書籍

書籍の紹介


紹介の前に・・・
書店にいくと気象予報士関連の書籍がそこそこ並んでいると思いますが、気象学を学習するという意味ではあまり役に立たない本ばかりですね。初めて勉強した頃はこれで気象予報士になれるのかも?と期待しましたが、要点だけをまとめた書籍だけでは理解することは無理だと思います。
その書店ですが、私が住んでいるところは人口が20万人強の市町村で小さくはないのですが、そこで一番大きい書店ですら学習に必要な書籍がほとんどありません。
もし気象予報士を目指して気象学を勉強されるのでしたら、
  • 図書館で借りる(人口20万以上の規模の図書館になると手に入りやすくなる?)
  • 専門書を扱っている大型の書店で購入する
  • 東京堂出版の過去問などを購入する
という手段がいいと思っています。
(Amazon、ヤフオクなどもありですが、高額な書籍を中身を読まずに買う勇気があれば)
気象予報士という資格だけが欲しい、というのでしたらほかの方法もありますが、せっかく気象予報士という資格を取るのなら、ある程度の知識・技術も身につけたい、という人はここに挙げる★印が3つ以上の書籍を読むといいかと思います。
★が4つ以上の書籍は自腹で購入してもいい本だと思います。

それから、天気予報技術研究会が出している過去問は一冊はあったほうがいいです。この本の最初に試験対策・学習方法について詳しく書いてあり、大変参考になります。

【注意】
読んでいる書籍の絶対数が少なく、学科試験で50~70%程度の点数しか取れない学習途上者なので、評価に関してどこまで正確であるかの保証はできません。ご注意を。

「一般気象学」小倉義光著

お勧め度:★★★★★
→Amazon


タイロス 「気象予報士試験解答例と解説'09」CD-ROM

★★★★★
→Amazonで見る

過去15年分、つまり30回分の過去問が入っています。私は'08版を手に入れて学習していますが、ただ単純に過去問と正解が入っているだけでなく、
  • 分野別による出題
  • キーワードによる出題
  • ブックマーク(マイチェック)機能
  • 学習履歴
  • 模擬試験作成(いくつかの条件で組み合わせた模擬的試験)
など学習者にとって便利な機能もあります。

解答の解説についても丁寧に記載されていますので、なぜそのような解答になっているのか、このCD-ROMでほぼ理解できるかと思います。

実技試験ではしっかりとカラーで出題されます。(カラーが必要な部分のみ)

また、過去5年分の試験問題用紙そのものがPDFで収録されていますので、印刷して使用すれば試験と同じように試験問題を解くこともできます。解答用紙もあります。

ほか関連法規も収録されています。

(感覚的にみて)20~30問に1つ程度の割合で誤植や誤りがありますが、ある程度勉強されている方にはすぐに気がつくレベルの間違いですので、問題はないと思います。
※Amazonのレビューにあるような誤植が多いところは見つかっていません。(ただし'08版)

これだけの過去問をこなすだけでもかなり大変ですが、一冊2,500円以上もする天気予報技術研究会の過去問を一冊ずつ揃えるよりは、こちらを買った方がお得です。
なお、個人差はありますが過去問は少なくとも5年分はやったほうがいいと思います。

入手方法ですが、Amazonでは売り切れていたりすることがあります。ヤフオクだと月に2~3度は出品されているようなので、手頃な値段で出品されるのを待ってみるのも良いかもしれません。

2~3年以上前の問題はCD-ROMで、最近の過去問は天気予報技術研究会のものを購入、という組み合わせで手に入れるのもいいかと思います。

新田尚ほか著「天気図の使い方と楽しみ方」2004.9.25初版

お勧め度:★★★★?
※まだほんのちょっとしか読んでいません。。
実技試験そのものの解説書という感じです。
天気図の基本的な見方についてはほとんど説明がない or 易しい説明が無いので、初めての人は他の書籍等で学ぶ必要があります。

