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<p>251 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 09:43:09 ID:k0KNp6va<br /> てか始まってからもうすぐ一年経つんだな<br /><br /> 凄いな<br /><br /> 252 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 09:52:19 ID:gQasdW9q<br /> 兄の行動に無理がありすぎ<br /> 兄が一番病んでる存在だなw<br /><br /> 253 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 10:15:46 ID:SxTjEsq0<br /> 兄が徐々にヤンデレ臭を醸し出してる・・・<br /> デレる相手が葉月さんである事を願って止まない今日この頃<br /><br /> 254 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 10:26:00 ID:IJLaUK7a<br /> &gt;&gt;1 男のヤンデレ談義はめんどくさくなるのでスレチ<br /><br /> 255 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 10:42:55 ID:l9R5zgcV<br /> あぁぁぁぁ!GJ!<br /> 冴子さんもジミーもカワイソス<br /> そしてあうあうしてる謎の人カワイイよ謎の人<br /> つーか葉月さんに逆レとか願ったり叶ったりですわー!<br /><br /> 256 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 10:55:29 ID:MY8nyPJb<br /> &gt;&gt;242<br /> GJ!<br /> 叔母の来襲かと思ったらあの黒髪の一年生の子だったか<br /> 兄貴の観察力、推理力、シスコンぶりには頭が下がる<br /><br /> 257 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 11:20:48 ID:2N/g/QHL<br /> GJ!<br /> しかし妹はついに弟を襲おうとしたか<br /><br /> 258 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 11:40:00 ID:lBqlspmL<br /> 兄の性格が話によってブレまくりなのと弟に学習能力がないのが気になった<br /><br /> 259 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 11:59:08 ID:7WMBA57r<br /> &gt;&gt;242<br /><br /> GJっ!<br /><br /><br /> 何かだんだん葉月さんが気の毒になって来たよ…<br /><br /><br /><br /> 昔のトラウマのせいもあってジミーは無意識に避けてんのかな?<br /><br /> 260 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 11:59:26 ID:tuULCC6d<br /> 突然恋のライバルが二人も増えた葉月さんカワイソス<br /><br /> 261 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/15(月) 13:19:12 ID:X0see2t+<br /> 確かにジミーは話によって性格かなり違うww<br /> だがそれこそジミークオリティ!!<br /> 次が待ちきれん<br /><br /> 262 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 13:25:40 ID:IJLaUK7a<br /> むしろ優柔不断なジミーだからこそヤンデレを生み出すのだろう<br /> 思えば鳴海の人もそうだった<br /><br /> 263 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 14:35:11 ID:VtyZ1e1e<br /> 前回の分を読み直してみてクーリングオフの意味が分かった気がする…まだ確証は無いが<br /><br /> ところで葉月さんの下の名前って出てたっけ?俺見落としてる?<br /><br /> 264 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 14:54:03 ID:CTU4wY/y<br /> よし子<br /><br /> 265 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 15:13:38 ID:nFWLKRhi<br /> 違うだろwww<br /><br /> 266 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 16:47:44 ID:6Cox36Bw<br /> 精神が成熟しきった紳士達には想像しずらいかもしれんが、思春期だと人格や感情が安定してないからじゃないのか?<br /><br /> 267 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 18:29:46 ID:J6Ax/8Yt<br /> あれ葉月さんだったんだあ<br /><br /> 268 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 20:03:52 ID:eYopINQh<br /> 俺は本当の傍観者は弟だと思ってるよ<br /> 兄貴は鈍感だけど割と頑張ってるw<br /><br /> 269 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 20:41:16 ID:5Jyj4CG6<br /> いや本当の傍観者は高橋だろ。弟は襲われすぎ。いいかげん学習しろ。<br /><br /> 270 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/15(月) 23:45:44 ID:97UBb8A5<br /> GJ!!<br /> 一年生の教室で葉月さんを目で見ても認識できない状態に<br /> 姑獲鳥の夏の主人公を思い出した。<br /> あれも一種の精神錯乱だったんだよな。<br /><br /><br /> 271 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 04:38:14 ID:8jLVxBAO<br /> &gt;&gt;269<br /> いや、妹から襲われたのは初めてじゃないか?