第9話

第9話

みさきに石で刺されたポンコツは、病院へ搬送されたが

間もなく死んでしまった。

警察が雹豪厩舎に到着し、雹豪とおやっさんが状況を説明するものの

警察が子供であるみさきが刺したことを全く信じず、おやっさんを逮捕していった。

おやっさん「違う!私じゃない!信じてくれ!」

警察「信じられるわけがないだろ!こんな小さい子供が」

みさき「おじちゃんに裁きを与えないといけなかったの」

警察「ハハハ、何を言っているんだい。調教師の先生その時どこに?」

雹豪「私はその時は厩舎の中で馬の様子を見ていました。他の厩務員が一緒でしたので」

警察「ということは、やっぱりオーナーであるあなたしか考えられないな」

おやっさん「違う!娘が本当にやったんだよ!」

警察「こんな小さな娘に責任をかぶせるなんて、最低だなあんた。さっさとパトカーに乗りなさい」

おやっさんはパトカーで連行された。

淑之「…大変なことになったな」

雹豪「ああ。本当に娘さんがポンコツを刺したのかどうか、俺は実際に見ていないからわからないんだよ」

淑之「それより、この娘さんどうすんの?」

雹豪「俺は朝から調教をつけないといけないし、お前暇なら面倒を見てやってくれよ」

みさき「淑之おじちゃんは顔がきもいから嫌です」

雹豪「…そうか。じゃ、事務所で厩務員と一緒にいてもらおう」

淑之「…」

をっかのオーナー逮捕を受け、競馬界では衝撃が走った。

ゴッド「オーナーまで逮捕か…あの調教助手を殺した罪で…か。いったいどうなってるんだ」

ノブン「をっかちゃんのオーナー逮捕かよ!最低なオーナーだな!をっかちゃんはどうなるんだよ!!」

kasuga「オーナー逮捕トゥース!!」

雹豪は急いで会見を開いた。

雹豪「オーナーが逮捕されたということですが、まだ容疑が確定したわけではありません。馬に罪はないですし、私としてはあの馬の力になってやろうということしかないです。ただオーナーが戻ってくるか、仮にオーナーに有罪が下った場合、他のオーナーに所有権を譲渡するかをしないと、をっかを出走登録することはできませんから。早めに結論が出ればいいなと思ってるんですけどね。はい」

安田記念を目前に、をっかの周りは揺れる。

世間からは「最低のオーナー」「名馬をぶち壊し」などの声が続出していた。

結局、をっかは安田記念を回避したからづか記念に照準を合わせた。

雹豪「安田は回避という形になったんですけどね、たからづかに何とか間に合えばいいかなと思ってるんですけど」

淑之「今回の件は俺も悔しい。でも馬も悔しいと思う。だからもしレースに出れるならば満足のいく形で出たいです」

しかしそんなある日

「凶器の石から娘であるみさきの指紋が検出された」

という理由で、おやっさんは保釈されたが、警察はみさきが犯人である決定的な証拠もつかめないでいた。

おやっさんが厩舎にやってきた。

雹豪「オーナー。釈放されましたか。をっかのローテーションのことなんですが」

おやっさん「…私はをっかのオーナーを辞めようと思っています」

雹豪「なぜですか?」

おやっさん「今回のことで先生や淑之くん、ファン。そして何よりをっかへ迷惑をかけてしまいました。そんな私にをっかの馬主である資格はありません…」

雹豪「しかしそうなってしまっては、をっかがレースへ登録できなくなってしまいます」

おやっさん「他にもっといいオーナーはたくさんいます。そちらの方に見てもらったほうがいいのではないかと…」

雹豪「なぜそのようなことになってしまうんですか」

おやっさん「ポンコツくんの言うように、私はもう先が長くありませんから…それでは」

おやっさんはその場を去って行った。

雹豪「うーん…」

その翌日

おやっさんは自宅で

首つり自殺をしていた。

雹豪「つらい…これは本当につらい…」

淑之「あのオーナーが…」

ノブン「え!をっかちゃんのオーナー自殺ってマジか!?」

kasuga「あの逮捕されたオーナーが自殺をしたんですか!」

おやっさんの遺言にはこう書かれていた。

「たとえ私の罪が晴れても、娘に罪がかぶるくらいなら、私は罪を受けて死にます。をっかの所有権は娘に与える」

この結果、なんと小学生のみさきがをっかの馬主を引き継ぐことが正式に決定した。

雹豪「新オーナー。よろしくお願いします」

淑之「よろしくお願いします」

雹豪「をっかのローテーションのことなんですが」

みさき「好きに決めてくれてていいですよ」

雹豪「了解しました」

淑之「誰がTossyやねん」

とはいえ、オーナーの自殺は陣営にとっても大きなものだった。

レースが近付くと、厩舎に娘を連れてやってくるオーナーが、いない。

騎乗ミスがあろうと、淑之を乗り換えさせなかったオーナーが、いない。

ポンコツに対して怒っていたオーナーが、いない。

そのポンコツも、もういない。

雹豪「あれから週末のレース前は静かだ…」

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