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319 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:08:05 ID:ReWu0RPL
1
太陽ポカポカ良い天気。冬もグッバイ二月の後半。先走りな気温はうなぎ登りで絶好調。
鞄を持ち、教室を出て、学校を出て、校門を出る。高一最後のテストを終え、気楽な一人暮しがスタートした我が家へと向かう。
父親が単身赴任で他県に行き、母親も付き添いで着いて行ったのだ。だからボクは自由。家で、部屋で、何をしようが自由なんだ。だから、だから……
昨日代引きで届いた初めてのオナニーホールを使ったって、誰にもバレないし文句も言われない。
今日のテストに支障が有ると駄目だと思い、昨日は必死に我慢した。でも……もうフリーダム!! ストライクフリーダムだ!!
お小遣三ヶ月分の高い物を買ったんだから、どれだけ良いのだろうと気持ちを高ぶらせ。
オナニーホールで童貞卒業しちゃうなんて、ちょっと恥ずかしいなぁって考えながら、家の玄関を開けるために鍵を差し込んだら、
「あ、れっ?」
既に開いてた。
「どうしっ、て……」
気が狂いそう。だってそうだよ。今朝、ボクは、確実に鍵を掛けた。だったら?
両親じゃない。車が無いよ。
泥棒じゃない。玄関から入らないよ。しかも開けっ放しだし。だったら……だったらっ!!
唯一合い鍵を持ってる、サキちゃんしか居ないじゃないか馬鹿っ!!
「もうっ、なんでいるのっ!?」
靴を脱ぎ捨て、急いで階段を駆け上がり、自室のドアを押し開く。
すると一人。キャスター付きの椅子をクルリと回し、こちらに座ったまま向き直る一人の女性。
髪は長く美しく、クリムゾンレッドに染められ。瞳は切れ長に、天然カラーのレッドアイズ。
制服を着てても目を引く抜群のプロポーションに、違反と時代錯誤な足首まで届くロングスカート。
加えて口を三日月の形に吊り上げ、幼馴染みの不良少女が、瀬戸山サキが、ボクの部屋で微笑んでた。
「おかえり、勇人(ゆうと)」
320 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:08:40 ID:ReWu0RPL
2
なんで今日? なんで今日なの!?
鞄は手を離れて床に落ち、身体は勝手に硬直を決定。
「ゆーと? わざわざ会いに来た幼馴染みにさ、お茶も出してくんねーの? そんなんじゃオレ、悲しくて悲しくて……ふふっ、切っちまいそうだぜ♪」
サキちゃんが愉しそうに弄ぶのは、まだ一回も使ってないオナニーホール。
否貫通の筒状になってるソレを左手に持ち、右手には大きめの裁ち切りハサミを持つ。刃を広げて中心部を挟み、力を込めればすぐに切れる状態。
いつもなら帰れって追い出すけど、昨日買ったばっかの高いオナホを人質にされたら……
「わかっ、たよ。何か飲み物持って来るから、ソレ……元の所に戻しててよ?」
ジュースくらい安いもんさ。
部屋から出て、階段を下り、冷蔵庫に残ってたコーラをコップに注いで、二人分を手に持つ。
「ふぅぅっ、はぁぁっ……」
そして深呼吸。一つ、二つ、三つ。整理する。
ボクとサキちゃんは幼馴染みで、ボクは小学生の頃サキちゃんが好きだった。
でも中学生になってしばらくすると、サキちゃんは急に荒れ出し、喧嘩三昧で、言葉使いも悪くなって、終いにはボクをパシリ扱い。
そしたら好きだって気持ちも薄らいでって、今じゃ隣に住むムカつく不良少女A。
いっつもボクをチビって馬鹿にしてっ!! 確かに150センチは小さいかも知れないけど、180センチ近く有るサキちゃんがデカ過ぎるんだよっ!!
だいたい、サキちゃんと幼馴染みってだけで、怖がって誰も話し掛けて来ないし。そんなだから友達もできない。
サキちゃんの世話を全部ボクに任せて、ボク達二人を隔離する。親も、クラスメイトも、先生も……
サキちゃんと居ても、良い事なんてないんだ。
さっきだってそう。ボクがお茶なんて出さないって言ったら、間違い無く『名器の品格SE(15750円)』を切り落としてた。使い物にならなくしてたよ。
でも、でも今だけ……機嫌を取って、無傷で救出するんだ!!