<br /> やっぱ身内だから油断したんじゃね?<br /><br /> 272 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 07:21:08 ID:bKnobGwV<br /> 弟を襲ったのて花火じゃね?<br /><br /><br /> 273 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 07:44:46 ID:N58m4s6P<br /> 花火は弟を襲いません><<br /><br /> 274 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/16(火) 20:55:25 ID:zQ18TfD0<br /> ヤンデレで寝取られはどう考えても水と油的な組み合わせだよな<br /> ほかのクソ男に持ってかれる時点でそのクソ女はヤンデレの条件を満たしてないんだよ<br /><br /> 275 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 20:57:10 ID:93bncNX+<br /> 釣り乙<br /><br /> 276 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 23:11:19 ID:bq3o5I0N<br /> 果たして玲子ちゃんに光はあるのやら……あのままでは終わらない気がする<br /><br /> 277 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 23:55:08 ID:8jLVxBAO<br /> もう玲子ちゃんはいいよ。十分だろ?<br /> なんであんな暴走したか気になるところではあるが<br /><br /> 278 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 00:00:49 ID:2pgLoIFh<br /> ええと……ツッコミ待ちですか?<br /><br /> 279 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 01:54:21 ID:SGfNJyGV<br /> 玲子ちゃんは病院にいた小3のおにゃのこだろうに<br /><br /> 280 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [] 投稿日:2008/09/17(水) 06:08:01 ID:RpGp5jFF<br /> 投稿します。ネタですのであしからず。<br /><br /> 281 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:08:42 ID:RpGp5jFF<br /> sage忘れたのはちょっとミスりました^^;<br /><br /> 282 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:09:56 ID:RpGp5jFF<br /><br /> TIPS<br /><br /> 金城康二 保菌形態β 主人公<br /> 金城さとる 保菌形態α ヤンデレ好きのキ▲ガイ科学者。<br /> 金城篝 αの感染者。<br /> 佐藤亜麻 βの感染者。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ――――ヤンデレが傍にいて欲しいとは思ったのは何時だったろう?<br /><br /><br /> ヤンデレとは災厄だと理解したのは何時だったろうか?―――――<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> 283 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:10:53 ID:RpGp5jFF<br /><br /> 「私、出張で少し都内空けちゃうでしょう?<br /> ねぇ、康二君。お願い、お願いだから__ちょうだい?」<br /><br /> ちょ、スプラッタかよ。と思った。<br /> けれども nicegayで、koolgayがこちとら売りだ。<br /> え?koolgayは間違いだって?<br /> ひぐらし○なくころにを見てないのか?アンタ。<br /><br /> まぁ、いい。<br /> とりあえず、目の前の女をどうにかするしかないんだろう?<br /> 目の前の女・・・佐藤亜麻という人物だ。<br /> 性別は女で勝気なタイプな癖にロングヘアーを靡かせる美女だ。<br /> 美女だと明言するのは負けを認めるようで吝かだ。<br /> べ、別にす、好きじゃないんだからねっ。いや、何を言ってる俺。<br /><br /> 「康二の腕か、足か、頭でもいいの。ちょうだい?」<br /> 「それは、できないよ。」とすぐさま返答する。<br /><br /> というか出血多量で死にますがな。<br /> やはりあれかねぇー。<br /> 交際相手にバリバリのキャリアウーマンも考え物だ。<br /> いや、その出来る女っていうのもソソる訳だが。<br /><br /> 「やっぱり、あの女とっ!!」<br /> 「違うよ、亜麻」<br /><br /> 羅刹女の如く、悲哀に歪んだ表情で康二を睨みつけて。<br /> 亜麻と呼ばれた女性は、嘘だっ!!と罵倒するかの勢いで口を啓いた。<br /> いや、だから、ひぐらしかよ、とは意地でも言えない。<br /> 選択を間違えばDEADマンセーな人生が待ってる・・・いや死ぬじゃん。<br /><br /> 「違うよ、君の事を愛している。覆しようのない事実だ」<br /> 「ならば、ちょうだいよっ!!<br /> 愛する人のためならそれぐらい安いでしょうっ!?」<br /><br /> 道具じゃねぇんだから腕の一本や二本おいそれと渡せるかっての。<br /> 実はでもなくこの女性、留守中不安だから四肢を渡してと言ったのだ。<br /><br /><br /> 284 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:12:22 ID:RpGp5jFF<br /> 康二の内心。呆れと嫌気と焦燥が織り交ざった状態だった。<br /> 貌には出せば上手に出れない。<br /> 切り返すのがかったるく思いつつ行動。<br /> 喚く彼女を、抱きしめ、深く、甘い、接吻を交わす。<br /> 形だけの緩い拒絶を抑えて、彼女の胸を拭く越しに揉みしだくと接吻をより深めに。<br /><br /> 「んっ、んっ、」<br /><br /> 互いの唾を呑み合った所で、唇を離す。<br /> 糸が、銀糸の糸が、引き、亜麻も口惜しそうな声。眸がとろんと、していた。押し際だ。今の内なら軽く、落とせるだろう。<br /><br /> 「愛している、愛している。