「ヤンデレの小説を書こう!Part9-Page4」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<p>601 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 18:10:26 ID:H8TKy7O+<br />
ここは元々あらゆるヤンデレネタを愛でてきたスレなんだが。<br /><br />
602 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 18:21:04 ID:JySEMbnL<br />
雑談の中にSSのネタが埋まってる場合だってあるんだぜ<br /><br />
あと雑談のないスレは意外と投下しにくいんだなこれが<br /><br />
603 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 19:43:10 ID:jfmbEHqZ<br />
それにだって限度があるだろ<br />
70レスも雑談で埋めといて<br />
ほぼ一週間雑談ばっかで投稿なしだぞ<br />
今までから見てちょっと異常だろ<br /><br />
604 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 19:43:52 ID:Bf4J8yS1<br />
つ【初代スレ】<br /><br /><br />
605 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 19:53:22 ID:wmd17TnM<br />
>>603<br />
じゃあお前が投下すればいいだろ<br />
少なくとも書きもしない奴ががあーだこーだいう問題じゃない<br /><br />
606 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 19:55:56 ID:iVOGIX9e<br />
全くもってそのとおりだな<br /><br />
俺はSSかけないから、投下のないときは雑談でスレを盛り上げる事に貢献してると思ってる<br /><br />
別に雑談なんかいつ話しぶったぎったっていいんだし<br /><br />
投下>雑談>>過疎>>>>>荒らし<br />
だろ<br /><br />
607 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 19:58:08 ID:AvSaSwmM<br />
も、落ち着け! もちけつんだ!!<br />
/∧_/∧ /∧_/∧ オロオロ<br />
((´´ДД``;;)) ((;;´´ДД``)) オロオロ<br />
// \\ // \\ オロオロ<br />
⊂⊂(( ヽノヽノつつ ⊂⊂ヽ// )) つつ オロオロ<br />
しし((_)) ((_))JJ<br /><br /><br />
608 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 19:58:25 ID:H8TKy7O+<br />
異常でも何でもないしなあ。<br />
そういえばヤンデレ喫茶とかも冗談から始まったようなもんだったし。<br />
あの発想を出した名無し今更ながらGJ<br /><br />
609 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:02:12 ID:/GiP6qWR<br />
別に投下がないならまったり待ってればいい話で、<br />
わざわざ盛り上げてスレの容量を消費することもないんじゃないかと……<br />
一時的な過疎回避のためのちょいちょい雑談とかならともかく<br />
あんまりしすぎるのもどうでしょ<br />
荒れの原因にもなりやすいし、今みたいに>雑談<br /><br />
610 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:06:27 ID:iVOGIX9e<br />
投下がないのをまったり待つ→人がいないと思う→SS氏が離れていく<br />
盛り上がった雑談の中で思わぬSSが完成する事もある<br /><br />
というかスレ消費の何が悪いんだ?<br />
スレ立てるのにお前さんがいちいち金払ってるとかならともかく<br />
一利用者にしか過ぎないんだから、雑談なら雑談している空気にのっかって<br />
一緒にまざってればいいのに<br /><br />
わざわざ「雑談やめろ」とか<br />
荒れの原因になるような発言をして<br />
余計にスレがのばす事もないだろう<br /><br />
611 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:10:01 ID:H8TKy7O+<br />
てか<br />
>荒れの原因にもなりやすいし、今みたいに>雑談<br />
最近妙に突っかかってくる潔癖症の人が来るまでは、<br />
ここではそんなことなかったぞ。<br />
強いて言うなら荒らしてるのは雑談反対派かな。<br /><br />
612 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:13:23 ID:jfmbEHqZ<br />
異常ってのは、つい最近と比べて投下ペースがいきなり下がったってところだよ<br />
雑談と作品の比率が唐突に逆転し始めた<br />
雑談それ自体はそりゃ悪かないがいくらなんでも以前より増えすぎだ<br />
自粛しようよって言いたい<br />
荒れさせちまったからもう引っ込むわすまんかった<br /><br />
613 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:18:43 ID:gCtgo5JQ<br />
投下ペースが下がったって・・・<br />
SS師は機械じゃないんだ、ペースが落ちることだってあるだろうさ<br /><br />
9月入って忙しい人だっているだろうし<br /><br />
文句があるなら自分で書いてその比率とやらを直せばいいだろ<br /><br />
いるよな、こういう他力本願のくせに自己中な奴<br /><br />
614 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:19:22 ID:/GiP6qWR<br />
スレの消費が悪いんじゃなくて、スレの作品密度が下がるのを危惧してるんだけど……<br />
投下がたくさんあって盛り上がってるならともかく、<br />
雑談で無理に続けさせてるようなスレにはしてほしくない<br />
書けない身で言うのもなんだけど<br /><br />
615 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:19:31 ID:QYsgrur1<br />
雑談はやめろとか余計なこと言うなよ。雑談が嫌なら引っ込んでろ。<br /><br />
616 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:25:47 ID:C5lANgrJ<br />
>雑談で無理に続けさせてるようなスレ<br />
別に無理に盛り上がってたわけじゃないし<br />
普通に盛り上がってたら「雑談やめろ」っていう厨がわいてきた<br /><br />
結局は「SS投下早くしろ」っていうROM厨のわがままだろ<br /><br />
617 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:30:15 ID:Ce3vTzXu<br />
無駄に雑談をやめさせたい馬鹿と<br />
無駄な雑談をやめたくない馬鹿<br /><br />
618 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:31:19 ID:H8TKy7O+<br />
新しい住人が増えたって事なんだろうなあ。<br />
初代スレを知っている身としては<br />
まあこんなのもある意味嬉しい。<br /><br />
619 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 20:53:27 ID:GB1y0H3I<br />
チャット感覚でヤンデレ無関係な雑談するのはどうかと思う<br /><br />
620 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:01:33 ID:W5jWlJZh<br />
雑談するにしても、ここは「小説スレ」なんだからもうちょいクリエイティブな話しろよ<br />
ヤンデレ依存度がいくつだった、とかヤンデレ図鑑だヤンデレ大全買っただとかはよそのヤンデレ雑談スレでやれ<br />
雑談それ自体は認められるべきだがな<br /><br />
621 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:05:02 ID:Bf4J8yS1<br />
うわぁ……。<br /><br />
622 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:06:40 ID:jfmbEHqZ<br />
もうこの話題は終わりにしてくれ悪かった<br />
全然雑談してくれておっけーです、黙ってます<br /><br />
以下はどうぞ何事もなかったようにしてください<br /><br />
623 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:07:33 ID:U4pemUU2<br />
荒らしがいるな<br /><br />
624 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:07:43 ID:C5lANgrJ<br />
>>622<br />
>全然雑談してくれておっけーです、黙ってます<br /><br />
お前がルールかよ<br /><br />
625 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:12:50 ID:AvSaSwmM<br />
>>622<br />
_,ィ、 ,r、__<br />
,.ヘー'´ i `´/ `i_<br />
/ヾ、 ヽ、 i / /ヽ<br />
_ィ、〉 > ´ ̄  ̄ ` く ,ゝ、<br />
}、 ,>'´ 、 ヽ./`ヽ<br />
┌! / / i 「`i ヽヽ ヽ }<br />
Y ! | | l i i l i ',__,.ゝ<br />
,' | | | !l l | l l !<br />
i ! | | | | j___j | |i i!<br />
|i! l ,.|‐T丁i! ハlj, --!`トlノ、||<br />
| ! ! レ'i´`j "i´ `iヽ, i || _<br />
| l |i iバ__ソ L__ソ /.ノ |! _ヽ)<br />
| | |l |、//// ' ///// |! |i ヽ)<br />
!ハ |! |,ゝ' ´ ̄ ̄ ` く レy'|!<br />
__,ノ レ'ヽiハ / \}'´ ̄ `ヽ、<br />
ィ´ ̄/ ,べY Y`i__ \<br />
〉/ / , 、ヽ NGしました /_`ヽ\ \<br />
,ィ'ん、 / ! '´__ ヽ /´__,.` ', \ ァ'`<br />
`ヽ、/ー' /! __`ヾ! レ'´ _,. ! \ i<br />
/ー-ィ、 ィ__! ___`フ / ヽ二 /7 _i弋<br />
/ 辷j ! ヽ / / / / } j´ 〉<br />
ヽ、 冫 ヽ__ュ_y\ / / /ヽヘ/え´ /<br />
\'´` `}ー-、_,ゝくi ヽ、 ____ ,. イィ_,、 __う'´__/<br />
, `>ャ,`Yー-‐'^ |ニ=ー- ー-/ `^7 ,ゝ、ヽ<br />
/// l ! | / } / | iハ_j<br />
く///f´ ̄l/ | i y /-、| |<br />
// | ┌ヽ. / `ー-='´ _| /` | |\<br />
i l | ,ゝ,ハ / ´,ハ /〉 レ' ヽ<br /><br /><br />
626 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:17:42 ID:U4pemUU2<br />
/ : : : : : : : : : : :/: : :| : : : : : : :/.:: | :| |: :|:: |: : :
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. /: : ,イ : : : : : : : / : : :/: :| :._⊥/-─‐ ! :l .|: :| ──- .. |:|:
:l!: : :l : : : : : |<br />
/: :/ │: : : : l : : !: : : :|:,.イ´.: l/.:::::::::: /:/ |:
:|:::::::::::::... `メ |: :|!: : :l : : : : : |<br />
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: : :|<br />
│: | | : : : : | : : |: : : :|:.:_,.ィ≠≦三ミ /'" |: :l 彡三≧ェx |/ ヽ: : :l : : :
: :|!<br />
│: | | : : : : | : :│: : :l,イィ'::l|li|l|li|!:| | / |::l|il||i|li:ヾ;、 |
: : :| : : : : i:!<br />
│: l l: :/: : :| : : l : : 〃 {:::::l|l|l|l|l|::| j,′
|::l|l|l|l|l|::::}ヽゝ : : :l : : : :,ハ<br />
|: :,′ ∨: : : :l : : l : : : l: .∨:!!|l|ll!!::| |:::!l!|l|l!!::/ /}
: : /: : : :/ : :l<br />
|: ′ ∧ : : : |∨ l: : : :|: :',∨:::::::::::j_ {::::::::::::::/ // :
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i,′ / ヽ : : | ∨ : : : |!.:ハ>=≦三三 三≧==<. //: : /: | : :/ : :| : |<br />
/ | \| : ∨ : : ハ : :{三三三三 三:. 三三三三ムイ: : :| :/ : : :| : |<br />
| : |: : : :|\: {\乂三三三 i!三三三三三三三/ :| : : :|/ : : : :| : |<br />
| : |: : : :| : :ヽ\  ̄ _Ξ三三三三三,/| : |: : : : | : : : :| : |<br />
| : | : : : |: : : :|` |lヽ、 ´ ̄` 三三三三:,イ: :| : |: : : : | : : : :| :
|<br />
| : | : : : |: : : :| : |l |: |li:..、 三三三三才il| :l : :| : |: : : : | : : :
:| : |<br /><br />
言葉様もお怒りです<br /><br />
627 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:20:07 ID:Ce3vTzXu<br />
いつまでもかまってる阿呆も、荒らしと大して変わらんな<br /><br />
628 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:21:46 ID:AvSaSwmM<br />
ttp://dat.2chan.net/l/src/1189068433088b704.jpg<br /><br />
629 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:28:51 ID:H8TKy7O+<br />
>>628<br />
和んだ(*´∀`)<br /><br />
630 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:33:20 ID:U4pemUU2<br />
そろそろ、嫉妬スレとキモウトスレと統合するべきかと?<br /><br />
631 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:36:35 ID:yBiYJVdh<br />
嫉妬、キモウトとヤンデレは似て非なるもの<br /><br />
632 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 22:30:34 ID:XB8oHvzy<br />
ていうか何でそうなるんだよ<br /><br />
633 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 22:33:27 ID:v1keLYlV<br />
主人公に寄り付いた女の子のおっぱいを万力で押し潰して<br />
これでもういろじかけできないようになったねあはは<br /><br />
というのはヤンデレかな?<br /><br />
634 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 23:59:17 ID:oynrwI2r<br />
>>633<br />
いいんじゃないの?<br />
そこに至る過程次第で化けそうだが。<br /><br />
635 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 00:49:24 ID:SYEeHC4z<br />
「小指の赤い糸を確認するだけじゃ、私は不安なの」<br />
俺を押し倒した彼女は抑揚の無い声で嘯く。<br />
手にした包丁は新品なのか、鋭い輝きを見せていた。<br />
「だから…あなたの心と身体に赤い糸を縫い付けてあげる」<br /><br /><br />
贔屓にしてる文章系サイトの詩を読んだらこんな電波が来た<br /><br />
636 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/09/07(金) 07:01:58 ID:gAHbIbP0<br />
>>635<br />
深いな。やんデレが改めて狂気の産物だと思い知る<br /><br />
637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 08:37:15 ID:qLhQl0Iq<br />
狂気=ヤンデレではないと思うが、ヤンデレ=狂気は大抵成立するかな?<br /><br />
638 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 12:20:27 ID:qDMGhOcN<br />
?<br />
どっちも同じ意味じゃね?<br /><br />
639 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/09/07(金) 12:33:50 ID:6FLsb0dW<br />
久々に投稿します、といっても今回はイラストですが。<br />
処女作のヴァギナ・デンタータのヒロイン月乃 鞠と主<br />
人公の時坂 歩のイラストを描いてみました。<br />
SSではないので物足りないでしょうが、もしよかったらご覧になってください。<br />
http://sakuratan.ddo.jp/imgboard/img-box/img20070907121650.jpg<br />
http://sakuratan.ddo.jp/imgboard/img-box/img20070907122121.jpg<br /><br />
640 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 14:05:44 ID:Et0HDccQ<br />
>>639<br />
絵も描ける作者さんはここでは初めてか?<br />
GJです。<br /><br />
641 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 22:50:41 ID:u4PpMab7<br />
>>637<br />
成るほど。<br />
要するにナタ振り回せば良いって物じゃないって事だな。<br /><br />
642 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:10:12 ID:ZG1KfXCv<br />
片思いが受け入れられないのがヤンデレという気がする。<br /><br />
643 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:12:25 ID:tUmqPJ2o<br />
じゃあヤンデレ-狂気は?<br /><br />