その為に今だけ、小学生の頃に心を戻して、笑顔で、愚痴を聞いてあげる。
「よしっ!!」
そう決めて、そう覚悟を決めて、再び部屋に入ったら、
「遅かったなゆーと? それとわりぃな、待ってる時間、ヒマ、でさ……」
壊れてた。
壊されてた。
机の上に、転がってた。
「つい、つい……なっ? 切っちゃいないぜ? ただ、思いっきり裂けちまってるけどな♪」
ローションなんて使われて無い。
女性器を模った挿入口は、太いマジックを無理やり深くまで差し込まれ、中間位置まで容赦なく裂けてボロボロ。
サキちゃんは、この女は、笑いながら使い物にならなくしたんだ!!
321 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:09:16 ID:ReWu0RPL
3
サヨナラだ、こんな関係。
「ははっ、はははははっ♪♪ いいよサキちゃん。怒らないし、今までのワガママぜーんぶ許してあげる」
コーラは勉強机に二人分置いて、煮え返る臓物はフル冷却。笑顔で、笑顔で、最後の笑顔でニッコリ笑う。
サキちゃんは椅子に座ったまま。ボクは声音を抑えて真正面から見据える。
そして探索する。言葉を、言葉を、この女が最高に驚愕する言葉を。
「おっ? 良い心掛けだなぁゆーと♪ だいたい、こんなオモチャ相手に腰振ろうってのが……」
「サキちゃん、絶交しよっ?」
この女が普通に話せるだろうボクを、普通に話せるたった一人のボクとの縁を、ここで終わらせる。
だいたい、わかってるのかコイツは? 一万五千もしたんだぞ?
それにオナホを買ったのだって、彼女ができないからだ。コイツがいっつも隣で睨んでるから。ボク達二人の周りから、みんなを遠ざけるから……
自業自得なんだよ。それなのにボクを巻き込んで。狭い輪の中にボクを閉じ込めてっ!!
「な、なに言ってんだよ? こんなオモチャ壊したぐれーで、怖い顔すんなよ」
んっ? 笑ってるつもりだったけど、バレちゃったかな?
でも、こんなオモチャ……か。限界だよ。
「許すって言ったでしょ? 瀬戸山、さん。そのコーラ飲んだら帰ってね?」
固まったまま聴き入る瀬戸山さんに背を向け、本棚から漫画の単行本を一冊取り出す。
リビングで読んでる間に、帰ってくれれば良いけど。
俯いて小刻みに身体を震わせる瀬戸山さんを尻目に、退室しようとドアノブをつかんで、
「そんなに……のかよ?」
「えっ?」
中落ちした低い言葉に、思わず振り返り聞き直してしまう。
あっ、て思った時には後の祭り。
「そんなに、オモチャがいいのかよ?」
瀬戸山さんの表情は険しく流移し、瞳は真剣でボクを捕らえる。
ゆっくり立ち上がって、目の前まで近付いて、ギュッと肩を掴んで見下ろして。
周りのみんなが遠ざかる、周りのみんなが恐怖する、ボクだけが平気な凝視眼光。
「ぐっ、仕方ないだろっ!? セックスさせてくれる奴なんて、誰が居るのっ!!?」
肩を前後に揺らし、掴んでいる両手を振りほどく。
全部サキちゃんが悪いんだ。全部。ぜんぶ、ゼンブッ!!
そうさ、悪いのは、ぜんぶ……
「なんで、なんでオレに言ってくれねーんだ?」
ぜんぶ……はっ?
