「誰かいる?   あ... あら、人間だわ。   聞こえる?   安心して。もう安全よ。   念のためスキャンをするけど、我慢して。   フリーマン博士。 ゴードン・フリーマン? あなたなの? こんなに早くやってくるなんて。 イーライが驚くわ。   あなたのこと心配してたのよ。   私は、 モスマン博士、 ジュディス・モスマン博士よ。   ブラック・メサ事件のずっと前から、あなたのことは聞いてたわ。   ああ、ブラック・メサ...   イーライやクライナー博士と仕事をしたなんてうらやましいわ。   2 人はこの分野の権威ですもの。   いいわ。 通れるわよ。      今すぐイーライのところへ連れて行くわ。   あなたを待たせたら、彼、承知しないもの。   あなたが手伝ってくれるんだったら、大歓迎よ。   ここ数ヶ月で研究はだいぶ進んだけれど、あなたが研究員を指導して仕   事にあたってくれたら、断然早くはかどるわ。   信頼性のある近距離テレポート技術が実現しそうなの。コンバインはま   だ、この技術を手に入れていないわ。   イーライは、奴らの次元扉が弦理論に基づいていると考えている。   私たちのカラビ・ヤウ・モデルと同じようにね。   でも、奴らは暗黒エネルギーの誤差を考慮に入れなかった。   奴らは向こうの世界からワープできるけれど、こっちへ来たらここにある輸送手段に頼らざるを得ない。   私たちが輸送網をメチャクチャにしていると知ったら...   ああ、いやだわ。 私、博士号取りたての学者みたいね。   やっと一緒に働く機会が持てたと思うと、興奮しちゃって。      どこまで話したかしら? ああ、そうそう...   クライナー博士は、ブラック・メサでは考られなかったほどにゼン中継地を   圧縮したの。   私たちは、ゼンを目には見えない軸として利用する方法を考えついた。   つまり、次元のばねよ。それによって、次元の境界まで行ったら跳ね返って、   帰ってくることができる、向こう側に行かずにね。   ああ、イーライだわ。」 イ「よし、よし、その調子だ。」 ジ「イーライ、誰を見つけたと思う?」 イ「ゴードン・フリーマン! よく顔を見せてみろ! 君はこれっぽっちも変わっとらん! 何でだ?   君と最後に会ったのは、共鳴異常が起こったときに救助に行かせたとき   だったかな。 はあ、   戻ってくるのにこんなに時間がかかるとは思わなかった。   ともかく、よく来たな。 ここはブラック・メサではないが、十分事足りるよ。」 ジ「ゴードンが入って、いよいよブラック・メサのようになってきたわ。」 イ「そうだな。 MIT の卒業生なんて、このところ、とんと出会わなくなったしな。   ハザードスーツを着ているのはもう少しの辛抱だ。すぐに白衣に着替えさ   せてやるよ。」 ジ「すること終わらせたら、探してみるわ。   フリーマン博士。 本当に光栄よ。   一緒に仕事をするの、楽しみにしてるわ。」 イ「自由に見てまわりなさい。」 ボ「イーライ・バンスは、信頼するに足る。」 イ「今だにあれが何なのか、よく分からん。   アリックスは妙なものを持ってきたものだ。」 ア「あ、ゴードン! あなたが来たって、ボーティガンツから聞いたわ。   歩いてこんなに早く来るなんて。」 イ「記録更新だな、アリックス。」 ア「まあ、よくやったわ。   これであなたの実力が証明されたみたいね。」 イ「ゴードンの手に負えないことなんてないさ...お前の扱い以外はな。」 ア「パパったら...」 イ「ハ!」 イ「これを見ろ、ゴードン。」 ジ「アリックス、当直じゃなかったの?」 ア「ゴードンに会えるようにボーティガンツが離してくれたの。   どうせ私はここで次元扉を当たってみなくちゃならないし。」 ジ「修復作業は順調よ。   誰かが、コンバインのサイリスタの性能を読み違えたみたい...」 ア「ふん! 私のせいだって言うの?」 