644 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:12:26 ID:MdNbGJ0/<br />
愛の為に狂気に走るのがヤンデレ<br />
って事だろうな。<br /><br />
もしくは傍からは狂ってるようにしか見えないほど愛している、とか。<br /><br />
645 名前:無形 ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:24:17 ID:Yzy+dAPl<br />
人知れず投下します。<br />
少し長いので規制に巻き込まれないか不安です<br /><br />
646 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:26:29 ID:Yzy+dAPl<br />
――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br />
私が恋を知ったのは、中学生のとき。<br />
桜の舞う季節。<br />
学校の校門近く。<br />
私は――そこで恋に出逢った。<br /><br />
それまでの私の人生はさして優先順位のはっきりしたものではなかったけれど、彼――日ノ本創に<br />
出逢ってからは上位はしっかりと定まった。<br />
彼の傍にいることが第一で。<br />
その準備に費やすこと――取り分け、邪魔者の排除と接近のための工作が第二・第三だ。<br />
彼は自覚していないけれど、結構もてる。<br />
私が心奪われたくらいなのだからそれは当然なのだが、だからと云って泥棒猫の接近を許すほど鷹揚で<br />
はない。<br />
彼をずっと見ていれば、誰が下心を持って近づいてきているのか、大体わかる。<br />
雌猫達は決まって、薄気味の悪い媚びた笑顔で私の彼を誘うのだ。<br />
酷いときになると、この私に彼を紹介して欲しいと頼み込む者も出てくる。<br />
考えるだけで酷く疲れる。しっかりと名前を書いておかないと駄目なのだろうか?<br />
その彼の管理は一人で出来るものではない。<br />
勿論ひとりで管理し、品質保持し、品種改良することは理想であるし、最終目標でもある。<br />
けれど、いまの状態ではそれは難しい。<br />
それで、私は同盟者を持った。<br />
それはまだ彼が中学一年生のとき。<br />
度度、彼に逢いに来る表情の変化に乏しい女の子がいた。<br />
一ツ橋朝歌。<br />
彼の妹分だと云う。<br />
二人の会話は何度か見張っていたことがあるけれど、別段親しさは感じられなかった。<br />
事務的に話し、特に嬉しそうな様子も無い。<br />
けれど一応他人だ。<br />
本当の兄妹ならば安心も出来ただろうけど、自称妹にしか過ぎない存在。<br />
私のものになる予定の日ノ本くんを、もしかしたら取ろうとするかもしれない。<br />
相手は小学生。<br />
でも、警戒を怠る必要も無ければ理由も無い。<br />
だから、私は彼女が一人のときに声をかけた。<br />
「少しいいかしら?」<br />
「・・・・」<br />
彼女は答えずに瞳だけ向ける。<br />
中中整った顔立ちだ。<br />
可愛いと云うよりは美人と評すべきだろう。<br />
将来はさぞ良い女になるのだろうが、だからこそ余計に警戒する必要がある。<br />
「はじめまして、と云えばいいかしらね」<br />
「挨拶と云う点ではそうでしょう」<br />
抑揚の無い、淡淡とした喋り方。<br />
どこに向けているのかわからない瞳。<br />
そして、私が覗いていたことを知っていたと暗に仄めかす科白。<br />
「まるで私のこと、知ってるって云う口調ね?」<br />
確かめてみる。<br />
「織倉由良。中学2年生。A組。これまでに5回ほど、私達を見ていました」<br />
「よく、知ってるのね」<br />
「貴方は自分が思っているよりも目立ちます」<br />
「そう。憶えておくわ。一ツ橋朝歌さん」<br />
名前を呼んであげる。<br />
『知っている』のはそちらだけではない。<br />
言外にそう云ったつもりだけど。<br />
目の前に在る、冷たい童女が動じた様子は無かった。<br />
「何か用ですか?」<br />
童女はつまらなさそうに問う。まるで私など眼中に無いかのように。<br />
「用があるから話しかけたの。これでも私、結構忙しいのよ?」<br />
「そうでしょうね。兄をストーキングすることに余念が無いようですから」<br /><br />
647 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:28:36 ID:Yzy+dAPl<br />
「ストーキング?私は唯、愛で、護っているだけ。変質者と一緒にしないで欲しいわ」<br />
失礼な話だ。<br />
「貴方の主観が客観的に見て守護に該当するとは思えませんが」<br />
「群盲象を撫でる。第三者の断片的な判断が正しいとは思えないわね」<br />
「五十歩百歩です。事実、兄は最近視線を感じることが多い、と恐れていましたから」<br />
そんな事を云う。何もわかっていない。<br />
「それはいずれ至福に変わるわ。護られる快感。包まれる喜び。私はそれを教えてあげるために生れて<br />
きたのよ?」<br />
「御為倒ですね。それで納得できるわけがないでしょう?」<br />
「納得?何故貴女に納得して貰う必要があるのかしら?これは私と日ノ本くんの話なのよ?」<br />
「私は日ノ本創の妹です。妹が兄の幸せを願うのは、当然のことではありませんか?」<br />
いけしゃあしゃあと。<br />
「幸せ?それならこの私に感謝して貰わないとね。彼に近づく悪い虫は、皆私が叩き潰しているのだか<br />
ら。貴女だって、どこの馬の骨ともわからない害虫にお兄さんが集られるのは嫌でしょう?」<br />
「そう云う貴女はどこの馬の骨ですか?」<br />
つまらないものを見るような目で少女は云う。<br />
少し生意気ね。引っ叩こうかしら?<br />
「やめたほうが良いですよ」<br />
瞬間。<br />
私の心を読んだかのように。<br />
一ツ橋朝歌はボソリと呟く。<br />
「貴女は大層運動神経が良いようですが、云ってしまえばそれだけです。武道の心得でもない限りは、<br />
私には手を出さないほうが身のためです」<br />
慇懃にして無礼な言種。<br />
年上で、体格も段違いの私を前にしているのに余裕を持った発言。<br />
気に入らない。<br />
「本気でそう思ってる?年上の私に殴られないとでも?」<br />
「思っています。寧ろ確信に近いです。まあ別の云い方にしても良いですけど」<br />
そう云う少女の顔が、一瞬だけ歪んで見えた。<br />
「――私を叩くと、お兄ちゃんに云いつけますよ?」<br />
「・・・っ」<br />
やっぱり気に入らない。<br />
この女、性格が悪い。<br />
「・・・ひとつ聞くわね。貴女は、日ノ本くんをどうしたいわけ?」<br />
堪える。<br />
堪えて、最も大事なことを糾す。<br />
どう動くかは、それを知ってからでも遅くない。<br />
(或は――)<br />
激発するきっかけを欲しているだけなのかもしれないけれど。<br />
「お兄ちゃんは私のものです」<br />
どうせそんなことを云うのだろう。<br />
そう思ったのに。<br />
童女は。<br />
一ツ橋朝歌は。<br />
表情の無い瞳に強い光を湛えて、抑揚なく呟いた。<br />
「私は兄をどうこうするつもりはありません。唯、幸せであってくれればそれで良いんです」<br />
意外な言葉だった。<br />
いちいち私に噛み付いてきたのだから、もっと独占欲丸出しの発言をするかと思ったのに。<br />
「・・・・それ、だけ?」<br />
「私、唯の傍観者ですから」<br />
「・・・・・」<br />
私は黙り込む。<br />
もしもそれが本当ならば、『邪魔者』であっても『敵』ではない。<br />
「それ、証明出来るの?」<br />
「その必要は認められません。強いて云えば、今、この瞬間、この時に、兄をストーキングしている<br />
変な女性の足止めを成功させている、と云えなくもないですが」<br />
淡淡と。<br />
本当に淡淡と喋る娘だ。<br />
面白みの無い、失礼な少女。<br /><br />
648 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:30:52 ID:Yzy+dAPl<br />
「ねえ、一ツ橋さん?」<br />
私は改めて声をかける。<br />
「お兄さんの幸せって云うのは、邪魔者の排除も含まれるのかしら?」<br />
童女は答えない。<br />
無機質な瞳をこちらに向けているだけだ。<br />
けれど私は確信する。<br />
多分、今の言葉に嘘はないと。<br />
ならば。<br />
「それなら――」<br />
『敵の敵は味方』<br />
この言葉の通りならば。<br />
「貴女にとっても私にとっても、有益になる話があるのだけれど」<br /><br />
――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br />
「呼び方?」<br />
僕は眉を顰めた。<br />
片耳にのみ響いた従妹の声が、そう云った。<br />
「はい。呼称です」<br />
着物姿の肉親は優美に頷く。<br />
ここは自宅の居間。<br />
僕の聴力がなくなったその場所だ。<br />
あれから数日経つ。<br />
何事かの『準備』と称して“あれ”以来逢っていなかった従妹は、訪ねて来るなりこう云った。<br />
「にいさまの呼称を、変えたほうが良いでしょうか」と。<br />
「呼び方って・・・なんで急に」<br />
突然のことに僕は訝しがる。<br />
綾緒は昔から僕のことを「にいさま」と呼んでおり、本人もその呼称を気に入っていたはずなのだが。<br />
「はい・・・・その・・・・」<br />
従妹は頬を染めて俯いた。<br />
珍しく歯切れが悪く、俯いたまま上目遣いに僕を見ている。<br />
「綾緒とにいさまは・・・め、夫婦になる予定ではありませんか。・・・・で、ですから、その・・・<br />
妻として、それ相応の呼び方をしてほうが、にいさまも喜ばれるかと、思いまして・・・」<br />
「・・・・・」<br />
耳が疼く。<br />
そうだ。<br />
僕は――綾緒の婚約者になったのだ。<br />
僕自身が泣きながら頼み込んで『受け入れて貰った』相手が、この従妹だ。<br />
「にいさま、どうされますか?創さま、と御名前でお呼びしたほうが良いでしょうか。それとも、<br />
旦那さまとお呼びしたほうが・・・良いですか?」<br />
赤い顔で質する。<br />
こういった所作は愛くるしくもあり、可愛らしくもある。<br />
あるのだが――<br />
(この状況は受け入れ難い)<br />
今の僕には、恐怖の度合いが最も強い。<br />
家族という意味では愛しいし、肉親という意味では好ましいけれど、それらを超えて、恐ろしさが盤距<br />
する。<br />
だからこう答える。<br />
「・・・今まで通りで良いよ」<br />
今まで通りで。<br />
夫になるという現実を想起させられる呼称はいらない。<br />
そのつもりで答えたのだけれど、従妹は何故だか嬉しそうな顔をする。<br />
「そうですか、わかりました。綾緒はにいさまの妻であると同時に、妹でもありますから、それでも<br />
構わないわけですしね。・・・実は、今までの呼び方にも愛着があったのです。綾緒はにいさまのもの<br />
で、にいさまの妹であると自覚できますから」<br />
指と指をくっつけて、ぐねぐねと動かしながら云う。その顔は当然赤い。<br />
(僕の妻、か・・・)<br />
『他人の』であれば、いくらでも応援してやれたのだが・・・。<br />
「では、これからも“にいさま”とお呼びしますね」<br /><br />
649 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:33:21 ID:Yzy+dAPl<br />
従妹はそう云って立ち上がる。<br />
――刹那。<br />
「あっ・・・」<br />
ぐらりと綾緒の身体が揺れる。<br />
「綾緒!?」<br />
慌ててその体躯を支える。<br />
織物越しに伝わる感触は、柔らかでしなやかで、そして随分軽かった。<br />
「も、申し訳ありません、にいさま」<br />
「いや構わないよ。それよりどうした?立眩みか?」<br />
もともと肌の白い従妹が、いつにも増して白く見える。蒼褪めている、と云っても良い。<br />
「すみません。少し、貧血気味で・・・」<br />
「貧血?お前、貧血持ちだったか?」<br />
「いいえ。綾緒は至って健康です。これには事情がありますが、それはいずれ」<br />
綾緒は力なく、だけど妖艶に笑った。<br />
僕はホッとする。<br />
けれど、その笑顔の向こう側には、僅かに、仄かに、『夜叉』が覗いているように思えた――<br /><br />
夜になった。<br />
僕の腹がくうくうと鳴っている。<br />
従妹はすでに無い。<br />
数日ぶりに晩飯を作りに来たはずの綾緒だが、体調不良では無理をさせられない。<br />
本人は「御作り致します」と云って聞かなかったが、無理矢理帰した。<br />
「さて、今日はどうしよう」<br />
出前か。レトルトか。外食か。<br />
材料だけはあるが、家事無能力者の僕だ。自作するという選択肢は無い。<br />
ここ数日は総て前述のうちのどれかだ。<br />
以前ならば織倉先輩に御馳走になれたのだが、今はそれは出来ない。<br />
綾緒の勘は鋭い。<br />
異能と呼んでも良いくらいに洞察し、察知する。<br />
もしも先輩に御馳走になり、それが知れたらどうなるか。<br />
考えただけでも背筋に冷たいものが走る。<br />
そしてお腹は考えなくても減るものだ。<br />
家にレトルトの買い置きは無い。<br />
なので、とりあえず外に出て考えることにした。<br />
刹那、ピンポンと。<br />
僕の家に呼び鈴が響いた。<br />
「こんな時間に誰だろう?」<br />
チェーンをかけたままの扉を開ける。<br />
僅かに外気を進入させる有限の隙間からは、意外な人物の顔が見えた。<br />
「一ツ橋?」<br />
「どうも」<br />
鉢植えを持った後輩は、いつも通りの無表情でそこに立っていた。<br />
「こんな時間にどうしたんだ?」<br />
「お見舞いです」<br />
一ツ橋はそう云って僕の顔を――否、耳を見ている。<br />
この後輩は僕の耳のことを知っている。<br />
あの日の翌翌日(翌日は流石に休んだ)、二言三言話しただけで僕の異状に気がついた。<br />
そして、事情の説明を求められたのだ。<br />
(それで気を使っているのかな?)<br />
折角の見舞いである。門前払いにするわけにも往かない。<br />
僕はチェーンをはずして後輩を招き入れた。<br /><br />
「チェーンするようになったんですね」<br />
居間のソファにちょこんと座る後輩は、思いついたかのようにポツリと呟く。<br />
「ん?まあ、な・・・」<br />
「楢柴綾緒」<br />
「え?」<br />
「彼女に云われたのでしょう?施錠を強固にするように、と」<br />
(なんで)<br /><br />
650 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:35:35 ID:Yzy+dAPl<br />
わかったんだ?<br />
僕が驚いていると、視線を真っ直ぐ、こちらに向けぬまま。<br />
「先輩はズボラです。しなくていいなら普通の鍵すら掛けない様な人ですから。外部から指示ないし<br />
圧力があったと考えるほうが妥当でしょう」<br />
流石に鋭い。<br />
「・・・無用心だからってね」<br />
僕はそう答える。<br />
従妹には念を押された。<br />
自分達以外の人間が鍵を持っていたり、発見できたら容易に侵入されてしまう。それは絶対に避ける<br />
ようにと。<br />
「まあ、一理・・・無くも無いからね。それはいいさ」<br />
そう云う僕の顔は多分固いのだろう。<br />
後輩は無表情のまま、呆れたような気配をつくる。<br />
「そ、そんなことより、一ツ橋、その箱はなんだ?」<br />
誤魔化す様に云う。<br />
後輩の手には黒い箱が納まっている。20センチ程度の直方体。ちいさな一ツ橋が持つと、それすらも<br />
大きく見えるから不思議だ。<br />
「・・・・・」<br />
後輩は僕を一瞥してから、<br />
「御守りです」<br />
と呟いた。<br />
「御守り?宗教的なものには見えないが」<br />
寧ろ科学的な事物に見える。<br />
「神仏の加護ではなく、自らに安心を与えると云う点で御守りなんです。特殊な電波を発生させる為の<br />
機械ですから」<br />
「おいおい。電波って、安全なのか?それ」<br />
「人体に影響はありません。これは盗聴や盗撮を妨害するためのものです」<br />
携帯も使えなくなりますけど。一ツ橋はさらりと云う。<br />
「なんでそんなものを・・・」<br />
「念のためです」<br />
後輩は“御守り”を居間のテーブルの上に置く。<br />
そして、持ってきていた鉢植えを僕に渡した。<br />
「お見舞いです」<br />
「ああ、ありがとう」<br />
黒い箱が気になったが鉢植えを受け取る。<br />
草丈30センチ程度、葉の形状は2列の互生。花弁は六枚あり、その中心から花蕊が噴水のように長く<br />
突き出ている。<br />
「なんだか毒毒しい花だな」<br />
貰っておいて失礼な話だが、つい口からそんな言葉が出る。<br />
「Tricyrtis hirta Hook.別名を油点草。毒用や薬用ではなく、観賞用です。<br />
元禄年間には庭に植えられる事も多かったようですが。お気に召しませんか」<br />
「いや。これはこれで愛嬌がある。薄紫の花ビラに白のかのこも良く見れば綺麗だよ、ありがとう」<br />
「そうですか」<br />
後輩は表情無く頷いた。<br />
「耳の調子はどうですか?」<br />
ところで、も、それで、も付けずに、一ツ橋は問う。これは彼女の独特のパターンなので、慣れてしま<br />
えばどうということもない。<br />
「とりあえず通院する必要はありそうだ。どの程度自然治癒するかわからないけど、それで駄目なら<br />
手術するみたいだ」<br />
「・・・・・・」<br />
一ツ橋は何も云わない。<br />
じっと僕を見ている。<br />
「そんな目でみなくても、大丈夫だよ。多分。うん」<br />
「・・・・先輩」<br />
「うん?」<br />
「先輩は、今――幸せですか?」<br />
「・・・・・」<br />
僕は黙った。<br />
なんと答えて良いかわからず、後輩の真意も窺い知れない。<br /><br />
651 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:38:08 ID:Yzy+dAPl<br />
「貴方はこの境遇に満足ですか?貴方を取り巻く人間関係に安息はありますか?この先が平穏であると<br />
思えますか?」<br />
「お、おいおい。どうしたんだよ、急に」<br />
「答えて下さい」<br />
「そんなこと云われても、よくわかんないよ」<br />
僕は首を振った。<br />
確かに織倉先輩と云い、綾緒と云い、最近は何か変だ。<br />
前のような気軽さは、雲散霧消してしまったと云って良い。<br />
出来るならば以前のような気の置けない優しい先輩と良く出来た妹分に戻っては貰いたいが、それは<br />
無理だろうと確信できる。<br />
「皆、どうしちゃったんだろうな・・・」<br />
応答するかわりに、そんな愚痴をポツリとこぼした。<br />
「好むと好まざると環境は変わるものです」<br />
一ツ橋はソファから降りると、僕の前にやってくる。<br />
「どうぞ」<br />
そして僕の手に何かを握らせた。<br />
それはテーブルに置かれた黒い箱とは違う、正真正銘用命本物の御守りだった。<br />
「これは?」<br />
「見ての通りです。最近不幸続きのようなので差し上げます」<br />
少し驚いた。<br />
僕の知る限りでは一ツ橋朝歌という少女は、アニミズムやアニマチズムと云ったものに無縁だったはず<br />
だ。こういったものは分析の対象でしかなく、信仰することなど、今まで一度もなかったのだが――<br />
(いや、それはともかく)<br />
「なあ、一ツ橋」<br />
「何でしょうか?」<br />
「僕の目がおかしくなければ、これ、『安産守り』って書いてあるんだが」<br />
「お約束は大事かとおもいまして」<br />
表情を変えずに淡淡と云う。<br />
「どうせそんなものは気休めです。ならば何でも良いでしょう」<br />
「それはそうだが・・・」<br />
僕が肩を竦めると一ツ橋はこう云った。<br />
「ひとつおまじないを教えます」<br />
「おまじない?」<br />
