サクラチトシオー4

皐月賞。

弥生賞を快勝したトシマサルと若葉ステークスを勝利したトゥシグトーシーが人気を分け合う形に。

スプリングSを制したシャケトシがこれに続いた。

トゥシメンテ、ペトシアンナイト、アトシオン、トシームバレンチノも黙っていない。

サクラチトシオーは前走がフロック視され人気薄となった。

トシマサル式豊が「ここは通過点。取らなきゃいけない」と話せば

トゥシグトーシー安藤勝乙は「いつも人気馬ばかり勝つのはつまらない」と対抗。

一方のサクラチトシオーには誰も期待していなかった。

しかしまさかのG1出走に、馬主の小林は牧場の従業員を連れて中山競馬場に観戦に来ていた。

ポンコツ、淑之共にマスコミの前で「逃げます」と堂々の逃げ宣言をしていた。

実況「各馬順調にゲートに収まっています。おっとここでゲボ!サクラチトシオー淑之がゲートの中でゲボ!」

スタートが遅れ、場内からはブーイングが飛ぶ。

実況「揃ったスタートですがやはり宣言通りサクラチトシオーがハナを奪っていますが二番手はトゥシグトーシー」

勢いよく掛かり気味に先頭に立ったサクラチトシオーはハイペースでレースを引っ張る。

どんどん「いくらなんでも飛ばし過ぎでは」

ポンコツ「偶然はそう何回も続かないんだよ」

いつものように後方待機で末脚に掛けるトシマサルを他馬が徹底マークする展開。

そんな中トゥシグトーシーは前走の警戒があってか単独の二番手でサクラチトシオーを射程圏に捉える。

しかし直線を向いた頃には空前のハイペースに全馬スタミナを使いきり、後続も伸びが足りない。

実況「ここからはスタミナ勝負だ!先頭はサクラチトシオーがまだ粘っている!トゥシグトーシーが迫る勢いだが届くのか!」

前を走る二頭を捉えようとトゥシメンテが飛び出すがすぐに失速。

ポンコツ「勝ったわ」

トシマサルにはもう脚がない。

実況「トシマサルは馬群に沈んだ!トシマサルは苦しい!」

一番人気の敗北を確信した観客からは歓声が上がる。

勝負は完全に二頭に絞られた。

淑之「うぉぇぇぇぇぇぇ」

残り1ハロンを切った刹那、我慢できずに淑之がゲボを吐いた。

実況「淑之がゲボ!サクラチトシオー少しヨレる!」

一瞬失速したサクラチトシオーに鬼の形相で追うトゥシグトーシーが襲いかかる。

実況「どっちだどっちだ!二頭並んでゴールイン!凌いだかサクラチトシオー!届いたかトゥシグトーシー!全くわかりません!」

杉本清でさえわからないほどの僅差で両頭が並んだままゴールを迎えた。

ポンコツ「勝ったわ。よくやった」

勝利を確信した陣営は早くも祝福ムード。

ノブン「まだ写真判定が出てないのに、恥ずかしいことするな」

淑之が派手なガッツポーズで観衆に応える。

淑之「俺もG1ジョッキーだ」

ノブン「結果が出てないから余計なことはやめろ」

淑之「は?どう見ても俺の勝ちだから」

ポンコツ「そのとおり。勝ったのはうちの馬だ」

実況「長い長い写真判定、ようやく結果が出ました。1着はトゥシグトーシー!ゴール前の激戦を制したのはトゥシグトーシー!」

ポンコツ「なんだと」

淑之「え」

サクラチトシオーは敗れた。

淑之「なんでだよ…勝ってただろ」

ショックのあまり、座り込んでゲボを吐く淑之。

小林「今日は惜しかったけどよく頑張ったと思う。特に馬が頑張った。牧場のスタッフも盛り上がってた」

淑之「………」

小林「何か言えよ」

ポンコツ「判定がおかしいわ」

淑之「本当の勝者は俺たちだ」

ノブン「勘違いが激しいな」

安藤勝乙の「最後のゲボがなければ負けていた」の発言のとおり、最後の直線でゲボを吐いた淑之への批判が集中。

トゥシグトーシーへの賞賛よりも、淑之への批判が上回るという後味の悪い皐月賞となってしまった。

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