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*GRASSツールを使ってみましょう 今回はGRASSを使ってみましょう. Q-GISには,プラグインとしてGRASSという解析ツールがインストールされています. まず,Q-GISを立ち上げて,前回保存したプロジェクト「GRASS20071011.qgs」を開いてください. **1.スケールバーの変更 Q-GISの画面を見ると,右上の方にスケールバーがあると思います. デフォルトではスケールバーはメートル単位になっていますが,私たちの使っているデータは緯度経度を使ったデータです. そこで,このスケールバーをメートル単位から度単位にします. +メニューバー「設定」をクリックし,その中にある「Project Properties」をクリックします +地図単位の「10進数の角度」を選択します #ref(Image2-1.jpg,,width=400) スケールバーを見て,単位が[m]から[度]になっていることを確認してください. **2.[GRASS] ロケーションの設定をする 今回使用しているバージョンのQ-GISは解析ツールGRASSがプラグインとしてインストールされています. そこで,前回Q-GISに読み込んだ「ASTGDEM_N34_E136」をGRASSに取り込んでみましょう. そのために,まず,ロケーションを指定する必要があります. +メニューバーの「プラグイン」をクリック +「GRASS」を選択 +「Open mapset」を選択 +位置が「Mie」でMapsetが自分の名前であることを確認してから「了解」をクリック これで,前回設定した「Mie」というロケーションを使って解析できるようになります. **3.GRASSのコマンド形式 GRASSのようなコマンド形式をオブジェクト指向型と言います. これは,すでに定義されているいくつかのコマンドを組み合わせて,作業に合ったコマンドを指定することができます. GRASSのコマンドには大きなグループがあります. その内,Q-GISで使えるコマンドでは「r」,「v」,「g」の3つがあります. :「r」ラスターデータ(Raster)に関するコマンド|画像データなど :「v」ベクターデータ(Vecter)に関するコマンド|線,面などのポリゴン :「g」基本(General)コマンド|マニュアルの表示など このように,グループやコマンドをピリオド(.)でつないで,コマンドを使います. 例えば,「r.in.gdal」というコマンドは「r」,「in」,「gdal」という3つの部分に分けることができます. これは,「r」:ラスターデータに関するコマンドの中の      「in」:インプット(データを読み込む)コマンドの中の      「gdal」:GDAL(Geospatial Data Abstraction Library) つまり,「GDALのデータをラスターデータとしてインプットする」という意味になります. ちなみに,GDAL(Geospatial Data Abstraction Library)とは,「様々なラスターフォーマットをサポートしたライブラリ」で,地理情報のついたGeoTiffなどのデータを読み込むために使われています. つまり,ここでの「GDAL」とは「GDALライブラリを使うもの全般」と言う意味になります. **4.[GRASS] ラスターデータをGRASSに取り込む では,「ASTGDEM_N34_E136」をGRASSに取り込んでみましょう. +「Open GRASS Tools」をクリックすると,Q-GISで使えるGRASSコマンドが表示されます +「r.in.gdal」の2つある内の上の方をクリック(下のほうだと新しくロケーションを作ることができます) +「GDAL raster layer」が「ASTGDEM_N34_E136」であることを確認する +「Name for output raster map」を「&color(red){dem}」と入力し,実行します +「Successfully finished」と表示されればOK +「View output」をクリックすると表示されます #ref(Image2-3.jpg,,width=400) ちなみに,「手動」をクリックすると,このコマンドの説明が見れます. 英語ですが,コマンドの説明が詳しく載っていますので,一度見てみて下さい. **5.[GRASS] demのカラーテーブルを変更する 読み込んだままのdemは白黒で表示されています. そこで,demをカラー表示させてみましょう. ラスターデータのカラーテーブルを変更するためのコマンドは「r.colors」と言います. このコマンドではいろいろなカラーテーブルが用意されていますが,今回は「srtm」という衛星データのカラーテーブルを使いたいと思います. しかし,このカラーテーブルは手動で指定する必要があります. 手動でコマンド入力をするために,「モジュール」の「GRASS shell」をクリックします. すると,コマンドプロンプトのような画面が表示されます. ここに,次のように入力してください. >r.colors dem ru=srtm コマンド画面に >GRASS_INFO_MESSAGE: Color table for [dem] set to srtm >GRASS_INFO_END と表示されればOKです. >exit 「exit」と入力すると,コマンド画面が閉じます. demは下のようなカラーで表示されます. #ref(Image2-5.jpg,,width=400) **6.[GRASS] ベクターデータをGRASSに取り込む ベクターデータをGRASSに取り込むために,今度は「v.in.ogr」というコマンドを使います. このコマンドは「OGRのデータをベクター形式でインプットする」と言う意味です. ここで,OGRとは「様々なベクターフォーマットの読み書きをサポートするライブラリ」のことで,現在ではGDALの一部とされています. それでは,「v.in.ogr」を使ってベクターデータを取り込みます. +「GRASS Tools」の「v.in.ogr」の2つある内の上の方をクリック(下のほうだと,ベクターデータに合った新しいロケーションを作ることができます) +「OGR vecter layer」で「coast」を選択 +「Name of output vecter map」に「&color(red){coast}」と入力し,実行 +「View output」をクリックして,画面に表示 #ref(Image2-6.jpg,,width=400) このとき,「1_line」などの名前で海岸線が出来上がっていると思います. ちゃんと「coast」と指定したのになぜ名前が違うのかというと,すでに「coast」があったからです. 