「はい。おまじないです。もしも先輩が絶体絶命の危機に遭った時――その御守りを思い切り握り潰し<br />
て下さい」<br />
「は?握りつぶす?」<br />
「はい。思い切り。御守りには、木片が入っているのですが、それを破壊して下さい」<br />
「おいおい、罰当たりだな。壊すとどうなる?」<br />
「運が良ければ――天佑神助があるかもしれません」<br />
「御守り壊すようなことをして、助けがあるのか?」<br />
「運が良ければ。まあ、頭の隅に入れておいてくれればそれで良いです」<br />
云うだけ云うと、後輩はくるりと背を向け、キッチンに歩いて往く。<br />
「お、おい、一ツ橋?」<br />
「晩御飯作ってあげます」<br />
体躯に不釣合いなエプロンを掛けて云う。<br />
僕は首を傾げて“安産守り”を見つめた。<br />
(天佑神助・・・ねぇ)<br />
頭を掻きつつ御守りを身につけた。<br />
ちなみに、後輩の作った晩飯は、思いのほか美味しかった。<br /><br />
「昨日は申し訳ありませんでした。兄の君に御仕えする身でありながら、本分を全うすることが出来ず<br />
に引き返すことになりまして」<br />
翌早朝。<br />
僕は玄関で綾緒と対面していた。<br />
普段は和装に身を包んでいるはずの従妹は、登校前だけあって制服姿である。<br />
綾緒は訪ねて来るなり前述の言葉を口にし、深深と平伏した。<br />
「いいから体を起こしてくれ。制服が汚れちゃうよ。髪も――」<br />
「いいえ。綾緒はにいさまの御世話を仰せ付かった身です。それが果たせぬのですから、罰を与えて<br />
頂かないと申し訳が立ちません」<br /><br />
652 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:40:48 ID:Yzy+dAPl<br />
昨日、貧血で帰したことを気に病んで態態謝罪に訪れたらしい。<br />
帰したのは僕だし、体調不良は仕方の無いことだろうに、従妹は酷く気にしている様子だった。<br />
「と、とにかく体を起こしてくれ」<br />
半ば無理やり起き上がらせる。<br />
立ち上がった綾緒は、当然のことだが砂埃で汚れていた。<br />
「あああ、やっぱり」<br />
パタパタと叩く。<br />
高価そうな制服と綺麗な長い黒髪が砂まみれだ。<br />
「にいさま」<br />
叩く手を綾緒が制した。<br />
「綾緒の穢れなど、どうでも良いことです。それよりも――綾緒に罰を与えて下さいませ」<br />
「は?」<br />
罰?<br />
罰って何だ?<br />
「綾緒、お前、別に悪いことをしていないだろう?」<br />
少なくとも、昨日の件に関しては。<br />
「いいえ。妻としての務めを果たせなかった事のみが総てです。どの様な理由も云い訳にすぎません」<br />
妻。<br />
その言葉に一瞬身を硬くする。<br />
が、敢えてそこは無視した。<br />
「罰なんていらないよ。ほら、汚れを落とさないと――」<br />
「にいさま」<br />
綾緒は強い光を湛える瞳で僕を見つめた。まるでこちらが悪事を咎められているかのように錯覚する程<br />
の視線だった。<br />
「にいさま、けじめをつけて頂かなければ、綾緒は前に進めません。どうか綾緒に罰を」<br />
「・・・・」<br />
僕は押し黙る。<br />
たかだかあの程度のことでどんな罰を与えろと云うのだ。<br />
「にいさま、御願い致します」<br />
綾緒は再び頭を下げる。<br />
「でも・・・どうしたらいい?」<br />
「にいさまの御心のままに。なさりたい様にして下さいませ。綾緒の肉体は髪の毛一本から爪の先まで<br />
総てにいさまのものです。どのようにされても、綾緒は満足です」<br />
「そんなことは」<br />
したくはない。<br />
たとえば、本当に綾緒に非があるのならば『罰』を与えることもあるだろう。<br />
けれど、昨日の件に関しては非があるとは思えない。<br />
そんな状態で与える罰は、唯の暴力になりはしないか。<br />
(承諾できるわけが無い。――でも)<br />
このままでは綾緒が納得しないだろう。<br />
だから僕は、<br />
「わかったよ・・・」<br />
そう答えた。<br />
『とりあえず』綾緒の望むままにしておく事が一番良い。<br />
軽く小突けばそれで丸く収まるのだから。<br />
頬を張ろうとして手を上げる。<br />
「にいさま」<br />
手を上げたままの僕を従妹は真っ直ぐ射抜く。<br />
「綾緒に手心加えるような真似はなさらぬよう、御願い致します」<br />
「――」<br />
見透かされている。<br />
いや、釘を刺されたのか。<br />
いずれにせよ、これで手加減は出来なくなった。<br />
(・・・・仕方、ない・・・よな)<br />
僕は歯を食いしばって手を薙いだ。<br />
パチン、と高い音が響き、従妹の身体がぐらりと揺れる。<br />
「あ、綾緒、大丈夫か!?」<br />
慌てて肩を掴んだ。<br />
細い肩を支えて見る従妹の頬は赤く赤く腫れていた。<br /><br />
653 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:42:10 ID:5hg+lbWc<br />
支援。<br /><br />
654 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:43:17 ID:Yzy+dAPl<br />
それなのに。<br />
「ふ・・・ふふ・・・」<br />
どうして。<br />
この従妹は笑っているのだろう。<br />
自らの頬を撫で、恍惚とした表情を浮かべている。<br />
「この痛みは、綾緒だけのもの・・・。にいさまが刻み込んでくれた肉の証・・・」<br />
熱を持った吐息と澱んだ瞳。<br />
「にいさまァ、もっと、もっと綾緒にお仕置きして下さいませ。綾緒は、にいさまに与えられる総ての<br />
ものが愛おしいのです・・・」<br />
支える肩越しにふるふると振動が伝わった。<br />
まるで、悦びで打ち震えているかのように。<br />
「“罰”はこれで終わりだ」<br />
僕は手をどける。<br />
「残念、です。でも、にいさまがそう仰るのであれば」<br />
今だ頬を撫でながら従妹は首を振った。<br />
「ところでにいさま」<br />
「ん?」<br />
表情を普段のそれに戻しながら綾緒が問う。<br />
「昨日、綾緒が去った後ですが・・・この辺り一体で電波障害でもありましたか?」<br />
「電波障害?いや?そういう話は聞いていないけど。どうかしたのか?」<br />
「いえ。明朝先程の謝罪に参ります、とお伝えしようと思ったのですが、電話が繋がらなかったようで<br />
すので」<br />
「・・・・」<br />
一ツ橋の『御守り』。<br />
僕は即座に了解した。<br />
あの直方体は本当にジャマーとして機能していたということか。<br />
僕は「よくわからない」とお茶を濁した。<br />
なんとなく、一ツ橋とでも二人きりで逢っていたと話すのはまずいような気がしたのだ。<br />
従妹は「そうですか」と首を捻って、すぐに顔を上げる。<br />
「にいさま。綾緒がここへ来たのは、謝罪のほかにもう一つ理由があるのです」<br />
「何かな?」<br />
「実は、にいさまに差し上げたいものがあるのです。それで、本日御時間を頂きたいのですが・・・」<br />
時間?<br />
「放課後って事だよな?」<br />
綾緒は制服姿であるし、これからということはないだろう。<br />
「はい。授業の後で。綾緒が迎えにあがります」<br />
「それは構わないけど、一体何をくれるんだ?」<br />
素朴な疑問をぶつけてみる。<br />
すると、従妹はとても嬉しそうな顔をした。<br />
どこか危うさを感じさせる、歪んだ笑み。<br />
「それは・・・、まだ聞かないで下さいませ。ですが、それはにいさまの身体にとってとても良い事<br />
となりましょう。それだけは約束できます」<br />
「・・・・・」<br />
耳の手術でもするのだろうか?<br />
(それはないか)<br />
何にせよ、“この状態”の綾緒は危険な気がする。<br />
僕が答えあぐねていると、従妹は危うさを消した笑顔でこう云った。<br />
「にいさま、車を待たせておりますのでここで失礼致します。すぐに迎にまいりますので、校門で<br />
待っていて下さいな」<br />
深深と腰を折って、綾緒は立ち去って往く。<br />
その姿に、僕はどうしようもない不安を覚えた。<br /><br />
そして放課後になった。<br />
宣言通り綾緒はすぐに遣って来て、僕を車に乗せた。<br />
黒塗りの高級車。<br />
楢柴家の私物だ。<br />
母方の血筋が血筋なので、こういった車に乗ることは初めてではない。<br />
けれど何度乗っても落ち着くことが無い。<br />
生まれながらの小市民の僕には、横にいる従妹のように悠然と座ることは生涯出来ないだろう。<br /><br />
655 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:45:28 ID:Yzy+dAPl<br />
そんな気持ちを落ち着かせるためか、或は朝見た従妹の笑顔に恐怖したせいか。<br />
僕は胸のもやもやを無視するために、綾緒に話しかけた。<br />
「なあ綾緒、これから一体どこに往くんだ?」<br />
「病院です」<br />
従妹は微笑したまま答えた。<br />
澄んだ声には淀みが無い。<br />
「病、院?」<br />
声が引きつった。<br />
何でそんなところへ往くのだろう?<br />
あまり良いイメージのない場所なのだが。<br />
「にいさまに差し上げるものは、そこでないと受け渡しが出来ぬものなのです。隣街の病院ですが、<br />
そこは楢柴のお抱えです。規模も設備も保証致します」<br />
「いや・・・・。規模とか設備とかはどうでも良いんだけど、何を渡すつもりなんだ?」<br />
嫌な予感がする。<br />
「”いいもの”ですよ。ここ数日、にいさまの御世話を満足に果たせなかった理由もそこにあるので<br />
す。綾緒が体調を悪くしていた理由でもありますが」<br />
「体調って、貧血のか?それはどういう・・・」<br />
僕が云いかけると、綾緒は人差し指を立てて僕の口に当てた。<br />
「内緒です。すぐにわかります。楽しみにしていて下さいな」<br />
従兄を黙らせた綾緒はその人差し指を今度は自分の唇に押し当てて片目を瞑った。<br /><br />
病院へ着いた。<br />
楢柴のお抱えと云う言葉は本当だったようで、医師も看護士もその他の従業員も、従妹の姿をみとめる<br />
と丁寧に御辞儀をした。<br />
頭を下げられ慣れているのだろう。<br />
綾緒の対応は鷹揚で、貴種の貫禄があった。僕などは終始落ち着かず、“半歩後ろにいる従妹について<br />
往く”ような歩き方だったろう。<br />
だから院内をきちんと見ているゆとりもなく、周囲の通路に人影と明るさが無くなって、初めて地下に<br />
来たことに気づいた程だ。<br />
「なあ、綾緒」<br />
コツン、コツンと足音が響く。<br />
「何で御座いましょう、にいさま」<br />
しずしずと歩く従妹に足音は無い。これも作法なのだろうか?<br />
「随分寂しい所へ来たけど、どこへ往くんだ?」<br />
「無論、受け渡し場所です」<br />
従妹は口元だけ笑っている。<br />
能面のような冷たい笑い方。<br />
蛍光灯の明かりは細長い通路を照らすには力不足で、非常口の案内が陰鬱に輝き目立っていた。<br />
後ろを振り向いても人影は無い。<br />
叫べば響くだろうが、外に届くだろうか。<br />
僕らは暫く無言で歩いた。<br />
時間の感覚が孤独で狂い、どの程度歩いたかは判断できない。<br />
「にいさま、こちらです」<br />
無個性で静かな扉がそこにあった。<br />
綾緒はそれを開き、僕を誘い入れる。<br />
「暗いな」<br />
部屋の中に電気は無かった。<br />
妙に心細い。<br />
「明かりをつけますね」<br />
従妹の声が薄闇に響いて、蛍光灯独特のタイムラグの後、暗くて白い明かりが室内を満たした。<br />
「・・・ここ、は・・・?」<br />
ブウウウウウンと機械の唸り声がする。<br />
壁が扉になっていて、そこから唸りは聞こえているようだ。<br />
「にいさま、どうぞおかけになって下さい」<br />
にこやかに云う。<br />
広い室内の真ん中にはポツンと椅子が一個だけ。<br />
しっかりした造りの背もたれのついた椅子だった。<br />
(こんなど真ん中にあるのに、気がつかなかった)<br />
雰囲気に飲まれているせいだろうか。<br /><br />
656 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:47:50 ID:Yzy+dAPl<br />
勧められるまま椅子に座る。<br />
「支度致します。にいさまはそこに掛けていて下さいな」<br />
綾緒は僕の背後に廻る。<br />
そして。<br />
「え」<br />
ガチャリ。<br />
金属と金属が結合する音が聞こえた。<br />
「あ、綾緒・・・・これは・・・・!?」<br />
手に。<br />
足に。<br />
僕の身体に、何かが嵌められていた。<br />
四肢は椅子にしっかりと固定され、動かすことが出来ない。<br />
「お前・・・何を?」<br />
冷や汗が出る。<br />
従妹はニコニコと笑ったまま、腰にもベルトを廻して固定した。<br />
「御無礼。急なことで驚かれたでしょうが、不意打ちのほうが、にいさまも喜ぶかと思いまして」<br />
(喜ぶ?何を云ってるんだ!?)<br />
怖くなった。<br />
カチカチと歯が鳴る。<br />
「約定の通り、にいさまに贈り物を致します」<br />
「な、何だ?と、とにかくこれを外してくれ・・・・っ」<br />
叫び声に近かったと思う。<br />
聞こえているはずの綾緒は、満面の笑みを浮かべて僕を見ていた。<br />
「にいさま。美味しいワインの造り方って御存知ですか?」<br />
ワイン・・・?<br />
何云ってるんだ!?<br />
「製法その他、色色ありますが、一番重要なのは良質の葡萄どうしを掛け合わせて良い葡萄を確保する<br />
ことなんです」<br />
理解できない。<br />
何だ、これは。<br />
「ですが、良質の葡萄どうしを掛け合わせていると、やがて品種は劣化するんですよ。そんな時、野山<br />
の葡萄と掛け合わせると、品質は元に戻るそうです。猟犬なんかもそうですね。良血どうしでは血が先<br />
細りをするので、狼と掛け合わせるんです」<br />
どうなってる・・・・!?<br />
一体どうなってるんだ!?<br />
「人間もそう。高貴な血ばかりで家を成すと、弱い子が生まれやすい。そういった意味で、雑種に手付<br />
けをして出来た子は血を引き締める意味で必要なんです。将軍家や天皇家などに新しい血が入るのは、<br />
この要領ですね。雑種はそうやって役立てるんですよ?」<br />
「あ、綾緒?何云ってるんだ、お前」<br />
「にいさまの母さまは、そういった意味で役には立ったと思います。高貴な楢柴の血を否定し、低劣<br />
な下下の血を混ぜたことは許し難いのですが、遺伝上の必要悪と考えれば我慢できなくもありません。<br />
なにより、にいさまを産み落とした功があるのですから」<br />
心臓が鳴る。<br />
何か、まずい。<br />
「綾緒はにいさまを好いています。下賎の血が混じっているとしても、愛しく思います。新たな血を<br />
入れる意味でも、にいさまと結ばれることは必要であると自覚しています」<br />
ですが。<br />
綾緒は表情を歪める。<br />
「その一方で、楢柴宗家の長女たるものが、下劣な血を受け入れることには抵抗があるのです。にいさ<br />
まだって、本当は楢柴の純血で生まれたかったでしょう?その無念、痛いほど解ります」<br />
そんなこと、思ったこともない。<br />
綾緒はなにを云ってるんだ。<br />
「だから綾緒は考えました。どうすればにいさまに喜んで頂けるか。どうすればこの撞着を昇華出来る<br />
か、と。それで、答えが出たのです」<br />
ブウウウウウウン。<br />
唸る機械に綾緒は近づく。<br />
そして、扉を開けた。<br />
「な・・・」<br /><br />
657 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:50:19 ID:Yzy+dAPl<br />
僕は目を見開く。<br />
開放された空間の向こう側から流れ出る白い気体は、冷気。<br />
機械は、冷蔵庫のようだった。<br />
「お前・・・それ・・・・」<br />
赤。<br />
白い世界の中に配置されているのは、よく知った赤だった。<br />
「 血 ・・・・・ なのか・・・・・ 」<br />
そこに保存されていたもの。<br />
大量の、血液。<br />
「ある時期から、綾緒は少しずつ少しずつ、自らの血を抜きました。正真正銘、純度100%の綾緒の<br />
血液です」<br />
「まさか・・・これ・・・・」<br />
「それでも血が足りませんでした。ですからここ数日は、かなり強引に採血したのですよ。貧血でにい<br />
さまの御世話が出来ませんでしたが、それは総て、にいさまの為に」<br />
「お前、まさかそれを僕に・・・・!?」<br />
「はい」<br />
従妹はニッコリと笑った。<br />
夜叉のように笑った。<br />
「これからにいさまに流れる不浄の血を総て捨て去ります。そして綾緒の血をにいさまに流すのです。<br />
にいさまはこれから、綾緒の血で生きて往くのです。それなら、穢れた雑種の血も気にならないでしょ<br />
う?」<br />
「う、あ・・・」<br />
身体が震えた。<br />
そんなこと、おかしいだろう・・・!<br />
「今回は血液のみですが、往く往くは、皮膚も綾緒のものに張り替えて差し上げます。少しずつ、にい<br />
さまは綾緒と同じものになって頂きます」<br />
「・・・・ひ・・・・・」<br />
怖い。<br />
綾緒が怖い。<br />
僕は恐怖で悲鳴も出なかった。<br />
綾緒は“自分になって往く”従兄を想像しているのか、恍惚とした笑みを浮かべていた。<br />
「ふ・・・ふふ。にいさまが・・・綾緒と同じ血を流す・・・・」<br />
従妹は自らの肩を抱き、ぶるぶると震えていた。<br />
「あまりはしたない表情は見せられませんね」<br />
熱い吐息のままの綾緒はそう云うと鞄に手を入れる。<br />
取り出されたものは――能面。<br />
『生成』(なまなり)<br />
そんな名の。<br />
綾緒は震える手で能面を装着する。<br />
般若面に似たそれは、『人が化け物になる過程を表した』面である。<br />
生成と云う呼称自体、“変わりかけ”であることを示している。<br />
「ふふふ・・・にいさま。綾緒と同じものに変わって下さいませ」<br />
仮面越しに籠もった声は、いつもの可憐な従妹のそれではなかった。<br />
「や・・・やめてくれ・・・・」<br />
呻吟は恐怖で掻き消され。<br />
助けを呼ぶことも出来ない。<br />
目の前が真っ暗になった。<br />
生成の女は、歓喜に打ち震えた笑い声でにじり寄った。<br /><br /><br />
658 名前:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:52:27 ID:Yzy+dAPl<br />
――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br /><br />
ここ最近、日ノ本くんが冷たい。<br />
お昼に誘っても。<br />
部活に呼んでも。<br />
なにかと理由をつけて去ってしまう。<br />
「ねえ、朝歌ちゃん。どうすれば日ノ本くんはこっちを見てくれるかな?」<br />
目の前で本を読むつまらない女に声を掛ける。<br />
どういう風の吹き回しか。<br />
今日はイヤホンを付け、何かを聞きながら読書している。<br />
(どうせクラシックか何かだろうな・・・)<br />
クラシックは私も好きだけど、この女が聞いていると思うと途端につまらなく感じるから不思議だ。<br />
無表情な女はちらりとこちらを一瞥し、<br />
「知りません」<br />
と答えた。可愛くない。<br />
「私の想い、届いてないのかな?」<br />
「そうでしょうね」<br />
目を閉じながら余計な相槌を打つ。<br />
本当に空気を読まない嫌な女だ。<br />
「貴女はもう少し建設的なことが云えないの?」<br />
「冷静に事物を見ることは、建設的意見を出す上で必須です」<br />
「相変わらず口だけは達者ね。じゃあ何かアドバイスしなさいよ」<br />
私がそう云うと、一ツ橋朝歌はつまらなさそうに立ち上がる。<br />
「今日は帰ります」<br />
なんて一方的なのだろう。この娘に社交性はないのだろうか?<br />
