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<p>201 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:10:46 ID:N9Pvw1hJ<br /> 序曲後の幕開けまでの幕間<br /><br /><br /> 「…とこんな感じなんでけど」<br /> 「で、結局ヤンデレってなんなんだよ。さっぱりわからない」<br /> 奈津子の話を聞き終えた後、俺は今一度たずねてみることにした。効いてみてもさっぱりわからない。<br /> 奈津子曰く、ヤンデレというジャンルに属する女性の話らしい。しかしヤンデレというのがいまいち俺にはわからなかった。<br /> そう、この話を聞くきっかけになったのも、奈津子がヤンデレについて講義を突然始めて俺がわけわからんといったからだ。<br /> だがこういった話をされてもやはりわからないものはわからない。むしろややこしくなった感もある。<br /> 「だから、相手のことを病むほど好きになることだって。簡単じゃん!何でわからないの?」<br /> 「抽象的過ぎる。具体化してくれ」<br /> 「じゃぁツンデレなんて何よ。ツンツンデレデレなんて、抽象的過ぎるにも程があると思わない?」<br /> 「ありゃステレオタイプができてるからな。そういった意味では具体化されてる。」<br /> とりあえず、適当に答える。まぁ抽象的だというのには反対はしない。勘違いされてるとか言うが、それも仕方がないような気がする。<br /> そもそも、キャラとしては昔からいたキャラなのだから今更騒ぐのもどうかとも思うが。<br /> 「ふん、ステレオタイプができてるからって、そもそもの言葉の意味が具体化されてるわけではないよね?」<br /> あぁ言えばこういう奴だ。たく…<br /> 「具体例。」<br /> 「へ?」<br /> 「具体例挙げてみー?」<br /> 俺はとりあえず例を聞いてみることにした。そうすれば少しはイメージがつかめるだろうと思ったから。<br /> 「相手のことが好きすぎて監禁しちゃったり、嫉妬して鋸で主人公の彼女殺したり、わけがわからなくなって空鍋炊いたり、次々と人殺したり。」<br /> 「ずいぶん物騒だなぁ…」<br /> 「まぁね。病んでるから、判断力とか常識とか飛んでるのよ、きっと。」<br /> まて…そう言われるとまさか絵里の一件もヤンデレ…ははは、まさかな。<br /> 俺はあのことはあんまり思い出さないようにしている。思い出して寝れなくなる日もあったしな。そう、今のも一瞬の思い過ごし。戯言だ。<br /> 俺はすぐに奈津子の話のほうに意識を戻した。今の考えを消し去るために。<br /> だが、そんな折、ふと俺は思い当たることがあった。そこで奈津子に聞いてみた。<br /> 「俺の男の先輩なんだが、片思いが過ぎて、飛び降りかけたりしてたらしいんだが<br /> この場合どうなるんだろうか。ヤンデレってやつに当てはまるのか?」<br /> 「男のヤンデレは私からすればNG。以上」<br /><br /> 202 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:11:38 ID:N9Pvw1hJ<br /> 奈津子の返事は速かった。そりゃもう、俺が言い終わる前に言うような勢いだった。<br /> 「さいですか…」<br /> じゃあ男のヤンデレなんか思いついても話しちゃ駄目なのか…厳しい。<br /> 「犯罪じゃん。だって」<br /> 自信満々に答える奈津子。<br /> 「ストーカーって言うのよ、そういうのは。ヤンデレとは違うわ。」<br /> まったくどんな自信だ…たくっ。どこがどう違うのかわからないという突っ込みはOKなのだろうか?<br /> まぁここはあえてスルーしてやることにしよう。<br /> 「わかったよ。てか、お前やたら男に厳しくないか?そこまではっきりとNGって言わなくたっていいじゃないのか?」<br /> 「う~んなんか男のだとやっぱりストーカーチックになってしまうのよね…私はうまく話が思いつかないわ。」<br /> 考えてみれば一理ある。女の子が病んだほうが話もすいすい行くだろうしな。<br /> 何よりいわゆる一つの萌え要素、てのになるんだろうし、不都合が何も無い。<br /> これが男が絡んでくると…世間的に見れば一気に重大犯罪だ。十代の子に対する犯罪も十だ…やめよう。<br /> われながらあほすぎる発想だ。女でも重大犯罪に変わりは無いのだがその辺は不問にしといたほうがいいのだろうか<br /> 「でね、続きがあるんだけど…え~と…やぁようこそ奈津子ハウスへ」<br /> 「おい、突然なんだ!?」<br /> 「この序曲はサービスだからまずは聞いて落ち着いてほしい」<br /> 「もう聞いたぞ?ていうかサービスだったのか?」<br /> 「そうね、またなんだわ…ごめんなさい。仏の顔もって言うしね、許してもらおうとは思ってないわ」<br /> 「はなからそんなこと思ってないだろ」<br /> 「でも、この話を聞いたとき、慎ちゃんはきっと言葉では言い表せない「病んでるなぁ」みたいなものを感じてくれたと思うんだ」<br /> 「さぁどうだかな」<br /> 奈津子はむすっとした顔になった。だがそんな顔されても奈津子が何を言ってるのか俺にはさっぱりわからんのだから、どうしようもないのだが。<br /> 「んん、もう…殺伐とした世の中でそういったものを忘れてほしくない、そう思ってこの話を考えたのよ」<br /> ていうか殺伐とした世の中に、さらに殺伐としたものもってこられても…たくっこんなネタまで考えて…やれやれ。<br /> 続きを大人しく聞けとな?はぁ…<br /> 「で、続きは?そこまで言うからにはもうできてるんだろ」<br /> 「うん!じゃあ続きを行くね。第1幕始まり始まり~」<br /> さて、物語の幕が開くようだ。どうなることやらさっぱりわからない。その分楽しみではあるが。<br /> 少しはやる気持ちを抑えるように、俺は手元にあったペットボトルのお茶を一口飲むと、俺はまた奈津子の話へと意識を持っていった。<br /><br /> 203 名前:慎 ◆UPiD9oBh4o [sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:12:58 ID:N9Pvw1hJ<br /> 投下終了。今回は奈津子が慎太郎に思いついた話という形で進めます。<br /> また監禁される男はかなりの馬鹿に書いてます。ご了承を。<br /> 途中短編投下宣言された方ごめんなさい。<br /><br /> 204 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:16:13 ID:20wzF9he<br /> こちらこそ、ごめんなさい。<br /> 更新してなかったです。<br /><br /> 次から気をつけます。<br /><br /> 205 名前:かすみ 1/5[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:16:43 ID:20wzF9he<br /> 昔から変なヤツだった。<br /> 小学生低学年の時は家の庭で一日中、アリを指で潰してた。<br /> 小学生高学年の時は学校の水槽に農薬を撒いて、浮いてきた魚を見て笑ってた。<br /> 中学生の時は子猫を川に投げ捨てて、恍惚とした表情を浮かべていた。<br /> 高校生になったヤツは、ついに人を傷つけた。<br /><br /> 「ゆうくん」<br /> そして、その事件で停学中のヤツの声が、背中から聞こえてきた。<br /> ここは・・・俺の部屋だ。<br /> なんで・・・なんで・・・ヤツが。<br /> 「かすみ」<br /> 俺は恐る恐る後ろを振り向く。<br /> 「ひっ」<br /> 息を呑んだ。<br /> 長い黒髪。白い肌。病的なまでに濁った瞳。<br /> そして、いたるところについた・・・ドス黒い・・・血。<br /> 「お、お前まさか・・・」<br /> 喉が張り付くように渇き、自分の声とは思えないほどかすれていた。<br /> 「心配しないで・・・ちゃんと、みんな息の根を止めてきたから」<br /> そういうと、シトシトとゆっくり俺に近づいてくる。<br /> (なんで、なんでコイツが俺の部屋に!?)<br /> 俺は恐怖の余り、座っていた椅子から転げ落ちる。<br /> 「と、とうさん!かあさん!」<br /> 力の限り叫ぶ。<br /> それでも、いつもよりは声出ていないが、下の階にいる二人には聞こえるはずだ。<br /> しかし、下からの反応は無い。<br /> 「・・・うそだろ?」<br /> かすみは口を大きく横に開き、悪魔のような笑みを浮かべる。<br /> 『ちゃんと、みんな息の根を止めてきたから』<br /> かすみの言葉を思い出す。<br /> 「まさか」<br /> 「だって、ゆうくんのお父さんもお母さんも、ゆうくんに会わせないって言うんだよ」<br /> ヤツが一歩近づくたびに、俺は尻餅をついたまま、後ろに下がる。<br /> 「ゆうくんがアリを潰すのが楽しいって言ってたから、私もやってみたんだよ。<br /> ゆうくんが水槽当番で水を取りかえるのが大変って言ってたから、私がそんなことしなくてよくしたんだよ。<br /> ゆうくんが子猫を可愛がるから、私は悲しくなったんだよ。<br /> ゆうくんが私以外の女と一緒にいるから、ゆうくんを私だけのものにしたくなったんだよ」<br /> 背中に壁があたる。<br /> もう、下がれない。<br /><br /> 206 名前:かすみ 2/5[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:17:46 ID:20wzF9he<br /> 「えへへ」<br /> 「ひっ」<br /> 追い詰められた俺の顔に、顔を近づけてくる。<br /> そして、振り上げられた右手には・・・光を反射する・・・ナイフが握られていて。<br /> 「ゆうくんは・・・かすみのものだよ」<br /> それが空を裂く音が聞こえた。<br /> 「う・・・あ・・・がぁっっ」<br /> 左肩が熱い。<br /> 肩を見ると、そこから血がダラダラと流れ、袖を真っ赤に染め上げていた。<br /> 「おいし」<br /> 切りつけ血のついたナイフを、目を細めながら舐めている。<br /> 狂ってる。<br /> 「ゆうくんも気持ちよくしてあげる」<br /> パサリと落ちる、白いワンピース。<br /> 病的なまでの白い肌。<br /> 下着を着けていないその白い肌には、無数の傷がまるでファッションのように走っていた。<br /> 手首。首筋。胸。腹。脚。そして、秘部。<br /> 「ほら、女の子のおまんこ・・・ゆうくん見たことないよね」<br /> 自分の指で秘部を大きく開き、俺に見せる。<br /> 「どう?興奮した?」<br /> かすみは左手だけで器用に俺のズボンとパンツを下ろす。<br /> 「これがゆうくんのおちんちん・・・ふふ。元気だね」<br /> ありえない。<br /> 俺は脱がされた自分の下半身を見て驚いた。<br /> なんで、こんな状況で勃ってるんだ!?<br /> 勃起している感覚はない。恐怖のせいか体が少ししか動かないっていうのに。<br /> 「じゃあ、いくね」<br /> かすみが俺の上にゆっくりと腰を下ろす。<br /> 「んっ・・・んっっ・・・ぁぁっ・・・はぁっ」<br /><br /> 207 名前:かすみ 3/5[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:18:48 ID:20wzF9he<br /> 真っ白なかすみの顔が上気して、紅くなっていくのがわかる。<br /> 「ゆうくんの初めて・・・奪っちゃった」<br /> 初めて。<br /> 実は違う。俺の初めては、アイツ。<br /> 多分。もうこの世にはいないであろう・・・俺の大切な人。<br /> 「・・・違うの?」<br /> かすみの目が濁り始める。<br /> 「あの女?あの女なの?・・・これはゆうくんの初めてじゃないの?」<br /> 「うっ・・・がぁっ」<br /> かすみの細い指が俺の首を絞めつける。<br /> 両手の爪が首に食い込んで、血が流れていくのがわかる。<br /> ・・・両手?<br /> 俺は痛みにこらえながら、かすみの傍を見る。<br /> ナイフが無造作に床に転がっていた。<br /> 「どうして・・・私の初めてはゆうくんにあげたのに、ゆうくんの初めては私じゃないの?」<br /> かすみに気づかれないように、ゆっくりと左手を伸ばしてナイフの柄を握る。<br /> 「おかしいよ。そんなの・・・不公平だよ・・・ゆうくっんっっ!」<br /> かすみの顔が苦痛にゆがむ。<br /> 俺の左手に握られたナイフが、かすみの脇腹を薙いだのだ。<br /> 「どけ!」<br /> 俺は体を起して、かすみを突き飛ばす。<br /> かすみの反撃に備えて、俺はナイフを構える。<br /> しかし、かすみは一向に起き上がる気配を見せない。<br /> 倒れた時に頭でも打ったのか?<br /> 「かすみ」<br /> 俺は立ち上がってかすみの顔を覗き込む。<br /> 濁ったままの瞳が俺を睨んでいる。<br /> 意識はある。だが、小刻みに震える体と言葉を発することのできない口。<br /> 先ほどの俺と同じ。<br /> 「・・・毒?」<br /> 体を麻痺させる薬品か何かがナイフに塗られていたのだろう。<br /><br /> 208 名前:かすみ 4/5[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:20:13 ID:20wzF9he<br /> 全裸で倒れているかすみ。<br /> 脇腹と股間から血を流していた。<br /> 「本当に処女だったんだ」<br /> 俺はかすみから目を離さないようにしながら、ベッドに腰掛ける。<br /> っ。<br /> 腰かけた時に、左肩に痛みが走った。<br /> そういや、さっき切りつけられてたんだった。<br /> あまりの展開に忘れていた。<br /> 「病院行かなきゃダメかな」<br /> 俺が肩を見るためにかすみから目を離した・・・その瞬間。<br /> 「ぅぁっ!?」<br /> 右足の甲に鋭い痛みを感じた。<br /> 恐る恐る覗き込むと、、小さなバタフライナイフが俺の足の甲に深々と突き刺さっていた。<br /> 「かすみ」<br /> 「ひどいよ・・・ゆうくん・・・せっかく、無防備な体さらしたのに・・・何もしてくれないなんて」<br /> かすみがゆらりと立ち上がる。<br /> 「ゆうくんの精液頂戴」<br /> 「く、くるな!」<br /> 「ゆうくん・・・だいすき」<br /> 俺はかすみに押し倒され、犯され、そして、果てた。<br /><br /><br /> 209 名前:かすみ 5/5[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:21:05 ID:20wzF9he<br /> その後、俺が目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。<br /> 翌朝、新聞配達員が、玄関にベッタリと血がついているのを発見。<br /> 警察が駆けつけ、俺を保護してくれたらしい。<br /> 両親は死亡。俺は出血こそ多かったものの、致死量には至らなかったらしい。<br /> そして、肝心のかすみはその日以来、行方知らずとなった。<br /><br /> あの日から10年がたった。<br /> 俺は結婚して子供も幼稚園にあがった。<br /> 幸せだった。<br /> かすみのことなんて、完全に忘れていた。<br /> 「・・・おかえり」<br /> 「おかりなさい」<br /> その日、俺の帰りを家で待っていたのは、最愛の妻と子供ではなかった。<br /> 血濡れた白のワンピースに身を包んだ、女性と少女。<br /> 「ゆうくん・・・今日から家族三人で暮らそうね」<br /><br /><br /> 210 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 23:22:47 ID:20wzF9he<br /> 終了です。<br /> 慎さん。間にわりこんでしまい、本当にすみませんでした。<br /><br /><br /> 211 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/19(日) 05:51:16 ID:qDeBnKqv<br /> &gt;&gt;203&gt;&gt;210御二方の処女(一番槍)は俺が貰いました。<br /> GJ!!!<br /><br /> 俺もヤンデレになる特訓してこよう<br /><br /> 212 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/19(日) 07:36:19 ID:/q9RcvhG<br /> &gt;&gt;203<br /> ダークな展開になりそう、ガクブルしつつwktkしております。<br /> それにしてもあんな目にあったのにまだヤンデレを理解してないのか、慎はw<br /><br /> &gt;&gt;210<br /> 狂うほどの愛があればそれでOKなんじゃないかなあ<br /> てことでGJ!<br /><br /> 213 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 08:55:33 ID:IoGRKAqe<br /> つーか、間違ってたら叩いてくれてかまわないんだけど、<br /> よく狂った人の愛がヤンデレって言ってるの見るけど、そりゃただグロいだけであって、<br /> 本当は嫉妬なんかによって病んでいく様子をヤンデレって言うんだよな?<br /><br /><br /> まぁ、スレ違いだったらスルーしてくれ<br /><br /> 214 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 09:38:48 ID:HQ2zPfAy<br /> ヤンデレの定義合戦になるからね、そういうの言い出すと。<br /> 自分と愛しの彼との世界を邪魔されたくないから、他の女とかを殺したりするのが主流っぽくなっているけど、<br /> 個人的には彼を静かにじっくりゆっくりねっとり絡め取っていくのを読んでみたい。<br /><br /> そう思って自分で書いてみようとしたけど、難しいなこれorz<br /><br /> 215 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 09:44:31 ID:iR2xTkgi<br /> &gt;&gt;213<br /> 原理主義的な考えでは、そうなるっぽい。<br /> でも、拡大解釈的な考えでは、それもヤンデレに含めるみたい。