ジ「いいえ、まさか! あれは計算ミスだったのよ、メカの問題じゃないわ。」 ア「じゃ、こんどはインストールだけじゃなく、計算もやってあげるわ。」 ジ「アリックス、やめて。 ときどきわざと私のこと誤解するみたいね。」 イ「コホン。   アリックス。ゴードンを連れていってグラビティガンの使い方を教えてあげたらどうだ?」 ア「いいわ...行きましょ、ゴードン。 お楽しみの時間よ!」 ジ「零点エネルギーフィールド装置はおもちゃじゃないのよ、アリックス!」 ア「クッ。 さあ、行きましょ。」 イ「また後でな、ゴードン。」 ア「あれが モスマン博士よ。   私がずっと外にいるのは彼女のせいみたいなものよ。   彼女の退屈な話を聞いてみたらいいわ。あの日ブラック・メサの実験室   に自分がいるべきだった、なんていうね。   ふふ。 陰口を聞かせてしまって、ごめんなさい。   でもあそこにいたら、閉所恐怖症になりそう。   あれがレーベンホルムへの旧道よ。 今は使われていないけど。   行きましょ。   さあ、着いたわ。 ゴミ処理場に。   これがパパの言ってたグラビティガンよ。   正式名称は、零点エネルギーフィールド装置って言うの。   元々は危険物を扱うためのものだけど、重いものを運ぶのに使ってるの。   やってみて。 グラビティガン入手   メイントリガーを押すとエネルギー弾を発射するわ。物を打って吹き飛ば   すこともできるわよ。   地雷を片付けるのにはもってこいね。   サブトリガーでつかめるわ。 メイントリガーで投げるのよ!   持ち上げたものを下に置きたいときはサブトリガーをもう一度押すのよ。   何か拾って投げてみて。   離れた場所の物を引き寄せることもできるわ。   そこの出っ張りから、樽をつかんでみて。   いいわよ。   何か積み重ねて上に昇れるかしら。   いいわよ。   じゃ、DOGを呼ぶわ。 物を取ってくるのが大好きなの。   DOG、おいで!   いい子ね。   ゴードン、これはDOGよ。   私が子供のころに、パパが護衛用にって作ってくれたの。   初期モデルはこれくらいの大きさだったわ。   それからどんどん改造していったの。そうよね、DOG?   さあ、DOG、ゴードンとキャッチボールよ。   グラビティガンがいるわ。   さあ、DOG。投げて!   もっと投げて、DOG。   もう一つよ、DOG。   投げて、DOG。   上手ね。   すごい。   DOG、取って来なさい。   DOG が物を取ってくるのが好きだとは言ったけど、   誰が投げるかは言わなかったでしょ。   ボールをどこにやったの、DOG?   オーケー、ゴードン。他のを試してみましょ。   DOG、もっと大きいのを投げて。   ダメよ、DOG!   だめよ! 下ろして!   どうしたの、DOG?   一体あれは何?   スキャナーだわ!   コンバインがこの辺りを嗅ぎ回っているわ!   早く研究所に戻らなきゃ。 さあ、ゴードン。   パパ、アリックスよ。聞こえる?」 イ「アリックス...」 ア「一体どうなってるの?」 イ「どこだ、アリックス?」 ア「ゴミ処理場のエアロックに閉じ込められてるわ。時間が来ないと出られないの。」 イ「ゴードンはそこにいるのか?」 ア「ここにいるわ。」 イ「よし、2人で...」 ア「パパ?」 イ「ゴードンを連れ出せ! 海岸に向かうんだ!   絶対にレーベ...」 ア「パパ?   パパ!   まずいわ!   DOG、エアロックを開けて。 ここから出して!   急いで!早く!   ぶっ壊しちゃっていいわ、とにかく開けるのよ!   もういいわ、DOG。   さあ、ゴードン。   早く!」 ボ「知覚するに値しない。」 ア「ゴードン、あなたはここを出て。   私は父のところへ戻るわ。   DOG、ゴードンをレーベンホルムのトンネルまで連れて行って。そのあと私の   ところに戻ってきて。 急いで!」 レーベンホルムには行かない...へ