<br /> 亜麻のことを愛しているともさ」<br /> 「んっ、」<br /><br /> 康二は秘所を服の中からなぞり、優しく胸を抱きすくめた。<br /> 官能を楽しむように、自ら育てた女を味わうように。<br /><br /> 「だからこそ、だよ」<br /><br /> 蕩けるような、あるいは甘く塗りたくったような快感に悶える亜麻。<br /> ある種のマインドコントロールを行うように、康二は重く囁いた。<br /><br /> 「五体不満足で愛するよりも、五体不満足で愛されるよりも<br /> 俺の総てで亜麻の髪の一本から、唇、耳、肩、胸、背中、<br /> 膣口から、菊座、ふともも、ひざした、爪先までを、<br /> 亜麻の全てを、亜麻を愛でたいんだ」<br /><br /> びくっ、と震わせて亜麻は絶頂に達した亜麻。<br /> ふと、俺の稚拙な愛撫では早過ぎるのかと思ったが甘言ばかりだからと、納得した。<br /> 女性ってどちらかというと自慰はイメージ重視で盛り上がらせる気があるから。<br /> すぐさまハンカチを取り出して声を抑えさせると官能に愉悦に、歪んだ声を、布の中で、叫ぶ。<br /><br /> 「――――ッ!!」<br /> 「気持ちよかったかい?なら俺としても幸いだ」<br /> 「康二?」<br /><br /> 蕩けるように濃厚なイキ貌を浮かべる彼女へ、出来得る最高の笑顔を貼り付けて。<br /><br /> 「解った?これが、僕が導いた答えだよ。亜麻」<br /> 「うん、んんっ、」<br /><br /><br /><br /> 285 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:14:05 ID:RpGp5jFF<br /> 情事の余韻に浸る彼女を、後戯――抱擁や愛撫で満足させる。<br /> 打算的なことは悟られぬよう優しく、包むようになぞるようなタッチ。<br /> いつもの勝気な印象とは違ってあちらの知識に疎い処、<br /> オーガニゼーションに包まれた表情のギャップもそそられるのも確然。<br /> だけども例の如く「うぅ、不完全燃焼だぁーー!」<br /><br /> 彼女の支度を手伝いながら、ぽんっと玄関へと押していく。<br /><br /> 「亜麻? 帰ってきたら、お帰りのエッチしようね」<br /><br /> にこやかに微笑んで、彼女を送り出す。<br /><br /> 「むむむ、私は満足してないっ!!」<br /> 「それでもちゃんとこなすのがキャリアウーマン・・・亜麻だろ?」<br /> 「勿論よ、私を舐めないで」<br /> 「帰ってくるまで、自慰はしないこと」<br /><br /><br /><br /> お互いに燃えるしと囁き、彼女を待つタクシーへと送り出した。<br /> その後、自らのマンションへ帰り登校の用意をした。既に重役出勤だが。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> 286 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:14:40 ID:RpGp5jFF<br /><br /> 俺・・・金城康二が複数人と性交渉を至るには込入った事情がある。<br /> 早い話が陰謀だ。話は遠い昔、二十年以上前に遡る。<br /><br /> ある男が時代を先取りしすぎて、昼ドラの展開を見て、<br /> あっ嫉妬されてみたいなぁとか吼えたキチ○イ科学者による。<br /> つまりは、我が親父・・・金城悟がヤンデレウイルスを発明しやがったことが発端だ。<br /> 無駄な処に才能と時間(5年超)を費やして、作り上げたのだ。阿呆が。<br /> 親父は幾戦もの死亡フラグを乗り越えて今のお袋と結婚し、そしてヤンデレと付き合っている。<br /> 均衡状態であるので、大きな動きはないが、水面下の策謀は行われているらしい。<br /> もっとも、ハーレム化しつつあるので、毒殺とかじゃなくて如何に寵愛されるかにだが。<br /><br /><br /><br /> 物心付く前からサスペンスや昼ドラも真っ青な状況が繰り広げられていた。<br /> 当時は今より露骨なまでの戦線があっただけに危機回避能力と異性との話の機転に関してはフルパラメータになっている。<br /><br /> 例え、これを知ったヒソカさんが「メモリの使い過ぎ☆」なんて言おうとも無理なのだ、なんです。なのですよ、の三段活用。<br /> 自らも成人までに発症しヤンデレ量産機になると知ったからには。<br /><br /><br /><br /> ヤンデレウイルス。俗世には憚らない病原菌である。<br /> どのような科学的要素がヤンデレに発展するかは理解しがたい。<br /> だが、俺と親父で恐らく決定要素らしきことはこのとおりだ。<br /><br /> ・青年~成人男性の年齢で潜伏から保菌者[ホスト]へなる。<br /> ・第一保菌者からの男性への感染は無いこと。<br /> ・保菌者から雌への感染圏は数メートル。<br /> ・対象者は保菌者が無意識に好意を持つ女性へ。<br /> ・感染した女性の場合、母子感染しかないこと。<br /> ・保菌者→感染は一世代位までの年齢まで。<br /><br /><br /><br /> 287 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:15:51 ID:RpGp5jFF<br /> つまり現状で感染しているのは親父、と母さん+α、俺+βである。<br /> 幼少のときに之の事実を聞かされた俺は幼心に乾坤一擲で殴ったね。<br /> 前歯が折れた糞親父を見てざまぁねぇや。と笑いまくってやったよ。<br /> 次の日、再生医療だぁとか言って数日後に元に戻っていやがったが。<br /><br /> 天才なのか、ただのキチガ●なのかは良く理解しかねるが兎も角そういうことなのである。<br /><br /> 思わず俺は幼馴染を詰[なじ]って、罵って嫌われてやったね。<br /> うん。とりあえず凶暴になって俺にも近づかなくなったがな。<br /> ホント秘密の日記に幼馴染への想いを書き綴って号泣したほどさ。<br /> 夜な夜な枕を眼から出る味噌汁で濡らしたほどさ。<br /><br /> もっとも、彼女は気づかずに暴力女となって、違う中学に通うようになって幸いだが。<br /><br /> 彼女の流言によって男色の気があると噂が立ったのも事実だ。<br /> 諸君、違うのだよ。康二さんとしては幼馴染に発症されて刺されてDEAD ENDを回避したかっただけなんだ。<br /><br /> 当時は異性との付き合いが解らぬし、<br /> どのタイミングで発症するのかが知らなかったんだ。<br /> まさか大学生になるまで一時的な対抗剤を盛られているとは夢にも思わんだ。チクショ。<br /> 俺の嫁が二次元だった青春を帰しやがれ。<br /> 残念ながら今現在、<br /> 結局のところは思い描いた想像図になっているのは確かだ。<br /> イコール、修羅場絶賛公開中。