<br /><br /> まあ213の質問は、ここでも何度か繰り返されてきて、最後には「心で(ヤンデレを)感じるんだ!」という感じのレスで、幕引きになったんだけどね。<br /><br /> 216 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 09:49:58 ID:IoGRKAqe<br /> &gt;&gt;214 &gt;&gt;215<br /> ありがとう、二人のレスでなんか納得できた<br /><br /> 217 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 09:59:52 ID:kR3Cu+Fn<br /> そうか、ヤンデレってもともとはツンデレと同じく、<br /> 時間経過によって変化する感情の概念だったか。<br /> &gt;&gt;1に書いてあることではあるけれど、なぜか間違った理解をしていた……<br /><br /> 218 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 12:58:23 ID:QT4NarRL<br /> やはりそこに愛を感じないとダメだろ<br /><br /> 219 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 17:07:53 ID:eq2Sszje<br /> ただ愛とは無関係に狂ってる人が、ついでで愛しちゃいますよみたいなのはゲンゲロ<br /><br /> 220 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/20(月) 18:17:26 ID:MoHhUkkI<br /> でもまあ、もともと常識からハズレてたとしても愛する故に「更に」狂うなら…<br /><br /><br /><br /> すまん、余りつっこむとまずいな定義問題は。スルーしてくれ<br /><br /> 221 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 00:25:11 ID:mnaltvOR<br /> ここのSSのキャラは大体が話の冒頭から病んでることが多くないか。<br /> 最初はごく普通の片思いだったけど、次第に精神や行動がおかしくなるヒロインっていたっけ。<br /><br /> 222 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 00:28:30 ID:NYFHOLVi<br /> それなんて、言葉様?<br /><br /> 223 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/08/21(火) 04:50:00 ID:OJqwQCuA<br /> ヤンキーのヤンデレを見てみたい・・・<br /><br /> 224 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/08/21(火) 05:04:51 ID:hBd6oOyv<br /> 前スレにあったな<br /><br /> あと空鍋忘れんな<br /><br /> 225 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/08/21(火) 06:45:13 ID:ZxWvXHiH<br /> 糸電話も忘れちゃだめだよ<br /><br /> 226 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 10:29:13 ID:nJw3ZVqg<br /> &gt;&gt;223<br /> 怖さ2倍か、Mにはたまらんな<br /><br /> 227 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 14:55:03 ID:cZsCNxcq<br /> そこはむしろ、どちらかといえば真面目な主人公に合わせてヤンキー辞めてしまうところだろ<br /> それでも受け入れてもらえなくて、どうすれば受け入れてもらえるか試行錯誤していくうちに病んでいくわけだ<br /><br /> 228 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 16:54:48 ID:kxJ++Udz<br /> &gt;&gt;227<br /> SO!RE!DA!!!!!!!!!!<br /><br /> 229 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 17:47:24 ID:AgEPsUca<br /> &gt;&gt;223<br /> 案外厳しいかもしれん。実力行使に出てもあんまり違和感無いから<br /><br /> 230 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 20:46:44 ID:fgNzD58F<br /> ヤンキー娘大好きないじめられっ子ショタに馴染むために更生を決意してお淑やかに鉄壁の笑顔で表情を固めるんだよ<br /> でも時々無理が生じてピキってなって<br /> 「………」とかって笑顔のまま無言になっちゃったりして人目のない所でコンクリの壁を拳からの血が滲むまで連打したりしてんだよ<br /> でもショタが探しに来たらどうしたんです?みたいな表情で笑顔を浮かべるんだよ。握り締めた拳から血ぃダラダラ流してる癖に<br /><br /> あとヤンキー時代の悪い仲間が冷やかしや脅しに近づいて来たら「ちょっとお話しをしてきますね」とかショタに言っておいて路地裏でそいつら狩ってたり、<br /> ショタを虐める連中を陰で粛清していて、その連中とショタが顔合わす時にはショタの背後から鬼の形相でプレッシャーを掛けてショタの平穏な学校生活を演出してたり…<br /> ヤンキー娘には無限の可能性があるんですよ?<br /><br /> 231 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 21:14:43 ID:kcTMTlC8<br /> &gt;&gt;230<br /> なんかいんぱら思い出したw<br /> でもそういうラブコメチックで明るい(?)ヤンデレもいいなw<br /><br /> 232 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 21:27:31 ID:WfHRahef<br /> ヤンキーでデレデレか<br /><br /> 233 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 21:31:27 ID:OzNsSo8Y<br /> 病みヤンデレ<br /><br /> 234 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 21:39:46 ID:lH5Gjmt4<br /> 面白いんだが、そのままだとあんまり狂気が感じられないからヤンデレとしては物足りないという人がいるかも<br /><br /> 病みっぷりを強調するなら自分の過去を知る不良仲間を文字通り抹殺しているとか<br /> もう一つの顔を使って恋敵もぜんぶ抹殺しているとか<br /> ショタの両親なり兄弟姉妹なりが自分の正体に気付きそうになったら抹殺しているとか<br /><br /> 235 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 22:15:21 ID:iTZfzZVR<br /> でもそれだとなんだかただの悪女とかみたいでヤンデレとは違うなあ<br /> 元々暴力的だから他のに比べると殺害に怖さがあんまない<br /><br /><br /> 現実にあったら怖いんだがな<br /><br /> 236 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 22:38:59 ID:VU0luEsa<br /> ヒロインの病みっぷりに気付いて主人公がヒロインを受け入れて病みとデレが激しくなるSSないですか?<br /><br /> 237 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/21(火) 23:17:02 ID:3MU2kdDv<br /> 「上書き」はそんな感じじゃないの?<br /><br /> 238 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 01:16:03 ID:r2FNZwMr<br /> つひぐらしの罪滅し編のレナ<br /><br /> 239 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 01:50:38 ID:lzeUJtGa<br /> レナはヤンデレではなく、只のキチガイだと思う<br /><br /> 240 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 03:20:06 ID:LSLAsdDb<br /> &gt;&gt;239おま・・・消されるぞ!!<br /><br /> 一応聞くが、まさか後ろに鉈持った女の子なんていないよな?<br /><br /> 241 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 04:04:30 ID:S+qO4G1H<br /> &gt;&gt;240<br /> おいおい、本当にそんな奴がいるわけないだろwwwww<br /> そんな女なら俺の後ろに<br /><br /> あれ?<br /><br /> 242 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 05:04:27 ID:mC4ZJvez<br /> さっきから玄関から視線のようなものを感じるんだが、調べたほうがいいかな?<br /> もう寝ようかと思ったんだがなんか気になる<br /><br /> 243 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 06:59:31 ID:r2FNZwMr<br /> ピンポーン<br /><br /> 244 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 08:33:52 ID:9HRbXfrw<br /> 開けてよ…開けてよ…<br /><br /><br /><br /> ひぐらしのスレ今見てきたとこだったからこの流れに一瞬目を疑ったぞwwwww<br /><br /> 245 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 09:20:03 ID:DO0rdRgn<br /> ストーカーは、ストーカーをする相手を間違えると今までの力を全て失う事が某漫画で判明。<br /><br /><br /><br /> ヤンデレも同じ事が言えるのでしょうか。<br /><br /> 246 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 15:05:19 ID:S+qO4G1H<br /> &gt;&gt;245<br /> ヤンデレとストーカーは違います<br /><br /> そもそも彼女達が"間違える"なんてことはしません<br /><br /> 247 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 15:16:28 ID:nU7TCcjY<br /> ヤンデレは例え目がつぶれてても匂いで相手がわかるし<br /> 第6感がすぐれているので間違えるなんてありえません<br /><br /> 間違えるのはヤンデレになりきれてない証拠です<br /><br /> 248 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 15:32:19 ID:DO0rdRgn<br /> イイエ、ソレハリソウロンデス<br /><br /> 249 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 17:02:26 ID:OsZp7dGj<br /> ハイ、ソレハボブデス<br /><br /> 250 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 17:33:19 ID:7/6J3f5O<br /> ヤンデレはたとえ死んでも、彼の近くの人として生まれ変わりますよ?<br /><br /> たとえば○○君(主人公)が幼い頃、彼に対するあまりにも執着心が強い女の子、△△ちゃんがいたとする。<br /> ある日彼がよその女の子と話しているところをその子が発見、詰め寄ろうとして道路を渡ってるときに車にひかれ、死んでしまった。<br /> その後しばらくして彼には妹が生まれた。<br /> そして妹が小学校に上がろうとするある日のこと。<br /> 「お兄ちゃん……実はわたし、△△なんだ。<br /> そう、お兄ちゃんが6歳のとき死んじゃった女の子。<br /> すごく仲がよかったよね、お兄ちゃんと。<br /> でもそのすぐ後に生まれた妹に生まれ変わったんだ。」<br /> 彼は普段からたまに大人びた仕草を見せる妹の思いがけない告白に呆然としながらも、よその女の子と接触するたびに△△ちゃんから受けた凄惨な「おしおき」を思い返して身震いするのでした。<br /> そう、彼には少し前、初めてのガールフレンドができたのです。昨日は彼女を家族に紹介したばかりでした。<br /> 「もう離れないよ。だって妹だもんね。<br /> ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと<br /> ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっといっしょ。<br /> あの女よりもあの女よりもあの女よりもあの女よりも<br /> あの女よりもあの女よりもあの女よりもあの女よりも。」<br /> 満面の笑みを見せる妹、言われてみれば△△とそっくりな笑い方をする妹の手には、彼女の……<br /> 「あの女にはおしおきしたから、次は○○君だよね。<br /> あ、お兄ちゃんって呼ぶほうがいい? 間をとって○○君お兄ちゃんにする?<br /> さ、おしおき……うふふふふふはははははははふふふ<br /> ははははははははははははははははははははははははははは<br /> ははははははははははははははははははははははははは」<br /><br /> 251 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 18:14:12 ID:NqBegY0q<br /> いやすべてのヤンデレが妖怪とか怪奇現象というわけでは……<br /><br /> 252 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 21:07:21 ID:KJrVLwdh<br /> 平和なヤンデレってのはありえないのかなあ。見てみたい気がする。<br /><br /> 253 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 21:50:14 ID:cBUrM/12<br /> 平和なヤンデレ…、それって読後感すっきりで、<br /> ヤンデレ属性以外の人から見てもまあハッピーエンド、みたいなヤンデレ?<br /><br /> 254 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 21:51:18 ID:8M/WgEod<br /> 主人公を独占しようとあれこれ画策するんだけどドジなので全く上手くいかないという、ヤンデレドジっ娘で一つ<br /><br /> 255 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 22:08:29 ID:NtbaHIl3<br /> ちっちゃくてかわいいみんなにマスコット扱いされるドジな女の子がヤンデレ。<br /> 主人公を含めた仲良しグループの女全員を殺そうとするんだけどいつも失敗。<br /> ナイフは怖いからペーパーナイフで刺そうとするがあっさり折れて冗談だと思われる。、<br /> 毒は手に入らないから正露丸をご飯に混ぜて飲ませるが、勿論死なない。<br /> 高所恐怖症だから突き落とすことも出来ない。<br /> 彼を閉じ込めたいけど拉致監禁は出来ないから、家に招いて美味しいご飯でもてなして帰りたくなくするがご飯すら失敗。<br /> 最後の手段で足を切ろうとするが、血を見ると気絶してしまうので正座を強制して痺れて立てなくしようと考える。<br /> でも彼一人に正座させるのも失礼なので自分も正座して、彼以上に痺れてしまって一歩も動けなくなる。<br /><br /> 256 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 22:17:31 ID:x/J+KKxg<br /> &gt;&gt;255<br /> よし、それでいこう。<br /><br /> 257 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 22:25:02 ID:Y1aRclk4<br /> &gt;&gt;255<br /> なんというヤンドジw<br /><br /> 258 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 22:41:38 ID:3qo/KBqP<br /> &gt;&gt;255<br /> ぜひそのネタで書いて頂きたい。<br /><br /> 259 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 22:42:40 ID:dHJiIWTq<br /> &gt;&gt;255<br /> これは流行る<br /><br /> 260 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/22(水) 23:24:18 ID:lnGCZxsC<br /> &gt;&gt;255<br /> このヤンドジください!是が非にも。<br /><br /> 261 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 00:04:32 ID:HsgCBYnE<br /> &gt;&gt;255<br /> お前さんは俺の中にある新しい扉を開けた<br /> ありがとう!!