシーには分が悪く、伸びきれない一方 勝ったのはキレ味勝負を得意とするトシマサル。 ユタカマジックとも言える見事なイン突きで馬群をこじ開け、トシノクラウン、トシィーノらをねじ伏せ着外に終わった皐月賞の鬱憤を晴らした。 サクラチトシオーに残されたチャンスは、最後の一冠、菊花賞に託されることとなった。 [[サクラチトシオー6]]

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