<br /><br /> つまりは三角関係なんて目じゃないね☆<br /><br /><br /><br /><br /><br /> 288 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:17:34 ID:RpGp5jFF<br /><br /><br /><br /> まぁ、そんな昔話はともかく、いま俺は一人暮らしをしている。<br /> 否、糞親父によってさせていられるのだ。<br /><br /> なんでも、困難に課せられて、なおヤンデレに挑む息子を見守りたいらしい。<br /> その癖、息子のとばっちり受けたくないとかほざいていやがった。<br /> 被害を一番蒙ったのはどこの誰だと想っているんでせうか?<br /> あんたによる被害者はお・れ・だ。<br /><br /> 俺が僕だったころ、ヤンデレ感染した女性に。<br /> 「息子、そうよ彼との愛の結晶なんて!!あんたさえいなければッ」<br /><br /> そう呟かれて、二次災害受けたのは記憶に新しい。トラウマだ。<br /> もっとも手練手管によってヤンデレをいなしてた糞野郎の正室。<br /> そこに収まったんのは現在のお袋である。<br /> 権謀術中を要し、それでも変わらないお淑やかは、ある種の恐怖だ。<br /><br /> 桜・篝。それが吾が麗しの母上である。ああ、今は金城篝か。<br /> 外見、二十代後半から三十代前半の麗しい奥様ではあるが、<br /> 中身、実の肉親であるが・・・・・・思い出したくも無い。<br /><br /> 「あらあら、康二さんどうしたの?」<br /> なんて云われればそれは掘られた方がマシってぐらいの。<br /> ごめん、といっても掘られたことないからわからないや。<br /><br /><br /> 最近、ワクチンを開発中とかキチガ_が電話越しで呟いていた。<br /> ■チガイの事だ。むしろ既に開発済みである可能性が高い。<br /> 却ってヤンデレの効果を煽るような物を呑まされかねない。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> 結論。<br /><br /> むしろ、誰か僕にギ○スを恵んでください。<br /> ルルーシェさんみたいに命令で全拒否してみせます。<br /> いや、オレンズィのように・・・いや、ギア○にしか効かないですね、はい<br /><br /> ヤンデレ化させていく体質なんて欲しくないとです。<br /><br /> 金城康二已むに得ない状況で、遺憾なくヤンデレウイルス送信中。<br /><br /><br /> 289 名前:ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 06:18:30 ID:RpGp5jFF<br /> 投稿終了。徹夜明けのノリでやってしまったんだ。<br /> 未練は無い。だが非情に後悔している。<br /><br /> 290 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 20:03:57 ID:afOmZ5s+<br /> &gt;&gt;289<br /> 続きを激しく希望したい。GJです。<br /><br /> 俺もヤンデレウイルスに感染されたいなぁ<br /><br /> 291 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 20:49:26 ID:p63wsP17<br /> &gt;&gt;289<br /> 乙&amp;GJ<br /> 親父を育てたのはわしじゃ<br /><br /><br /> 最近ふと思うんだがさ<br /> ヤンデレ家族の連載終わったらこの板どうなるんだろうな<br /><br /> 292 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 21:06:18 ID:/Vsbr1gB<br /> 連載中の作品は続くし新しい連載も始まる<br /> それだけのことだが<br /><br /> 293 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 21:14:27 ID:Pw2c4STw<br /> &gt;&gt;291 別に何も変わらないよ。このスレはヤンデレ家族だけで成り立っているわけじゃないんだから…。<br /><br /> 294 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 21:31:19 ID:p63wsP17<br /> 板の現状を見るとどうも…って感じがしただけだ<br /> まぁ杞憂に終わるだろう<br /> なんかすまない<br /><br /><br /> 295 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 21:47:22 ID:/Vsbr1gB<br /> てか初代スレを知っている身としては、まだまだ甘いといわざるを得ないなw<br /><br /> 296 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 21:54:13 ID:idCghQ8n<br /> 初代スレとは付き合い長かったからなあ<br /><br /> つまりそれだけ過疎だったんだが<br /><br /> 297 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 23:00:54 ID:2WNx5iok<br /> 初代スレとかすげー荒れてたなw<br /><br /> 298 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/17(水) 23:05:17 ID:GsiYbr5I<br /> &gt;&gt;297<br /> そうだっけ?<br /> 過疎しか思い出ない<br /><br /> 299 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 02:31:53 ID:ZFIc4FBb<br /> 初めて来た時はよづり姉さんが暴れてたな<br /><br /> 300 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/18(木) 04:04:08 ID:apgDh9ev<br /> ヤンデレと言えばスクイズ<br /> スクイズと言えば妊娠<br /><br /> と言うことでヤンデレ妊婦同士が争って相手を堕ろさせる話は…<br /><br /> 301 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 06:34:43 ID:YT/jREVH<br /> とりあえず妖しの呪縛をずっと待ってる<br /> ヤンデレ獣耳とか俺のストライク突きすぎだろ・・・<br /><br /> 302 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 14:35:35 ID:OAVe6N3e<br /> &gt;&gt;300<br /> 男が白血病に冒されて、治療のために胎児の胚性幹細胞が必要になったから<br /> 妊婦を片っ端から腹を捌いて胎児を取り出して治療に使う――<br /><br /> 303 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 15:44:30 ID:J6WSU/uX<br /> &gt;&gt;300<br /> 不妊の女が旦那を寝取った相手の子供を奪って育てる話なら、妄想したことがある。