<br /><br /> 262 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 00:16:42 ID:O4D9eMZ2<br /> &gt;&gt;255<br /> その発想はなかった!<br /> そして俺を萌え死にさせる気かw<br /><br /> 263 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 00:17:24 ID:fnOLjxmQ<br /> &gt;&gt;255<br /> 声は籐野らんでひとつ<br /><br /> 264 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 00:37:45 ID:7wFebw7Y<br /> 新ジャンル「ヤンドジ」<br /><br /> 265 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 00:41:36 ID:R/mXdq67<br /> /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',<br /> /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !<br /> |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|<br /> |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V<br /> < : _: : : / 〈  {} |/  レ  {} }|:./ヽ: : |<br /> <:: |. 小{   _,,.. -    、-.,_  レ{: :.|ヽ:|    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄<br /> 厶ヘ ハ         、     {ハ/ V   |<br /> \_!      _ '     !         | 空気読まないように生きるのも<br /> ヽ    /   `t   /      <  楽じゃないwww<br /> ___,r| \  {    / /         \____________<br /> /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´            (⌒) <br /> /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、         ノ ~.レ-r┐、<br /> /:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、  ノ__  | .| | |<br /><br /> 266 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 01:07:36 ID:YyVw0Wah<br /> ヤンドジ!ヤンドジ!<br /><br /> 267 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 03:05:01 ID:74pgFU1W<br /> おーい!誰かVIPに新ジャンルスレ建ててこい!<br /><br /> 268 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/08/23(木) 03:07:38 ID:kXmu6Pxh<br /> さあ、小ネタでもいいから全員&gt;&gt;255を書かないか?<br /><br /> 初めてでもいい。ヤンデレ旋風・・・いや烈風を巻き起こせ!<br /><br /> 269 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 03:08:55 ID:kXmu6Pxh<br /> &gt;&gt;268てへっドジっちゃった(はーと<br /><br /> ×ヤンデレ<br /> ○ヤンドジ<br /><br /> 270 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 03:59:50 ID:rN6/Ewn3<br /> &gt;&gt;255お前はヤンデレ神が遣わした預言者か!?<br /><br /> 271 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 05:26:53 ID:d1mQ/T8X<br /> &gt;&gt;255の才能に嫉妬<br /><br /> 272 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:02:09 ID:HJTKs6Y5<br /> &gt;&gt;255<br /> なんという天才<br /> これは書くしかない<br /><br /> 続き投下します<br /><br /> 273 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:03:42 ID:HJTKs6Y5<br /><br /> 「なぁ……もういいだろ。そろそろ離せよ」<br /> 隣に座ってくっついてくる如月更紗にそういうと、彼女はまーだだよー、とふざけたように<br /> 言って上目遣いに見てきた。どういう態度をとればいいかわからずに、僕はまた沈黙してしま<br /> う。それを確認して、如月更紗はうれしそうに笑ったまま、頭を僕の肩に乗せるようにしてく<br /> っついてくる。<br /> そんなことが、かれこれ十数分も続いていた。<br /> もっとも、正確な時間はわからない――今隣り合って座っている位置からだと校舎の時計は<br /> 見えないし、空を見上げても月と星ばかりで、時間の経過はわかりやしない。気のせい程度に<br /> 月が動いているだけだった。<br /> 夏の暑さに、夜風が心地いい。<br /> 如月更紗と触れ合ったところだけが、熱を持ったように暑くて……けど、それは不快じゃな<br /> かった。<br /> 不快じゃないんだけれど……<br /> 何やってんだ僕、と思わなくもない。<br /> 冷静になって今の状況を客観視してみれば、真夜中の屋上でいちゃついているようにしか見<br /> えない。こんなことをしにきたはずはないのだが、気づけばこうなっていた。<br /> 右手には、未だ魔術短剣を握っている。<br /> これを手放すつもりはない――けれど、使う気もない。左手は如月更紗に絡めとられていて<br /> 動かすこともできない。屋上のフェンスにもたれかかるようにして、二人並んで座っている。<br /> 正面、離れたところにある入り口扉は沈黙を保っている。<br /> 夜は静かで、<br /> 僕ら二人の他には、誰もいない。<br /> 「離すのが嫌ならせめて話せよ……いい加減、わけがわからなくなってきた。そろそろ解決編<br /> にはいってもいいころだろ」<br /> 「犯人は滅亡しました」<br /> 「またずいぶんと急展開だな!?」<br /> 「解決編、といわれてもね」<br /> 言って、如月更紗はすりよるように体を動かした。すぐ間近から、甘い香りがする。如月更<br /> 紗の香り。血のにおいでも、死のにおいでもない。生きている彼女のにおい。<br /> そのにおいが、<br /> 触れたぬくもりが、<br /> 如月更紗が生きていると、伝えてくる。<br /> 生首じゃなくて――生きていると。<br /> しばらく体をこすりつけ、居心地がいい場所を見つけたのか、如月更紗は動きを止めて言葉<br /> を続けた。<br /><br /><br /> 274 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:04:35 ID:HJTKs6Y5<br /><br /> 「私としては困るのよ。解決するべき謎なんて一つとしてないのだから」<br /> 「お前にとってはそうかもしれないが、僕にはいろいろあるんだよ……」<br /> 「たとえば?」<br /> 「たとえば――」<br /> 言いかけて、僕は考える。<br /> 解決しなければならない謎は、本当に残っているのか?<br /> 僕は此処にきた時点で、此処にいる時点で、姉さんのことは振り切ったはずだ。姉さんの死<br /> の真相も、姉さんを殺した三月ウサギのことも、すべてはもう関係ないはずだ。僕を慕ってく<br /> れていた神無志乃も、僕を必要としていた姉さんももういない。<br /> 残ったのは、僕と、如月更紗だけだ<br /> 如月更紗さえいれば――それでいい。<br /> ……もういいんじゃないのか?<br /> 心の中にいる僕がひっそりとささやく。もういいんじゃないかと。ここで終わっていいんじ<br /> ゃないかと。ハッピーエンドと、ここでエンドマークをうってもいいんじゃないか。すべてを<br /> 捨てて、如月更紗といつまでもいつまでも幸せに生きました――それでいいじゃないか、何が<br /> 悪い。<br /> 何もかもが悪い。<br /> ささやいてくる自分自身に突っ込みをいれる。何が悪いって、悪いに決まってる。ハッピー<br /> エンドなんて冗談じゃない。<br /> 終わるときは――死ぬときだ。<br /> まだ、終わるわけにはいかない。<br /> 終わることを、僕は選ばなかった。<br /> 続くことを、選んだのだから。<br /> 如月更紗と、共に。<br /> 「……如月更紗。ハッピーエンドとまではいわなくても、そろそろ何も問題なくハッピーって<br /> 言い切ってもいいものなのか?」<br /> 言葉を選んだ僕の問いに、如月更紗ははっきりときっぱりとただの一言で返答した。<br /> 「無理」<br /> 「またあっさりと切り捨てたな!?」<br /> 「それは無理なのよ冬継くん――そうとも無理なのさ冬継くん。何も問題がないというには<br /> 、問題がありすぎる」<br /> 「…………」<br /> 問題が――ありすぎる。<br /> 解決編には、まだ遠い。<br /> 如月更紗の言葉を、ゆっくりと、ゆっくりと心中で咀嚼する。問題。問題が残っている。い<br /> ったいどんな問題が残っている? もはや、姉さんも、三月ウサギも、関係ない。狂気倶楽部<br /> との接点は――<br /><br /> ――狂気倶楽部。<br /><br /><br /><br /> 275 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:05:37 ID:HJTKs6Y5<br /><br /> 「……あ」<br /> 「思い出したかい?」<br /> 横からささやく如月更紗の声には、どこかいたずらめいた響きがあった。最初からわかって<br /> いて言わなかったに違いない。如月更紗とはそういう奴だ。<br /> 畜生。<br /> 「そういや……そんな問題がまだ残ってたな」<br /> 「そうとも、そうだとも冬継くん。私はこの屋上で、最初に、こういったはずよ――貴方は命<br /> を狙われている、と」<br /> そうだ。<br /> そうだったのだ。<br /> いくら姉さんのことをきっぱりと振り切ったからといって――そんなこととは関係なく、僕<br /> は既に狂気倶楽部からマークされているのだった。だからこそ如月更紗は僕を守るといったの<br /> だし、だからこそ――<br /> あの夜に。<br /> 白い服を着た少女に、殺されかけたのだから。<br /> チェシャ。<br /> アリス。<br /> 裁罪の、アリス。<br /> 狂気倶楽部にとっての切り札。『なかったこと』にするために、『終わらせる』ためにやっ<br /> てくる、容赦のない殺人鬼。<br /> 「あの夜、お前が助けてくれなかったら……僕は首をはねられて死んでたんだろうな」<br /> 「猫は首だけになっても死なないそうよ」<br /> 「僕はそんな不思議人間じゃないんだ……」<br /> 白いドレスを身にまとった殺人鬼。僕の命を狙う彼女。<br /> それが、まだ残っていた。<br /> いや――それだけじゃない。<br /> 「それに、神無志乃を殺した、お前の『姉』もいるんだったな……」<br /> そうだ。 <br /> 如月更紗のふりをして、神無志乃の首をはねたあの女が。如月更紗と同じ顔をし、同じ体躯<br /> をもつ双子の姉妹。<br /> 許すわけには、いかない相手。<br /> けれど、隣から帰ってきたのは予想外の反応だった。如月更紗は僕につっついたままわずか<br /> に首をかしげ<br /> 「…………ん?」<br /> と、不可思議そうにつぶやいた。<br /> 心底不思議そうな、納得のいっていないつぶやきだった。そんな反応がどうして帰ってくる<br /> のかがわからない。僕は思わず如月更紗のほうを向いて、<br /> 目があった。<br /> 如月更紗も、僕を見ていた。大きな瞳にまっすぐに見据えられて、吸い込まれてしまいそう<br /> な錯覚を覚える。瞳に、夜の星が映っていた。<br /> 揺るぐことなく、<br /> 如月更紗が、僕を見ている。<br /><br /><br /> 276 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:06:44 ID:HJTKs6Y5<br /><br /> 「冬継くん」<br /> 「なんだよ」<br /> 「ひょっとしてひょっとしてひょっとしてとは思うのだけれど」<br /> 「だから、なんだよ」<br /> 再度問いかける僕に対し、如月更紗は、僕を見たまま、恐る恐ると言った風に言う。<br /> 「私、話していなかったかしら?」<br /> 嫌な予感がした。<br /> 半端なく嫌な予感がした。<br /> 次に如月更紗の口から測れる言葉は、心底ろくでもない言葉に違いないという確信があった<br /> 。そしてその確信を肯定するかのように、如月更紗は僕を見つめたまま、どこか投げやりに、<br /> あっさりと。<br /><br /><br /> 「私の姉さんが、裁罪のアリスだということを」<br /><br /><br /> 寝言に耳を、ぶちまけた。<br /> 「……………………ナニソレ」<br /> 「…………」<br /> 「……おい」<br /> 「…………」<br /> 「初耳だぞ、それ」<br /> 「…………」<br /> 「まったくもって聞いてなかったぞ僕はそんな大切なことを今まで一度たりとも!」<br /> 「星がきれいね、冬継くん」<br /> 「あからさまに話をそらしてんじゃねえ! どうしてそんな大事なことをお前は話してないん<br /> だよ!?」<br /> 「だって」<br /> 如月更紗はすねたような顔をして、遠くに視線をそらして、ほうり捨てるように言った。<br /> 「冬継くんが私を置いて愛人のもとに逃げたからよ」<br /> 「愛人!? 誰だそれは!?」<br /> 「ラ・マンと言ったほうがいいかしら」<br /> 「誰も呼び名を変えろとは言ってねえ!」<br /> もしかしなくても神無志乃のことか。<br /> そういえば……あの夜は話の途中で神無佐奈さんがきて、肝心の会話は途中で途切れたんだ<br /> ったか。もしあの件さえなければ、確かに如月更紗はゆっくりと話せていたのかもしれないが<br /> ……<br /> その後も監禁されたり逃げたりで、まともに話すどころか、あってすらないからな、僕ら。<br /> 仕方がない……のか。<br /> 致命的な仕方なさだけれど。<br /><br /><br /> 277 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:07:54 ID:HJTKs6Y5<br /><br /> 「頼むから如月更紗、僕にもわかるように初めから順序立てて話してくれ。正直僕は、お前ほ<br /> ど狂気倶楽部に詳しいわけじゃないんだ」<br /> さぐったといっても、基本的に秘密主義な集まりだから、そこまで深くはわからなかったん<br /> だよな……そもそも『そういう集まりがある』というところにたどり着くほうが大変だったの<br /> だ。<br /> それでも。<br /> 裁罪のアリスの噂は――聞いていた。都市伝説のような、まがまがしいものとして。どこま<br /> でが本当でどこからが嘘かなんてわからないけれど、それがろくでもないものであることだけ<br /> はわかる。<br /> …………。<br /> そんなモノに命を狙われてるって、どこまで悲惨なんだろうな、僕。<br /> 「そこまで難しい話ではないのよ、冬継くん。裁罪のアリスというのはね」 勝手にへこんで<br /> いる僕に対して、如月更紗はいつものように朗々と、謡うような言葉で言った。<br /><br /> 「誰か個人のことを指すのではなく、裁罪するモノのことを――『アリス』と呼ぶのよ」<br /><br /> 狂気倶楽部の、秘密を。<br /> 「…………裁罪する、モノ?」<br /> どういうことだろう――それは。<br /> 個人を指すのではない。<br /> 狂気倶楽部とは、つまるところごっこ遊びではなかったのか。<br /> 困惑する僕に対し、如月更紗はすりよったまま、子供に言い聞かせるように、ゆっくりと話<br /> し出す。<br /> 「冬継くんのお姉さんが三月ウサギであったように、私がマッド・ハンターであるように、私<br /> の姉さんが白の女王であるように――狂気倶楽部は、誰もが役割を演じている。童話にそって<br /> 、物語にそって」<br /> 「それは――知ってる」<br /> そこまでは知っている。物語の登場人物になぞらえて二つ名を騙り、狂った物語を語る。そ<br /> れこそがお茶会であり、狂気倶楽部なのだと僕は知っている。<br /> そこまでは、いい。<br /> 問題はそこからだ。<br /> 「お前の言葉だと……同じようにいるんじゃないのか、『アリス』を演じてる人が」<br /> アリス。<br /> 不思議の国のアリス。<br /> 永遠の、少女。<br /> それこそ、狂気倶楽部のような集団では人気すぎる、役柄の取り合いがおきてもおかしくは<br /> ない『役』だとは思うのだが。<br /> ……そういえば、三月ウサギもマッド・ハンターも、(厳密には鏡の国ではあるものの)ハ<br /> ンプティ・ダンプティや白の女王も、アリスの登場人物なのか。<br /> 物語。<br /> お茶会。<br /> 符丁なのか……偶然なのか。「お茶会」だからこそ、姉さんはマッド・ハンターである如月<br /> 更紗は仲がよかったのかもしれない。<br /><br /><br /> 278 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:18:00 ID:HJTKs6Y5<br /><br /> 「初めはいたわ、始まりはいたのよ――ただし、永久欠番となったけれど」<br /> 「…………」<br /> 「その代わりに、都市伝説として『裁罪のアリス』という人物が物語れた。