名前の変更をするためには,凡例の「coast」を右クリックし,「Rename」を選択すると変更できます. 必要ならば,「coast」と「1_line」の名前を変更するのも良いかもしれません. **7.[GRASS] 標高データを使って傾斜と傾斜方向を計算する 英語で,傾斜のことを「slope」,傾斜方向のことを「aspect」と言います. 標高データ「dem」を使って,「slope」と「aspect」を作ってみましょう. まず,傾斜(slope)の地図を作成します. +「GRASS Tools」の「r.slope.aspect」の上の方(説明文で「Generarte slope map from DEM」と書いてある方)をクリック +「Raster elevation file name」に「dem」を選択 +赤い点を4個つないだようなアイコン(Use region of this map)を選択 +「Output slope filename」に「&color(red){slope}」を入力し,実行 +「View output」をクリックして,画面に表示 #ref(Image2-7.jpg,,width=400) 続いて,傾斜方向(aspect)の地図を作成します. +「GRASS Tools」の「r.slope.aspect」の下の方(説明文で「Generate aspect map from DEM」と書いてある方)をクリック +「Raster elevation file name」に「dem」を選択 +「Use region of this map」を選択 +「Output aspect filename」に「&color(red){aspect}」を入力し,実行 +「View output」をクリックして,画面に表示 #ref(Image2-8.jpg,,width=400) **8.立体的な標高データを見る 「dem」と「aspect」を使って,立体的な標高データを作ってみましょう. +凡例の一番上が「dem」,次に「aspect」になるように移動させる +「dem」を右クリックし,「Properties」を選択する +透明度を50%にする すると,標高データが立体的に見えるようになったと思います. #ref(Image2-9.jpg,,width=400) 傾斜や傾斜方向は断層などと関係が深いので,今回のデータに断層のデータなどをプラスして見ると面白い結果が得られるかもしれません. 今回はこれまでです. 皆さんお疲れ様でした. -----
*GRASSツールを使ってみましょう 今回はGRASSを使ってみましょう. Q-GISには,プラグインとしてGRASSという解析ツールがインストールされています. まず,Q-GISを立ち上げて,前回保存したプロジェクト「GRASS20071011.qgs」を開いてください. **1.スケールバーの変更 Q-GISの画面を見ると,右上の方にスケールバーがあると思います. デフォルトではスケールバーはメートル単位になっていますが,私たちの使っているデータは緯度経度を使ったデータです. そこで,このスケールバーをメートル単位から度単位にします. +メニューバー「設定」をクリックし,その中にある「Project Properties」をクリックします +地図単位の「10進数の角度」を選択します #ref(Image2-1.jpg,,width=400) スケールバーを見て,単位が[m]から[度]になっていることを確認してください. **2.[GRASS] ロケーションの設定をする 今回使用しているバージョンのQ-GISは解析ツールGRASSがプラグインとしてインストールされています. そこで,前回Q-GISに読み込んだ「ASTGDEM_N34_E136」をGRASSに取り込んでみましょう. そのために,まず,ロケーションを指定する必要があります. +メニューバーの「プラグイン」をクリック +「GRASS」を選択 +「Open mapset」を選択 +位置が「Mie」でMapsetが自分の名前であることを確認してから「了解」をクリック これで,前回設定した「Mie」というロケーションを使って解析できるようになります. **3.GRASSのコマンド形式 GRASSのようなコマンド形式をオブジェクト指向型と言います. これは,すでに定義されているいくつかのコマンドを組み合わせて,作業に合ったコマンドを指定することができます. GRASSのコマンドには大きなグループがあります. その内,Q-GISで使えるコマンドでは「r」,「v」,「g」の3つがあります. :「r」ラスターデータ(Raster)に関するコマンド|画像データなど :「v」ベクターデータ(Vecter)に関するコマンド|線,面などのポリゴン :「g」基本(General)コマンド|マニュアルの表示など このように,グループやコマンドをピリオド(.)でつないで,コマンドを使います. 例えば,「r.in.gdal」というコマンドは「r」,「in」,「gdal」という3つの部分に分けることができます. これは,「r」:ラスターデータに関するコマンドの中の      「in」:インプット(データを読み込む)コマンドの中の      「gdal」:GDAL(Geospatial Data Abstraction Library) つまり,「GDALのデータをラスターデータとしてインプットする」という意味になります. ちなみに,GDAL(Geospatial Data Abstraction Library)とは,「様々なラスターフォーマットをサポートしたライブラリ」で,地理情報のついたGeoTiffなどのデータを読み込むために使われています. つまり,ここでの「GDAL」とは「GDALライブラリを使うもの全般」と言う意味になります. **4.