「adviceですが」<br />
急に立ち止まる。<br />
背を向けたままで淡淡と。<br />
「想いが届いていないと部長が云った通りです。唯の世話焼きな先輩だと思われているだけ、と認識<br />
してみては如何ですか」<br />
本を小脇に抱えた一年生は、云うだけ云って、さっさと去って往く。<br />
「何よ、それ」<br />
誰もいない部室で私はソッポを向いた。<br />
「でも・・・一理あるかも」<br />
考えてみれば、きちんと日ノ本くんに想いを伝えていないのよね。<br />
でも、口に出しても彼は本気に取らないかもしれない。<br />
「本気・・・・本気か・・・・」<br />
そうだよ。<br />
「なんでこんなこと、気づかなかったんだろう?」<br />
私が本気で彼を好いているって、わからせてあげれば良いんじゃないか。<br />
でも、どうやって?<br />
本気だって。<br />
命がけだって、わかって貰うにはどうしたらいいだろう?<br />
「命がけ・・・命、か」<br />
それを証明すればいい。<br />
愛は命よりも重いって、わからせてあげればいいんだ。<br />
「そうだ。そうしよう。それがいい!」<br />
私は立ち上がった。<br />
真剣さを見せてあげれば良いって気づいたんだから。<br />
私は笑っていた。<br />
笑いながら、叫んでいた。<br /><br />
「鳴かぬなら ×××しまおう ホトトギス」<br /><br />
659 名前:無形 ◆UHh3YBA8aM [sage] 投稿日:2007/09/07(金) 23:54:58 ID:Yzy+dAPl<br />
投下終了です。<br />
血液云々ツッコミ不要。<br />
連投はどのくらいで引っかかるのか、ご存知の方、御教示いただければ幸いです。<br />
支援の方、多謝。<br /><br />
では、また。<br /><br />
660 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 00:20:19 ID:+rsaJEMj<br />
リアルタイムGJ。<br /><br />
661 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 00:25:30 ID:Lp76dwk2<br />
>>659<br />
GJ!<br />
一ツ橋可愛いよ一ツ橋<br /><br />
662 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 00:43:18 ID:vsObBBNj<br />
ヤッベェ、GJ!<br />
キャラも理屈もストーリーも素敵だ!<br /><br /><br />
663 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 01:02:41 ID:mwVlETsp<br />
ワインのこととか全然知らないから少しだけ賢くなった気がする。<br />
一ツ橋、まさか電波障害を引き起こすブツまで持ち出すとは。<br />
綾緒VS先輩だけじゃなく、綾緒VS一ツ橋という展開まで脳裏に浮かんできたぜ。GJ。<br /><br />
今まで「ずっと綾緒のターン!」という雰囲気だったが、ここから先輩がどう巻き返すのかにwktk<br /><br /><br /><br />
664 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 01:15:33 ID:+mPiii0V<br />
GJ!<br />
綾緒KOEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!<br />
織倉先輩の反撃や朝歌の動向、伏線っぽい御守りなど気になることが多くてwktk<br /><br />
665 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 02:15:02 ID:1vpMhIfZ<br />
今週の綾緒↓<br /><br />
_ _ __<br />
|主 | 、ノ | --|- ヽ/// ,フ_ |ニ|ヽヽ.ノ ┌┼┐ノ十ノヶ┐斤_.斤 「!<br />
. llll亅|/ヽ l, 丿 フヾ.ヽ c_,ノ ノ 亅|.メ | | ,人亅.ー|‐ノノ亅 |三| つ ・・・・・・・・・ o<br />
 ̄ ’ ̄ ̄  ̄ ´ `<br />
,. -─- 、<br />
/./ ̄\ ヽ._ -‐ 、<br />
ノ./ー- 、 \_,. -‐- 、 i<br />
/./' 、 `ヽ:、\__,. -‐ u ! ! β-エンドルフィン<br />
/ / | \ !} v v ,. -=キ十 ……!<br />
チロシン……! ,. - .ヽ. ! ヽ、 |! u /'´_v| |<br />
| ,.‐、| |uヾ:ヽ. o }|`ll ;∠-‐'' ̄,ラ | L_<br />
| |‐、| | /|ヾミ三シ/ ハ o ./;; | /ヽ.}<br />
. エンケファリン……! | !._,| | |∧ \_ノ } }u゙ミ三彡' |./V./<br />
,ノ`ー|/ |∨ヽ、l / .ノ =' ノ| |l‐//<br />
,∠.-┐〈 N\/`\| {__ノ__,/l/! /'ー ' |<br />
__ ,r(ノ / | | U∨ /ヽ/ゝ-1__|_」/l/〈 ,イ\| バリン…!<br />
. /r'⌒`ー-' ヽ. ,' | | U`ー、/ 7~゙|__.|_」/J'/ | | \<br />
. / ) キキキ ) | ヽ、u _ ̄ ̄ v' / )、|<br />
/ ( ……!( l | | `ヽ、  ̄ ̄ ,. ‐i´ ,ノ ` ~~~ 、<br />
` ー-''⌒ ー- 'l. || ト、 \__,. ‐'´ | { ククク… )<br />
リジン │ || |ヽ\ r‐;'ニ| `i ー-~ー--‐'<br />
ロイシン |. | |ノ' \ヽ._ ノ.ノ| | ト | |<br />
イソロイシン……! |ゝ' `Y-‐'´フノ|ノ | |. | <br /><br />
666 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 02:26:34 ID:u35E/sly<br />
超GJ!!<br />
これでもし綾緒VS織倉の末、朝歌が漁夫の利を得るとかだったら最高だなw<br /><br />
667 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 03:16:48 ID:X4zgcvxJ<br />
歴史と立場が逆なのにワラタ<br /><br />
668 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 03:19:23 ID:FGsx7jWt<br />
GJ!<br />
一ツ橋が愛おしくてたまらない<br /><br />
669 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 05:28:04 ID:GcsJDu7L<br />
無形氏の別の作品だと朝歌入院してるけどこの先大丈夫なのかw<br /><br />
670 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 06:27:20 ID:o9ZlKoi7<br />
GJ!!!<br />
個人的に先輩は二人と対峙したら瞬殺されてしまいそうだな。<br /><br />
朝歌が最終的に勝つに5万エジプシャンポンド<br /><br />
671 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 10:27:44 ID:jsisjx2m<br />
お見舞いに鉢植えとは・・・・<br /><br />
嫌味な子っっ<br /><br />
672 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 12:39:57 ID:8BjkX/XD<br />
>>659<br />
乙。<br /><br />
板設定みるとtimecount=10,timeclose=8なので、<br />
最新10レス中に同一IPからのレスが8あれば、それ以降がブロックされる筈。<br /><br />
間違ってたら指摘よろ。<br /><br />
673 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 13:31:11 ID:I+GmbIOk<br />
>>671<br />
こういうこと書いていいか分からないけど、油点草でググルと面白いかも<br /><br />
674 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 15:38:34 ID:LI1IfScd<br />
今日の新聞のテレビ欄を見て<br />
ヤンデレ?と思ってしまった<br />
本当に病んでるな俺<br /><br />
675 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 16:54:36 ID:IGkFh+8T<br />
朝歌いいよいいよ!<br /><br />
キモ従姉妹とキモ先輩を出し抜いて兄貴分を(σ´∀`)σゲッツ!!して欲しいぜ<br /><br />
676 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/09/08(土) 19:51:41 ID:sDGsGi85<br />
ヤンデレ≠ヤレデキ<br /><br />
677 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 19:55:24 ID:5FQDTC5v<br />
朝歌を長門で脳内イメージしてる俺は負け組みどころでは済まされない<br /><br />
678 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 21:28:22 ID:xPVy4eah<br />
>>674 俺だけじゃなかったんだな。<br /><br />
679 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 22:05:30 ID:Apaf8lIa<br />
セリフと描写しかないのに、セリフばかりで繋げようとしている。<br />
漫画でいえば、ふきだし文字ばかりで絵がほとんどない漫画、よほどの大御所でもなければ読んでくれません。<br />
逆に絵だけの漫画、相当の技量がないと理解されません。いつもバランスが大事です。<br /><br />
特に小説は描写が重要。<br />
描写でキャラの容姿も、立っている風景も、その動きも表し、小説の中に世界を現さなければなりません。<br />
あと、ト書きとセリフだけで出来ている「シナリオ」とは根本的に違うので応用してはいけない。鉄則だそうです。<br /><br />
680 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/09/08(土) 22:15:10 ID:2JzWWmBf<br />
ぷ<br /><br />
681 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 22:15:23 ID:3nraM7pU<br />
どこの誤爆ですか?<br /><br />
682 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 22:34:44 ID:U/4/7Mu0<br />
>>680<br />
ageるなよ<br />
かわいそうに<br /><br />
683 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 23:32:21 ID:p5FWkfnj<br />
>>669<br />
ちなみに何て作品?<br /><br />
684 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/08(土) 23:47:10 ID:Lp76dwk2<br />
>>683<br />
キモ姉・キモウトスレの作品<br />
後は自分で探してくれ<br /><br />
685 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 00:18:37 ID:3TvPNAt9<br />
おお、ほトトギす来てたのか。しかも俺の誕生日に。<br />
作者GJ<br /><br />
686 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 03:40:27 ID:5tZfHAEU<br />
>>679<br />
まぁ、作者に嫉妬してるんだろうが…きもい<br /><br />
687 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 06:02:35 ID:3TvPNAt9<br />
>>679<br />
うーん、完全に間違いでもないが、やっぱりズレた意見だな。<br />
普通に紙媒体とか、自分のHP上でやるなら良いけど掲示板上で地の文章長々書いてるとかなり読みにくいよ。<br />
そんで地の文章ってのは、読み手の意識からしたら「重い」或いは「遅い」んだよ。(一人称なんかを入れると若干変わるけど)<br />
逆に台詞文なんかは「軽い」「早い」に分類される。<br />
だからどう読ますか、読んでもらいたいか、によって意識的に会話文、地の文章の量を調整するのが普通。<br />
つねにバランスよくってのは、なんらかの意図がない限り意味がないよ。<br /><br />
あとやろうと思えばト書きと台詞だけでも小説は出来る。<br />
泉鏡花とか読んでみ。<br /><br />
688 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 09:40:57 ID:CruRH7HA<br />
構うなよアホ<br /><br />
689 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 14:34:24 ID:UVMH7+HR<br />
>>659<br />
(*^ー゚)b グッジョブ!!<br />
綾緒可愛いよ綾緒(*´д`*)<br /><br />
690 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 16:26:41 ID:hL3OqY4V<br />
シリアスもいいけどコメディ・ラブコメのヤンデレって読んだことないから読んでみたいな<br />
ヤンデレだからどうしてもシリアスの数が多くなるのは仕方ないんだろうけど<br />
・・・ってか、そんなヤンデレだったらもうヤンデレじゃないかな?<br /><br />
新参で、保管庫読み始めたばっかりだから<br />
もし保管庫にあるのなら、すまない<br /><br />
691 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 17:34:43 ID:g+PJVKfP<br />
新参とかは関係ないと思うが<br />
読みたい読みたいと催促するんじゃなくて<br />
自分で書いてみたらどうだ?<br /><br />
文才がない、国語力がないとなげきながらSS師に催促するよりは<br />
下手でも投下したほうがよっぽどマシだと思うぞ<br /><br />
692 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 19:11:57 ID:hL3OqY4V<br />
あー、確かに催促してるように取れるな・・・<br />
そんなつもりはなかったんだが<br /><br />
ちょっとしたネタのつもりで書いたんだが<br />
気を悪くしたなら申し訳ない<br /><br />
693 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 20:34:11 ID:d/dpkZWx<br />
そんなあなたにVIPの新ジャンル「ヤンドジ」<br />
男をおもうあまり数々の策を弄するが全て裏目に<br /><br />
694 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 22:30:40 ID:IhhpqxtH<br />
>>693<br />
え?立てたのかよ!!ちょっと見てくる<br /><br />
695 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 22:34:45 ID:IhhpqxtH<br />
・・・・・・俺のはやとちりか<br /><br />
696 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/09(日) 23:21:02 ID:D+pJAYh3<br />
俺も探した。<br />
もし、まとめが有るならURLキボン<br /><br />
697 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 00:26:27 ID:3oK3dwY3<br />
ヤンドジは一応このスレ発祥だし、他で見たことはないなあ<br /><br />
698 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 00:59:59 ID:hzU/pYC1<br />
VIPPERなんてみんな死ねばいいのになあ<br /><br />
699 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 01:09:23 ID:vxSwba0n<br />
だってあの人を叩くんだもん……<br />
そうだっ!<br /><br />
700 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 17:18:08 ID:lf5W+Ff4<br />
死ねとかSS以外で言うなボケ<br /><br />
701 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 18:43:11 ID:3oK3dwY3<br />
ちょっと年齢層が心配になってきたよねこの板<br /><br />
702 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 19:36:54 ID:mZzpBbTH<br />
だから以前に「中学生は早く寝ろ」的なレスしたんだがなぁ<br />
スクデ効果かな?<br /><br />
703 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 19:40:34 ID:0wAdM6P0<br />
あのレスはただ雰囲気悪くしただけだから<br /><br />
704 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 19:47:55 ID:zEbOG76x<br />
どうでもいいけど<br />
スクールデイズの略称はスクイズであって<br />
スクデイではない<br /><br />
705 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 20:46:00 ID:3oK3dwY3<br />
スクミズデイダラボッチだよ<br /><br />
706 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 20:50:02 ID:D+mI1zNT<br />
三角スレで暴れてた基地害が暇だからと言ってこっちにも来てしまったか、、やれやれ。<br />
書き込みすんな。<br /><br />
707 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 21:52:48 ID:stzXT6KH<br />
ヤンデレ大全のせいだったりしてな<br />
それでバカがVIPから流れてくるとか<br /><br />
708 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 22:45:00 ID:z8zBDoJ5<br />
VIPは玉石混交だぞ。エロパロ板ではお目にかかれない職人もいる。<br />
こういうのとか。<br />
ttp://www.uploda.net/cgi/uploader4/index.php?file_id=0000019394.txt<br /><br />
709 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 23:51:11 ID:5T/nuVuI<br />
どうでもいいがVIP関連の新ジャンルやらなんやらは<br /><br />
【総合】新ジャンルでエロパロpart2【混沌】<br />