<br /> 「あの人の子なら私の子。あの女には胎を借りてやっただけ」みたいな。<br /><br /> 304 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 17:34:51 ID:jWvawHIw<br /> お前ら怖いわw<br /><br /> 305 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 17:47:57 ID:cH+8BW0C<br /> でも育っていくうちにだんだんと泥棒猫と重ね合わせてしまうに一票<br /><br /> 306 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 19:04:35 ID:R1YoGfBh<br /> 子供を産めない某ボーカロイドが妊婦の腹を掻っ捌いて<br /> 自分のお腹のスペースに入れてるシチュの絵があったなぁ<br /><br /> 307 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 22:36:06 ID:OAVe6N3e<br /> 侠気と狂気で以って凶器を用い、恋敵を討って狂喜する<br /><br /> 308 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/18(木) 23:18:46 ID:h4eny/8l<br /> 誰がうまいこと言えと(ry<br /><br /> 309 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 01:34:45 ID:3CfLaAD+<br /> &gt;&gt;294<br /> 新参とか言われたくなかったらまず板じゃなくスレと言え<br /><br /> 310 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 06:54:26 ID:IIbx/n0M<br /> ぼちぼち色んな所に数年貼り付いてる俺だが<br /> 板って言ったら新参扱いされるなんて初めて聞いたなwwww<br /><br /> 311 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 07:02:47 ID:Jts9Rxww<br /> "スレ"と"板"を間違えてるからだろ<br /><br /> 312 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 07:14:33 ID:rg5cf2AV<br /> つーか傍観者終わったらやばいと思うならなぜ自分で書こうとしない<br /> お前らの愛はその程度のものなのか<br /><br /> 313 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 07:33:52 ID:inOfq0Ir<br /> 俺は…ヤンデレになれない…<br /><br /> 314 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 08:50:35 ID:/0kVFBTi<br /> 俺はヤンデレじゃない<br /> でもなヤンデレを守る事は出来る<br /><br /> 315 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 09:05:41 ID:tpsiI4SN<br /> &gt;&gt;314<br /> たっくん乙<br /><br /> 316 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 12:26:57 ID:N/X88VFJ<br /> ヤンデレっていうのは呪いと同じなんだ<br /> 途中で監禁された人は、いつまでも呪われたまま らしい<br /> あなたの、愛は重い<br /><br /> 317 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 15:12:42 ID:tpsiI4SN<br /> &gt;&gt;316<br /> 木場さん乙<br /><br /> 318 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 16:23:30 ID:vpLusOQ5<br /> 殺し上等ー! 彼女は無敵のヤンデレ様だぜ!<br /><br /> 319 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 16:33:28 ID:fRtctXox<br /> 20歳までにヤンデレにならない女性は愛情が足りない。<br /> 20歳を過ぎてヤンデレでいる女性は理性が足りない。<br /><br /> 320 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 16:42:39 ID:U3W9ZnlG<br /> &gt;&gt;317<br /> 木場さんってオルフェノクか?<br /><br /> 321 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 17:06:20 ID:/0kVFBTi<br /> &gt;&gt;318<br /> ピピッ<br /><br /> 322 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 17:08:07 ID:tpsiI4SN<br /> &gt;&gt;320<br /> そうだよ<br /> 馬のやつ<br /><br /> 323 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 18:19:13 ID:rg5cf2AV<br /> &gt;&gt;319<br /> そういや、ここに昔投下された埋めネタでアカのがあったが、あれはいい出来だったなあ<br /> 続いてほしいくらいだ<br /><br /> 324 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 19:25:34 ID:VUg+60mm<br /> さぁ、そのヤンデレを<br /> 渡しなさい。