ロシア

ロシアでは必要以上の閉鎖性はもはやなく、文書館アクセスも一定の基準で可能である。
30年経過した歴史文書を公開するなどのルールは特にない。
もともと各省庁、共産党、地方政府などがそれぞれ文書館を持ち、目録で整理されており、ソ連の時代にも特定の歴史学者が利用し発表していた(後述する論文集『文書は反駁する』など)。
それぞれ利用許可の度合、使いやすさが異なる。

  • GARF(国立アーカイブ):雑多なものや、個人寄贈(接収)文書などがある。公文書の写しがあることもあるし、皇帝の私信がまとまってあったりもする。紹介状があれば即日利用可。注文して2~3日後にマイクロフィルムや現物文書が見られる。コピーは標準で3週間後だが、頼めばそれなりに早くなるらしい。
  • RGASPI(社会政治史アーカイブ):ソ連共産党の文書。比較的利用しやすい。
  • RGVIA(陸軍歴史アーカイブ):ロシア帝国陸軍。
  • AVPRI(ロシア帝国外交文書館)、AVPRF(ロシア連邦外交文書館):申請から3ヶ月で許可が出て、1年間有効。コピーは「技術的理由」(理由はいわないという意味)で不可になった。
  • 国防省:厳しいらしい。
  • FSB:ほぼ無理。ただしFSBアカデミーの学者がたまに引用して論文を出したりする。
  • ロシア帝国海軍アーカイブ:ペテルブルク。
  • RGIA(国家歴史アーカイブ):ペテルブルク。工事が終了し開館記念式典はやったが、それから3年近く、ごく最近まで、一般利用者は入れない状態が続いた。
  • イルクーツク州国立アーカイブ:イルクーツク。東シベリア総督などの文書。
  • 極東国立アーカイブ


その他、旧ソ連の共和国にもソ連国家に関するアーカイブがあることに留意すべきである。
バルト三国でソ連に関する文書がいろいろ見られるときく。
(ロシア帝国のロシア語公刊文献はヘルシンキが最も使いやすいらしい。)
また、チェコの文書館で、日本人共産主義者に関する情報が出てきたとも聞いた。


最終更新:2012年03月28日 00:38