長谷川隆司ほか著「気象衛星画像の見方と使い方」 2006.3.20 初版

お勧め度:★★★★

天気予報でたまに見かける衛星画像ですが、それを専門的にわかりやすく、詳しく書いてあります。衛星画像の見方だけではなく、気象学的な背景を元に詳しく書いてあるので、この本を理解できれば、テレビで放映される気象映像が今までとまったく違う見方が出来るはずです。
内容は基本的な衛星画像の見方と、さまざまなパターンについて専門的に説明されています。この説明が気象予報士の技術試験の解答そのものではないかと思うので、ここに書いてある内容をしっかり理解できれば、実技試験合格へ一歩近づくと思います。
それとここに書いてある内容を理解するためには、「一般気象学」など基礎的な知識は必須で、高層天気図を含めた天気図もある程度理解できていないと、この本の内容がほとんど理解できないのではないかと思います。初心者がわかりやすそうな衛星画像から、と思って読むレベルのものではありませんのでご注意を。
(私が読んだ版では衛星画像を取り違えているポカミスなどがありますが、気象予報士を目指す人ならそれくらいは簡単に見分けられるでしょう(笑)
      • いや、結構間違いが多いです^^;

中村俊夫著「よくわかる気象学」

お勧め度:★★★★?
→Amazonで見る

まだ本屋で立ち読み程度しかしていませんが、気象予報士試験で「ここが知りたかった!」っていう解説がたくさんあるような気がします。過去問の解説を読んでも今ひとつ、ネットで検索しても今ひとつ・・・と煮え切らない状態が続いていましたが、必要な知識をわかりやすく書いてあると思います。
まだ立ち読みレベルなので、今度購入してみようかと思います。

気象観測の手引き

お勧め度:★★★★?


一般・専門科目に必須?

ドナルド・アーレン著 古川武彦監訳 推野純一・伊藤朋之訳 「最新気象百科」2008/2/15 初版?

お勧め度:★★★★?(まだ数ページしか読んでいない)

高額な専門書で有名な丸善から出ている本です(これも1万5千円)。書籍自体は図鑑・辞典的な感じでとても読みやすいです。気象現象を元に関連する気象学的理論を説明しているという感じで、理解しやすいと思います。
ただ、アメリカ人(?)が書いた本ですので、日本を中心にした気象予報士試験とは若干ずれているかもしれません。予報士的には★3~4くらいだと思いますが、一般的には★4~5くらいの良書ではないかと思います。個人的にはこの本なら気象予報士抜きでも買ってみたいですね。
詳細は後日。

古川武彦著 「わかりやすい天気予報の知識と技術」1998/12/25 初版

お勧め度:★★★(まだ読んでいるところ)

予報技術の基礎、数値予報などに関して説明してあります。特に数値予報に関連した理論、技術に関する説明はほかの書籍と違ってわかりやすいです。他の書籍では難しい印象を持たせないように肝心の理論を省略したり、無理矢理わかりやすく説明しようとするので何が何だかわからないままでした。この書籍では、(特に理系出身者にとっては)どのような理論的裏付けで数値予報を行っているのか簡単な数式(偏微分程度)を使って説明しているのでこれでようやく理解することが出来そうです。出版社はオーム社、電気系技術者ならおなじみですね。

新田尚ほか著 「改訂版 最新天気予報の技術」 2000/9/30 初版

お勧め度:★★★?

さら~っと見渡す程度にしか読んでいないのでおおざっぱな感想を書いておきます。
内容は一般気象学をさらに一般的に書いてあり、気象予報士として必要な知識・技術をある程度網羅してあります。
ただし、この書籍は、
  • 使われている数式は大学理系学部の1~2年程度の数学知識(線形代数・ベクトル)が必要
  • 気象学の初学者には難しい
です。「一般気象学」を読破してようやくこの本を理解できます>自分
内容がやや高度で、試験に必要な情報はすべてあるわけでもなく、説明も総括的な内容で理解しにくいところが多いと感じます。

飯田睦治郎著 「登山者のための最新気象学」

お勧め度:★★★

内容はタイトルのとおりですが、やや専門的な内容で気象学の初歩的な説明と、実際に登山するときに必要な知識・技術をわかりやすく説明してあります。それにとても読みやすいです。
一般気象学で挫折した人が読んでもいいですし、一般気象学を読んだ後でもそこに書いていなかったことがたくさんあります。
ただ、より実際的な話が大半ですので、気象予報士を取得するという意味では必要なところはあまりないかもしれません。使用している用語についても一般の人が理解しやすいように限定されています。
前半は基礎的な事柄について解説があり一般の人には退屈するかもしれませんが、気象予報士を目指している人なら、なるほど~と思いながら読み進めるのではないかと思います。
後半は地上天気図、高層天気図、衛星画像を使い、季節ごとの様々な気象パターンと実際に山岳で発生する天気を解説してあります。これは大変参考になると思います。
※Amazonによると絶版になっているようなので同じ著者の別の書籍によりいいものがあるかもしれません。