そして狂気倶楽部<br /> の人間は、誰かの罪を裁くとき――役柄をアリスへと代えるのよ」<br /> 「なんとなく……わかった」<br /> 裁罪のアリスなんて「人物」は存在しない。<br /> その代わりに、狂気倶楽部の人間は誰もが裁罪のアリスになることができる。いや――なる<br /> ときがある。<br /> 罪を裁くとき。<br /> 狂気倶楽部にとって不利益な誰かを殺すときに、彼らは/彼女たちは、アリスを名乗るのだ。<br /> ・・・・・・・・・・・・・<br /> 物語を終わらせるものとして。<br /><br /> だからこその、都市伝説。<br /> たとえば、如月更紗の姉が、白の女王であると同時に『裁罪のアリス』でもあるのだ――<br /> 「って、ちょっと待った」<br /> 「……?」<br /> いきなり話をぶったぎった僕に対し、如月更紗は目を丸くする。その表情はちょっとかわい<br /> かったが、今はそんなことを考えている場合ではない。<br /> 「まさか、あの夜に僕を襲ったのって」<br /> 「そうだよ」<br /> あっさりと。<br /> 如月更紗は、肯定した。<br /> 「白いドレスに身をまとった首撥ね女王――白の女王陛下。そしてあの時は同時に『裁罪のア<br /> リス』として冬継くんを殺しにきたのは、私の姉さんだよ」<br /> 「…………」<br /> 本当にろくでもない回答が帰ってきた……<br /> あのときに一言でもいってくれれば、あとの展開が楽だったのに……ああでも、やっぱりあ<br /> のときにもそんな余裕はなかったし……<br /> 否。<br /> そもそも、向こう側が気づかれないようにしていたのか。たぶん、『白の女王』は、はじめ<br /> からすりかわるつもりだったのだろう。そのために、できるかぎり言葉をしゃべらず、如月更<br /> 紗と同一の顔を隠していた。<br /> 伏線は、いろいろ張っていたわけだ。<br /> たぶん……姉さんのことをふっきらなければ。如月更紗の家にいかなければ。この屋上にく<br /> ることなく、図書館に向かっていれば。<br /> 僕は――その伏線にひっかかっていた。<br /> その果てにどうなっていたのかは、考えたくはない。考える必要も、ないだろう。今、僕は<br /> こうして屋上にいるのだから。回りくどい白の女王の計画は、終えたと考えてもいいはずだ。<br /> ただ一点。<br /> 彼女が何のためにそんなことをするのかが、わからないけれど。<br /><br /><br /> 279 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:18:43 ID:HJTKs6Y5<br /><br /> 「姉さんは」<br /> 僕の疑問を読み取ったかのように、如月更紗はぽつりと、<br /> 「私のことを壊したいほどに好きで、殺したいほどに嫌っているから」<br /> その声は。<br /> 聞いたこともないくらいに――弱弱しい声だった。力のない、今にも消えてしまいそうな声。<br /> それは、たぶん。<br /> その言葉は、他の誰でもない、如月更紗の本音だったのだろう。<br /> 双子の姉妹。<br /> 双子の、狂気倶楽部。<br /> 彼女たちの間に何があったのか、僕は知らない。それは立ち入れることではないし、決して<br /> 立ち入っていいことではないはずだ。<br /> それはまた、別のお話。<br /> そういうことなのだろう。<br /> 「……つまり、ただの嫌がらせか」<br /> 茶化すように僕が話をまぜっかえすと、同じように如月更紗は唇の端をつりあげて、からか<br /> うように答えた。<br /> 「そうね。妹によりつく悪い虫を――いじめたかったのだろうね」<br /> …………。<br /> 悪い虫、か。<br /> アリスにはそういえば、芋虫とかもでてきたな。<br /> 妹への嫉妬、か。妹へとよりつく相手の。妹がよりつく相手の。妹が幸せも許せないし妹が<br /> 不幸でも許せない。<br /> かけら。<br /> ハンプティと、ダンプティ。<br /> 「……なあ、如月更紗」<br /> 「なぁに、冬継くん」<br /> 「お前のその話聞いてると……お前があの屋上で近づいてこなかったら、僕は平穏だったんじ<br /> ゃないのか?」<br /> いってからそうでもないことに気づく。如月更紗がこようとこまいと、『裁罪のアリス』は<br /> 襲ってきていたはずだ。ただその中身が、白の女王……如月更紗の姉でないというだけで。そ<br /> ういう意味では、アリスに狙われていることをはっきりとしてくれた分だけ、如月更紗がきて<br /> くれてよかったというべきなのだろうか。<br /> いや……それでも。<br /> 白の女王がこなければ、神無志乃は死ななくてすんだはずだ。<br /> けれど。<br /> 如月更紗がこなければ、僕は、如月更紗と出会うことはなかった。<br /> どちらなんて、選べない。<br /> どちらかを――選ぶしかない。<br /> はじめから。<br /> 如月更紗も、神無志乃も、姉さんもだなんて……そんなことが、できるはずが、なかったのだ。<br /> 僕は立派な人間でも、<br /> 真人間でもないから。<br /> 抱えることができる相手なんて――一人で精一杯だ。<br /> 手をつないで、<br /> 寄りかかって歩いていくことしか、できない。<br /><br /><br /> 280 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:19:26 ID:HJTKs6Y5<br /><br /> 「そうでもないよ。姉さんがこなくても、他のアリスがきていただろうし。そもそも――」<br /> 案の定、如月更紗はそういって。<br /> それから、<br /> 今までとはがらりと表情をかえて。<br /> 僕を見上げて、こういった。<br /><br /><br /> 「私もまた、裁罪のアリスなんだよ、冬継くん。君を殺すように命令された――ね」<br /><br /><br /> …………。<br /> 右手には、魔術短剣を握ったままで。<br /> 左手は、如月更紗につかまれていて。<br /> 二人の他には、誰もいない。<br /> 僕と、<br /> 彼女の、<br /> 二人だけだ。<br /> だから僕は、いつものように「へぇ」とだけ頷いた。如月更紗は目を細め、 <br /> 「……驚かないのかい?」<br /> 「そんなことだろうとは」僕はため息を吐いた。「思ってはいたんだよ」<br /> チェスのポーンがクイーンになるように。<br /> 狂気倶楽部の誰もが裁罪のアリスに成るというのならば。<br /> 如月更紗がそうであたっとしても、おかしくはない。<br /> それだけのことだ。<br /> 「……逃げないのかい? 私は、君を殺すためにいるかもしれないのに」<br /> 「お前な」<br /> 僕はもう一度、深々とため息を吐いた。<br /> なんというか……今更馬鹿みたいな話だけど、実感した。如月更紗は、如月更紗なのだ。<br /> なぜって。<br /> そんな物騒なことを言う如月更紗の顔は――にやにやと、にやにやにやと、とても楽しそう<br /> に笑っていたから。<br /> 「お前が僕を守るって言ったんだろ……あの言葉を、嘘だなんて思えねえよ」<br /> それに、殺すだけなら、いつでもできたはずだ。<br /> 否――そんな理屈はおいといて。<br /> 如月更紗がそんなことをするはずないだろうと思う程度には、僕はもう、こいつに入れ込ん<br /> でいたのだ。<br /> そうでなければ、今、此処にはいない。<br /> 「そういってくれて」<br /> 僕の言葉に如月更紗は、僕に抱きつくようにしたまま、器用にも肩をすくめた。<br /> 「私はうれしいかぎりだよ」<br /> その言葉に――きっと、嘘はないのだろう。<br /> 如月更紗は、僕を好きだといっていた。<br /> 彼女が僕を好きでいてくれて、守るためにそばにいてくれている。<br /> それだけは――もう疑うことが、できるはずもない。<br /> 「なあ、如月更紗」<br /> 僕は再び、彼女に問いかける。<br /> ふと、疑問に思ったのだ。<br /> 如月更紗は、僕を好きだといってくれた。<br /> それはいったいいつから、そしてどうしてなのだろうと――そんな、普通な学生同士のような<br /> 質問をしたくなったのだ。<br /> けれど。<br /> その質問をする機会は、永遠に失われた。<br /><br /><br /> 281 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:20:16 ID:HJTKs6Y5<br /><br /><br /><br /> かつん、と。<br /><br /><br /> 音一つない夜の屋上に――音が響いたからだ。<br /> 「…………」<br /> 「…………」<br /> かつん。<br /> かつん。<br /> かつん。<br /> 気のせいではなかった。僕と如月更紗は声を殺し、音を殺し、耳をすます。かつん、かつん<br /> 、かつん。上ってきている。音は屋上と校舎を区切る扉の向こうから聞こえてきていた。かつ<br /> ん、かつん。上ってきるのだ。<br /> 誰かが、屋上に来ようとしている。<br /> 誰か。<br /> 考えるまでもなかった。この状況で、屋上を訪れるのが、他にいるはずもない。<br /> かつん。<br /> 音を聞きながら、如月更紗が体をよせ、そっと耳に唇を近づけてささやいた。<br /> 「決着の時間さ、幕引きの時間だよ。いつまでも冬継くんがこないので、しびれをきらしたの<br /> だろうね」<br /> そうか、と僕は今更ながらに納得する。如月更紗が動かなかったのはこのためか。<br /> 向こうから、きてもらうために。<br /> もともとこの場所を指定したのは白の女王なのだ――なら当然のように、僕を殺すために何<br /> らかの罠があってもおかしくない。そうでなくとも、明かりのない夜の校舎を歩くには危険すぎる。<br /> そのアドバンテージをなくすために、屋上で待ち構えていたのか。<br /> 相手が痺れをきらして、校舎中を探し出すまで。<br /> あるいは、如月更紗が此処にいることだけは知っていて、やってきたのかもしれない。<br /> どちらにせよ――<br /> 決着のときだ。<br /> 僕は右手に握る魔術短剣を、強く強く強く握り締める。<br /> これが、最後なのだ。<br /> 決着をつけなくてはならない。今更のように、僕は覚悟を決める。その結果――たとえ人を<br /> 殺すことになったとしても。この町を永遠に離れることになったとしても。<br /> 彼女を――打倒する。<br /><br /> 僕は如月更紗に、言いいたいことがあるのだから。<br /><br /><br /><br /> 282 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:21:04 ID:HJTKs6Y5<br /><br /><br /> かつん、かつん、かつん。<br /> かつ。<br /> 音が、途切れた。<br /> 気配がある――それは気のせいなのかもしれないけれど、たしかに気配があった。<br /> 扉の向こうに、誰かがいる。<br /> そっと、僕は如月更紗を抱きかかえたままに、立ち上がる。如月更紗もまた、僕に身を寄り<br /> 寄せたままにたち、左手でキャリーケースをひきよせた。<br /> どくん、と。<br /> 僕か如月更紗の心臓の音が、聞こえたような気がした。<br /> その音を掻き消すようにして。<br /> ――ぎぃ、と。<br /> 扉のノブが――回った。<br /><br /><br /> 「ほぉら、ほぉら、見てごらん――アリスがやってくる。お茶会を終わらせるために」<br /><br /><br /> そうして。<br /> 如月更紗の言葉に答えるようにして――ノブが回りきる。一拍の間をおいて、重い鉄扉がゆ<br /> っくりと、ゆっくりと、ゆっくりと開いていく。<br /> 扉が、開いていく。<br /> その向こうには。<br /> 暗い校舎から、ゆっくりと、月明かりに照らされていくそこには。<br /> 「…………白の、女王――」<br /> 如月更紗とまったく同一の、顔。<br /> あの時、あの夜に見た、神無志乃の首を跳ね飛ばしたあの顔が、そこにあった。変わること<br /> のない表情を浮かべて、月明かりの中、その顔が、<br /><br /><br /><br /><br /> ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・<br /> その首が、すとんと地面に落ちて撥ねた。<br /><br /><br /><br /> &lt;続く&gt;<br /><br /> 283 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:23:15 ID:HJTKs6Y5<br /> 以上、投下終了です<br /> 書いてて思ったけれど本当に裏ルート……楽しめていただけたら幸いです<br /> 強調点ふってるところがいくつかありますが、ズレてます。ごめんなさい<br /><br /><br /><br /> 284 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:26:47 ID:hH6Xw1AI<br /> リアルタイムGJ!!<br /> 続きが非常に気になる<br /><br /> 285 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:28:39 ID:Mj73xpsy<br /> 一番槍GJは頂いた。<br /><br /> アリスのデザインが問題点になるのは分かっていたけどいざとなるとわりかし凹む…。<br /> この際全キャラデザインをVer2.0にアップデートするしか!<br /> という内輪では二回目な話。<br /><br /> 286 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 08:29:18 ID:Mj73xpsy<br /> 一番槍じゃねえ…orz<br /><br /> 287 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 09:06:32 ID:4xkL06fv<br /> &gt;&gt;283<br /> 更紗と冬継君のデレっぷりに身悶えして萌えた。<br /> そして今回で結末がさらに予想できなくなった……<br /> wktkと不安が止まらない<br /><br /> 288 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 09:09:51 ID:G9fNGH9t<br /> &gt;&gt;283 GJ!<br /> うわ…、裏だけあってテンポが速いな。<br /> &gt;&gt;286<br /> 伊南屋さん、それは全キャラ別々のアリスVerってことすか!?<br /><br /> あと、某SS投稿掲示板サイトのその他板の『EX=Gene』<br /> に出てくる華神さんがヤンドジに近いかな~とか思うのです…。<br /> 病みまくってるわけではないですが…、まあ軽くズレてます。<br /><br /> 289 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/23(木) 09:19:11 ID:Mj73xpsy<br /> &gt;&gt;288<br /> 最初、「なにをバカな事を…」と思ってしまったけど、成る程そうか……誰しもがアリスになれるのならば、それは逆に現時点で顔を晒しているアリスのデザインを少なくとも「白の女王ではないアリス」という事にすれば更紗とのデザイン問題は解決されるのか。<br /><br /> 290 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 12:17:10 ID:+vnpqrPk<br /> &gt;&gt;283<br /> GJ!<br /> 「愛人のもとに~」発言前後のさりげない嫉妬がイイ!<br /> 更紗可愛いよ更紗<br /><br /><br /> 291 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 12:22:52 ID:ZrfKlO2A<br /> &gt;&gt;283<br /> GJ!<br /> お茶会シリーズはプロのものみたいに待ち遠しいw<br /><br /> 292 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 13:47:53 ID:eFvv16U2<br /> もうね、出版しろ<br /><br /> 293 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 13:56:38 ID:5kbIL8og<br /> いない君といる誰かのHPを見ているだけで凄いと思うのですよ<br /><br /> 294 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 14:02:01 ID:SVmAol79<br /> あれ?<br /> ゲーム化とか言ってなかったっけか?<br /> あと選択肢有りな紙媒体ではかなり読みにくい気が。<br /><br /> というかヤンデレって一般に需要あるんだろうか。<br /><br /> 295 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 15:36:01 ID:ZMIviEdW<br /> この方の文章は、紙媒体で購入すると<br /> 繰り返し表現が行数稼ぎに見えてしまう希ガス。