サキちゃんは払われた手で再びボクの肩を掴み、凝視したまま、うっすらと目尻に涙を浮かべる。
瞳を潤ませ、頬を赤くして、女の子の表情で。
五年越しに見た、好きだった頃の幼馴染み。その顔が可愛くて、好きだった感情も蘇る。
322 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:09:42 ID:ReWu0RPL
4
ドキドキ心臓も鳴り出して、ボクは二度目の恋をした。
どっちも同じ相手。どっちも同じ幼馴染み。性格は男っぽく、身体は女っぽく変わった、一番良く知る、瀬戸山サキ。
「はっ……なんだよそれ? セックスさせてって言ったら、良いよって言ってくれたの?」
認めたくない、こんな感情。
「言うわけねーだろうが!!」
それに、サキちゃんも何を考えてるのかわからない。
顔を真っ赤にして、誘ったり、否定したり。
「瀬戸山さん、意味わかんな……」
「押し倒しちまえばいいじゃねーか!! パシリみたいにコキ使われてさ、ムカつくだろこんな女?」
掴まれてる肩へと更に力が込められる。サキちゃんの震えが手を伝い、肩を伝い、ボクの身体まで小さく震わす。
痛い。こりゃ痕が残っちゃうかな? まっ、良いけど……だいたい、押し倒せったってさ、
「だって、抵抗するでしょ?」
ボクじゃ敵わないよ。
毎日筋トレしてるけど、未だに体格は増して行かない。
まぁ、二年後三年後は追い付いてると思うけど、それでも今はまだ。
サキちゃんだって困ってるじゃない? 図星を突かれて、返す言葉を模索してるのがわかる。
深呼吸して、咽をゴクリと鳴らして、紡いだのは思い詰めた声。
「そりゃするさ! 素直じゃねーからなオレは!! でも、口だけだ……本気で抵抗するはず無いだろ!? だってオレ、オレ……ゆーとと、エッチ、したいし」
女の子の表情はそのままに、耳まで紅潮させて視線を逸らしてる。
なんだよ? なんなんだよこのオンナ!? ヤメろよその顔。隠してたけど、ずっと好きでしたって、そんな片思いを報わせる台詞ヤメろっ!!
じゃないと、また……
「わかったよ、今日だけ……瀬戸山さんはボクの奴隷ね?」
こんな不良に恋をする。
優しかった頃の思い出が、好きだった頃の想いが、次々と溢れ出して、サキちゃんを極上の女に補正してゆく。
逃がすな、放すなって、ボクのアソコを急速に大きくする。
「ふぇっ? 奴隷ってお前なー、もっとムード有る事を……」
「瀬戸山さんっ!! 瀬戸山さんは、瀬戸山さんでいいの? なら、瀬戸山さん、だねっ?」
戸惑ってるサキちゃんを、絶対に落とす追い討ち。
サキちゃんの首に両腕を回して飛び付き、反旗する言葉を遮って強く抱きしめる。
そして耳元に口を寄せ、囁くように迫る究極の二択。
323 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:14:01 ID:ReWu0RPL
「オレの子宮なんて、調教しちまえば良いじゃないか? 毎日、まいにち、ちつないシャセイしてさ? ゆーとの子供以外、産めなくしちまえばいいんだ」
324 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:15:34 ID:ReWu0RPL
5
もう、サキちゃんを名前で呼ぶ人は居ない。両親ですら匙を投げ、オイとかオマエで済ましてる。先生だって苗字まで。名前で呼ぶと返事をされるから。苗字までしか呼ばない。
サキちゃんは両親を嫌い、両親から引き継いだ苗字を嫌う。だから苗字で呼ばれても無視してる。唯一人、ボクだけを除いて。
ボクだけは名前で呼び直してくれるって、かいがいしく信じてるから。
だから、
「あ、あっ……ヤダッ!! 名前で呼べよぉっ!! オレの名前知ってんだろ!?」
その唯一を賭けの対象に。
柔らかく揺れる胸を抱き潰して、大きくなったチンチンをグリグリとヘソに押し付ける。
「だってボク、絶交しちゃったしなー。ただの『お隣りさん』を軽々しく呼べないよ。でも、今日だけでも奴隷になってくれるなら、オナホ壊したのも許すし、名前で呼んであげる」
責任取ってよサキちゃん。ボクをパシリにしてたのも、オナホ壊したのも、こんなエッチな気分にさせたのも、全部引っくるめてさ。
そしたら自業自得だけど、ボクが許してあげるから。
「うっ、うぅっ……ちっくしょう! 調子乗りやがってぇっ……もっ、しらねーよ!! オレ帰るからなっ!!!」
迷いながらもサキちゃんの眉尻が上がる。
顔を真っ赤にしたまま、怒ってますよって意志表示。
ボクの身体を引き離そうと、脇下に手を添えて抱え持つ……心と裏腹の行為。
力なんか入ってない、サキちゃんはよろめいてるフリをしながら、ベッドの横まで位置をズラす。
つまり、ボクに押し倒されるのを待ってるんだ。
「サキちゃん、スキ、ダイスキだよっ」
でも、それじゃあイケない。明日からパシリに戻っちゃう。
ボクは、サキちゃんと対等に付き合いたいんだから。
回していた腕を解き、自らサキちゃんの身体をおりる。
「どうするのサキちゃん? ボクの初めて、貰ってくれるの? それとも……瀬戸山さんになっちゃう?」
責任とってサキちゃん。二度もボクを惚れさせた責任とって。
覚悟を決めて、ボクとセックスしようよ?