大塚龍蔵著「高層天気図の利用法」日本気象協会 平成10年改訂5版

お勧め度:★★★
→Amazon

冬型気圧配置、台風などを使って高層天気図の読み方、使い方をわかりやすく専門的に説明してあります。高層天気図の入門書として良い本ではないかと思います。
ただし、
  • 言葉や題材の天気図が古い(ほとんど1970年前後)
  • 天気図の基本的な読み方の説明は無し
  • 気象学の初歩的な知識は必要
といった点に注意です。
平成10年に改訂したらしいですが、「小笠原高気圧」「弱い熱帯低気圧」など言葉遣いが古いままのところがあります。
※現在は第6版が出ています
天気図をあまりよく読めない人は、下記にある「天気図がわかる」がお勧めです。


下山紀夫著「天気予報のための・天気図のみかた」東京堂出版 1999/11第三版

お勧め度:★★★

私の率直な感想は「天気図の説明書」だと思います。
専門天気図はどう読むのか?というリファレンスとしては良い本だと思います。
しかし問題はそれ以上の解説がないことです。この天気図は「こういう用途に使います」「こういう使われ方をします」という解説があるだけで、では実際にどんなふうに使うのか、具体例を使ったhow-toに関する解説がほとんどありません。読み物として読むと退屈するので、実際の今の天気図を見ながら、その解説を読んで理解をするという使い方の方がいいと思います。
そもそも専門天気図の読み方はネット上にたくさんあるので、この本がなくてもある程度理解できますし。。
ちなみにこの本はA4版縦開きの巨大な本です。天気図があるためですが、その割にはあまり綺麗な天気図ではありません。

三浦郁夫著「天気図がわかる」技術評論社 平成20年初版

お勧め度:★★★

最初の3/4は一般向けの内容。地上天気図や衛星画像を使って過去の災害をわかりやすく説明しています。地上天気図のみなので気象予報士試験としてはあまり重要ではないかもしれませんが、過去の災害を「気象予報士なら知っていないと恥ずかしい」のではないかと思うので、読んでおいて損はないと思います。
残りの1/4は高層天気図について基本的な説明があります。これもわかりやすく書いてありますが、気象学初心者が読むにはレベルがやや高く、一般気象学を読んでいないと理解が難しいかもしれません。逆に一般気象学を読んだ人ならすらすらと理解できますが、あまり深いところまで解説していないので少し物足りないです。
試験勉強として必須というほどの書籍ではないと思いますが、気象予報士になるのならさらっと一度は読んでおくと良いと思います。
一般向けの本としてなら★4つはあると思いますが、気象予報士向けと言うことで3つです。

「トコトンやさしい気象の本」入田央著 日刊工業新聞社 2009年初版

お勧め度:★★★

トコトンやさしいというほど易しい内容ではありませんが、一般気象学では足りなかった説明があります。例えば、エマグラムの理屈は理解したけど、実際どのように読むのか?いくつか例を示して説明されています。(これは大変参考になった)
気象学の入口としてはやや説明不足だと思うので、やはり一般気象学の補足として読むとちょうど良いと思います。
しかし、それ以降の天気図の解析の話では一般気象学を読んだだけでは理解できません。知らない用語が説明なしに所々出てきます。別の書籍を前提としていますが、もしその書籍を読んだとしたらこの書籍の必要性は??
この本の位置づけが良くわかりませんし、著者もどういう読者を対象にしているのかもまったく書いていません。書籍のタイトルに「入門」「やさしい」とある書籍はその通りでないことが経験上多いのですが、これもその代表だったかもしれません。残念。
しかし、内容としては気象予報士として当然知っていなければいけないことが凝縮されているので悪くないとは思います。

「気象予報士試験速習テキスト 実技編」

お勧め度:★★★?