<br /><br /> 296 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/23(木) 23:17:30 ID:L0qxBvt1<br /> なに、気にすることはない<br /><br /> 297 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 00:18:35 ID:9OXj3OBb<br /> &gt;&gt;283<br /> あーうー<br /> いつもながら読んでいて不安になる<br /> 例えまとめて出版されても休みながら読むよw<br /><br /><br /> ヤンドジは考えてみたら視点をどこに置くかが難しかった<br /> 神の視点だとヤンドジ娘と周囲のズレの解説が必要だから、みんなの心情描写が入り乱れて読みづらいし<br /><br /> 298 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:06:54 ID:y4l1tHkh<br /> &gt;&gt;294<br /> 何、ルート別に本を出せば問題ない<br /> そうすれば二倍量売れて読者も選んで読めてみんなハッピー<br /><br /> 299 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:33:44 ID:xklRQrCy<br /> 昨日描いたっきり投下するの忘れてた<br /> 如月更紗<br /> http://imepita.jp/20070824/055220<br /> 絵柄の変遷にともないデザインは補正がかかっております。あしからず。<br /><br /> 300 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:42:02 ID:xfu0K3iV<br /> ん?なんかみれないんだが・・・<br /><br /> 301 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:43:18 ID:5l7mEwpD<br /> おっきした<br /><br /> 302 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:45:27 ID:QT51TBcr<br /><br /> 彼の病院へ行くこともままならず、そのまま自転車の車輪をゆっくりと転がし、<br /> すれ違ったクラスメイトの蔑視の混じった冷たい視線を背中に浴びているのを感じながら、私は家に帰った。<br /> 居間でお手伝いさんが出してくれた、父が貰ったという玉露と戸棚にしまってある前に作った羊羹とに手をつけた。<br /> 羊羹を見るたびに松本君の為に練習したときの事を思い出す。<br /> 基本的に私は料理が苦手ではないのだが、作るのに苦労した覚えがある。<br /> 彼の為に作るのだから、という理由でこの家に出入りしている、三人いるお手伝いさんの手を借りずに試行錯誤を重ねた。<br /> 本だけに頼りながら、作っていたので形にはなったのだが、それでは誰にだってできること。<br /> 細かいミスはいくつもあったが、その細かいミスを克服するのが一苦労だった。<br /> 自分の学習効果の無さにただあきれるくらいに何度と無く失敗を繰りかえした。<br /> 眺めている写真に写った彼の姿を思い浮かべながら、時間が矢のように過ぎていった。<br /> とりあえず、羊羹を自分で作ってみて、ミスがなくなった頃に、初めて私は彼と接触を取った。<br /> あのとき私が彼に聞いた、和菓子と洋菓子のどちらが好きか、という質問はそんな自分なりの努力の上にしたものであったから、<br /> あっさりと洋菓子と答えられてしまったことに失望感を隠せなかったのだ。<br /> しかし、私はあの質問に別の意味もかけていた。<br /><br /> 303 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:46:27 ID:QT51TBcr<br /> 和菓子と洋菓子―。<br /> すなわち、私とあの害物。<br /> いつだったか、彼が私の黒髪が落ち着いていながら、美しいと褒めてくれたことがあったが、それに相対して、あの害物はブロンドの髪と小柄な姿。<br /> 私だけでなく、普通の人であればその日本人離れした容姿であり人の目を引くだろう。<br /> それは、私も同感であり、私を和菓子に、あの害物を洋菓子に例えた。<br /> しかし、それはあまりに突飛すぎる話であると後になってみて、気がついて人知れず赤面した。<br /> 確かに常人ならば、会ってすぐに、私があの害物よりも好きか、と聞くなどとは思わないだろう。<br /> しかし、私は純粋に羊羹を努力して作れるようになった事と彼をずっと想い続けてきたことに対する見返りが欲しかったのかもしれない。<br /> だから、あれほど常人からすれば、不可解で愚かな質問を呈してしまったのかもしれない。<br /><br /> 304 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:47:33 ID:QT51TBcr<br /> そして私は羊羹を食べ終わり、学校に持ち込んでいる歴史系の本を開く。その際にカード状の何かが落ちてきたことに気がついた。<br /> それは例の村越という、私と一つ違いとは到底思えない程の、まるで小学生と言ったほうが相応しいような女の子の連絡先が記されていた。<br /> 考えてみると、あの少女に関して、妙なことばかり思い浮かぶ。<br /> 前もそうだったが、私が彼女に思うところがあって確認を取ろうとすると、既に彼女はその姿を消している。<br /> それに、害物からすれば先輩格の人間までも味方につけているにも拘らず、親友と思われる彼女に協力を仰がず、<br /> それどころか村越という名の女子は正面きってでは無いが、四面楚歌の私に協力するという。<br /> さらに、今、最も不可解なのは、私は彼女の電話番号を伝えたが、私の電話番号を相手は知らない。<br /> にも、関わらず、彼女は私に連絡する、協力すると、しながらも私の連絡先を素人はしていないことである。<br /> 相手が既に私の電話番号を知っているという可能性はありえない。<br /> 委員会でも、今までにこなしてきた自分の仕事でも、日常生活でもあんなに目立つ子であるにも関わらず、接触することはおろか、会ったことすらない。<br /> 私の学校は生徒数が多いから単に私がその存在を認識していなかっただけ、そうも言えるが、私の電話番号を知っているわけが無い。<br /><br /> 305 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:48:25 ID:QT51TBcr<br /> 連絡網などという旧時代の異物が廃止されたこの学校において、私が電話番号を共有しているのはただ一人、松本君のみだからである。<br /> そうすると、尚の事、彼女の行動が理解できない。<br /> 松本君から電話番号を手に入れるということは、彼女と村越という子に何らかの接点があることになる。<br /> 否、なんらかの接点、というレベルで私の電話番号を教えるだろうか?<br /> 深いつながりがあるのかもしれない。<br /> しかし、朝に彼女は私に松本君の情報を教えて欲しい、そう要求してきた。<br /> これは松本君との深いつながりを否定する材料とできるかもしれない。<br /> もしそうなると、害物から流れてきた、というところだろうか。<br /> しかし、それは何故だろうか?<br /> ろくに内容を頭に入れることができなかった歴史書を閉じ、学校の用具と一緒に鞄にしまってから私は自室に戻った。<br /> 自室に引かれている電話から村越という名の彼女に電話をかける。<br /><br /> 306 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:49:46 ID:QT51TBcr<br /> 繰りかえされる呼び出し音が焦燥感を駆り立てる。<br /> 時間に追われているわけでもないのに、なぜか迫り来る不安感と自分のむき出されている猜疑心から、<br /> 一刻も早く、村越さんと接触を取って、どうして自分の電話番号を聞かなかったのか、ひいては電話番号を知っていたのか、ということを確認したかったのだ。<br /> 無機質な音が繰りかえされる中で、結局のところ自分はあの害物の手のひらで転がされているような、嫌悪感が増幅していった。<br /> この不安をどこにもって行けばいいのか。松本君に打ち明ければ、彼ならばきっと私の為に協力してくれるだろう。<br /> でも、父の言いつけを破ることで、私は非を作るわけにもいかないし、第一に松本君を心配させるだけなので選択できない。<br /> かといってクラスメイトに話せば、それこそ害物の思う壺。担任の田並先生ならば話は聞いてくれるだろうが、十人並みの対応しか取れない。<br /> それどころか不安の原因である、あの害物と話し合いで解決しようとする可能性もある。それは危険極まりない。<br /><br /> 「…あ、あの……、……もしもし?どちらさま……ですか?」<br /> 電話の受話器を伝って、唐突に聞こえてきた声に不意をつかれ、咄嗟に体を強張らせた。しかし、狼狽の色を相手に見せないようにしなければならない。<br /> まだ彼女がどの陣営に属するのかわからないままであるから。<br /> 「…北方です。」<br /> 「き、北方先輩ですか?」<br /> いつものように、震えた何かを恐れるような声が受話器の奥から聞こえてきた。紛れも無く、これは村越智子の声だろう。<br /> 「そうよ。」<br /> いつも多くのクラスメイトに対する機械的な対応と同じような対応をした。<br /><br /> 307 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:51:36 ID:QT51TBcr<br /> 「あ…あの、その、用件は…何でしょう?」<br /> 私はいつもどおりの対応をし、彼女自身も私がどのような態度を取るか知っているはずなのに、今回は奇妙なまでに緊張や恐れ、というレベルを通り越したひどく狼狽の色がその声から感じ取れた。<br /> しかし、私は彼女を安心させて話しやすくしよう、などと思うことも無く、淡々と自分の用件を続けて言った。<br /> 「今朝、あなたは私にあなたの電話番号を伝えてくれた。<br /> けれども、あなたは私の電話番号を知らない。<br /> だからあなたに私の電話番号を伝えようと思って。<br /> それともあなたは私の電話番号、知っているのかしら?」<br /> どのような反応をするか気になったので、そこで話を断ち切った。<br /> 他意がなければ、そのまますぐに電話番号を聞くであろう。<br /> しかし、何か腹に一物、であれば咄嗟に反応が遅れるとか、ぼろが何か出るに違いない。<br /> めぐらした罠に彼女がかかるのを待つことにした。<br /> 暫くしてから、彼女は口を開いた。<br /> 「えっ、あの?私、先輩の電話番号聞いていませんでしたか?」<br /> 「ええ、そうよ。だから、電話番号を伝えようと思って。」<br /> 「……わ、わかりました。…め、メモをとります。」<br /> 狼狽していた彼女がより一層、取り乱していくのが感じられた。彼女に対する、あの害物と裏で繋がっているのでは、という疑いが強まる。<br /> それとも、狼狽してしまうほど、私と接触を取りたくない理由が何かあるのだろうか?<br /> 「村越さん」<br /> 「は、はいっ!」<br /> 「あなた、何か私に隠していること、むしろ、話さなければならない事、かしら…何かあるのでしょう?」<br /> 一言一言を少しずつ切って強調して言った。<br /> 「何もありません、私は先輩にお知らせしなければならないほどの重要な事を知っていません。」<br /><br /> 即答だった。<br /><br /> 不自然なまでに間髪いれず、まるで聞きたくないとでも言うように、即答された。<br /> しかも、さっきまで狼狽していたのが演技だったかのように、淀むことなくはっきりと言った。<br /><br /> 308 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:52:51 ID:QT51TBcr<br /> 「先輩こそ、電話番号、いいんですか?」<br /> 「そうね、電話番号は教えるわ。<br /> でも、あれだけうろたえていたあなたが、それだけはっきりした受け答えを行えた、というのは釈然としない、かしら。<br /> あなたは、何か知っていることがあるのでしょう?」<br /> 「………。」<br /> 「小さいことだと言っても、もしかしたら何かの助けになるかもしれないでしょう?」<br /> 「重要なことじゃない、ですよ。」<br /> 「重要かどうかは、情報を得た私が判断すること。とにかく、何かあったら知らせてくれる、そういったわよ?」<br /> 「………はい。」<br /> 観念したような声で搾り出すように承諾の意を伝えてきた。<br /> そんな彼女の声を聞きながら、先程の恐怖や狼狽にさいなまれている彼女の声が私にはどうも演技か何かのような空々しさを感じていた。<br /> 彼女はやはり、あの害物と協力している、悪くすると、私を貶める側の人間なのかもしれない。<br /> 「では、話しますよ…。先輩がどう感じるか考えると……私は話したくありませんが…」<br /><br /> 309 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:53:43 ID:QT51TBcr<br /> ちぎれた瑠璃色の美しいしおりがゴミ箱に捨てられている部屋<br /> 棚の上の装飾のない、素朴なノートの36ページ目<br /><br /> 今日はあまり気分がよくない。<br /> 夏に相応しくない雨が降っていることもあるだろう。<br /> 病院食が不味いこともあるだろう。<br /> 数週間も外に出ていないで、行動が定められている以上、テレビも特定の番組しか見られないこともあるだろう。<br /> そういえば、アニメの放送内容も近々変わるらしい。確認はしておく。<br /> しかし、今日はそんなありがちな事が原因で、メランコリーを感じているわけではない。<br /><br /> 何故だろう?<br /> そんなのは、昨日、僕が理沙を拒んだ事が関連しているに決まっている。<br /> その行動は、いろいろな事が原因で、元から不安定だった理沙を切り捨て、悲しみの淵に追いやることになった。<br /> 後悔しているかといえば、否だ。<br /> 自分の決断が間違っている、とは思わない。しかし、心は痛む。<br /> 昨日の心からの決意が僕を勇気付けてくれはしたが、やはり後ろめたさは残る。<br /> 数週間に渡って、顔を合わせ続けている、僕の大変な手術の執刀もした医師は好々爺で、今日の診察の際も、僕が考え事をしているのを見て、<br /> 退屈していると取ったのか、趣味のつりの話をしてくれて、退院したら教えてくれると言って来た。<br /> つりに興味の無い僕だったが、生き生きしたこの老人の話に耳を傾けることに苦痛を感じなかった。<br /> その老医師の話では、退院はそう遠くないと言う。<br /> リハビリの器具が重く感じる。<br /><br /> 310 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:54:38 ID:QT51TBcr<br /> 126号室・松本弘行というプレートが掲げられた部屋<br /> 真紅の本の下に置かれたノートの38ページ目<br /><br /> うだるような暑さが襲ってきた。冷房の利きが悪いのか、今日が以上に暑い日なのか。<br /> この天気の大きな変化では、偏頭痛持ちだと言っていた、北方さんは頭痛に苦しんでいるだろう。<br /> 腕のギプスははずしている為、蒸れて気持ちが悪くなることは無いが、汗が肌を伝い、服が皮膚にぺたりと張り付いて気持ちが悪い。<br /> リハビリを続けているが、なかなか苦しいものがある。<br /> 放課後の時間を見計らって、家に電話をかけてみたが、理沙は電話に出てこない。<br /> 未練がましいとは、わかりつつも自分のエゴの為にか、電話をかけている。<br /> 五回かけても駄目だったので諦めることにする。<br /> そういえば、夏休みはもうすぐだ。僕はもう少しで退院だという。<br /><br /> 机の上の真紅の装丁、北方さんの本を再び読んでみた。<br /> 理由は特に、これといったものは無いが、北方さんに似ているヒロインとその結末が気になった、そんなところだと思う。<br /> 理沙がここのところずっと病室を訪れていたが、思い返せば、北方さんのお父さんの提案で、二人ともここにこないことになっていた。<br /> 理沙は弊履(へいり)の如く約束を破ったが、北方さんにはここのところ会っていない。話すらしていない。<br /> だからこそ、本の中の髪長姫と彼女を重ねているのだろうか?<br /><br /><br /> 311 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:55:43 ID:QT51TBcr<br /> リノリウムが味気なく、窓も一つしかない光の届きにくい部屋<br /> 走り書きされているノートの41ページ目<br /><br /> ここ数日の間、この日記をつけていない。<br /> 理由は、本をずっと読んでいたことと、その数日間に北方さんのお父さんが電話をかけてきたので、それに対応していたことである。<br /> 北方さんの本の内容は衝撃的であった。<br /> あらすじを述べると以下の通りだ。<br /> ある老夫婦は長い間、求めていた子供を授かる。しかし、それは難産になり、妻は母子共に助かるために魔女のラプンツェルを望む。<br /> 夫は魔女にラプンツェルを分けて貰い、子供は無事に生まれるが、ラプンツェルとの交換条件で子供は魔女の元に引き取られる。<br /> この少女は魔女に酷使され苦しみながらも、長い黒髪を持つようになり、美しくなっていった。<br /> ある日、魔女の住む森の近くで、自身の父親の死体を発見する。これは、妻と魔女が殺したものだった。<br /> 彼女が年頃になった頃、彼女はたまたま狩りの最中、森に迷い込んだ王子と出会い、魔女の目を盗んでは逢引きするようになった。<br /> これを知った魔女は怒り、王子の許婚の王女は八方手を尽くして、ヒロインを苦しめ、二人の仲を裂く。<br /> それに悲観したヒロインは去り行く王子を横目に墜死を試みる。<br /> が、失敗し、彼女は失明する。本来ならば再び王子との逢瀬を迎えるはずだが、そうではなく悲劇的な結末に終わっていた。<br /><br /> 北方さんのお父さんは、自分の身の回りに変化が無いかということと、最近、北方さんの立場があまり良くないから、退院したらまた、助けてやってくれということを、言っていた。<br /> また、娘を慮って、教師陣にも喝を入れてきたという。その娘を思う気持ちがあるならば、どうして北方さんが幼い時に虐待を止められなかったのか。<br /> 思うところを口にしたら、悲しげに君しか彼女の傍にいてやることはできないよ、とつぶやくように言っていた。<br /> なんとなく、この物語を北方さんが好んで読んでいる理由がわかったような気がした。<br /> このヒロインと自分を重ね合わせて、僕の傍にいたい、と祈願するように言っていたのだとすれば、心が痛む。<br /> 物語のような結末にはしたくない。