一つ一つの粒子の質量を測るときに原子質量単位uを定義する。炭素の同位体の質量を用いて、
と表わされる。
マクロな系では質量数は非常に大きい値なので、アボガドロ数の倍数を使う。
で定義されるモル分率は系の構成割合を示す示強変数であり、異なる相では異なる値をとりうる。
圧力はエネルギー密度と同じ次元を持っている。1.4 理想気体の分子運動論より、圧力は粒子密度と運動エネルギーの積で表わされる。ここでeは理想気体の運動エネルギー密度である。 圧力は温度と同じように部分系で定義できる。系の圧力と気圧計の内部圧力の差が面積素片にかかる力に相当する。
エネルギーは熱力学において中心的な役割を果たす量である。熱力学においてはマクロな量である系の全エネルギーだけが意味を持ち、個々の粒子のエネルギーは意味を持たない。
ピストンを考えた場合、系が外部にする仕事は
系に出入りするエネルギーは一般的に示強状態量と示量状態量の積で書き表される。 電磁エネルギーの場合なら
電気または磁気双極子モーメントを系が持つならば、
熱力学系に粒子を加えるのに必要な仕事を考える。粒子数をdNだけ変化させるのに必要な仕事を
と書く。ここで、は化学ポテンシャルと呼ばれ、系に粒子を足すときの抵抗を示す。