<br /><br /> 325 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 21:17:26 ID:Yg8A78iV<br /> 嫌よ、だれがあんたなんかに。<br /> そうよね、323?ねぇ?<br /><br /> 326 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 22:03:56 ID:jhyWdWXd<br /> ヤンデレとしりとりして、語尾『け』を連発したい<br /><br /> 327 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 23:00:18 ID:Bd+qZ5ub<br /> 結束の力だ!!<br /><br /> 328 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/19(金) 23:17:46 ID:rg5cf2AV<br /> ヤンデレ「け、けけけ結婚しよう!」<br /> 326「うんこ」<br /><br /> 329 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 00:39:48 ID:3nYSSD2A<br /> ヤンデレの前でストリップショーを始めたらどうなる?<br /><br /> 330 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 00:48:44 ID:jsYMdDXV<br /> それは朝の着替えのことですか<br /> 部屋から出て行かないんですねわかります<br /><br /> 331 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 09:47:43 ID:MI2ShjcY<br /> ブテナ○ックのCMがヤンデレっぽい<br /> まあ水虫だけど<br /><br /> 332 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/21(日) 11:13:29 ID:qtjXySAC<br /> ↑ある意味ちゃんと病んでるんだなw<br /><br /> 333 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 17:28:18 ID:DyE2hvs3<br /> ヤンデレに似合う銃器はAK47かいな?<br /><br /> 334 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 18:00:30 ID:kYDf8SRy<br /> ナイフならワスプナイフだな、<br /> 銃ならミニガンかな、泥棒猫を挽肉に<br /><br /> 335 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 18:15:16 ID:tWX3Of2q<br /> 月並みだがP-90だろ。知略的な感じがしていい<br /> インパクトで言えばデザートイーグルとか意外性があっていいが、さすがにデザートイーグルぶっ放すような子はヤンデレでも怖い<br /><br /> 336 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 18:21:24 ID:ohIE/iMD<br /> ヤンデレっ娘たちは惚れた男を一途に愛する心だけを持っていれば良いのだ。<br /> あえて他に必要なものをあげるとするなら、<br /> 彼を手に入れるための最良の策を練ることの出来る頭脳、<br /> 彼にばれないようストーキングする技術、<br /> 泥棒猫のみならずありとあらゆる女の匂いを嗅ぎ分ける嗅覚など。<br /> エロければなお良い。<br /> 言うことを聞かせるために男に暴力を振るったり、泥棒猫を抹殺しなければならなくなった時、<br /> そのヤンデレっ娘は引き返すことのできない、破滅へ向かう道に立っているのだ。<br /><br /> 私の考える完璧なヤンデレとは、<br /> 出会い、友達になり、恋人になるという真っ当な手段を用いて、、<br /> 自分以外の女に見向きもしないほど男を自分に惚れさせることのできた女だ。<br /> 完璧なヤンデレは己がヤンデレであると周囲に悟らせない。<br /> 我々がヤンデレと認識している時点でその娘は一流とは呼べないのだ。<br /><br /> まあ、そんなヤンデレっ娘はこのスレのSSのヒロイン役としては失格だが。<br /><br /> 337 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 18:31:52 ID:upbjTJ4w<br /> 主人公がまともだったり相思相愛なら特に何事も無いような気がするな<br /><br /> 338 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 18:35:50 ID:fO77RJkJ<br /> さて・・・着衣をきちんとたたんで、ネクタイも着用した。<br /> 正座待ち一番乗りぃぃぃぃぃぃぃぃ<br /><br /> 339 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 19:33:49 ID:HZ9VpLlJ<br /> &gt;&gt;336<br /><br /> だがそれに同意せざるおえない俺ガイル<br /><br /> 340 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 19:36:57 ID:cR/1rm5b<br /> ヤンデレ家族あと3日で1周年か<br /><br /> 341 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 19:37:35 ID:HaxPjYKs<br /> &gt;&gt;335<br /> いや、フェイファーツェリザカだろ<br /> ヤンデレっ子は物理法則すら愛の力で無視出来るんだからな<br /><br /> 342 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 20:39:10 ID:7eZMgcai<br /> &gt;&gt;340<br /> 誕生日編マダー?<br /><br /> 343 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 20:48:02 ID:NMXdnoTP<br /> &gt;&gt;341<br /> 大好きな人に引かれるので武器なんか振り回したりしません。