<br /><br /> 312 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:57:03 ID:QT51TBcr<br /> 面会人も無くいつもどおりの静謐さを崩さない部屋<br /> 切抜きされた新聞と共に棚に置かれているノートの44ページ目<br /> (左ページに切り抜かれた新聞記事が貼ってあり、適宜、赤線が引いてある)<br /><br /> 今日も暑い日のようだ。ミンミンという蝉の鳴く声が鬱陶しい。<br /> 北方さんの立場があまりよくないという彼女のお父さんの話を聞いて、北方さんの事が心配でたまらない。<br /> 冷静で隙を作らず、誰とも価値観を共有しない、そういう状態でいるのは本人自身厳しいことだろうし、周りが悪意をもって彼女に接していたとすれば、殊更だ。<br /><br /> 南雲が今日、僕に夏休みの宿題と新聞を片手に面会にやってきた。<br /> 南雲は成績がよく、冷静な性格で僕の親友である。<br /> 一、二週間くらい前だったか、理沙が僕のところに出入りしていた頃、僕に友人の南雲が北方さんの立場が悪い、むしろいじめに近い状態になっていることを示唆するような連絡を受けた。<br /> スタンガン事件の事と、理沙の事でいろいろと悩んでいてその時は恥ずかしい話だが、気に留めることができなかった。<br /> その南雲曰く、最近はどんどん迫害がエスカレートしているという。僕と南雲の仲間は北方さんが悪い人ではないことを気づいているので、悪意をもって接することはしないという。<br /> 南雲は北方さんにアプローチをかけてみたり、教師の協力を仰いだりしてみたらしいが、北方さん自身が自分の殻に篭っているので、どうすることもできなかったことを伝えた。<br /> さらに、彼女はここ数日の間、北方さんが休んでいるとも言っていた。<br /><br /> 南雲が持ってきた新聞記事は一面にでかでかと載っていた。<br /> 北方さんのお父さんが何者かに刃物で刺されて、重傷の状態で病院へ搬送されたという。<br /> 細かいことは知らなかったが、彼の会社は相当規模が大きく、ここ数日、大きな商談があって山口を訪れていたという。<br /> テレビでもそう報道していた。<br /> 北方さんは一層、悲しい思いをしているだろう。<br /> こんなときに病院を出ることができない自分が嫌だ。<br /> 断るかもしれないが、北方さんと会う必要がある。電話を明日にでも、かける事にする。<br /><br /> 313 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:57:48 ID:QT51TBcr<br /> 壊れた時計の部品が床に転がり放置されたままの部屋<br /> 折れた鉛筆と一緒に置かれたノートの46ページ目<br /><br /> 目覚まし時計が止まっていた。<br /> それだけのはずだった。<br /> 電池を取り替えようとして外蓋を開けたら、何か見慣れぬ機械があった。<br /> 電子工作に詳しい友人の中津曰く、盗聴器だという。<br /> 誰の差し金かはすぐにわかった。<br /> おそらく、この情報を元に北方さんへの攻撃をしたのだろう。<br /> 北方さんへの迫害の首謀者も予想が悪い意味で的中した。<br /> 最初は怒りのあまり、盗聴器が仕掛けられていた時計を床に叩きつけ、壊した。<br /> が、ただ寂寥感と悲しみだけが襲ってくる。<br /><br /> 北方さんは電話に出てくれない。事態はかなり深刻なのかもしれない。<br /> 心配だ。<br /><br /><br /> 314 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 01:58:55 ID:QT51TBcr<br /> 時計の部品が跡形もなく綺麗に片付けられて何事も無かったかのような物静かな部屋<br /> 水濡れで字が見にくくなっているノートの48ページ目<br /><br /> また、この数日の間、この日記をつけていない。<br /> 理由は今回はきちんとあり、理沙が仕掛けたと思われる盗聴器が発見されたことである。<br /> 発見されて、僕は怒りを覚えた。<br /> 監視されていたことに怒りを覚えたわけではない。<br /> その得た情報をいじめに使うことになってしまったことにやり場の無い怒りを感じる。<br /> 自分が自らまいた種が北方さんを苦しめることになっていたことが自分への怒りになっていく。<br /> 友人の南雲は義侠心を奮い起こして、北方さんを救おうとした。<br /> しかし、彼女を助けて当然の僕は逆に、彼女を苦しめてしまった。<br /> 電話に彼女が出てくれないのもそのせいかもしれない。<br /><br /> もしかしたら、取り返しのつかない事態になりつつあるのかもしれない。<br /> でも、まだ何とかなると信じている。いつも何とかならないことだと思っていたことを何とか成功させることができたのだ。<br /> だから、ここで諦めたくは無いと思う。<br /> 盗聴器は破壊したから、もう漏洩した情報によって北方さんが苦しめられることは無い。<br /> でも、彼女自身は心に傷を負っている。<br /> それを癒すことができなければ、僕は彼女を愛している、などと言う資格はない。<br /> それと同時に、何とか理沙にストップをかけなければならない。<br /> それこそが、兄である義務だと思うから。<br /><br /> 最近、休養は完全なはずなのに、疲労が取れずにいる。<br /> リハビリもうまくいっているのだ。ここで、ダウンするわけには行かない。<br /> もう、退院まで後、数日だ。<br /><br /><br /> 315 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 02:00:15 ID:QT51TBcr<br /> 朝、いつものように寝ぼけ眼をこすりながら、厳しい目覚めを迎える。<br /> 冬ほどは苦痛ではないのだが、やはり朝起きるのは厳しいものがある。<br /> 今日は退院の日だというのに、僕はあまり浮かれる気分にはなれない。<br /> その証拠に寝汗の気持ち悪さが、窓の外に見える美しい青空の清清しさに勝っている。<br /> 身体ももう十分に動くに等しい。しかし、それは感慨深いものではなく、<br /> 土手から落ちる前には当たり前だった事が当たり前に行えるようになっただけの事なのだが。<br /><br /><br /> 到底、感慨などには浸ってはいられない。<br /> 退院後に自分がしなければならないことが山積みであることは明白なのである。<br /> 食べ慣れて、もはや酷いという感想すらも抱かなくなった朝食―。<br /> 生ぬるい味噌汁を口を湿らせ、不味いご飯を口にしながら、骨の取り除かれている鮭に手をつける。<br /> 前ならば、下らない冗談を言っていたであろう光景にも取り合わない。<br /> いつもどおりに、例の好々爺の診察を受け、満面の笑みを浮かべた彼はとうとう退院であることを告げ、次は釣堀で会いましょう、などと茶目っ気に言った。<br /> この老医師が手術してくれ、僕の為に少なからず心を砕いてくれたことに対して、素直に感謝の意を述べた。<br /> それから、この老医師は看護婦に命じて、彼が全ての退院する患者にするように手品を見せてくれた。<br /> なかなか、技も巧緻で、冗談も織り交ぜられたそれは僕の片頬を自然と緩ませた。<br /><br /> それから、僕は部屋にある自分の道具を退院の為に片付ける。<br /> ベットの掛け布団やらシーツ、それからカーテンは既に取り外されている。<br /> 入院している間は、このベットの近くの棚に届いた手紙が届けられるのだが、退院する今日、珍しくその場所に手紙が置いてあった。<br /> 綺麗な封筒に達筆な見覚えのある字。<br /> 宛名に松本弘行様、とだけ書いてあることに気がついた。<br /> 差出人の名はそこには記されていなかったものの、それが誰がよこした手紙かは一目瞭然だ。<br /> 背筋が寒くなるような嫌な予感と共に、封をはさみが無かったのでビリビリと乱暴に破る。<br /> 中に記されている内容を見て僕は愕然とした。<br /><br /> 316 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 02:02:32 ID:QT51TBcr<br /> 拝啓<br /><br /> 松本君、ご退院おめでとうございます。<br /> 本来ならば、松本君の退院を祝い、迎えに行くことが当然だと存じておりますが、訳あって手紙のみである事をお許しください。<br /> こんな他人行儀な書き方をするなんて、変な感じだけれども、気にしないでいただけますか?<br /><br /> これは、何もかも決着をつけるため。<br /> 決着をつける、と唐突に書き出されても、あなたは混乱するだけ、それは分かっています。 <br /> 松本君が入院している間に、いろいろな事情があって、私はいろいろと考えました。<br /><br /> そして、結論するところは私は松本君に会うべきでないし、その傍にいるべきでない――という事。<br /><br /> あの日、私が松本君に言った「あなたの傍にいたい」という言葉。<br /> こう聞くと、その言葉が真実でなかった様に感じられるかもしれません。<br /> けれど、私は今でもあなたを愛している気持ちにかわりは無いです。<br /> 何故会えないかは、ニュースを見ているならば、そして、あなたの親友が伝えてくれた事から察していただけますか?<br /> あなたの親友は、いろいろと裏で私を助けようとしてくれたようで、私は感謝しています。<br /> 全て事が済んだら、彼らに北方が感謝していた、そうお伝えください。<br /><br /> そして私が一番感謝しているのは、松本君、あなたです。<br /> あなたと出会えて、わずかな期間だったけれども、無意味と思われた生に意味を見出すことができた。<br /> 私はあなたと同じクラスであり続けた長い間、何もアプローチが取れずにいたけれど、あなたの事が好きでした。<br /> あなたの存在だけが私の行く先を明るく照らしていたのです。<br /> 人に嫌われる蛾であっても、その行く手を照らす光だけが私を拒まずにいたのです。<br /> その光を求めるあまり、一種の憎悪を心の奥底に秘していた時期もありました。<br /> それは、ご想像の通り、あなたの妹さんに向けられていたものです。<br /> そのために、今、自分はこの運命を迎えることになるのだということを悟っています。<br /> ただ、あなたと同じ時間をあなたと同じ様に過ごしてこれたことが夢の事のように思い出されます。<br /> しかし、このままでは松本君に悪い影響を与えてしまうのは明白です。<br /> それはあまりに忍びないことです。<br /> 全てが終わってからも、愚かな女であったと蔑まれるのは御免蒙りたいものです。<br /> かなり長くなってしまい、しかも未練がましくなってしましたが、この辺りで切らせていただきます。<br /> 願わくば、私の存在など早く忘れ去って欲しい、それだけです。<br /><br /> 敬具<br /><br /> 追伸<br /> 和菓子と洋菓子、今はどちらのほうが好きですか?<br /><br /> 317 名前:和菓子と洋菓子[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 02:03:37 ID:QT51TBcr<br /> 一文一文を読むごとに切々と悲愴感と決意を感じた。最後まで達筆な字で記されており、彼女の意思を覆す事はできないようにも感じられた。<br /> しかし、これほどまでに悲しい結末があっていいのだろうか。<br /> そんなことは絶対にあってはならないし、バットエンドは許さない、そう僕は心に決めたではないか。<br /> にも関わらず、ここで諦めるわけにもいかない。<br /> 僕のうぬぼれ云々を無視しても、彼女は死にたくない、そう、心の中では思っているに違いない。<br /><br /><br /> そのとき、血相を変えた看護婦が入ってきた。そして、青ざめた僕を引っ張って、電話台の前につれてきて、受話器を握らせた。<br /> 「もしもし、松本理沙さんのお兄さんですか?」<br /> 「は、はい、そうですが。」<br /> 「こちら大村病院のものなんですがね、実は、あなたの妹さんの理沙さん、服毒自殺を図ったんですよ。」<br /> 再び、後頭部を殴られるような衝撃を受けた。<br /> 「もしもし?まだ、毒物が強いものものらしく、現在急いで、応急処置が取られているところです。」<br /> 「あなたのお父さんが、あなたの退院を迎えに行く際に、倒れている理沙さんを発見したのですが……すぐに来てもらえませんでしょうかね?」<br /> わかりました、とだけ言葉少なに答えて受話器を置いた。<br /><br /><br /> A.北方さんの理不尽で無意味な自殺を思いとどまらせる<br /> B.兄としての自責と義務から病院へ搬送された理沙の元に向かう<br /> C.どちらを選択することもできず、どうすればいいのかわからなくなってしまった<br /><br /><br /> 318 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 02:05:29 ID:QT51TBcr<br /> 以上です。<br /> 次回で最終回、というわけではないのでそのつもりで。<br /> お目汚し失礼しました。<br /><br /> 319 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 02:08:39 ID:L6UUqBKK<br /> リアルタイムGJ!<br /> 投下乙です!!<br /><br /><br /> rァA<br /><br /> 320 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 02:12:31 ID:cJpPwEqt<br /> &gt;&gt;318<br /> GJ!<br /> 色々裏がありそうでどれを選んでも明るい未来が見えねぇw<br /> 本通りなら北方さん失明フラグか…<br /><br /> 321 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 03:09:32 ID:DUF7aLFO<br /> 上書きの続きはまだかなあ<br /><br /> 322 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 04:33:36 ID:b7zQ9akP<br /> その看護婦は本当に看護婦かな…?ニヤニヤ<br /><br /> 323 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 04:40:38 ID:RmwHbSLg<br /> &gt;&gt;317<br /> 初期の頃は松本君のお馬鹿さを笑って読んでいたのにいつの間にかこんな事になっちゃって。<br /> 明るい未来が見えないけど北方さん派としては彼女だけでも救ってほしいのさ。<br /> てことで選択肢選べるならA<br /><br /> 324 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 12:15:14 ID:/eyWITqa<br /> Aだって? 俺は……俺はBだ。<br /> &amp;#160;...........<br /> 遺書がまともだからこそ逆にヤバいと思うぜッ!<br /> だいたい妹を放っておけるわけがねえ!<br /> それに北方さんはああやっていつでも弘行を待つようなヤツなんだ。<br /> 遺書まで届けておいて何も備えてない訳がないッ! <br /> 彼女を止めるほど危険なことはねえと予想するぜッ!<br /> 無理心中につきあいに行くよーなもんだからな。<br /><br /> 325 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 13:32:32 ID:6XHNIdsW<br /> 最初からずっと北方さんを見守ってきた俺はAを選ぶぜ<br /><br /> 326 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 15:07:38 ID:6d01pzQn<br /> &gt;&gt;318GJな作品投下乙です。<br /> 俺は半官びいきなんでAを選んで欲しい。<br /> 幼少時代に母親に虐待され、やっと見つけた愛しい人に大怪我を負わせてしまい、<br /> 想い人に会うこともできず、周囲からの誤解と偏見に塗れて孤独に耐える。<br /> これで自殺したら救いが無さ過ぎるんだぜ…<br /><br /> &gt;&gt;322看護婦さんが本物である確率は2分の1…ニヤニヤ<br /><br /> 327 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 17:47:13 ID:s10+ZQpz<br /> 最近、キモウト、キモ姉好きかつヤンデレ好きの俺はヤンデレ小説を見るとキモウト分が足りなくて、キモウト小説を見るとヤンデレ分が足りなくて不完全燃焼なんだ。<br /> かと言って両方含まれてる小説はすでに読んじゃったし…<br /> 俺はどうすればいいんだ?<br /><br /> 328 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 18:04:37 ID:6HCir2vs<br /> とりあえず、筆を取れ。<br /><br /> 329 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 18:34:58 ID:dvXzRt97<br /> そろそろ、嫉妬スレとキモ姉とキモウトスレとヤンデレスレは統合するべきなんだがな・・・<br /> これは正に任天堂とソニーとセガを合併させたぐらいの衝撃だぜw<br /><br /> 330 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 19:01:09 ID:rgfQBwoS<br /> 何がそろそろなのかわからんが<br /> 別に現状維持でいいだろ、統合するメリットもないし<br /><br /> 331 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 19:10:25 ID:YQhxHQi7<br /> 流石に、それら全部統合したらカオス度がヤバイことになる気が…。