岩崎俊樹著「数値予報 - スーパーコンピュータを利用した新しい天気予報」1993.12.15初版第一刷

お勧め度:★★

数値予報とあるものの、内容としては気象学の基本的な説明、気象予報の歴史的背景など数値予報そのものから外れた説明が多く、本格的な数値予報に関する説明は初心者がわかる程度のことしか書いてありません。まして、気象予報士が必要とする数値予報に関する情報はあまり書いてありません。この書籍は一般の人を対象に書いているようで、そういう観点からすれば★3つかそれ以上です。
書籍自体は悪くはないのですが、気象予報士を目指している人にとっては物足りないし、1992年の技術を基準に書いてあるので今ひとつかもしれません。

古川武彦・酒井重典著「アンサンブル予報~新しい中・長期予報と利用法~」東京堂出版 2004/3初版

お勧め度:★★

一見ちゃんとした書籍に見えるのですが、ちょっと怪しいですね。
最初の1/3は気象学の基本的な説明でこれは不要。(ばっさり)
それから数値予報、アンサンブル予報などの本題に入るのですが、日本語が怪しい。
基本的に予報技術を理解していないと、この本が書いてあることの理解は難しいです。
例えば、「PPMは予報モデルが完全である場合に得られるGPVに相当する。」
とありますが、PPMは方法論であって、GPVは単なる解析値です。これが相当すると言われると?です。言いたいことは理解している人から見ればわかりますが、私のような初学者には混乱を招くだけです。
ポテンシャルが高い書籍なのに説明が悪いのでもったいないです。

「気象予報士教科書 気象予報士 完全攻略ガイド」

お勧め度:★★

学科は過去問をこなせば大丈夫ではないかと思うので購入しましたが、評判悪いようですね。
1/3程度、試験問題を中心に読んでいますが、解説に関しては一般気象学のまとめに過ぎず、「教科書」とあるように誰かの説明がないと理解は難しいです。専らこの本は過去問で試験問題の感覚を掴む程度に使うだけです。
それに、資格試験の問題集なら冒頭に試験に関する解説が記載されているものですが、この本には全くありません。
解説の文章についてですが、日本語がおかしいところも散見されます。
例えば、
「夏半球と冬半球での東風と西風循環では、常時、対流圏内で発生している超長波は、冬半球ではヒマラヤ山脈やロッキー山脈に衝突しながら西風が吹き続けるため、地形性の力学的効果や大気-海洋間による熱的効果などから、超長波はさらに励起されつつ成層圏内に伝播していくため、大きく蛇行した西風循環を形成することになります。」
この意味わかります?(気象学的な意味はともかく、文章が言いたいことを)難なく理解できる人ならこの本はお勧めです。(笑)

T 2Project著「パソコンでお天気博士」九天社 2004年初版

お勧め度:★

最初に簡単な気象に関する説明があり、あとは同梱しているソフトウェアの使用説明。
パソコンソフト書籍にありがちな典型的な内容です。
気象予報士的にはまったく不要な内容です。

借りる予定の書籍

  • やさしくわかる 気象・天気の知識

次にどの本を読むべきか?


天気予報研究会編 『気象予報士試験 模範解答と解説』
過去問題集ですが、たった一回分の試験に¥2,310って高っいですよね。

財団法人気象業務支援センター ここに過去問のまとめ売りをやってました。(半額)

番外編

気象予報士には関係ないけどお薦めの本。

志崎大策著「富士山測候所物語」

★★★★
→Amazonで購入

富士山における気象観測がどれほど大変なもので、命がけであったことか、その実体験や日誌から語られています。

私はいまだ富士山に(徒歩で)登ったことがありませんが、あれほど物凄い環境とは知りませんでした。昔、テレビ番組で南極の昭和基地の様子を見たことがありますが、想像を絶する世界。しかし富士山はそれ以上であると感じました。なぜなら、
富士山では

  • 空気が薄い - 高山病の恐れ、ご飯が美味しく炊けない、発電用のエンジンが動かない、風邪を引くと大変など
  • 落雷の恐れ
  • 滑落、雪崩の恐れ

南極なら飛行機も離発着できるし、遊ぶ広い場所もある。

富士山は下から見ると雄大で、登りやすそうに見えますが、現実ははるかに厳しい。「20m/sの風は富士山ではそよ風だ」とも言っています。

気象予報士をある程度勉強した人なら、気象観測ってこういうものなんだ、と認識を新たにするのではないかと思います。今はかなり便利な世の中になりましたが、昭和初期の頃からこんな過酷な観測業務を行っていたなんて、本当に頭が下がる思いです。

※この本はいきなり説明もなしに物語が始まるため、富士山を余り知らない人にとってはちょっと読みにくいです。ここなどを参考にイメージを膨らませてから読み始めるといいでしょう。
またある程度知っている人なら、どうして「長田尾根」という名前がついたのか、辛い過去も知ることができます。

今では「富士山測候所を活用する会」によるNPO活動をしているようです。



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