[GRASS] ラスターデータをGRASSに取り込む では,「ASTGDEM_N34_E136」をGRASSに取り込んでみましょう. +「Open GRASS Tools」をクリックすると,Q-GISで使えるGRASSコマンドが表示されます +「r.in.gdal」の2つある内の上の方をクリック(下のほうだと新しくロケーションを作ることができます) +「GDAL raster layer」が「ASTGDEM_N34_E136」であることを確認する +「Name for output raster map」を「&color(red){dem}」と入力し,実行します +「Successfully finished」と表示されればOK +「View output」をクリックすると表示されます #ref(Image2-3.jpg,,width=400) ちなみに,「手動」をクリックすると,このコマンドの説明が見れます. 英語ですが,コマンドの説明が詳しく載っていますので,一度見てみて下さい. **5.[GRASS] demのカラーテーブルを変更する 読み込んだままのdemは白黒で表示されています. そこで,demをカラー表示させてみましょう. ラスターデータのカラーテーブルを変更するためのコマンドは「r.colors」と言います. このコマンドではいろいろなカラーテーブルが用意されていますが,今回は「srtm」という衛星データのカラーテーブルを使いたいと思います. しかし,このカラーテーブルは手動で指定する必要があります. 手動でコマンド入力をするために,「モジュール」の「GRASS shell」をクリックします. すると,コマンドプロンプトのような画面が表示されます. ここに,次のように入力してください. >r.colors dem ru=srtm コマンド画面に >GRASS_INFO_MESSAGE: Color table for [dem] set to srtm >GRASS_INFO_END と表示されればOKです. >exit 「exit」と入力すると,コマンド画面が閉じます. demは下のようなカラーで表示されます. #ref(Image2-5.jpg,,width=400) **6.[GRASS] ベクターデータをGRASSに取り込む ベクターデータをGRASSに取り込むために,今度は「v.in.ogr」というコマンドを使います. このコマンドは「OGRのデータをベクター形式でインプットする」と言う意味です. ここで,OGRとは「様々なベクターフォーマットの読み書きをサポートするライブラリ」のことで,現在ではGDALの一部とされています. それでは,「v.in.ogr」を使ってベクターデータを取り込みます. +「GRASS Tools」の「v.in.ogr」の2つある内の上の方をクリック(下のほうだと,ベクターデータに合った新しいロケーションを作ることができます) +「OGR vecter layer」で「coast」を選択 +「Name of output vecter map」に「&color(red){coast}」と入力し,実行 +「View output」をクリックして,画面に表示 #ref(Image2-6.jpg,,width=400) このとき,「1_line」などの名前で海岸線が出来上がっていると思います. ちゃんと「coast」と指定したのになぜ名前が違うのかというと,すでに「coast」があったからです. 名前の変更をするためには,凡例の「coast」を右クリックし,「Rename」を選択すると変更できます. 必要ならば,「coast」と「1_line」の名前を変更するのも良いかもしれません. **7.[GRASS] 標高データを使って傾斜と傾斜方向を計算する 英語で,傾斜のことを「slope」,傾斜方向のことを「aspect」と言います. 標高データ「dem」を使って,「slope」と「aspect」を作ってみましょう. まず,傾斜(slope)の地図を作成します. +「GRASS Tools」の「r.slope.aspect」の上の方(説明文で「Generarte slope map from DEM」と書いてある方)をクリック +「Raster elevation file name」に「dem」を選択 +赤い点を4個つないだようなアイコン(Use region of this map)を選択 +「Output slope filename」に「&color(red){slope}」を入力し,実行 +「View output」をクリックして,画面に表示 #ref(Image2-7.jpg,,width=400) 続いて,傾斜方向(aspect)の地図を作成します. +「GRASS Tools」の「r.slope.aspect」の下の方(説明文で「Generate aspect map from DEM」と書いてある方)をクリック +「Raster elevation file name」に「dem」を選択 +「Use region of this map」を選択 +「Output aspect filename」に「&color(red){aspect}」を入力し,実行 +「View output」をクリックして,画面に表示 #ref(Image2-8.jpg,,width=400) **8.立体的な標高データを見る 「dem」と「aspect」を使って,立体的な標高データを作ってみましょう. +凡例の一番上が「dem」,次に「aspect」になるように移動させる +「dem」を右クリックし,「Properties」を選択する +透明度を50%にする すると,標高データが立体的に見えるようになったと思います. #ref(Image2-9.jpg,,width=400) 傾斜や傾斜方向は断層などと関係が深いので,今回のデータに断層のデータなどをプラスして見ると面白い結果が得られるかもしれません. 今回はこれまでです. 皆さんお疲れ様でした. ----- #comment -----

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