<br /> と言う訳でデリンジャーに一票<br /><br /> 後、身長140以下に限りバレットライフル。ヤンデレっ子(ry<br /><br /> 344 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 20:54:34 ID:6pt0q8zD<br /> 俺はM-14をすすめる<br /> ガーランドの流れをくむあの形が…<br /><br /> 345 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 22:12:54 ID:gcSRyHTd<br /> うぜえ<br /><br /> 346 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 23:19:03 ID:m4NNQgIF<br /> そろそろ全裸になって待つか<br /><br /> 347 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 23:44:39 ID:cJLk7QhI<br /> 某バスケアニメED曲の『あなただけ見つめてる』はヤンデレな人たちにピッタリな歌だと思う。<br /><br /> 348 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 23:47:38 ID:qtjXySAC<br /> 人格ラヂオの飼育箱をヤンデレ好きの皆に捧げたい。<br /><br /> 349 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 00:52:10 ID:FxubXcJd<br /> ヤンデレを調教したい<br /><br /> 350 名前:もう何も信じない[] 投稿日:2008/09/22(月) 01:52:29 ID:HdjnMexj<br /> 初めまして。投稿します。<br /> ちなみに初SSです。至らない点があったらご指摘お願いします。<br /> 一応第3話まで溜め込んでます。<br /> 後の方からヒロインが徐々にヤンデレ化・・・って感じです。<br /><br /><br /><br /> 351 名前:もう何も信じない[] 投稿日:2008/09/22(月) 01:55:00 ID:HdjnMexj<br /> もうなにも信じない―――そう思ったのはいつだったろうか。<br /><br /> 母親は俺たちを産んだときに死んだ。<br /> 父親は6歳まで俺たちを育ててくれたが、妹が死ぬと突然女を作って俺を捨てた。<br /> どうやら母の面影を求めていたらしい。妹にまで。<br /> やむなく預けられた親戚一家は、ある力をもつ俺を気味悪がり、虐げた。傷が服<br /> にかくれるように。<br /> 唯一頼れた小学校の先生は俺がいじめに耐えかねて手を出したとき、いじめっ子<br /> らを弁護した。<br /> あとになって知ったが、いじめっ子の親には教育委員に知り合いがいるとかで教<br /> 師は逆らえないそうなのだ。<br /> 後日、伯父はその親に対し菓子折りを持って謝罪しに行った。その日の夜、俺は<br /> 伯父に酷く殴られた。<br /><br /> ああ、思えばこの時からかも知れない。何もかもを信じなくなったのは。<br /><br /> 俺の名は佐橋 歩。今年の春、高校生になった。<br /> 別に行きたくもなかったが、世間体を気にする親戚に半ば無理矢理入れさせられ<br /> たのだ。<br /> 高校に入るにあたり、母の残した遺産の俺の取り分とアパートの1部屋をあてがわ<br /> れ、一人暮らしを始めた。早い話が厄介払いだが、あの家を出られるのなら実に<br /> ありがたい話だった。<br /><br /> だが、高校なんぞごめんだった。さっきも言ったとおり俺は人を信じられない。<br /> 赤の他人に話しかけるなんて怖くてできやしないし、関わられるのも嫌だ。中学<br /> 時代はそうして可能な限り誰とも関わらなかった。<br /> 今日は壇上で答辞を詠んだらさっさと帰って寝るつもりだ。<br /> そのはずだったんだ―― あいつが現れなければ。<br /><br /> 入学式が終わり、家に帰ろうと玄関に向かったらそいつに呼び止められた。<br /><br /> 「佐橋歩!僕を覚えているかい?」<br /><br /> ……意味が分からん。そもそも誰だこいつは。<br /> 中学時代は友達はいなかったし、近所にもこんな知り合いはいない。…小学校か?<br /> ああ、確かいたな。女のくせに自分のことを僕と呼ぶ変な奴が。名前は―――<br /> 「光(コウ)だよ。三神 光。3年ぶりだよね、歩。」<br /><br /> そう、たしかそれだ。腰まで伸ばした黒髪がよく似合う美少女なのに男口調で何<br /> かがぶち壊しなのが残念だ。<br /><br /> 「で、何の用だい、三神 光さん?」<br /><br /> あえて他人行儀で話しかけた。こんな奴に構ってられるか。俺には惰眠をむさぼ<br /> るという大事な使命が――――<br /><br /> 「僕は君が好きだ! 付き合ってくれ!!」<br /><br /> ………頭が痛くなってきた。神よ、これはなんの試練ですか?<br /><br /> 「…冗談はその変な口調だけにしろ。寝言は寝てから言え。それとも寝てんのか?」<br /> 「あははっ、やだなぁ。僕が君に嘘をついたことがあるかい?」<br /><br /> 352 名前:もう何も信じない[] 投稿日:2008/09/22(月) 01:56:25 ID:HdjnMexj<br /> 確かに、こいつだけは俺に嘘をつかなかった。あの時から、人間不信に陥りあら<br /> ゆる他人を拒絶していた俺にこいつは変わらず話しかけてきた。そのたびに俺は<br /> 寝たふりをし、男子トイレに逃げ込み、目の前で耳栓まで装着した。<br /><br /> いや、こいつは俺にひとつだけ嘘をついたな。あれはたしか小学校の卒業式の日<br /> 。教室に忘れ物を取りに行ったときだった。教室には光がいた。 <br /><br /> 「忘れ物かい?しっかり者の君がなんて、珍しいなあ。」<br /><br /> 俺は無視した。机の中にあった本をとり、教室をあとにしようとした。すると、<br /><br /> 「歩…。君は最後まで僕を無視するんだね。でももういいんだ。二度と会うこと<br /> もないだろうし。」<br /><br /> 俺はこの時なぜか振り向いてしまった。いつもの明るい声とは違う、暗く、哀し<br /> げな声に。<br /><br /> 「僕だっていいかげんあきれてるんだよ?いくら何を言っても君は無視を決め込む<br /> しね。会えなくたって別に困りはしないさ。むしろせいせいするよ。」<br /><br /> そう言いながら光は……<br /> 泣いていた。この時思ったんだ、これは嘘だと。<br /> 気が付けば、勝手に口が動いていた。<br /> 「…すまない。俺は、もう何も信じられないんだ。」<br /> 「僕のことも、なのかい?」