恐怖のリチウムイオン電池(価格)



身に危険を感じる恐怖としては、中国で携帯電話が爆発して死亡した例や、

大阪ではパソコンが火を噴き出してヤケドを負った事故とかがありますが、

今回はそのような人身事故ではなく、リチウムイオン電池の価格です。


私も、最近、携帯電話の小さな電池パックが風船のようにふくらんで

きたため、ドコモへ苦情を言いに行ったのですが、苦情を言う前に

無償で電池パックを取り替えてくれました。


その対応の素早さは、苦情の「ク」の字も言わさぬ、あざやかなもので

感心しました。やはり何かあるなとピンときたのですが、爆発も発火も

しなかったので実害はなく、ホッといたしました。


付属の充電器でしか充電したことがないのに、この状態ですから

急速充電を多用しておられる方は注意した方がいいでしょう。

落下などの衝撃を与えることはもってのはかになります。

脳や目の近くで使用する機械だけに要注意です。



リチウムイオン電池の恐怖は人身事故だけではありません。

その価格にも恐怖感を覚えます。


家電量販店では太陽光発電システムを取り扱う店舗が増えましたが、

同時に蓄電システムも展示している店もあります。


そして174万円という、その価格を見て一種の恐怖感に襲われました。

工事費別の価格でこれですから、約200万円という恐怖の価格です。

工事費といっても太陽電池発電のコントローラーに接続するだけ。

イヌやサルにでもできる仕事です。


電気自動車の電池パックも大体この程度の価格ですから、これでは

手も足も出るはずがありません。

電気自動車の場合、パワーが落ちてきたからといって200万円もする

バッテリーを数年ごとに簡単に交換することもできません。


バッテリーの寿命が短いとクレームをつけても、返ってくる返事は、

それは、あなたの使用方法に問題があるから、と言われるだけです。


鉛蓄電池の数倍の充放電が可能となっていましたが、同じ容量の

鉛蓄電池より、ひと桁どころか、二桁も高い価格です。


小型軽量が特徴のリチウムイオン電池ですが、2.5Kwhで65Kgの重量。

正弦波インバーター内蔵品ですが、そんなものは軽いものです。

DC-ACインバーターなら、正弦波対応、50Hz⇔60Hz切り替え機能付き、

300W(サージ電力600W)品で12800円、重量は1.4kgになります。


1.8kwhのディープサイクル鉛蓄電池が46.5kgで37000円で売って

いますから、リチウムイオン電池の小型軽量というのは真っ赤なウソに

なります。重量比も体積比もほとんど同じです。


電力会社が使用する超大型のリチウムイオン電池になると、

パワーは2Mwh、容積は大型コンテナ10台分にもなります。

重量は予想がつきません。


爆発や発火事故を防ぐため、バリア層を厚くして、個々のセルの

セパレーターも頑丈にしたため重くなったものと思われます。


安全性が高くなったのは好ましい傾向で、これで電気自動車や

家庭の蓄電システムが、爆発や発火の危険性がなくなれば安心して

使うことができます。


結局、1.8kwh仕上げで5万円弱、バッテリーを2個用意して

3.6kwhにすればリチウムイオンの5割アップもの容量になります。

それでいて価格は86800円ですから、自作派が多くなるのも無理の

ないところです。



それでも、世の中の流れはリチウムイオン電池になっていますので

台湾のメーカーが開発した酸化鉄リチウムイオン電池なら、

鉛蓄電池の5倍から10倍程度のサイクル寿命があり、1kwh品で

25万円です。2.5kw換算なら625000円と安くはなりますが、まだまだ

手の届く価格ではありません。


エネルギー密度は鉛蓄電池の3.5倍、充放電サイクルも5000回は

可能なスグレものです。BMS機能といって電圧や過充放電保護機能が

付いているので危険度は相当に低くなります。


しかし重量は18kgもあり、2.5kw換算では55kg。クソ重くなります。

エネルギー密度が鉛の3.5倍なら20kg弱になるはずなのですが、

爆発事故や発火事故を防ぐため頑丈なつくりになっています。


この異常なまでの重さによって、リチウムイオン電池の最大の長所が

もはや完全になくなってしまっていると言ってもいいでしょう。

爆発や発火でケガをすることを思えば重いぐらいはガマンの子です。


充放電回数も理想的な使い方なら5000回でしょうが、そのような

使い方は非現実的で自動車の燃費のようなもの、現実的ではありません。

実際に使ってみれば半分程度と解釈した方がいいかもしれません。











































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最終更新:2012年10月23日 22:51