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185291735/<br /><br />
があるんだからそっちでやってくれ<br /><br />
710 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 00:19:38 ID:wjVInbfy<br />
三次元のヤンデレってあんまし萌えるものじゃないけど。<br />
昔テレビで死んだ彼女の霊が昔付き合ってた彼氏の彼女に嫉妬して暴れたって話しあったな。<br />
祈祷師?さんが分かってあげてとか言ってたけど、結局最後まで納得せず泣きながら天国に行ったけどね。<br />
どうやって成仏させたかは忘れた。あとこれってヤンデレ?<br /><br />
スレ汚し?スルーしてくれ。<br /><br />
711 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 01:04:32 ID:90B9z61i<br />
彼女をじわじわ追い詰め発狂させ、邪魔者を排除した後男の娘に転生<br />
「おとうさんはだれにもわたさない」<br /><br /><br />
だったらヤンデレ<br /><br />
712 名前:ヤンデレに強い男がいてもいい気がするんだ[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 01:25:48 ID:paVKLfEs<br />
>>690<br /><br />
「お・に・い・ちゃ・ん♪」<br />
我が妹が自慢のツインテールを揺らしながら近づいてくる。<br />
彼女の手には何の変哲も無い掃除機。<br />
「徴収の時間で~す♪」<br />
某L5を煩っているとしか思えない目付きで俺のアソコを掃除機で吸い始める。<br /><br />
ギャグ風味って…なんか違うな…<br /><br />
713 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 01:36:42 ID:dyRP2ZGT<br />
>>690<br />
さよなら絶望先生がオススメ<br /><br />
714 名前:彼女の異常な愛情[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 03:58:47 ID:GIgzSs4/<br />
コメディ・ラブコメでちょっと試作<br />
処女作なんで一応注意してくれ<br />
んじゃ、投稿する<br /><br />
715 名前:彼女の異常な愛情[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 04:13:19 ID:GIgzSs4/<br />
――この世界は狂ってる<br /><br /><br />
そう確信したのはいつだったか。まだ毛も生えてない頃だったかな。<br />
もちろん、下の毛だぜ?HAHAHA……おっと、のっけからこんなこと言って驚かせちまったか?<br />
引かないでくれよ?…悪い悪い、自己紹介もまだ済んでないっていうのにな。<br />
まずは俺のことを知ってもらうか。<br /><br />
俺は九条了輔。現役高校生、ぴっちぴっちの青春真っ盛りさ!<br />
趣味はエロゲの根っからのオタク。特に好きなエロゲはそれちるだ。いやぁ、それちるはいいねえ…リリンの生み出した文化の極みだよ…。<br />
それちるのポイントはな…え?んなこと聞いてないって?ちっ、いいじゃねえか、全く。忍耐が足りないぜ、忍耐が。<br />
そんなことはいいからとっとと話せって?わかったわかった。話してやるよ。俺がこの世界が狂ってるって思う原因をよ。<br /><br />
それはな…俺の幼馴染の矢村美代子が異常なほど俺を愛してるからだ。…ちょ、ちょっと待て、拳を治めろ。<br />
何がただの惚気じゃないか?だ。いいか、これだけ聞くとそう思うかもしれんがあいつの愛は尋常じゃないんだよ。<br />
それをわかってもらうために今から俺とあいつのエピソードを話してやるから。<br />
だから、椅子を振り上げるな、お願いします。惚気じゃありませんから、いや、マジで。<br /><br />
まずは美代子のことを紹介してやるよ。お前も知っての通り、同じクラスの矢村美代子だ。ほら、さっき自己紹介してただろ?<br />
ちょっとダウナー系の、髪が黒い…そう、そいつ。美代子は顔はいい、頭もいい、運動神経もいい。これだけだとアイドル並だろ?<br />
実際顔はそんじょそこらのアイドルには負けないだろうな。だけどだ、美代子の異常なところは性格だ。え?そんな風には見えないって?<br />
そりゃそうだろ。あいつ普段猫被ってるし。実際は腹黒でラブサケデリコなエキセントリックな性格なんだぞ。<br />
くそ、あんな性格じゃなければ俺も好きになったのになぁ…。何変な顔してやがんだよ。まぁ、それはいいとしてだ。<br />
俺が始めて美代子のことを異常だと思ったのはだな、小学2年生のときだったな。<br /><br />
そんとき、俺は飼育係をしてたんだ。昔は生き物係っていってたよな。<br />
そういや、今いきもの○かりっていうアーティストが…はい、どうでもいいですよねー。んで、俺んとこのクラスはウサギを飼ってたわけだ。<br />
ほら、あの白いまるまる太ったもふもふの。そうそう、それよ。そのうちのクラスで飼ってたウサギを俺は大層愛してたんだぜ。<br />
担任から了輔君はいつも面倒見て偉いわねえ、なんて言われるくらいに溺愛してたわけだ。ってか、俺以外に世話する奴いねえんだもんよ。<br />
皆サボりやがってさ。あ、美代子は違うぜ。あいつは保健係。あれ、保健係っていったっけ…?ま、それはいい。それである日事件が起こった。<br />
それが俺の恐怖の毎日の始まりでもあったわけだが。<br /><br />
ある日の早朝、ウサギ小屋に向かってたんだよ。<br />
何でかっていうと、他の生徒が登校しない間にウサギ小屋の掃除と飯やりやるためにだ。<br />
これも俺一人。本当は生き物係全員でやらないといけないんだけどな。<br />
その当時、ウサギ大好きだったからそんな苦じゃなかったからいいけど。<br />
とにかく、俺は向かってたわけだ。んで、学校に着いてウサギ小屋に向かったのよ。<br />
そんな大してかからずウサギ小屋が見えたね。でも、ちっとだけいつもと違った。<br />
小屋の前に美代子がいたんだわ。最初見たときはそんな変な感じはしなかったね。<br />
あれ?美代子ちゃん生き物係じゃないよね。何でここにいるんだろ。あっ!もしかしたらウサギ見に来たのかな。それだったら嬉しいなあ、みたいな感じ。<br />
結局そんなのも打ち砕かれるわけですけどね。でも、近づくに連れて違和感がこう、むくむくーって出てくるのよ。<br />
いつもの美代子と違うのよ。服装はもちろんなんだけど、雰囲気っていうかオーラっていうか。<br />
今の俺ならわかるけどね。それを俺は覚醒モードと名づけた。<br /><br />
716 名前:彼女の異常な愛情[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 04:16:45 ID:GIgzSs4/<br />
そう、あいつはオーラ○トラーだったのだ!…はい、すんません。ふざけないからグーはやめて、せめてパーで。<br />
決定打だったのはあいつがナイフを持っていたってこと。しかも血塗れのだぜ?ありえねえよ、お前どこの殺人鬼だよ、って感じだよな。<br />
そりゃ違和感感じて当然だっていう話。当然俺はナイフに気づいた時点でガクブルの状態。その場から一歩も動けないわけ。声も出せなかった気がするね。<br />
でも、美代子はこっちに気がついちまったわけ。俺泣きそうだったと思う。つか、ちょっと涙目だったかもしんね。しかも、あいつさ、その後なんて言ったと思う?<br />
満面の笑みでさ、俺におはよう♪だぜ?信じられるか?どう考えても何かやらかしちゃいましたって感じの奴が血塗れのナイフを持って自分に話しかける恐怖が?<br />
プラス、これ以上ないって感じのスマイル。朝○に刺されそうになったキョ○の気持ちが俺にはわかる。うん、わかる。ちびらなかった昔の俺を褒めたい。<br />
むしろ、褒めろ。キ○リー夫人とかマザー・○レサなんて目じゃないね、俺を褒めろ!…すまん、あまりの恐怖に取り乱した。<br />
話を戻してだ。俺はなけなしの勇気を振り絞って、何をしてるの?って言ったんだ。俺偉い!でも俺馬鹿!今の俺ならできないな。子供の蛮勇ってやつ?<br />
美代子の返答は、ウサギ殺してた♪って。今思うと、おいおい、ストレートすぎんだろ!○国でももっと上手に隠すよ!って感想。<br />
当時の俺もどうやら同じ感想だったらしくてな、確か真っ青だった気がする。おっと、俺の蛮勇はまだ続くんだぜ?んで、なんで?って聞いた。<br />
まぁ、当然だよな、気分でウサギ殺されてても困るし。さて、ここで問題です。この後美代子はなんて答えたでしょう。<br />
正解者にはもれなく俺の物理的に熱い摂氏100℃のキッスを…あー、睨まないでくださいね、そこ。はいはい、わかったわかった。<br />
正解はこのウサギが了輔君に好きだって言われたからだそうです。俺の記憶から抜粋しました。…な?ありえないだろ?俺がそんなこと言っただけだぜ?<br />
そんとき、事件の前日に美代子にウサギ見せて俺こいつのこと大好きなんだー。お前も俺のこと好きだよなー、とか言った記憶を鮮明に思い出したね。<br />
思い出しちゃった俺が憎い。返答に困ったからさ、適当に、そうなんだ…、とか無難に返事したよ。な、なにをするだー!とかは言えなかった。<br />
ウサギにゃ悪いが俺も命が惜しいんでね。俺は奇妙な冒険ができるタイプの人間じゃないもんでな。まぁ、あの後ウサギは丁重に葬ったので勘弁してほしいところ。<br />
んで、返答した後はとりあえず、逃げた。かといって、全速力でダッシュして逃げたんじゃないぜ?ぼ、ぼく先に教室に行ってるね的な逃げだ。<br />
俺の本能がここで全速力ダッシュしたら○ェイソンばりに追いかけられるのは明白だと警鐘を鳴らしてたんでね。結局、付いてこられて2人で教室行ったんだけど。<br />
まぁ、後は先生に任せようと思ったわけ。そんとき俺はまだこの世界の異常に気づいてなかったんだわ。いくらなんでもウサギ殺しが罪に問われないわけないだろー、ってさ。<br />
そりゃ殺したのは動物だけど殺しは殺しだし。罪っていうか先生に何でこんなことしたのか事情聴取と説教ぐらいはされるだろ、ってな。<br />
しかも教室に入っても美代子の奴、血塗れのナイフ握ってたし。怖くてとてもじゃないが注意なんてできなかったけどな。っていうか、改めて身の危険を感じてた。<br />
ナイフ持った奴と誰もいない教室で2人きり、って殺人事件が起こってもなんら不思議がねえよ。ダイイングメッセージはどうしよう…とか現実逃避してました。<br />
んで、時間が経って他の生徒も来るわけだ。そのときを俺はどれだけ待っていたか。この異常な状態に、さあ、気づけ!さあ、先生に言って来い!と胸を高鳴らせてたわけよ。<br />
しかし、期待は裏切られるもので…いや、期待っていうか異常っていうのかな…。<br /><br />
717 名前:彼女の異常な愛情[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 04:19:12 ID:GIgzSs4/<br />
初めに美代子がナイフを握っているのに気づいた奴が放った第一声は、わあ、そのナイフかっこいいね!だったよ。<br />
俺はあまりのことに奴(仮名・田中)の頭を疑ったね。田中、お前頭大丈夫か?と、それはそれは言いたかった。<br />
怖くて言えなかったけど。お前はその歳にしてナイフフェチにでも目覚めているのかと。<br />
それともお前の頭の中にはお花畑でも広がっているのか、と。困ったことに異常な事態に気づかなかったのは田中だけじゃなかった。<br />
血塗れナイフを何の異常とも取らないのがクラス全員でしたよ。俺はあまりのことに笑った。<br />
そりゃもう、竜宮○ナのようにな。何でこれが異常じゃないんだ。<br />
お前らの家族は家で日常茶飯事的にバトルロワ○ヤルでもやっているのかと。…まぁ、それはいい。<br />
こうなりゃ先生に頼ろう。先生なら大丈夫。俺は一縷の望みをかけて先生が来るのを待った。<br />
…わかってはいたんだ、多分。先生も同じことだって。それでも…それでも希望を持ちたかったんだよ。<br />
案の定、先生が言ったことは、こら、ナイフ学校に持ってきちゃダメでしょ、だけでしたよ。<br />
血塗れに何のツッコミもねえ。もう笑うしかなかったね。<br />
その後、ウサギのこと言ってみたけど、うふふ、可愛い嫉妬ね、とか。<br />
は?あんたにはナイフぶっさすのが可愛いんかい!…それが俺の人生初のマジギレでした…。<br />
そして俺の初恋が無残にハートブレイクした瞬間でもあったぜ…。<br />
俺が世界の異常に気がつきはじめた日でもあるな。そんときはまだ世界に希望はあったんだけどなぁ。<br />
まだ確信もなかったし…まぁ、それはいいよ、もう。<br /><br /><br />
他にもな、美代子の異常なところは――っ!?<br /><br /><br />
やっべえ!美代子の奴がすんげえ勢いでこっちに向かってきてやがる!だが、会わなければどうということはない!<br />
急いで逃げないと…ん?わかるのかって?…俺だってわかりたくなんてなかったよ。<br />
でも、身を守るためにはこういう能力も必要になるわけだ。人間とは進化の生き物なんだよ、チミぃ。<br />
おおーっと、やべ、こうしてる間にもどんどん近づいてやがるぜえ!俺行くわ!んじゃな!<br />
――っと、お前、名前は?あ、ちょい待ち。思い出すからよ。えーっと…確か、林神里子…だよな?<br />
お、あってる?…よし、あってた。改めて、俺九条了輔!よっろしくな!話聞いてくれて嬉しかったぜ。サンキュ。<br />
入学式からサボりなんてしたかねえけど、事情が事情だ。担任にはよろしく言っておいてくれ。<br />
…おい、こら、クラスの連中そんなに見つめるな。こっちにはこっちの事情があるんだぜ。<br />
仕方ないんだ。っと、頼むぜ、里子!んじゃ、また明日な!<br /><br />
718 名前:彼女の異常な愛情[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 04:19:54 ID:GIgzSs4/<br />
と言って彼は窓から飛び降りて行ってしまった。ここ2階なんだけどなぁ…あの元気があるところも実に了輔らしい。<br />
ふふ、っと思い出し笑いをしてから胸ポケットから生徒手帳を取り出した。ただの生徒手帳ではない。<br />
ここにはボクの大切な写真が収まっているのだ。開いて大事な写真を眺めた。<br />
手帳にはボクの大事な大事な了輔の隠し撮りした写真を入れてある。一枚じゃないよ?<br />
ボクは彼のことを何でも知っておきたいと思っているから彼の部屋の壁に盗聴器も隠しカメラも仕掛けてある。<br />
その中の秘蔵のベストショットを10枚ほど入れてある。いつだって了輔と離れていたくないんだ。中学校時代は辛かった。<br />
同じ中学校じゃないから会えないし、彼もボクのことを知らない。<br />
ああ、前世から恋人同士のボクと彼が愛し合えないなんてこんな不条理があってよいのだろうか。<br />
ふふ、まぁ、彼のことを研究するには良かったと思うけどね。それに高校からはずっと一緒だ。<br />
学校側に金を渡して了輔と同じクラスにしたのはやはり正解だったな。こういうとき金持ちの家というのは便利だ。<br />
だが、あの糞豚まで一緒だったのは誤算だったな。違うクラスにしとけばよかったか。了輔に付き纏うあの糞豚め…<br />
いつもいつも了輔に引っ付きやがって…。おっと、いつの間にボクの傍にいたんだい矢村さん?ふふ、ボクに何か用かな?<br /><br /><br />
「…貴女からは私と同じ匂いがするわ。…了輔君に近づかないで、貴女の臭い匂いがうつってしまったら困るから…」<br />
「…ふふ、酷いなあ。いきなり。ボクは何もしてないよ?」<br />
「…まぁ、いいわ。せいぜい頑張って私と了輔君の愛を燃え上がらせて頂戴…」<br />
「…ふふ、矢村さんが何を言っているのかボクにはわからないよ」<br />
「…………」<br />
「…………」<br /><br /><br />
『うわぁ、何だこの空気。…俺(私)このクラスでやっていけるかな…』<br /><br />
719 名前:彼女の異常な愛情[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 04:23:29 ID:GIgzSs4/<br />
これで終わり<br />
なんだが、やべえw読みにくい<br />
何文字ぐらいでで改行すべきかわかんねえ<br /><br />
台詞が異常に少ないのは仕様です<br />
ヤンデレとズレた気もする<br />
内容がちょっと調子に乗りすぎた気もする<br />
・・・まぁ、そこら辺は目を瞑ってくれ<br /><br />
720 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 04:24:42 ID:d83gPdc6<br />
いやだね<br /><br />
721 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 08:17:15 ID:1JEPAmGN<br />
GJ!<br />
なんか、新鮮な感じの作品だ。<br /><br />
722 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 14:11:19 ID:g9J9G25m<br />
GJ!了輔の性格がいいなw<br /><br />
723 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 16:48:23 ID:ZCAb5na8<br />
文章の視点人物がおかしい。もっと丁寧に書いてくれ。<br />
戯言やハルヒの影響なのか、こういう文章がいいと思われて困る。<br /><br />
724 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 17:16:51 ID:5KrkChPb<br />
>>723<br />
よく来るね~あんた。<br />
荒らして「俺ってすごくね?」ってキモイ面でニヤけてるのが見えそうだ<br />
と構ってみる<br /><br />
725 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 17:24:59 ID:d83gPdc6<br />
別に露骨に罵る事ないだろ<br /><br />
726 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 17:50:05 ID:tcOuHdLG<br />
構うと居座られるって。<br /><br />
727 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 18:57:43 ID:GIgzSs4/<br />
ヤンデレ小説を読んでて、明確にヒロインの髪の色が描写されない場合黒色に脳内変換しちまうのは俺だけだろうか<br />
言葉様の影響か・・・<br /><br />
728 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 20:41:40 ID:8TVjkAEa<br />
色染めしてると自己主張強そうで、あまり病みそうにない印象があるな<br /><br />
すまんが、黒髪大好きな俺は描写があっても全て黒に脳内変換してる<br /><br />
729 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 22:20:07 ID:g9J9G25m<br />
基本的に日本人の髪色は全部黒として考えてる俺は勝ち組<br />
つーか漫画じゃないんだから特に設定がない限りそれでいいと思ってる<br /><br />
730 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 23:00:33 ID:IMt3F8jo<br />
別にお前らのそういうポリシーはことさらどうでもいいよ<br /><br />
731 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/11(火) 23:49:43 ID:enNNVj51<br />
>>730じゃあ黙っててね、いつもの君<br /><br />
732 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 00:00:40 ID:LYxESuXl<br />
>>719<br />
うーん。<br />
パロディというより主人公がくどいというか、しつこいというか……<br />
ネタはもう少し控え目な方がいいんじゃないかな<br />
ヒロインの設定は悪くないと思うし<br /><br />
733 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 01:56:09 ID:NHfY/dVV<br />
軽めのネタを投下します。<br /><br />