「ゆーとの、はじめて?」
脇に添えられた手は離れない。視線は真っ直ぐ、ボクを見下ろして離してくれない。
熱の篭った瞳で、ズボンを膨らませてるチンチンまで視野に収めてる。
もう一押し。
「そっ。サキちゃんは、たくさん経験してると思うけど、ボクは……ハジメテだよっ?」
舌戦なら勝てるんだ。
サキちゃんのハジメテを貰えなくて残念だってニュアンスで、寂しそうに、寂しそうに、微笑みかける。
「ちがっ!? オレだって、処女じゃねーけど……ハジメテだっつーの」
すると漏らした。挑発されて秘密をポロリ。
知ってるよ。不良だけど、ロンリーウルフだもんね?
だけど、その内容は聞き逃せない。
「誰に、処女あげちゃたの?」
意味わかんないよっ!!
「えっ、えっ? うぅっ……中学の時にぃっ、放課後の教室で、ゆーとの縦笛を使ってぇっ、ぐうぅっ、オナニ……きゃっ!?」
サキちゃんがベッドに仰向けで倒れた。
「あっ」
思わず押し倒しちゃった。
だって、目の前に凄く可愛い女の子が居たから。
319 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:08:05 ID:ReWu0RPL
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太陽ポカポカ良い天気。冬もグッバイ二月の後半。先走りな気温はうなぎ登りで絶好調。
鞄を持ち、教室を出て、学校を出て、校門を出る。高一最後のテストを終え、気楽な一人暮しがスタートした我が家へと向かう。
父親が単身赴任で他県に行き、母親も付き添いで着いて行ったのだ。だからボクは自由。家で、部屋で、何をしようが自由なんだ。だから、だから……
昨日代引きで届いた初めてのオナニーホールを使ったって、誰にもバレないし文句も言われない。
今日のテストに支障が有ると駄目だと思い、昨日は必死に我慢した。でも……もうフリーダム!! ストライクフリーダムだ!!
お小遣三ヶ月分の高い物を買ったんだから、どれだけ良いのだろうと気持ちを高ぶらせ。
オナニーホールで童貞卒業しちゃうなんて、ちょっと恥ずかしいなぁって考えながら、家の玄関を開けるために鍵を差し込んだら、
「あ、れっ?」
既に開いてた。
「どうしっ、て……」
気が狂いそう。だってそうだよ。今朝、ボクは、確実に鍵を掛けた。だったら?
両親じゃない。車が無いよ。
泥棒じゃない。玄関から入らないよ。しかも開けっ放しだし。だったら……だったらっ!!
唯一合い鍵を持ってる、サキちゃんしか居ないじゃないか馬鹿っ!!
「もうっ、なんでいるのっ!?」
靴を脱ぎ捨て、急いで階段を駆け上がり、自室のドアを押し開く。
すると一人。キャスター付きの椅子をクルリと回し、こちらに座ったまま向き直る一人の女性。
髪は長く美しく、クリムゾンレッドに染められ。瞳は切れ長に、天然カラーのレッドアイズ。
制服を着てても目を引く抜群のプロポーションに、違反と時代錯誤な足首まで届くロングスカート。
加えて口を三日月の形に吊り上げ、幼馴染みの不良少女が、瀬戸山サキが、ボクの部屋で微笑んでた。
「おかえり、勇人(ゆうと)」
320 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:08:40 ID:ReWu0RPL
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なんで今日? なんで今日なの!?