<br /><br /><br /> 332 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 19:12:51 ID:/4aVZPct<br /> &gt;&gt;327<br /> あれ、俺がいる<br /><br /> 333 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 19:44:47 ID:xfu0K3iV<br /> &gt;&gt;327じゃあ、二次創作モノだけど・・・<br /> ttp://www.ne.jp/asahi/uriel/undead/homepage/foradult/tien.htm<br /><br /> 334 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 20:28:09 ID:+j3OrJBb<br /> &gt;&gt;327<br /> 実際に自分でヤンデレとかキモウトとか製作するよろし(`・ω・´)<br /> なんと言うことでしょ~、今まで暇過ぎて平凡だった日常が、あっという間にブラックに染まってしまいました~。<br /><br /> 335 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 20:42:24 ID:6HCir2vs<br /> &gt;&gt;333<br /><br /> 相変わらず、エヴァ系の二次創作は地獄だな。<br /><br /> 336 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/24(金) 23:41:55 ID:xklRQrCy<br /> 画像の回転は各自よろ<br /> グレーテル/聖域<br /> http://imepita.jp/20070824/832130<br /><br /> 337 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/24(金) 23:52:16 ID:RmwHbSLg<br /> &gt;&gt;336<br /> 背景あるのって珍しい<br /> カワユスw<br /><br /> 338 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 00:11:47 ID:4tCuYsCo<br /> &gt;&gt;327<br /> サキュバスの巣にでも行くとよろし。<br /> &gt;&gt;329<br /> つかもともと嫉妬修羅場スレから派生したスレなんだよな。ここもキモ姉妹も。<br /> キモ姉妹スレは当初削除しろ、削除しろ言われまくりだったが。<br /> よくここまで成長したものだ。<br /><br /> 339 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 00:51:29 ID:b7UHEM/x<br /> &gt;&gt;338<br /> キモ姉妹は派生というより<br /> お調子者が荒らし対策で黙って勝手に立てたスレだからなあ。<br /> 元々必要ない重複スレだったからそりゃ叩かれるというか。<br /> 今でもどっちに投下するか迷うって作者さんたまに見かけるし。<br /><br /> 340 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 01:36:26 ID:GafcOh4r<br /> まあ唯一明確な存在価値があるとしたら<br /> キモ姉とキモウトの両方が出てくる作品かな<br /> これは姉スレにも妹スレにも投降し辛いだろうし<br /> ヤンデレというほど病んでないならここにも持ってきにくいだろうし<br /><br /> 341 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 01:53:37 ID:mc1H43oy<br /> 和菓子と洋菓子の人GJ!<br /> Aで<br /><br /> 342 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 02:18:01 ID:hOtIQyeQ<br /> 各作者GJ<br /> ヤンデレ+ハッピーエンド(正負両方の意味で)が好きという俺は北方さんには全力で生きて欲しい<br /><br /><br /> あと今更ながら&gt;&gt;255に感銘を受け書けもしないSSに取り組んで悶絶中<br /> 誰かサイダネ下さい<br /><br /> 343 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 02:28:35 ID:Eb4oOWjB<br /> &gt;&gt;342<br /> 失敗を重ねてから監禁成功していただきたい<br /><br /> 344 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 12:05:06 ID:O+Y56tV4<br /> エアマスターの登場人物は全体的に病んでる気がするんだが<br /> どうだろう<br /><br /> 345 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 12:53:21 ID:5NmSoNgG<br /> &gt;&gt;329<br /> あっちは人が多いし荒らしとか説教厨が居るし合わない。<br /><br /> 346 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 12:54:22 ID:5NmSoNgG<br /> キモ姉妹スレは平和だけど。<br /><br /> 347 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 13:01:24 ID:RpmaySt/<br /> ヤンデレだらけです。ぜひ一度…<br /> http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185376097/l50<br /><br /> 348 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 13:01:28 ID:5tjedcyo<br /> キモ姉妹立てた人は賢いな・・・w<br /> スレを分散することによって、荒らしを分散させたし<br /> 名作品もあちらに投稿されているし、一石二鳥だよw<br /><br /> 349 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 13:31:29 ID:XiY6mELc<br /> 実験的作品の続きが読みたい…作者さんみてるかな?<br /><br /> 350 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 15:48:37 ID:mPP+Kggb<br /> &gt;&gt;345<br /> そんな理由でもったいないな、まとめで作品ぐらいは読んでも損はないと思うぞ<br /><br /> 351 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 19:36:01 ID:UOhwOojG<br /> &gt;&gt;348<br /> キモ姉妹スレの名作品ってどれよ?あっちにはあんまり行かない俺にはわからん<br /><br /> 352 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 20:40:12 ID:vmgpIKYk<br /> &gt;&gt;351<br /> キモウトなら綾シリーズが俺は最高だな。<br /><br /> 353 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 20:41:17 ID:nSn1dzz8<br /> 全ての完結作品、特に『籠の中』は是非読むべきだ<br /><br /> 354 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 21:06:00 ID:HFqkmS+u<br /> てゆーかいい加減スレ違いだからあっちでやってくれないか。<br /><br /> 355 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 21:42:55 ID:5NmSoNgG<br /> &gt;&gt;350<br /> どう言う意味かkwsk<br /><br /> 356 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 00:43:43 ID:zr2HIWTO<br /> 余所スレの話題をわざわざここでするな長々と<br /><br /> 357 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 01:48:49 ID:qyDNIngt<br /> ヤンキーデレを書いてみてるが、<br /> ヤンキー少女のイメージがすっげぇ90年代なんだけど、これでいいんかな。<br /><br /> 358 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 01:57:30 ID:+bC9FFvk<br /> &gt;&gt;357<br /> あれか、「ああっ?ヨーヨーぶつけんぞ!」ってやつか。<br /> wktk<br /><br /> 359 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 02:37:44 ID:ILv7qhnx<br /> &gt;&gt;357<br /> ヨーヨー?それは楽しみだ<br /><br /> 和菓子と洋菓子の人の選択肢のCとか選ぶとどうなるんだよ<br /> なんか予測できないか?<br /><br /><br /> 360 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 05:32:15 ID:DNQ/tzPb<br /> ヤンデレ大全には竜宮レナが出ているそうです。<br /> これはもう買わないっきゃないね。<br /><br /> 361 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 05:48:29 ID:WXcByhlW<br /> どうでもいいけど、ひぐらしってサイレンのパクリだよな<br /> 一章だけやけに出来が良いのも頷ける<br /><br /> 362 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 08:35:02 ID:vqoA6ndA<br /> &gt;&gt;361<br /> パクリというか、参考にした作品の一つだから似ているのはしょうがない<br /><br /> 363 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 09:01:34 ID:Z1J0d6ff<br /> &gt;&gt;360<br /> レナってヤンデレではないだろ<br /><br /> 364 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 09:23:52 ID:jENU7zoN<br /> &gt;&gt;360<br /> &gt;&gt;361のSIRENで思い出したが、<br /> 恩田美奈は出るだろうか・・・<br /><br /> 彼女は立派なヤンデレなんだが<br /><br /> 365 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 09:28:54 ID:MULPUq+i<br /> サイレンってゲームのSIREN? そして一章って鬼隠しのことか?<br /> それなら確か、ひぐらしの方が先に発売されてなかったっけ。<br /> SIRENが2003年で、ひぐらしが2002年だと思ったんだが。<br /><br /> 366 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 09:37:36 ID:ont0BS9V<br /> &gt;&gt;363<br /> 罪滅し編「だけ」を見れば充分ヤンデレだと思う<br /> 疑心暗鬼の病状が発症しても主人公には心開いて電波垂れ流して洗脳しようとするし、<br /> 親友が主人公に色目を使うって鉈でぶちのめすし<br /> 奇病という踏み台があるもののレナの一人称の文章が最初はほのかな好意を暖めているピンク色からグロい赤色に変わる過程もまさにヤンデレ<br /><br /> 367 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 10:04:40 ID:zr2HIWTO<br /> はいはい<br /> http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1176207104/<br /> http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1176178896/<br /><br /> 368 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 10:23:43 ID:bLFuVEdZ<br /> &gt;&gt;360は<br /> >これはもう買わないっきゃないね。<br /> つまり「買う必要なし」という意味の発言だと誰か気付いてあげて下さい><<br /><br /> 369 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 10:26:34 ID:aK+QtMzX<br /> だよね。<br /> 普通、「買うっきゃない」<br /> だし<br /><br /> 370 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 14:48:43 ID:HK3FyGRa<br /> 過去ログにもあるが、竜宮レナがヤンデレだと言ってる奴はヤンデレの在り方を正しく示してくれている&gt;&gt;1を読みなおすべきだな<br /><br /> 371 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 15:43:03 ID:jSvSnaCm<br /> あれもヤンデレ、これもヤンデレってのもアレだが<br /> 公式に明確な基準があるわけでもないのに、これは違う!これも違う!というのも考え物かも<br /><br /><br /> ツンデレの定義はこうだ!新参は何も解ってない!とか「喚き散らす」人をたまに見かけるからふと思った<br /><br /> 372 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 16:40:06 ID:zr2HIWTO<br /> 邪悪系や狂気系と混同しちゃうのはなんでじゃろうなんでじゃろう<br /> 愛でポイントが全く違うのに<br /><br /> 373 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 17:08:58 ID:DNQ/tzPb<br /> &gt;&gt;&gt;371<br /> 中身がタラコだろうがおかかだろうがおにぎりはおにぎりだが、<br /> 流石に米で出来てるからと言ってカツ丼をおにぎりと言い張れば叩かれるのは当然。<br /><br /> 374 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 17:10:55 ID:xZHsF7yc<br /> じゃあ、狂気系の女がヤンデレになる、というのはこのスレ的にオーケー?<br /><br /> 人殺し女が男に惚れて以来、男を手に入れるためだけに行動するとか。<br /><br /> 375 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 17:21:53 ID:F7107xsR<br /> 味噌で煮ようが塩で焼こうが鯖は鯖・・・ってね<br /><br /> 376 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 19:01:19 ID:HK3FyGRa<br /> &gt;&gt;371の言いたいことも充分にわかっているつもりではあるんだけどな<br /> 最近、某同人ゲームが出たじゃないか。アレのせいで竜宮レナのようにヤンデレは勘違いされそうだなぁとは思うわけよ<br /><br /> 377 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 20:22:44 ID:zR3Hs6Ur<br /> ブームを起こした人の尻馬に乗って適当に作ったものが、ブームに後から乗ってきた勘違いした人に支持されていつの間にか母屋を乗っ取ることはよくある。<br /> ロリブームしかりショタブームしかりツンデレブームしかり。<br /> ジャンル分けの言葉が出来る以前からヤンデレキャラはいたわけで、<br /> 言葉とともにブームになってしまった今、元からのヤンデレ好きが危機感を抱くのも仕方がない。<br /><br /> 378 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 21:42:36 ID:WXcByhlW<br /> ツンデレとか、もはや有って無いような物になったしな<br /> レナがヤンデレに分類されるんなら、終焉も近いなあ<br /> そもそもあいつデレ無いような。<br /><br /> 379 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 22:40:54 ID:1+e70uRB<br /> 圭一の事は好きみたいだけど異常なまでに圭一に執着してる訳じゃないし、<br /> ルートによっては圭一を譲ってもいいような感触を受ける場合もある。<br /> なんか違うと思う。個人的には一途というより友達思い。<br /> 強いていうなら罪滅しはヤンデレじゃなくてデレツンデレ。<br /><br /> 380 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 23:12:14 ID:zr2HIWTO<br /> まあお前らそろそろ&gt;&gt;367な<br /><br /> 381 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/27(月) 03:03:19 ID:JEaV9oY7<br /> 何だか荒れているようですがSS投稿させていただきます、毎回のようにアレなタイトルですが、まあ気にしないでください。