734 名前:少女の一生[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 01:59:20 ID:NHfY/dVV<br />
きょうわなおくんといっしょにおままごとおしました<br />
なおくんがおとおさんでわたしがおかあさんでした<br />
おだんごおたべたなおくんわおいしいおいしいといってくれました<br />
でもとちゅうでなおくんわほかのおんなのこたちとすべりだいえいってしまいました<br />
わたしわひとりでおうちにかえりました<br />
なんだかとてもさみしいとおもいました<br /><br /><br />
二年生になったら、なおくんは、そんなにわたしと、あそんでくれなくなりました。<br />
なおくんは、いつもグランドで、みんなとサッカーをしています。<br />
わたしは、はしるのがおそいから、一しょにすると、めいわくだから、とおくでみんなを見ています。<br />
ちかくで、なおくんを、見れないのが、すこしさみしいけど、とてもたのしそうななおくんを見て、わたしも楽しくなりました。<br />
なおくんは、たくさんゴールをいれたので、わたしはうれしくなりました。<br /><br /><br />
今日はなおくんと一緒に夏休みの宿題をしました。わたしの宿題はもう終わっていたので、なおくんにみせてあげました。<br />
なおくんにありがとうと言われると、わたしはとてもとてもうれしくなります。おなかの奥があったかくなります。<br />
ドリルをやった後、一緒にアイスを食べました。あたりが出たのでなおくんにあげたら、またありがとうといってくれました。<br />
明日はなおくんと一緒に宿題の自由研究をします。明日のことを考えるとわたしのおなかがぽかぽかして、なかなか眠れなくなってしまいました。<br /><br /><br />
最近のなおくんは、女子のわたしとはあまり遊んでくれなくなりました。<br />
なおくんはいつも男子たちと一緒にいて、わたしがいくとはずかしいといって仲間はずれにしてしまいます。<br />
でも、ときどきなおくんはわたしを家に呼んでくれるのでさみしくありません。<br />
わたしたちは一緒にゲームをしたり、まんがを読んだりします。なおくんが一人用のゲームをしている姿を見るだけでも、とても楽しいです。<br />
だけど、この前、ベッドの下にあったぼろぼろのまんがを見てたら真っ赤な顔をしたなおくんに怒られてしまいました。<br />
あのまんがはいったいなんだったのでしょうか。<br />
裸の人たちが絡み合ってて、よくわからないせりふがいっぱいあるから、多分なおくんの本棚にあった『バキ』というまんがと同じやつなんだと思います。<br /><br /><br /><br /><br />
735 名前:少女の一生[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:01:00 ID:NHfY/dVV<br />
最近、なおくんたちの間ではカードゲームがはやっています。男子たちと公園に集まって、勝負や交換をしているみたいです。<br />
勉強もスポーツも得意ななおくんですが、このゲームはあまり強くないようです。<br />
なおくんが言うには、『レアカード』というのを持っていないからだそうです。<br />
『レアカード』を手に入れるには沢山のカードを買わなきゃいけなくて、なおくんのお小遣いでは足りないらしいです。<br />
だからわたしはなおくんのために今月のお小遣いをはたいてカードを沢山買って、全部なおくんにプレゼントしました。<br />
どうやら、わたしが買ったカードの中になおくんの欲しがっていた『レアカード』があったみたいです。<br />
なおくんはとても嬉しそうな顔をして、わたしにお礼だと言って『ハイパーヨーヨー』というのをくれました。<br />
遊び方がよくわからないけど、なおくんからのプレゼントだと思うとしあわせな気持ちになります。<br />
この『ハイパーヨーヨー』は、わたしの宝物になりました。<br /><br /><br />
わたしとなおくんは中学生になり、一緒に遊ぶとことがほとんど無くなってしまいました。だけれど、初詣での願い事が叶ったのかわたしたちは同じクラスで、さらに席も隣同士になれたので寂しくありません。<br />
授業中なおくんに問題を教えてあげたり、筆談したりして充実した毎日を過ごしています。<br />
でも一つだけ心配事が出来ました。<br />
勉強が出来てスポーツも上手くて歌って踊れるクラスの人気者のなおくんを、恋に憧れる思春期の女の子たちが放っておくはずありません。<br />
先週、三組の和田さんがなおくんに告白したらしいのです。なおくんは断ったと聞きましたが、それでも不安になります。<br />
もしなおくんに彼女ができたら、わたしはいったいどうなるのかと考えると胸がむかむかします。<br />
最近はわたしのまわりの女子どもでさえ、なおくんの趣味は何だとか、好きな食べ物は何だとか探りを入れてくるのです。<br />
もちろんわたしはなおくんに迷惑がかからないよう、プライバシー保護のためデタラメなことを教えますが。<br /><br /><br /><br /><br />
736 名前:少女の一生[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:02:47 ID:NHfY/dVV<br />
ある日、茶髪の三年生がわたしをトイレに呼び出しました。<br />
大きな音を立てて教室の机を蹴り上げ、ちょっと顔を貸しなさいと怒鳴りつけてきたのです。<br />
わたしはもともと明るい性格では無く、クラスでも目立たない存在です。<br />
なので、まさか上級生に目をつけられるとは思っていませんでした。<br />
この類の呼び出しは明るくて目立つ人間を『チョーシ乗ってるヤツ』だと言いがかりを付けて行うものだと考えていました。<br />
どうしてわたしなんかがと思いましたが、その疑問は彼女の言葉で氷解します。<br />
どうやらこの茶髪の三年生は無謀にもなおくんに告白して玉砕した有象無象の一人らしいです。<br />
そして、自分が断られたのはわたしがなおくんと付き合っているからだと思い込んでこの凶行に走ったみたいです。<br />
もちろんというか残念なことに彼女の言いがかりは全くの事実無根で、わたしはなおくんと付き合っていません。<br />
でも、わたしとなおくんの関係はそう誤解されてもおかしくないのだと考えたら場違いにも頬が緩んでしまいました。<br />
恐ろしいやら嬉しいやらで混乱しているわたしにしびれを切らしたのか、三年生はモップを振りかぶり、二度と見られない面にしてやると叫びます。<br />
わたしはぎゅっと身を縮め、衝撃に備えました。<br />
ですが、襲ってくるであろう痛みは感じません。なんと、なおくんがわたしを庇って立っていたのです。<br />
『間違えて女子便入ったら殴られちまった』と、頬の腫れの理由を笑いながらクラスの皆に話すなおくんをみて、胸がいっぱいになり、わたしのおへその下のあたりがあったかくなりました。<br /><br /><br /><br /><br />
737 名前:少女の一生[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:04:31 ID:NHfY/dVV<br />
今日からわたしも高校生です。<br />
もちろんなおくんと一緒の高校ですが、中学生のときとは異なり、違うクラスになってしまいました。<br />
これからは、自然となおくんとの関係が疎遠になっていくでしょう。<br />
わたしの中学校でのなおくんの接点は、たまたま同じクラスにいる幼な馴染みで、他の人間よりか気安いため話す機会が多いといった程度なのですから。<br />
結局のところ、わたしはなおくんの幼馴染でしかないのです。中学校生活を通して友達以上恋人未満という、あやふやな関係のままで何ら進展もなく過ごしてしまったのです。<br />
けれど、わたしはなおくんが好きです。大好きです。愛してます。<br />
同年代の連中の『好き』だというメディアで乱造され叩き売られている薄っぺらな感情ではなく、文字通り『愛して』いるのです。<br />
わたしのこの気持ちは決して憧れや惰性などではありません。<br />
シェイクスピアのジュリエットのように一目惚れなんていう運命論者的な結晶作用でもありません。<br />
わたしはなおくんのためならなんだって出来ます。<br />
なおくんに身体を求められるなら喜んで差し出しますし、死ねと言うのならすぐにでも首を吊って差し上げます。<br />
なおくんの幸福のためなら、なんだってしてあげたいのです。<br />
たとえなおくんが他の女性を愛そうと、それがなおくんにとっての幸せならば、自らの浅ましい恋心をねじ伏せてでも彼に尽くさねばなりません。<br />
それこそがわたしのしあわせなのです。<br /><br /><br />
なおくんにカノジョが出来ました。わたしは祝福してあげなければいけません。それがなおくんを愛するわたしの義務なのです。<br />
なおくんが告白し、了承の返事を返しやがった女は彼と同じクラスの浅井順子さん。<br />
わたし以上の成績、わたし以上の美しさ、わたし以上の社交性をもっている彼女は、なおくんと結ばれるべくして結ばれた女性と言っても過言ではないでしょう。<br />
そうです。なおくんはわたしなんかより、浅井さんと一緒になったほうが幸せなのです。<br />
だから、わたしは彼女に嫉妬してはいけないのです。<br />
どんなに苦しくてもどんなに悲しくても、なおくんの幸福だけを願っていなくてはいけないのです。<br />
なおくんを祝福しなくちゃいけないんです。<br />
おめでとう、なおくん。<br /><br /><br /><br /><br />
738 名前:少女の一生[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:05:54 ID:NHfY/dVV<br />
くるしいです。かなしいです。だけどわたしは耐えなきゃいけません。<br />
なおくんがしあわせになるためには、わたしはなんでも我慢すると誓ったのですから。<br />
嫉妬なんかしちゃ、なおくんが不快になってしまいます。<br />
わたしは、なおくんが笑っていてくれれば、しあわせなのです。<br /><br /><br />
もう嫌です。もう無理です。<br />
なおくんが嬉しそうにあの女のことを話すたびに、怒りと妬みは胸の内から氾濫してしまいそうになります。<br />
なおくんは残酷です。なおくんはいけない人です。なおくんは優しいです。なおくんが大好きです。<br />
どうしてわたしと一緒にいるときに、浅井の話なんかするんですか。<br />
どうしてわたしの気持ちに気付いてくれないんですか。<br />
あなたの恋人という席には既にあの女が居座っているのに、どうしてわたしに希望を持たせる言葉を言うのですか。<br />
あなたの『好き』という言葉と、わたしの『好き』という言葉の意味は違うのですよ。<br />
なおくん、あなたはそれほどわたしを苦しめたいのですか。<br />
なおくんは、ひどい人です。<br /><br /><br />
なおくんが、結婚することになりました。<br />
お相手、その羨ましく妬ましい女の名は浅井順子。<br />
一週間後には佐伯順子という名になるでしょう。<br />
わたしにもなおくんから式の招待状が届きました。それ以前に直接なおくんから話は聞いていたので、さして驚くことでもありません。<br />
式の際に笑顔でいられるように、今から練習しておきましょう。<br /><br /><br />
涙が止まりません。悲しみを抑えられません。声は上ずったままです。<br />
なおくんがわたしに微笑みます。わたしがうれし泣きしていると誤解して感動しています。<br />
この時だけ、わたしはなおくんを憎んでしまいました。<br />
順子が投げたブーケが、わたしの手の平に落ちます。幸福そうに微笑む順子の口元は、『いい加減あきらめろ』と嘲笑っているように見えました。<br /><br /><br />
なおくんがしあわせなら、わたしはしあわせなんです。<br />
なおくんの相手がわたしじゃなくても、なおくんがしあわせでいてくれれば、わたしは世界一しあわせな女でいられる。<br />
なおくんがほほえんでくれるなら、わたしはなにもいりません。<br /><br /><br /><br /><br />
739 名前:少女の一生[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:07:14 ID:NHfY/dVV<br />
なおくんの子供が生まれました。とってもかわいい女の子です。<br />
忌々しいことに、目元は順子に似てしまいました。でも、口元はわたしそっくりなので、すこしだけ嬉しくなりました。<br />
おっぱいをあげる順子はとてもしあわせそうだから、わたしもおっぱいが出せるようになりたいなとおもいました。<br />
もちろん、お相手はなおくんですけれどね。<br /><br /><br />
なおくんの娘さんに、妹が出来ました。順子にはあまり似ていない、わたし似の女の子です。<br />
残念ながらわたしはおっぱいが出ないので、順子がおっぱいをあげてます。<br />
かわいいかわいい赤ちゃん。なおくんもとても嬉しそうで、退院したばかりの順子と子供達をつれて、実家に帰ってしましました。<br />
なおくんは家政婦のわたしを置いてきぼりにしちゃいましたが、わたしの愛は揺らぎません。<br /><br /><br />
今日は、今まで生きてきた中で一番しあわせな日でした。<br />
なんと、なおくんがわたしを抱いてくれたのです。<br />
三十四年間護り続けた純潔をなおくんにささげ、とうとうわたしは女になったのです。<br />
下腹部の痛みと異物感は、今まで思い描いていたような夢想では決してありえません。<br />
紛れも無い実体を伴って乱れたシーツに横たわるわたしにその名残を実感させてくれました。<br />
その経緯とは、お酒で酔いつぶれたなおくんわたしにのしかかり、そのまま事に至ったという次第です。<br />
まあ、なおくんが最中に順子の名を叫んでいたのが少々ムカつきましたが。<br />
この既成事実は、ヨーヨーと中学の時の事件に続く、三番目のなおくんからの贈り物です。<br />
このしあわせは、わたしの思い出の中だけに留めておきましょう。<br />
なおくんに純潔を奪われたという事実のおかげで、あと百年は戦えるくらいのエネルギーを補給できましたからね。<br />
なおくんのお情けをいただけたわたしは、とてもしあわせものです。<br /><br /><br /><br /><br />
740 名前:少女の一生[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:09:30 ID:NHfY/dVV<br />
愛してます、なおくん。<br />
なおくんの娘さんで、長女の理沙子さまがご結婚されることになりました。<br />
お相手は彼女の幼馴染の男性です。<br />
わたしの望みだったことを娘さんが達成した事実を嬉しいと思う反面、妬ましくも思えます。<br />
本来なら、わたしは彼女と同じように幼馴染のなおくんと結ばれていたはずなのですから。<br />
おっと、いけませんね。わたしと理沙子さまの境遇を重ね合わせるなんて。<br />
今だけは、素直に彼女を祝福してあげましょう。<br />
ただ、妹の恵美子さまのことが気がかりです。<br />
恵美子さまは、理沙子さまの結婚について随分思いつめていらっしゃいます。<br />
もしかしたら、わたしとおなじで……いけません、このような世迷いごとは、愛する人に想いを告げる勇気も無かった女に言う資格は無いでしょうから。<br /><br /><br />
子供の頃、なおくんに頂いたヨーヨーを握り締めます。<br />
なんだかんだいっても、わたしになおくんとの絆はこれしか残らなかったのだと実感します。<br />
とてもやるせない気持ちになりました。<br />
なおくんも、順子さんももうこの世界にはいません。<br />
結局、二人にとって邪魔者であるわたしだけが無駄に長生きしてしまったのは運命の皮肉としか言い様がありませんね。<br />
病室のわたしのベッドの周りには、ついこの間お婆さんになったばかりの恵美子さまと、先日に息子さんが結婚した理沙子さまがおられます。<br />
わたしは彼女たちの乳母のようなものなのでしょうが、身内の居ないわたしに良くしてくれたことは感謝してもし切れません。<br />
二人は涙を流し、わたしの死を嘆き悲しんでくれています。<br />
死を目前にした老嬢のわがままとして、わたしは二人に理不尽とも言える要求をしました。<br />
わたしの遺骨を、なおくんと同じお墓にいれてください、と。<br />
二人は何も言わずに頷きました。どうやら、以前からわたしの想いに気が付いておられたようです。<br />
もしかして、本当はなおくんもこの想いを知っていたのかしらん想像します。<br />
だったら、なおくんはとても残酷な人です。<br />
わたしの想いを知っていながら無視するなんて、よっぽどのサディストじゃなきゃできませんから。<br />
というか、昔からなおくんはいじわるでしたね。<br />
わたしに虫をけしかけていぢめたり、宿題の手伝いをさせたり、えっちしたときなんか、無理矢理だったじゃないですか。<br /><br /><br /><br /><br />
741 名前:少女の一生[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:10:45 ID:NHfY/dVV<br /><br /><br />
――ほんと、なおくんはひどい人です。<br />
せっかく嫌いになろうとがんばってるのに、こうやって、いっつも直前にわたしのまえに現れるんですから。<br />
さ、なおくん。ちゃんと手を握ってくださいよ。今度こそ、離さないでくださいね。<br />
わたしたちは幼馴染なんですから、しっかりと結ばれなきゃいけないんですよ。<br />
どこへ行ったって、ずぅっと一緒に居なきゃ駄目なんですからね。<br /><br /><br /><br />
だいすきです、なおくん――<br /><br /><br /><br /><br /><br />
742 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:14:55 ID:Ft4RtR0i<br />
これはまた切な・・・・<br />
ともあれgj<br /><br />
743 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 02:15:58 ID:NHfY/dVV<br />
以上です。<br />
黒歴史フォルダから酔った勢いで書いたと思われる駄文を発掘したので投下しました。<br />
今は後悔しています。<br /><br />
744 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 03:00:10 ID:Cpnsg2o4<br />
GJ!<br />
病んでるというほどではないけど、死ぬ瞬間まで愛してるとは一途な純愛だね<br /><br />
745 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/09/12(水) 06:57:47 ID:Ne75DJ4H<br />
|| !| │<br />
|| !| │ ,.-─‐-.、<br />
=||=!| │ /:::::::::::::::::::::ヽ<br />
|| !| │ |:::: ::::::::::::::::::::::l<br />
|| !| │ |:::
::::::::::::::::::::::::! あ。このスレ400超えた^-^<br />
=||=!| │ |:::::::::::::::::::::::::::::l <br />
─.─.┤ | !:::::::::::::::::::::::::li:|ニニニニニ.、<br />
| .! !:::::::::::::::::::::::::l|::| ̄ ̄.!| |.! <br />
| .! 、r, /|::::::::::::::::::::::::ll.,7:! .!|
|.! カチカチカチ・・・・<br />
||`ー|. ̄ 丁 ̄|\ ´ミ《 |:| !:::::::::::::::::::::::l|.l|:.:.!_」.! !.! <br />
__||二二二]|__ || | .!| !::!|:::::::::::::::::::::├.|:.:.::l─´. !.!<br />
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.!l `ヽ !、 |l/:.:.:|:l|::::::::|!:::::::ll|::l|:.:.:.:|=コ|.|<br />
|| l三三l || ,_」____!l_:.:.:|:|.!:::::::|l!::::::|l:.:||:.:.:.::l'丑丑|ニl___,'ニヽ___ <br />
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|| l三三l !l .| !.! ||、:::.!:.:.:.: :.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:、:`<ヽ, .! !