鞄は手を離れて床に落ち、身体は勝手に硬直を決定。
「ゆーと? わざわざ会いに来た幼馴染みにさ、お茶も出してくんねーの? そんなんじゃオレ、悲しくて悲しくて……ふふっ、切っちまいそうだぜ♪」
サキちゃんが愉しそうに弄ぶのは、まだ一回も使ってないオナニーホール。
否貫通の筒状になってるソレを左手に持ち、右手には大きめの裁ち切りハサミを持つ。刃を広げて中心部を挟み、力を込めればすぐに切れる状態。
いつもなら帰れって追い出すけど、昨日買ったばっかの高いオナホを人質にされたら……
「わかっ、たよ。何か飲み物持って来るから、ソレ……元の所に戻しててよ?」
ジュースくらい安いもんさ。
部屋から出て、階段を下り、冷蔵庫に残ってたコーラをコップに注いで、二人分を手に持つ。
「ふぅぅっ、はぁぁっ……」
そして深呼吸。一つ、二つ、三つ。整理する。
ボクとサキちゃんは幼馴染みで、ボクは小学生の頃サキちゃんが好きだった。
でも中学生になってしばらくすると、サキちゃんは急に荒れ出し、喧嘩三昧で、言葉使いも悪くなって、終いにはボクをパシリ扱い。
そしたら好きだって気持ちも薄らいでって、今じゃ隣に住むムカつく不良少女A。
いっつもボクをチビって馬鹿にしてっ!! 確かに150センチは小さいかも知れないけど、180センチ近く有るサキちゃんがデカ過ぎるんだよっ!!
だいたい、サキちゃんと幼馴染みってだけで、怖がって誰も話し掛けて来ないし。そんなだから友達もできない。
サキちゃんの世話を全部ボクに任せて、ボク達二人を隔離する。親も、クラスメイトも、先生も……
サキちゃんと居ても、良い事なんてないんだ。
さっきだってそう。ボクがお茶なんて出さないって言ったら、間違い無く『名器の品格SE(15750円)』を切り落としてた。使い物にならなくしてたよ。
でも、でも今だけ……機嫌を取って、無傷で救出するんだ!!
その為に今だけ、小学生の頃に心を戻して、笑顔で、愚痴を聞いてあげる。
「よしっ!!」
そう決めて、そう覚悟を決めて、再び部屋に入ったら、
「遅かったなゆーと? それとわりぃな、待ってる時間、ヒマ、でさ……」
壊れてた。
壊されてた。
机の上に、転がってた。
「つい、つい……なっ? 切っちゃいないぜ? ただ、思いっきり裂けちまってるけどな♪」
ローションなんて使われて無い。
女性器を模った挿入口は、太いマジックを無理やり深くまで差し込まれ、中間位置まで容赦なく裂けてボロボロ。
サキちゃんは、この女は、笑いながら使い物にならなくしたんだ!!
321 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:09:16 ID:ReWu0RPL
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サヨナラだ、こんな関係。
「ははっ、はははははっ♪♪ いいよサキちゃん。怒らないし、今までのワガママぜーんぶ許してあげる」
コーラは勉強机に二人分置いて、煮え返る臓物はフル冷却。笑顔で、笑顔で、最後の笑顔でニッコリ笑う。
サキちゃんは椅子に座ったまま。ボクは声音を抑えて真正面から見据える。
そして探索する。言葉を、言葉を、この女が最高に驚愕する言葉を。
「おっ? 良い心掛けだなぁゆーと♪ だいたい、こんなオモチャ相手に腰振ろうってのが……」
「サキちゃん、絶交しよっ?」
この女が普通に話せるだろうボクを、普通に話せるたった一人のボクとの縁を、ここで終わらせる。
だいたい、わかってるのかコイツは? 一万五千もしたんだぞ?
