1.3 平衡状態と温度-熱力学第0法則

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この節では温度を定義する。この節の考え方は熱力学の基本となるのでしっかりと理解する必要がある。 熱力学における状態量は平衡状態においてのみ定義される量である。平衡状態とは、閉じた系の巨視的な状態量がもはや変化しないほど長時間たった後に行き着く先として定義される。ただし、たとえ状態量が変化していても、それが非常にゆっくりとしていれば、多くの場合熱平衡状態とみなすことができる。 1つの系と熱平衡状態にある系はすべて互いに熱平衡状態にある。これを熱力学第0法則という。これらの系では互いに共通な示強変数をもっている。これを温度と呼ぶことにする。 温度は温度変化により変化する状態量を持つ系(例:温度計)と温度を測りたい系とを熱平衡状態にすることで測定できる。 圧力と粒子数を一定にした希薄な気体の熱力学的温度は <math>T=T_{0}\frac{V}{V_{0}}</math> と定義する。ここで大気圧下での標準体積を<math>V_{0}</math>、基準温度を<math>T_{0}</math>と決めることで、温度の尺度を決める。一般的には氷の融点を<math>T=273.15K</math>とする。 理想気体では温度が-273.15℃となると体積が0となる。いやむしろこれを理想気体の定義としている。 熱力学においては熱平衡状態において負の絶対温度は存在しない。すべての粒子がとまっているならばその系の平均エネルギーは0であり、絶対温度も0である。 注:ここでは絶対0度までは到達できるがそれ以下にはならないといっている。しかし実際には絶対0度までは未だに到達していないし、到達できないといわれている。その理由はこの話だけでは説明できないのだろう。 最後に平衡状態と定常状態の区別について述べているが、これは物理学徒の諸君ならご存知と思われるので省略する。 例1.1 理想気体 省略。

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