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ー'"∟ 、┴-、:_:_;:-l_____, -ー‐‐‐‐' ´ `ー'<br /><br />
746 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 12:14:46 ID:w0vcFTWt<br />
朝っぱらから泣きそうだったぞ…どうしてくれるんだ!GJ!<br /><br />
747 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 13:12:10 ID:NA5+omrX<br />
切ねーーー!!!だがGJ!!<br /><br />
748 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 14:21:47 ID:cNywsCy8<br />
切ないがバキで吹いてしまったw<br /><br />
749 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 14:38:45 ID:Pvv5/b6c<br />
GJ<br />
ヤンデレにエキサイティングがなくなるとこんな感じになるんだろうなぁ<br /><br />
なんか<br />
こういうひかえめな子は応援してしまいたくなる<br /><br />
750 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/12(水) 23:22:12 ID:kUwWOsI8<br />
GJ<br />
三途の川の手前でこっそり待ち構えていそうな気がするけどなw<br /><br />
751 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 01:52:32 ID:1gdA4l9A<br />
>>635<br />
かなり亀レスだが、もしかしてこのサイトか?<br />
ttp://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=dies03<br /><br /><br />
752 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:04:36 ID:iqGRGioz<br />
実験的ネタを投下します。<br />
苦手な方は注意して下さい。<br /><br /><br />
753 名前:天上の帝国[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:06:44 ID:iqGRGioz<br />
耳鳴りが強くなってきました。位置を調節しなければなりません。<br />
方位は南南西、水平面からの高低角24度……誤差修正、来ました、マイクロウェーブです。<br />
量子通信によるモールス信号を受信します。シ・ナ・ビ・タ・オ・メ・コ・ニ・ム・シャ・ブ・リ・ツ・イ・タ……了解。解読の結果、私ことエテル・シュマッケルと兄さんことオルデネル・グルデンレウ男爵が最終ランデヴーです。<br />
つまり私たちの邪魔をしやがるあの忌々しい魔女ウルリカ・ダーレフェルドを屠殺する許可証が機関から発行されたのです。この殺しのライセンスさえあれば、あの汚らわしい泥棒猫を密殺できるのです。<br />
ああ、また来ました。北斗七星にいる私の従僕、キエーレン山脈のヴィルフリッド・ケンニボール三等兵から電報です。……どうやら魔女ウルリカ・ダーレフェルドが兄さんの部屋に潜入した模様です。<br />
いけません、いけません、逃げてください兄さん。あの厭らしい雌猫は貴方をカツオのタタキにして明日のブランチにするつもりです。<br />
ええい、汚らしい多数者に媚を売る蛮族め。私の兄さんに近づくなんて、鬼畜米英のくせに生意気です。<br />
下賤な植民地人のくせに……ハンバーガーしか伝統料理がないくせに……粗悪な輸入品の劣化金色夜叉のくせに……腐れきりしたんのくせに……。<br />
チーズ臭い体臭を私の伴侶に染みつけないで下さい、この女版ドン・ジュアンめが。<br />
ああ、畜生め。その胸に垂れ下がっている邪悪な脂肪の塊をもぎ取ってやりたい。プロシャ兵どもに輪姦させて、トルケマダおじさんのアウト・ダ・フェでローストしてしまいたい。<br /><br /><br />
754 名前:天上の帝国[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:09:22 ID:iqGRGioz<br />
左腕の包帯がうずきます。あの女の猫撫で声が聞こえるたびに、どくどくと真っ赤に燃えて、開放を今か今かと待ちわびています。<br />
まだです、まだJAKI-GANを開放してはいけません。この苦しみは持たざる者には解らないでしょうから。<br />
ですが耳の奥でラ・マルセイエーズが鳴り響いています。あの女を倒せと轟き叫んでいます。<br />
――ガンホー!ガンホー!お願い!お願い!しごいて!しごいて!市民らよ、武器をとれ!――<br />
駄目です、まだ市民革命の時期ではありません。自由主義者も、王党派も根絶やしにしなくては今後塩柱で近親相姦逆レイプの勇者ロトになってしまいます。<br />
とりあえずここは一つ、過呼吸でもして落ち着きましょう……。<br />
ひっひっふぅ、ひっひっふぅ、ル・ラーダ・フォルオル!<br />
……落ち着きました。びぃくーるです。くーる、くーる、くーるです。ほっとなとりっきーじゃありません。<br />
とにかく、何とかして魔女ウルリカ・ダーレフェルドから発せられる高周波を中和しなくてはなりません。<br />
大蔵省からプランが二つ送られてきました。<br />
プランA、作戦名エターナル・フォース・ブリザードγ――楽園にはないお茶菓子と紅茶とカルピスをもってお部屋に突撃する作戦です。成功率A、持続性D、スピードC。いいふいんきは死にますが、いまいち効果的ではありません。<br />
プランB、作戦名死魔殺炎烈光弐式<ディアボリック・デスバーストmkⅡ>――略すとおにいちゃんおべんきょうおしえて作戦です。私の美声で兄さんはもうめろめろなのです。<br />
旧式の南極一号なんかほっぽりだして、兄さんは私の生肉にむしゃぶりつくといった寸法です。成功率C、持続性A+、スピードA~E(兄さんの状態によって変化)<br />
一度せいこうしてしまえば兄さんゲットだぜなのですが、もし失敗してしまったら今夜初めてタバコを吸うといった事態になりかねません。<br />
……今回は無難にプランAでいきましょうか。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />
755 名前:天上の帝国[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:11:09 ID:iqGRGioz<br />
最近、妹の様子が変だ。<br />
その日、今年で十四になる妹の挙動が日に日におかしくなっていくことについて隆志は幼馴染の沙良に相談を持ちかけた。<br />
食事中に突然左手を押さえて呻きだしたり、自分の名前は影羅だと名乗ったり、反抗期の衝動にしては行き過ぎた行為が目立っている。<br />
何か悩みがあるのではないかということで、妹と同じ女性である沙良に相談したのだった。<br />
「ほら、あれよ。中二病ってやつよ。」<br />
「中二病?」<br />
クォーターの特徴である金色をした長髪をかき上げて沙良が言った。<br />
女らしい仕草に隆志は少し頬を赤らめたが、聞きなれない病名を聞いて首をかしげる。<br />
その様子を見た沙良は隆志にちょっと待っててと言った後、彼のパソコンを起動してインターネット画面を呼び出した。<br />
隆志が沙良に促されて液晶をのぞきこむと、そこには彼女のいう『中二病』とやらの情報が延々と連なっていた。<br />
「黒の教科書?邪気眼?なんなんだよ、これは。」<br />
「見てのとおりよ。十四歳というのは多感な年頃なの。物事を感じ易くなって、ついには現実と空想の違いをはっきり認識できなくなる。<br />
この病に冒された人に待っているのは、例えようもない後悔の念。高校に上がるころに感じる、とても悲しくて、とても切ない自己嫌悪の気持ちよ。<br />
自分がどれだけ狭い世界で生きていたのか実感して、自分自身の愚かさで首を吊ってしまいたくなるほどの羞恥心を受け止めなければいけないの。<br />
そう。中学二年生とは、恐ろしく、とても不安定な時期なのよ。」<br />
窓の外に視線をやり、遠くにある何かを見つめるような目をしながら沙良は言う。自分の左腕を撫でて自嘲するように微笑む彼女を見て、隆志は嫌な予感がした。<br />
「もしかして、沙良もそうだったのか?」<br />
「そ、そんなわけないじゃない!あたしはこんな痛い連中とは違うわよ!」<br />
沙良のポエミーな語りも十分アレだと思うんだけどな、と隆志は思ったが、口にはしない。<br />
見てみぬふりをすることも、円滑な人付き合いには必要なのだ。<br /><br /><br />
756 名前:天上の帝国[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:14:53 ID:iqGRGioz<br />
ともかく、何か解決策がないものかとネット上を探る。<br />
治療法として見つかったのは自覚症状を促したり、時間によって解決させるなどの穏便なものや、哲学モドキの俗流形而上学に自己啓発といった怪しげなものなど様々だ。<br />
後者はあまりにもアレ過ぎて手を出す気持ちにはなれないし、前者の自覚症状云々の手段もなんだか残酷なようでとりたくない。<br />
時間によって解決できるといっても、大事な妹に沙良のような後悔はさせたくないと隆志は考えていた。<br />
八方塞になってしまい、どうしたものかとこめかみを揉む隆志に向かって、先ほどからベッドに寝転がって漫画を読んでいた沙良が話しかける。<br />
「ていうかさ、別に放っておいてもいいんじゃないかな?」<br />
「だけどこのままにしておくわけにもいかんだろ。」<br />
「ほっとこうよ、中二病なんて。」<br />
「でもメシくらい静かに食いたいし……」<br />
隆志はモニターに顔を向けたまま、沙良に言葉を返した。妹のことについてはいい加減なんとかしろと母からもせっつかれているのだ。<br />
食卓を囲んでいる最中に覚醒されたときなど、空気が気まずすぎて食事が喉を通らなかった。<br />
ベッドのほうからなにやら衣擦れのような音がしたが、沙良が寝返りでも打ったのだろうと考えた隆志は気にしないことにした。<br />
かちかちとマウスを鳴らして、情報を探す。<br />
「どうでもいいじゃない、あんたの妹なんて。」<br />
「いや、どうでもよくないだろ。常識的に考えて。」<br />
間違えて出会い系サイトの広告をクリックしてしまった。慌てて戻るのアイコンを押すが、なにやら細工されているらしく戻れない。<br />
隆志はため息を一つ吐いて、ブックマークを開いた。<br />
「そんなに、妹が大事なの?」<br />
「きめぇこと言うなよ。俺はただアイツを元に戻してやりたくてだな。」<br />
妹は見た目はいいのだが、精神は中二病に汚染されてキモいことになっている。キモい妹がいたら外聞が悪い。兄である自分に根も葉もない噂が立つことだけは避けたかった。<br />
ただでさえ、隆志はクラスメイトにシスコン疑惑を持たれているのだ。これ以上状況が悪化することはなんとしてでも阻止しなくてはいけない。<br /><br /><br />
757 名前:天上の帝国[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:16:52 ID:iqGRGioz<br />
「じゃあ、さ。荒療治っていうのは、どうかな?」<br />
「荒療治?」<br />
「環境が急に変われば、あんたの妹だって正気に戻るかもしれないわ。」<br />
「環境ってお前。なにをどう変え……」<br />
るのかと続けようとしたが、振り向いた瞬間に声が出せなくなってしまった。<br />
隆志の真後ろには下着姿の沙良が立っていたのだ。<br />
白人特有の透き通るような白さの肌は薄く薔薇色に染まり、彼女の美しさを引き立てていた水色の瞳は艶やかに濡れていた。<br />
身じろぎ出来ずにいる隆志に、裸足の沙良はひたひたと足を進めて近づいていく。<br />
「あんたに彼女が出来れば、妹のヤツだって大人しくなるわ。」<br />
沙良は硬直する隆志の首に腕を回して、彼の耳元で囁くように言葉を続ける。上半身で感じる少女の体温と、耳元にかかる吐息が隆志の脳髄を沸騰させた。<br />
「あたしがあんたの恋人になれば、ぜんぶうまくいくわよ。きっと。」<br />
「わ、わけわかんねーよ。」<br />
「心配しないで。あたし、元々あんたのこと好きだったし。」<br />
「はぁ?」<br />
隆志は混乱していた。沙良の理屈も、なぜ幼馴染の彼女が下着姿なのかも理解できなかった。どうして股間が窮屈になってるのかさえ、解らなかった。<br />
あまりにも唐突な展開に思考が付いていかないのだ。しばらく放心状態のまま、沙良の為すがままにさせていた。<br />
沙良は隆志の手を引いてベッドに横たわり、それに引かれて隆志も倒れ込んだ。隆志はその間じゅう目を見開いていたが、自分が何を見ているのかを認識はしていなかった。<br />
肌着を剥ぎ取られて、直に他人の体温を肌で感じたときにやっと彼は自分の状況を知覚した。彼の視線が自分と重なったことに気が付いた少女は、嬉しそうな様子で隆志の唇に自分のそれを重ねた。<br />
その口付けをきっかけとして、隆志の中からむくむくと情欲が頭をもたげてきた。<br />
そして、隆志の股座を弄る沙良の金色の髪が鼻を掠めたときに、とうとう彼は正気を手放した。<br />
彼は金髪フェチだったのだ。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />
758 名前:天上の帝国[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:19:00 ID:iqGRGioz<br />
雑巾汁のお茶を作るのに随分時間がかかってしまいました。短針が六十度ほど動いていますが、宇宙的にみればほんの一瞬です。<br />
私的にみても無問題です。同名の映画とは違って本当に無問題なのです。<br />
私と兄さんの肢体が醸し出す芳しい兄妹愛スメルは特殊な磁界を発生させます。<br />
このラヴラヴフィールドによって私×兄さんというエクリチュールがトポス・ノエトスつまり神の悟性あるいはア・プリオリ的必然性の構造としてのロゴスに組み込まれ超越論的存在者として悟性界に君臨するのです。<br />
もちろん闇属性としてですけれどね。光属性なんて今時流行りません。土属性は論外です。<br />
私としてはヒロイン格の水属性が好ましいのですが、必然的に社会学的起源をもつエクリチュールにとっては画数の多い漢字にしたほうが有利な気分なのです。<br />
そのおかげでたとえ現象界でどれだけの時間が進んだとしても、私的仮想界つまりスピリテユエルっぽい内的時間は一瞬たりとも変化しません。<br />
ですがイルミナードスの場合はいけません。イルミナードスは教会の敵です。イルミニズモは異端の教えなので、汚辱のしるしである黄色い十字のフェルトをつけなければならないのです。<br />
その上羞恥ぷれいをしながら霊地詣を強制します。もちろんカッシーニ軌道上での鞭打ち刑はかかせませんよ。死体発掘は勘弁してあげますがね。<br />
しかし、このお茶を作るのには本当に骨が折れました。例の魔女イサベル・デ・ラ・クルスのためにここまでしなくちゃいけないなんて……ほんとに憎たらしい野蛮人です、ペルフェクトスとかいう連中は。<br />
いつかコンキスタドーレスの恐ろしさを味わわせてやりましょう。<br />
まあ、かまいません。あの脂肪の塊がこの特製ジュウスを口に入れてしまえば全ては終わるのですから。<br />
完全無欠の大団円、私と兄さんが結ばれる最終回なのです。次回予告も、駄作化した続編だってありません。テコ入れのビッチヒロインなんてそもそも必要じゃないのです。<br />
あの淫売が私謹製のブルーアイズ・ホワイト・茶を飲みさえすれば、ずっと私のターンです。ブルーアイズでホワイトな屍肉がきたねえ花火なのです。もちろんGTなんて付きません。<br />
二階に続く階段を上ります。ちょうど十三段あるなんて私的ディスティニィを感じます。縁起が悪いとかいう口出しはのーりっすんです。暗黒面にあこがれるお年頃なのですから。<br />
たしかに光属性はダサいです。ついでにセガもダサいのでプレステをやりましょう。<br /><br />
759 名前:天上の帝国[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:22:42 ID:iqGRGioz<br />
専務なんてどうでもいいのです。<br />
早く約束の地に到達しなくては、兄さんが異端の偶像崇拝に染められてしまいます。具体的には新世界訳聖書とかです。尊氏のためなら死ねる体にされてしまう前に、私のシャクティパッドでヒートエンドしなくてはいけません。<br />
急ぎましょう急ぎましょう。グラマトロジーをア・ポステリオリに適応して精神的アフターバーナーです。私のあそこもオーバーブーストです。<br />
早く行かなくては、あの身持ちの悪い心理的非処女の雌豚が、兄さんをじっと見詰めてしまう。あいつの眼差しが兄さんの純潔を汚してしまいます。<br />
ああ!兄さん!そう思っただけでも、乙女の私は気が狂いそうになるのです!<br />
今日にでも乙女は卒業するつもりですがね。ええ、もちろん兄さんの手と三本目の足によって。処女性による命中補整は失ってしまいますが、サイズ差無視の合体攻撃追加でソウルメイツの仲間入りです。<br />
そのためには魔女イサベル・デ・ラ・クルスを世俗裁判所の手に渡さねばなりません。あそこは聖庁の場合とはちがって、ほぼ百パー電気椅子ですもの。<br />
ですが一応、万が一を考えてドヴァ本国にも電報を打っておきましょう。<br />
いつ迂闊で残念な白豚にとらっぷかーどおーぷんされるか解りませんからね。<br />
爆乳吸血ギャルの逆襲、想像しただけで身の毛がよだちます。<br />
早く兄さんにミートコンパクションパイル工法で私の肢体を地盤改良してもらいましょう。そうすれば雨の多い日も安心ですので。<br />
ついでに魔女を使ってフォールコーン試験しなくてもよくなって万々歳です。あの女は重力で魂と一緒に乳も引かれてしまっていますから、兄さんが付き合ったらドリルボーイになっちゃう。<br />
……そうこうしてるうちに兄さんの部屋の前に到着しました。<br />
この扉は狭き門です。悪徳にまみれた泥棒猫なんかが通っていいはずないのです。<br />
私のような一片の穢れもない超絶美少女だけが、この神聖な門を通ることを許されているのです。<br />
早速ですが突入作戦を開始します。ここであえてノックをしないのが妹としてのたしなみですね。事後処理などどうとでもなりますし。<br />
SATだかブルースワットだかのように華麗に兄さんを救出して、その後にゆっくりとニャンニャン合体すればいいのですから。<br />
それでは、予備の鍵である私を使って、最後のとびらを開けましょう……。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />
…………。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />
…………。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />
「おにいちゃんどいて!そいつ殺せない!」<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />
760 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 09:24:01 ID:iqGRGioz<br />
以上です。<br />
やまなし、おちなし、いみなしです。<br />
スレ汚し失礼しました。<br /><br />
761 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 10:21:46 ID:7SIsEEoK<br />
>>760<br />
序文を読んで<br />
なんだこの電波な文章は、スルーだな。<br />
と思ったらそれが設定上の演出だったのに驚いた。<br />
妹も泥棒猫もキャラ立ってるし<br />
これから修羅場になりそうで続きを読みたいけど<br />
これはここで終わった方が良いのかな。<br /><br />
GJ!<br /><br />
762 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 10:39:50 ID:pMjGqfqT<br />
「おにいちゃんどいて!そいつ殺せない!」<br /><br />
は名せりふだな<br /><br />