それにオナホを買ったのだって、彼女ができないからだ。コイツがいっつも隣で睨んでるから。ボク達二人の周りから、みんなを遠ざけるから……
自業自得なんだよ。それなのにボクを巻き込んで。狭い輪の中にボクを閉じ込めてっ!!
「な、なに言ってんだよ? こんなオモチャ壊したぐれーで、怖い顔すんなよ」
んっ? 笑ってるつもりだったけど、バレちゃったかな?
でも、こんなオモチャ……か。限界だよ。
「許すって言ったでしょ? 瀬戸山、さん。そのコーラ飲んだら帰ってね?」
固まったまま聴き入る瀬戸山さんに背を向け、本棚から漫画の単行本を一冊取り出す。
リビングで読んでる間に、帰ってくれれば良いけど。
俯いて小刻みに身体を震わせる瀬戸山さんを尻目に、退室しようとドアノブをつかんで、
「そんなに……のかよ?」
「えっ?」
中落ちした低い言葉に、思わず振り返り聞き直してしまう。
あっ、て思った時には後の祭り。
「そんなに、オモチャがいいのかよ?」
瀬戸山さんの表情は険しく流移し、瞳は真剣でボクを捕らえる。
ゆっくり立ち上がって、目の前まで近付いて、ギュッと肩を掴んで見下ろして。
周りのみんなが遠ざかる、周りのみんなが恐怖する、ボクだけが平気な凝視眼光。
「ぐっ、仕方ないだろっ!? セックスさせてくれる奴なんて、誰が居るのっ!!?」
肩を前後に揺らし、掴んでいる両手を振りほどく。
全部サキちゃんが悪いんだ。全部。ぜんぶ、ゼンブッ!!
そうさ、悪いのは、ぜんぶ……
「なんで、なんでオレに言ってくれねーんだ?」
ぜんぶ……はっ?
サキちゃんは払われた手で再びボクの肩を掴み、凝視したまま、うっすらと目尻に涙を浮かべる。
瞳を潤ませ、頬を赤くして、女の子の表情で。
五年越しに見た、好きだった頃の幼馴染み。その顔が可愛くて、好きだった感情も蘇る。
322 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:09:42 ID:ReWu0RPL
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ドキドキ心臓も鳴り出して、ボクは二度目の恋をした。
どっちも同じ相手。どっちも同じ幼馴染み。性格は男っぽく、身体は女っぽく変わった、一番良く知る、瀬戸山サキ。
「はっ……なんだよそれ? セックスさせてって言ったら、良いよって言ってくれたの?」
認めたくない、こんな感情。
「言うわけねーだろうが!!」
それに、サキちゃんも何を考えてるのかわからない。
顔を真っ赤にして、誘ったり、否定したり。
「瀬戸山さん、意味わかんな……」
「押し倒しちまえばいいじゃねーか!! パシリみたいにコキ使われてさ、ムカつくだろこんな女?」
掴まれてる肩へと更に力が込められる。サキちゃんの震えが手を伝い、肩を伝い、ボクの身体まで小さく震わす。
痛い。こりゃ痕が残っちゃうかな? まっ、良いけど……だいたい、押し倒せったってさ、
「だって、抵抗するでしょ?」
ボクじゃ敵わないよ。
毎日筋トレしてるけど、未だに体格は増して行かない。
まぁ、二年後三年後は追い付いてると思うけど、それでも今はまだ。
サキちゃんだって困ってるじゃない? 図星を突かれて、返す言葉を模索してるのがわかる。
深呼吸して、咽をゴクリと鳴らして、紡いだのは思い詰めた声。
「そりゃするさ! 素直じゃねーからなオレは!! でも、口だけだ……本気で抵抗するはず無いだろ!? だってオレ、オレ……ゆーとと、エッチ、したいし」
女の子の表情はそのままに、耳まで紅潮させて視線を逸らしてる。
なんだよ? なんなんだよこのオンナ!? ヤメろよその顔。隠してたけど、ずっと好きでしたって、そんな片思いを報わせる台詞ヤメろっ!!