<br /><br /> 私の彼は変身ヒーロー①<br /><br /> 2月8日 晴れ<br /><br /> 今日は私、雨宮燈歌にとっては最悪な日だった、しかし幼馴染で腐れ縁のアイツ…<br /> 井上良太郎にとっては人生最高の日だったのかもしれない。<br /> それは何故か…そう、あの幼馴染はよりにもよって…この私が毎年のように…いや<br /> …今年は、今年こそはアイツへの想いを告白しようと思って火傷しながら手作りで<br /> 作ったシフォンケーキを、前フリもなく現れては壊した緑色の化け物を…アイツは<br /> 腰に巻いたベルトを使って変身して…見事なキックで倒してしまったのだ。<br /> 「僕がみんなを守るんだ」 <br /> 良太郎はそう言った、何でも前日、この男は人が苦労してチョコケーキを作って<br /> いる間に善良な宇宙人にさらわれて、あいつらと戦えるように体を改造されていた<br /> らしい。まあ良太郎は将来の夢だった自衛官試験を落ちてちょうど浪人になっていた<br /> し、元々正義感が強くて人のために戦うのが好きだったからいいのだろう…必殺の<br /> キックで敵を倒しているときなんて本当に嬉しそうだったし…それに。<br /> 「スゲーうまそうじゃん、このくらい問題ないって」<br /> 良太郎はそういって、グシャグシャになった私の特製ケーキをおいしそうに食べて<br /> くれた、たとえ改造人間でも…何が何でも彼は優しい男なのだ。<br /> でも、だからこそ私は満たされない。そんなチャンスがあっても私は彼に告白できなかったのだ。<br /> 腐れ縁がにくい、この、兄弟のように固く結ばれた友情という絆がにくい。<br /> 嗚呼、いつかこんな私にも彼に告白できる日が来るのだろうか…。<br /><br /><br /> 382 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/27(月) 03:05:21 ID:JEaV9oY7<br /><br /> 私の彼は変身ヒーロー② <br /><br /> 3月14日 曇り<br /><br /> 今日も今日とて良太郎はトレーニングに励んでいた、この二月でようやく敵とも戦いなれてきた頃だったが<br /> それでも足りないのか、良太郎は日々格闘技のジムに道場破りに行ったり、ロードワークやら筋トレに励んでいた。<br /> 「おいおい、短大はいいのかよ燈歌」「あのねえ、アンタのことなんか頬っておけるわけないでしょ、あぶなっか<br /> しいったらありゃしない」<br /> 休憩中、公園のベンチで汗を拭きながら彼はそういった。もちろん私はいつものようにそう返した…もっと素直に<br /> なりたい。でも、そうなれないのがもどかしい。<br /> 私は良太郎が好きだ、彼が命の危険にさらされるようになってから余計に日々そう感じるようになった。こうやって<br /> つらい日々でも笑顔でトレーニングをしている彼が好きだ、わたしの考えたメニューを参考にしてトレーニングしてく<br /> れている彼が好きだ…愛しい、こうして彼の汗の匂いが漂っている空間にいるだけで発情している自分に気がついたの<br /> は何時だろうか?こうして偶然公園のベンチで会える様に…そう見せかけて彼の行動を追跡、マップを作ったのは何時だろうか…。<br /> 「はい、これあげる…頑張ってね、ええと」<br /> 「仮面ライダー、仮面ライダーファウストだ」 <br /> そういって私は特製ドリンクを彼に渡した、ありとあらゆる強壮作用のある食物やサプリメントと…<br /> 私の、昨日、彼の逞しい体に犯されることを想像して自慰したときの…その愛液を混ぜ合わせたものだ、そ<br /> うだ、私の愛がたっぷり詰まったモノだから…飲めば無敵のスーパーマンになれるよね…それにいつか、そ<br /> れを飲み続ければ私のことも…。<br /> その彼の、ごくごくと無理をしながらドリンクを飲み干す姿を想像して、私は今晩も自慰した。<br /> …もう、私は彼のことしか考えられないのかも知れない。<br /><br /> 383 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/27(月) 03:06:37 ID:JEaV9oY7<br /> 私の彼は変身ヒーロー③<br /><br /> 4月25日 雨<br /><br /> 死にたい、もう駄目だ、良太郎に嫌われてしまう…。<br /> 昨日、戦いに巻き込まれた時に私は良太郎…ファウストに助けられた、しかしその時私を<br /> かばった良太郎は背中に傷を負ってしまったのだ、さいわい跡が残るくらいの怪我にはなら<br /> ないようだし、良太郎も笑顔で気にするな、とは言ってくれたが…なんて事だ、私が原因で<br /> 彼は傷ついてしまったのだ…。<br /> 最愛の人を傷つけてしまった、そんな自分が許せない。<br /> だから私は自分の腕にナイフで大きな傷を付けた、もうこんなことはさせない、絶対にし<br /> ない…そんな戒めのために。<br /> 良太郎の怪我は翌日あっさり完治した。むしろ良太郎は逆に私の手の怪我を心配してくれ<br /> るような事態になってしまった…こんな私にも優しいんだね、良太郎…おれのせいだ、嫁に<br /> もらってやるから…そう言ってくれたこと…冗談でも嬉しいよ、良太郎…でもいい加減<br /> 私の気持ちにも気づいて欲しいなあ…。<br /><br /> 384 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/27(月) 03:07:50 ID:JEaV9oY7<br /> 私の彼は変身ヒーロー④<br /><br /> 6月30日 晴れ後曇り<br /><br /> 今日ははしたない事に短大で喧嘩してしまった、でも原因が原因だから仕方のない事だと思う。<br /> だってあいつらは良太郎を馬鹿にしたんだから…。<br /> 「さっさとあんな奴等殺しちまえよ、化け物が」<br /> そんな言葉を聞いたのだ、あいつらをひっぱたくのなんて当たり前だ、彼はみんなを守ってく<br /> れるヒーローでいて…それでいて…私にとっての…。<br /> 「すごいだろ燈歌、これならどんな敵だって一撃だぜ!」<br /> 「うん…凄いと思うよ…」「…ん?ずいぶんしおらしいなあ」<br /> 新型武器の暴導索…ドラッヘントードスを構える良太郎、ここはこの会話に乗ってあげて、憎<br /> まれ口のひとつでも叩けば彼は喜ぶのだろうが…彼を、いつもの憎まれ口で傷付けるかも知れな<br /> いという事におびえている自分がいた。<br /> 嫌われるのが怖い、でも告白してこの関係が壊れるのが怖い、どうすればいい…助けて、貴方<br /> のためなら何でもするから、死んでもいいから…だから、私を助けて良太郎…。<br /><br /><br /> 385 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/27(月) 03:09:10 ID:JEaV9oY7<br /> 私の彼は変身ヒーロー⑤<br /><br /> 7月21日 曇り<br /><br /> 今日、私は良太郎に告白した、結果、成功した。<br /> もう我慢が出来なかった、関係が壊れる事の心配よりも我慢の限界の<br /> 方が先だった…何せ彼の仲間の…女ライダー、仮面ライダードラッヘンが現れたのだ。<br /> いきなり凄い力を持って現れたあの女…高寺=グレイスは、敵宇宙人と人間のハーフ<br /> だか何だか知らないが、一般人は邪魔だと私を彼から引き離した、そして彼もそれを承<br /> 知してしまったのだ。<br /> 先輩ずらしたあの女は、彼の新しいトレーナー役も勤めた。その結果、彼はどういうわけ<br /> か新フォーム…グラムフォームにパワーアップすることもできた…つまり、私は立場を完全<br /> に奪われたのだ。<br /> やめてくれ、もう私を彼から引き剥がさないでくれ、お願いだからやめてくれ。<br /> 私はとうとう良太郎を家に呼び出して彼に告白した、手段を選ぶ事など出来なかった。<br /> 媚薬混入料理、裸エプロン、いきなりのキス…何といわれてもいい、彼がすきなのだ<br /> だからこそ何でも出来る…その結果、私は、彼を、モノに出来たのだ。<br /> 「良太郎…大好き…大好き…だから私だけを…見て」<br /> 「うん…俺は…お前だけを…愛するよ…」<br /> 良太郎はそういってくれた、王子様は…私を選んでくれたのだ。<br /><br /> 386 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/27(月) 03:11:14 ID:JEaV9oY7<br /> 私の彼は変身ヒーロー⑥<br /><br /> 10月1日 雨<br /><br /> 良太郎に裏切られた、良太郎はあの女と、キスをしていた。 <br /> ユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ…。<br /> 殺すべきか、死ぬべきか、重要な選択だからこそ、じっくり悩んでみよう。<br /><br /> 10月3日<br /><br /> 訂正、彼は私を裏切っていなかったらしい、彼はあの女に無理やり迫られてああ<br /> なったらしい。ビデオの音声拡大と問い詰めの結果、そう判明した。<br /> 彼はもうあんなことはしないと自分の手に傷を付けた、まったく私と同じ箇所にだ<br /> 少し嬉しい、原因はどうあれおそろいなのだ。<br /> 愛してるよ良太郎、だからもうこんなことしないでね、本当は私だってこんな事した<br /> くないんだよ、でも二人を邪魔する要素が多すぎるから…あいしてる、あいしてる、もう<br /> 放したくないから…だから…<br /> 「あの女は、消してあげる」<br /><br /> 11月12日<br /><br /> 取りあえずあの女を殺す事に成功した、嬉しい、やってみれば簡単なものだ。<br /> 普通に彼女を自宅に呼び出した後、睡眠薬入り料理を食べさせて…首を絞めて<br /> めったざしにした後、首を切り落とした、無敵の宇宙人もあれでは死んでしまっ<br /> ただろう。死体を解体したときに処女だったみたいなので、幕を破ってタバスコ瓶を突<br /> っ込んであげた、いい気味だ。良太郎を奪おうとするからこういう目に会うのだ。<br /> …でもこれだけでは足りない、彼を完全に私のものにするにはまだまだ不安定要素が<br /> 多すぎる…やはりアレをするしかないのだろうか?。<br /><br /> 387 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/27(月) 03:13:41 ID:JEaV9oY7<br /> 私の彼は変身ヒーロー⑦<br /><br /> 日付不明  <br /><br /> とりあえずアレをするために、あの女の死体からドラッヘンのベルトを奪った、残りは刻んで冷蔵庫にポイ、だ。<br /> その後、私は敵である宇宙人の後を追い、彼女のが敵と同じ惑星のハーフということを利用して…彼らの根城で<br /> あるUFOを発見、認識IDである彼女の血を機械に読み取らせて彼らの基地に侵入した。<br /> そこから先は容赦のない虐殺大会の幕開けだ。敵の首領、それから幹部も会議中にドラッヘンの必殺技である<br /> マイクロミサイル100連発と、連続キックをかまされればよける暇もない、命乞いする敵を徹底的に殺してやった<br /> 苦しんで死ね、それが良太郎に対して貴様らの出来る唯一の償いだ。<br /><br /> 12月28日 <br /><br /> うれしい、良太郎が来てくれた、良太郎はこんな僻地…というか宇宙にただようUFO<br /> にまで会いに来てくれたのだ…しかも理由は私に会いに来てくれたから…らしい。<br /> でも少し残念だ、良太郎は私を殺したかったらしい。<br /> …なにがいけないのかなあ、きみをばかにしたにんげんと、だましたにんげんをころ<br /> したんだよ。それにもうわたしたちいがいのにんげんはみんないらないじゃない、りょう<br /> たろうはやさしすぎるもん、あいつらがいるかぎり、きみはまただまされてほかのおんな<br /> にもてあそばれることになって…てのきずがふえることになるんだよ。<br /> あいしてるよりょうたろう、だからわたしは、きみがわたしをまもってくれたおれいに<br /> きみとあんしんしていられるせかいをつくってあげる。だからちきゅうも…いちどきちんと<br /> こわしてあげるからね。あんしんして…このへいしたちは、みんなきみと、わたしのなかまだから。<br /><br /><br /> 私の彼は変身ヒーロー⑧ <br /><br /> それからいっぱい日が過ぎた、あの日、UFOのなかで暴れまわった良太郎は無敵の私に<br /> 対して無理に必殺技を使った結果、手足が効かなくなってしまったようだ、うそつき宇宙<br /> 人のインチキ改造ベルトのせいだろう…でも私はそれに感謝した。なぜなら彼は手足が動<br /> かなくなった分、私に依存しなくては生きていけなくなってしまったのだ…ベルトもはず<br /> してしまえば宇宙での活動は不可能だろう、逃げる事も、連れ出す事も不可能だ。<br /> 殺してくれ、良太郎は今日もそんな悲しい事を言う。私は嫌だと答えると彼のオムツを<br /> 取り替えて、寝返りを打たせて、鼻水を口で吸引して、さらに食べようとしない食事を口<br /> 移しで彼に飲み込ませた…良太郎、覚えてる?今日はあのときと同じ日…バレンタインデ<br /> ーなんだよ…ほら、ケーキもおいしいでしょ?また焼いてみたんだよ…。<br /> ごくり、と彼はついに自力でケーキを飲み込んだ…最初は抵抗して叫ぶばかりの彼だった<br /> が、今日までにここまでおとなしくなってくれた…後数日もすれば私の言う事を聞くように<br /> なってくれるだろうか?そしてまた…私のことを愛してくれるだろうか?もしもそうなって<br /> くれたら、私は二人だけの結婚式を挙げたいなあと思っている…プレゼントは当然私だ、そ<br /> してそのまま子作りをして、三人で幸せな家庭を築くのだ。<br /> 愛してる、良太郎…大好きだよ。<br /><br /> FIN <br /><br /> 388 名前:リッサ ◆TKvIZfGFpk [sage ] 投稿日:2007/08/27(月) 03:15:03 ID:JEaV9oY7<br /> 以上で終わりです、本当はヤンダムの最終回も描きたかったのですが、取りあえずこの辺で。<br /> お付き合いいただきありがとうございました。<br /><br /> 389 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/27(月) 03:24:26 ID:MBQUZkY/<br /> 一番槍GJ!<br /><br /> 390 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/08/27(月) 03:45:51 ID:+jasPFrf<br /> 幹部カワイソスwwwwwwwwwGJ!<br /><br /> 391 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/27(月) 04:02:03 ID:i48kun1n<br /> GJ! 作品毎にヒロインの凶悪っぷりが上がっててGOOD<br /><br /> 392 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/27(月) 14:24:11 ID:xcGSwsg8<br /> http://imepita.jp/20070825/804160<br /> 置いときます<br /><br /> 393 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/27(月) 14:28:55 ID:Ym1kOFtC<br /> こんかいはタイトル無しですか?<br /><br /> 394 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/27(月) 14:32:12 ID:flrdyHLQ<br /> タイトルが無くても分かる、これは間違いなく冬華。<br /> (*´д`*)ハァハァ <br /><br /> 395 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/27(月) 15:01:30 ID:xcGSwsg8<br /> あぁ、タイトル忘れてたか。<br /> ヒトカタ/人形<br /> がタイトルです。<br /> 追加<br /> 恋する神無士乃は切なくて/幹也くんを想うとコスプレだってしちゃうの<br /> http://imepita.jp/20070826/795060<br /> …タイトルについてはその…ゴメン。他に浮かばなかった。<br /><br /> 396 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/27(月) 16:31:17 ID:qnWNtIpW<br /> &gt;&gt;395<br /> GJ! だがしかし<br /> >幹也くんを想うとコスプレだってしちゃうの<br /> どう見ても冬継君の間違いです本当に(ry<br /><br /> ゴメンね、ついつい言いたくなっちゃったんだゴメンね。<br /><br /> 397 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/08/27(月) 17:23:14 ID:xcGSwsg8<br /> …ソウダネ<br /><br /> 398 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/28(火) 01:44:43 ID:h1JpwEL/<br /> 言いたくないが、何様だ?<br /><br /> 399 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/28(火) 03:13:40 ID:Mt9yJY1H<br /> &gt;&gt;398<br /> まあ落ち着けよ。ここの住人はなんでもGJしちゃうから職人が調子に乗っちゃうのは仕方ないさ。<br /><br /> 400 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/08/28(火) 04:34:28 ID:lbrLZ+QH<br /> ま、それはそれとして。<br /> &gt;&gt;395久しぶりに志乃が見れて嬉しいのであった。<br /> そういえば志乃以外お茶会の登場人物達って<br /> 皆ひんぬーだったっけ。</p>

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