763 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 10:58:51 ID:t4fkxLIQ<br />
>>760<br />
GJ!JAKI-GAN吹いたwww<br />
とりあえず妹は土属性とセガの(元)専務に謝れwwww<br /><br />
764 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 14:32:07 ID:wcS9inHp<br />
解読するのに素敵なぐらい時間かかりましたが、読んでて楽しかったですw<br />
GJ!!<br /><br />
765 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 15:21:32 ID:N04oXSh4<br />
>>760<br />
非常におもしろかったが一つ言わせてくれ<br /><br /><br /><br /><br />
これはヤンデレではない<br />
キモ姉&キモウトスレに行くべきだ<br />
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187005483/<br /><br />
766 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 15:40:52 ID:RUWi93HQ<br />
「べき」って何だ。<br /><br />
767 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 16:04:02 ID:/brmBd6c<br />
>>765<br />
幼なじみが主役かもしれなあだろ<br /><br />
768 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 18:03:24 ID:mcwT5wiD<br />
SSのキャラに○○はヤンデレ、○○はヤンデレじゃない、<br />
なんていうのはやめよーうーぜー<br /><br />
769 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 18:31:35 ID:C8mv2eyd<br />
俺にはヤンデレとキモ姉&キモウトの区別がつかないからどっちでも<br />
ぶっちゃけ、姉妹版ヤンデレと思ってるし<br /><br />
作者がこっちだと判断したんだからそれでいいんじゃないか?<br /><br />
770 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:14:11 ID:7SIsEEoK<br />
どうせまたいつもの潔癖症の彼だろ……本格的に自治厨になってきたな<br /><br />
771 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:35:20 ID:ji3CbQoj<br />
「おにいちゃんどい(ry<br />
てよくみるが何のセリフなんだ?<br /><br />
772 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:36:24 ID:hTHpmHvO<br />
>>771<br />
有名な都市伝説<br />
ttp://yuni_ford.at.infoseek.co.jp/tukimiya/tukimiya.html<br /><br />
773 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:37:47 ID:itAwYE+i<br />
てかキモ姉妹の方が後から立った重複スレだぞ、しかも荒らし対策で勝手に。<br />
無駄だから消せって言われてたのに続行したんだから配慮するのはあっちだろ。<br />
ここが気にする必要なし。<br /><br />
774 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:43:47 ID:7SIsEEoK<br />
>>773<br />
言ってる事は正しいと思うが、釣られるなよ<br />
そうやって揉めさせるのが狙いなんだから。<br /><br />
775 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:54:37 ID:uxhSDpFV<br />
すぐ敵視し過ぎ<br />
何故似ている属性で仲良くできないのか<br /><br />
776 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:57:27 ID:itAwYE+i<br />
似ているってかそのまんまだろ<br />
分ける意味ないし<br /><br />
777 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 19:59:44 ID:V0rfIgRM<br />
そんな事いったらこのスレだって意味なくなるだろ<br />
嫉妬すれでまとめればいいだけの話<br /><br />
それぞれ「これがみたい」っていう需要が集まってできてるんだから<br />
今さらあーだこーだいう方がおかしい<br /><br />
778 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 20:01:50 ID:itAwYE+i<br />
?<br />
ここは嫉妬スレで収まらないものから分岐したんだが?<br />
キモスレは知らんぞ、アホな初代>>1が暴走しただけだし<br /><br />
779 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 20:06:43 ID:V0rfIgRM<br />
ああ、懐古厨か<br />
これは何をいっても無駄だな<br /><br />
780 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 20:09:01 ID:itAwYE+i<br />
・・・それで満足ならまあいいよ。<br /><br />
781 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/09/13(木) 20:12:22 ID:pzkmbxVs<br />
スルースキルの低い輩がまだいるのか<br /><br />
782 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 20:14:03 ID:7SIsEEoK<br />
よし、俺は検定一級だからどっちの意見もスルーするぜ<br /><br />
783 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 20:28:28 ID:ulGeVmym<br />
SSがおもしれければそれでいいよな。<br /><br />
784 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 20:59:20 ID:U4ros2m/<br />
嫉妬スレもここもキモ姉妹スレも住人かぶってんだからどこに投下してもさして問題ないと思ふ。<br /><br />
785 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 21:08:29 ID:itAwYE+i<br />
>>784<br />
キモスレ見てないんだが?<br />
一緒にするな<br /><br />
786 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 21:09:37 ID:C8mv2eyd<br />
ここの住人なら知っているかもしれんが、「G県厨」のがヤンデレ?のような・・・<br />
まぁ、ヤンデレというか精神異常というか・・・<br /><br />
興味ある人はググるといいかも<br /><br />
787 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 21:14:23 ID:d2T11dcq<br />
まーたすぐ噛みつく<br />
いい年してまったくもー<br /><br />
788 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/09/13(木) 21:19:36 ID:pzkmbxVs<br />
夏休みは終わったはずなんだが<br /><br />
789 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 21:22:05 ID:dTR8uTo5<br />
>>786<br />
あれは只のキチガイだろw<br /><br />
790 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 21:22:40 ID:7SIsEEoK<br />
いやまあ言いたいんだが<br /><br /><br /><br /><br /><br />
>>788<br />
ゴメン、sageて<br /><br />
791 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 21:50:23 ID:xF1kV5oJ<br />
実は今までROMってたんだが、意を決して投下することにしたよ。<br />
一応頑張って書いてみた。どうかこれから宜しく。<br /><br />
792 名前:異喰物語 ◆cgdFR4AMpg [sage] 投稿日:2007/09/13(木) 21:52:16 ID:xF1kV5oJ<br />
苦しい。<br />
唇が渇き、喉が涸れ、臓腑が爛れ、肉が火照る。<br />
得も知れぬ衝動に突き動かされながらしかし、一向に解放は訪れずに苦悶に伏す。<br />
理由は簡単。――――餓えだ。<br />
前代未聞の飢餓に苛まれながら彼は、摩訶不思議なことに一切の食物を口にすること能わず、僅かな水分を赦された身のみで、ここ数年間その苦しみを耐え抜いてきた。<br />
最終的に下された診断は“拒食症”。しかしながら彼は、それは違うと確信を以って否定できた。理由は知らぬ。元より智に長けたとはとても言えぬ己だが、そんなささやかな理性以前、本能としてそれを理解できた。<br /><br />
おそらく先はそう長くない。耐え抜くうちに気付けば、髪の色は抜け落ち、肉は削がれ骨と皮だけとなり、貌には死相を思わせる皺が幾重にも刻まれている。未だ成人すら迎えていないにも拘らず、だ。<br />
正体不明の飢餓に追いやられ、死の淵に臨む。そうした窮極に至ったからか、彼は最近“妖精”を目にするようになった。とはいえ、その通りに可愛らしい存在ではない。寧ろ逆、圧倒的な“美”を漂わせ佇む様は、魔女か女神か死神か。怖気を誘うほどに美しい。<br /><br />
「相も変わらず苦しそうなのね、あなた」<br />
「そう、言わないで、くれ……これ、でも、必……死なん、だ」<br />
「必死、ふぅんそう、必死……ね。文字通り、このままだと必ず死ぬのじゃないかしら」<br /><br />
朧霞がカタチになったような、不確かな存在感で見下ろす彼女の瞳は、やはりいつもと同じく冷ややかだ。さもありなん、彼女は彼を見下しているのだから。<br /><br /><br />
793 名前:異喰物語 ◆cgdFR4AMpg [sage] 投稿日:2007/09/13(木) 21:56:14 ID:xF1kV5oJ<br />
「未だ“答え”が解らないの? とっても簡単、いくつもヒントを示してきたのに。そろそろ私も限界よ?」<br />
「馬鹿、言うな……解るわけ、ないだろ。俺には、さっぱり……何が、なんだか、理解出来ん」<br /><br />
出会った当初に彼女が示した問い。それは『何故、志賀京司郎は原因不明の飢餓に見舞われているのか?』というものだった。<br />
そんなものこっちが聞きたいと、京司郎は言い放ったが、彼女――平坂暦は問いからの逃走を認めず、毎夜現れる度に問答を繰り返している。今の会話もまた、その問答の後に交わされたものだった。<br /><br />
「予兆は過ぎ、前兆も終え、死兆に見えながらも“覚醒”は未だ。どうしてかしら? 普通ここまで来れば気付いてもおかしくない。いいえ、気付いてなければおかしいはずなのに」<br /><br />
暦は憤りに表情を歪め、もどかしさに震えながら京司郎の首へと手を這わす。<br />
感触は無い。首筋に僅かな冷たさが伝わるだけで、一切の物的干渉は起こり得ない。<br /><br />
「そう、おかしいのよ。あなたはおかしい。目の前にある答えに、まるで気付いていない」<br />
「やめて、くれ……」<br />
「いえ、気付いていない、のではないのかしら? これだけの圧倒を前に、もしかして知りたくないだけ?」<br />
「やめろ……」<br />
「目を瞑り、耳を塞ぎ、口を噤むの? 成程、まだ“人間”でいたいのね? “人間”のままで死にたい、そういうこと……」<br />
「やめろ!!」<br /><br />
ぶん、と。腕を力まかせに振るう。<br />
衰弱しきった枯れ枝の一撃は、しかしながら容易く鉄柵を砕く。だが、暦の身体を捉えることは出来なかった。それこそ、朧でも掴むかのように。<br /><br />
無理に怒声を発した代償に京司郎は血反吐を吐き、掻き毟るように喉元へ手を当てる。口笛のような呼気を吐く彼を見て、暦はその手を離した。<br />
音も無く、滑るように寝台から離れ、一連を見守る。冷ややかな視線をそのままに。<br /><br />
「――――また来るわ。次こそは、あなたが気付いてくれることを信じて。諦めようだなんて思わないでね? 私の大好きなあなた」<br />
「もう、来ないで、くれ……」<br /><br />
届かぬ言葉。一方的に話すだけ話して、暦は跡形も無く消え去って行った。<br />
ドサリ、と沈み込む。頼りない照明に腕を翳し、胡乱に見つめ、<br /><br />
「くそ、くそ……っ!」<br /><br />
じゅるり、と唾液を呑み。<br />
異質な“餓え”に涙ぐんで、京司郎は自らの細腕に歯を立てた。<br /><br /><br />
794 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 22:05:37 ID:QZ0vmm9D<br />
終わり、かな?<br />
一番乗りGJぃ!!!<br /><br /><br />
795 名前:異喰物語 ◆cgdFR4AMpg [sage] 投稿日:2007/09/13(木) 22:30:12 ID:xF1kV5oJ<br />
がちり、と歯が鳴る。その一噛みで右腕の骨が露出した。<br />
ぶしゃり、ぶちゃ、ばき。<br />
皮膚を剥ぎ、肉を喰らい、骨を砕く。髄を啜り、鮮血を飲み下し、吟味する。<br />
自らの歯で、自らの肉を咀嚼する。<br />
終わりは無い。喰う端から髄は伸び、骨は融け合い、肉が盛り上がる。それをまた喰う。<br />
幾度となく、終わり無く。<br />
在り得ない循環を繰り返しながら、流す涙をそのままに食み続ける。<br />
まるで餓鬼のようだ。<br />
逸話と違い子は産まぬが、それでも自らを喰うことに変わりは無い。<br />
絶対的な矛盾。彼女の言う通りだ。<br />
これが窮極の発露。己が至った、生態の袋小路。<br /><br />
彼女は言った。この異常極まる行為こそが、志賀京司郎にとっての“窮極発露”だと。<br />
彼女は言った。この果てに在るものこそが、志賀京司郎にとっての“覚醒進化”だと。<br /><br />
壁を乗り越えねば、死は免れぬと。<br />
壁を乗り越えれば、生き延びると。<br /><br />
そんな戯言めいた真実を片隅に、京司郎は“一”を噛み砕き咀嚼して、再び“一”に戻るを繰り返す。<br /><br />
「美味いなぁ。美味い、なぁ……。柔らかかったら、もっと美味い、のか、なぁ……」<br /><br />
喰う時はいつもこう。美味い美味いと繰り返し、忌避しながらも止められぬ。<br />
“答え”なんて、すぐ解った。己の果てなど、すぐに見えた。<br /><br />
――――平坂暦が何であるかなど、一目見ればすぐに察せた。<br /><br />
時は無い。答えるならば、そろそろだろう。<br />
だがそのためには、京司郎の意志は脆く儚く、別れを告げるには未練が多すぎた。<br />
しかし別れを告げたとしても、“仲間”は傍に居てくれる。<br /><br />
“人”を取るか、“外”を取るか。<br />
答えは二つに一つ。それだけだった。<br /><br /><br />
796 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 22:33:26 ID:xF1kV5oJ<br />
第一話、投下終了。<br />
三つめは色々見直してたから遅れてしまった。申し訳ない。<br /><br />
こんな感じの文章で、ちまちまとスローペースなんだけど大丈夫かな?<br />
一応完結はさせるつもりなので、それまでどうかお付き合いお願いします。<br /><br />
797 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/13(木) 22:53:58 ID:7SIsEEoK<br />
>>796<br />
我々は<br />
来るもの拒まず、去るものは帰還をいつまでも待つ<br />
であります。迷わず来たまえ、GJ!<br /><br />
798 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/14(金) 12:21:43 ID:xDCdn1cN<br />
ちょっとした試作品を投下します。<br />
一応あっさり目ですが、わりときわどいネタなのでご注意。<br /><br />
799 名前:藁を叩く少女[sage] 投稿日:2007/09/14(金) 12:23:03 ID:xDCdn1cN<br />
美佳は幼馴染の直樹が大好きだった。家が隣同士の二人は、小さい頃から毎日のように一緒に駆け回っていた。<br />
二人は何をするにも一緒だった。春には二人でお花見をして、夏には一緒に市民プールへ出かけて、秋には手を繋いで紅葉狩りをして、冬には力を合わせて雪だるまを作った。<br />
このまま死ぬまで、ずっと二人は一緒にいるものだと美佳は思っていた。同じ学校に通い、同じ仕事に就き、結婚して同じ家に住むことは、当たり前のことなのだと考えていた。<br />
そして、当然のように直樹もそう考えているのだろうと美佳は思っていた。<br /><br /><br /><br /><br />
800 名前:藁を叩く少女[sage] 投稿日:2007/09/14(金) 12:25:36 ID:xDCdn1cN<br />
小学校に上がってからしばらく経って、とある休日いつものように直樹と遊ぼうと美佳は彼の家を訪れた。しかし、玄関で彼の名を呼び続ける美佳の前に現れたのは大好きな直樹ではなく、彼の不在を弁明する小母さんだった。<br />
このようなことは美佳にとってはじめての経験だった。彼が自分との約束を蔑ろにして、他の子供たちのところへ出かけたことは今までに一度も無かった。<br />
直樹が生涯を通した伴侶である自分との約束ではなく、小学校に入ってから出来た精々二三ヶ月程度の付き合いしかない『ともだち』を優先させた事実は、美佳には許しがたいことだった。<br />
当然のように美佳は激怒し、自分に対して過失を犯した直樹と、直樹の『ともだち』だという彼女にとってやくざな連中に制裁を加えるべく付近の公園を探しまわった。<br />
しかし、美佳が数時間かけて三箇所ほどの公園を探しても、直樹たちは見つからなかった。<br />
美佳は走りまわってへとへとに疲れてしまい、先ほどのあれだけ沸き立っていたはずの怒りは萎えてしまった。<br />
美佳はだんだんと悲しくなり、鼻がつんとして、涙で視界が歪んでいった。直樹が居ない寂しさに耐えられなくなった美佳はぐすぐすと鼻をすすりながら、あてもなくあたりを彷徨い続けた。<br />
日も暮れ始めたころ、美佳は古びた神社の前に立っていた。神社の床下には美佳が直樹といっしょに作った二人の秘密基地があった。<br />
彼女は寂しさを紛らわすために、少しでも二人の絆を感じようとここにやって来たのだった。<br />
秘密基地に近づくにつれ、美佳の耳になにやら楽しそうな笑い声が聞えてきた。今の自分の泣き顔を直樹以外の誰にも見せたくなかった美佳は、敷地に植えられている大きな御神木の裏に身を隠した。<br />
笑い声はどうやら三人のようで、二人の少女の声に混じって少年の声が聞えた。<br />
美佳の隠れている御神木は出口の石段に近い場所にあるため、これから敷地を出るのだろう三人から聞えてくる声はだんだんと大きくなっていった。<br />
三人の声がはっきりと聞き取れるほど近づいたとき、美佳は愕然とした。<br />
そういうのも、そのうちの一人の声は今の今まで美佳が必死になって探していた直樹の声だったからだ。</p>