じゃないと、また……
「わかったよ、今日だけ……瀬戸山さんはボクの奴隷ね?」
こんな不良に恋をする。
優しかった頃の思い出が、好きだった頃の想いが、次々と溢れ出して、サキちゃんを極上の女に補正してゆく。
逃がすな、放すなって、ボクのアソコを急速に大きくする。
「ふぇっ? 奴隷ってお前なー、もっとムード有る事を……」
「瀬戸山さんっ!! 瀬戸山さんは、瀬戸山さんでいいの? なら、瀬戸山さん、だねっ?」
戸惑ってるサキちゃんを、絶対に落とす追い討ち。
サキちゃんの首に両腕を回して飛び付き、反旗する言葉を遮って強く抱きしめる。
そして耳元に口を寄せ、囁くように迫る究極の二択。
324 :『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』前編 ◆uC4PiS7dQ6 [sage] :2009/02/27(金) 22:15:34 ID:ReWu0RPL
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もう、サキちゃんを名前で呼ぶ人は居ない。両親ですら匙を投げ、オイとかオマエで済ましてる。先生だって苗字まで。名前で呼ぶと返事をされるから。苗字までしか呼ばない。
サキちゃんは両親を嫌い、両親から引き継いだ苗字を嫌う。だから苗字で呼ばれても無視してる。唯一人、ボクだけを除いて。
ボクだけは名前で呼び直してくれるって、かいがいしく信じてるから。
だから、
「あ、あっ……ヤダッ!! 名前で呼べよぉっ!! オレの名前知ってんだろ!?」
その唯一を賭けの対象に。
柔らかく揺れる胸を抱き潰して、大きくなったチンチンをグリグリとヘソに押し付ける。
「だってボク、絶交しちゃったしなー。ただの『お隣りさん』を軽々しく呼べないよ。でも、今日だけでも奴隷になってくれるなら、オナホ壊したのも許すし、名前で呼んであげる」
責任取ってよサキちゃん。ボクをパシリにしてたのも、オナホ壊したのも、こんなエッチな気分にさせたのも、全部引っくるめてさ。
そしたら自業自得だけど、ボクが許してあげるから。
「うっ、うぅっ……ちっくしょう! 調子乗りやがってぇっ……もっ、しらねーよ!! オレ帰るからなっ!!!」
迷いながらもサキちゃんの眉尻が上がる。
顔を真っ赤にしたまま、怒ってますよって意志表示。
ボクの身体を引き離そうと、脇下に手を添えて抱え持つ……心と裏腹の行為。
力なんか入ってない、サキちゃんはよろめいてるフリをしながら、ベッドの横まで位置をズラす。
つまり、ボクに押し倒されるのを待ってるんだ。
「サキちゃん、スキ、ダイスキだよっ」
でも、それじゃあイケない。明日からパシリに戻っちゃう。
ボクは、サキちゃんと対等に付き合いたいんだから。
回していた腕を解き、自らサキちゃんの身体をおりる。
「どうするのサキちゃん? ボクの初めて、貰ってくれるの? それとも……瀬戸山さんになっちゃう?」
責任とってサキちゃん。二度もボクを惚れさせた責任とって。
覚悟を決めて、ボクとセックスしようよ?
「ゆーとの、はじめて?」
脇に添えられた手は離れない。視線は真っ直ぐ、ボクを見下ろして離してくれない。
熱の篭った瞳で、ズボンを膨らませてるチンチンまで視野に収めてる。
もう一押し。
「そっ。サキちゃんは、たくさん経験してると思うけど、ボクは……ハジメテだよっ?」
舌戦なら勝てるんだ。
サキちゃんのハジメテを貰えなくて残念だってニュアンスで、寂しそうに、寂しそうに、微笑みかける。
「ちがっ!? オレだって、処女じゃねーけど……ハジメテだっつーの」
すると漏らした。挑発されて秘密をポロリ。
知ってるよ。不良だけど、ロンリーウルフだもんね?
だけど、その内容は聞き逃せない。
「誰に、処女あげちゃたの?」
意味わかんないよっ!!
「えっ、えっ? うぅっ……中学の時にぃっ、放課後の教室で、ゆーとの縦笛を使ってぇっ、ぐうぅっ、オナニ……きゃっ!?」
サキちゃんがベッドに仰向けで倒れた。
「あっ」
思わず押し倒しちゃった。
だって、目の前に凄く可愛い女の子が居たから。