<br /> 「……ああ。本当に、すまない…。」<br /><br /> 彼女はしかし、笑ってこういった。<br /><br /> 「は…初めて僕と話をしてくれた…ね。うれ、しいよ、歩…。」<br /> 「……………。」<br /> 「歩、君が何も信じないというなら、僕が次に君に言う言葉を、絶対に信じない<br /> でくれ。」<br /> 「………………。」<br /><br /> 返事はしなかった。<br /><br /><br /> 「僕は……、君なんかだいっきらいだ。二度と会えなくても全然平気…だよ。だ<br /> から、僕のこと…ひぐっ、なんか、忘れて…よ。」<br /><br /> これが、光が俺についた、唯一の嘘だ。<br /><br /><br /> 353 名前:もう何も信じない[] 投稿日:2008/09/22(月) 01:58:21 ID:HdjnMexj<br /> 以上で終わりです。m(--)m<br /><br /><br /> 354 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 02:08:28 ID:HWrfOr82<br /> &gt;&gt;353<br /> こう、胸がキュンキュンした<br /> GJ<br /> これからも頑張ってくれ<br /><br /> 355 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 02:11:21 ID:97thMDVT<br /> 期待しておこう<br /><br /> 356 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 02:58:54 ID:B09tS+Lc<br /> &gt;&gt;353<br /> ・sage進行でお願いします。<br /><br /><br /> 357 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 03:22:30 ID:1i/NY5DG<br /> &gt;&gt;353<br /> GJ<br /> これからどうなるのかたのしみだ。<br /><br /> 358 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 05:01:22 ID:c0djt2ug<br /> &gt;&gt;353<br /> >僕が次に君に言う言葉を、絶対に信じない でくれ<br /><br /> いいねぇ<br /> こういった言い回し<br /><br /> これは続きを期待せざるを得まい<br /> GJ!<br /><br /><br /> 359 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 07:27:25 ID:4MmFwjt3<br /> &gt;&gt;353初めて…だと…?<br /><br /> 360 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 10:46:21 ID:PKJG4PFU<br /> &gt;&gt;353<br /> ウはぁァぁ!<br /> GJだぜ! 今後が非常に楽しみだ!!<br /><br /> 361 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 11:47:08 ID:YUJ8zX4L<br /> さて、全裸で正座して続きを待つか<br /><br /> 362 名前:もう何も信じない 第2話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 13:23:20 ID:HdjnMexj<br /> 思いのほか好感度な感じで恐縮です。<br /> 続きを投下します。<br /> &gt;&gt;356<br /> ご指摘ありがとうございます。sageのこと、忘れてました。<br /> ぐぐってきたので、以後気をつけます。<br /><br /> 363 名前:もう何も信じない 第2話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 13:30:20 ID:HdjnMexj<br /> ―――ああ、変わってないな。光、お前はいつも俺のことなんかお構いなしに喋<br /> る。<br /> こんな風に、俺が周りの奴らから刺すように白く、また、生暖かい目で見られて<br /> いても、だ。<br /><br /> 「言ったはずだ。俺は何も信じられない。だからお前の言葉も信じない、と。」<br /> 「変わってないね…君は。ううん、昔よりも口数は多くなった。これは喜ぶべき<br /> かな?」<br /> 「そういうお前はどうなんだ? 昔から口の締まりが悪いやつだとは思ってた、が3<br /> 年経ってなおこれか!」<br /> 「うれしいよ…昔から僕のことを思ってくれてたのかい。」<br /><br /> そう言ってこいつは顔をさらに紅潮させ、もじもじした。なんなんだ一体……。<br /><br /> 「ああ。3年前は筋金入りの馬鹿だと思っていた。もしくは物好き。中学になって<br /> からは存在を忘れてたくらいだが。」<br /><br /> これは本当だ。むしろ声をかけられてもわからなかった。仕方ないだろう、見違<br /> えるくらい…綺麗になってんだから。<br /><br /> 小学生のときの光は、ショートカットにシャツにジーンズといった、男みたいな<br /> 格好をしていた。さらに男口調。たしかそのせいで女にも男にも友達はできなか<br /> ったはずだ。<br /> だが今はどうだ。女らしい格好…まあ制服だからな。それに長い髪。3年でここま<br /> で伸びるだろうか?と思ったのは言うまでもない。<br /> 顔立ちも整っている。そこらのアイドルなんかより全然美人だ。胸は…まあ変わ<br /> りないな。(悪い意味でだが)<br /><br /> 「失礼だね。これでも少しは大きくなったんだよ?」<br /> …何で俺の考えたことがわかるんだ。<br /><br /> 「ほー。そうか。俺には関係ないが。」<br /><br /> そう言い残して俺は昇降口を出ようとした。周りの奴らの視線が痛いがどうでも<br /> いい。さっさと帰って寝よう―――――<br /><br /> ……俺は今、街中をただ歩いている。<br /> 何でかというと…、俺の隣に光がいるからだ。こいつこのままだと俺の家までつ<br /> いて来かねない。だから適当に撒いて帰ろうとチャンスをうかがっているのだ。<br /> 光に自宅の場所を知られでもしたら……ああ恐ろしい。考えたくもない。<br /><br /> 「ねぇ、帰るんじゃなかったのかい?」<br /> 「ああ帰る。お前がこの手を放してくれたらな。」<br /> 「つれない事言わないでくれよ。好きな人と一緒にいたいと思うのは当たり前だ<br /> ろう?」<br /> 「生憎だが俺はお前を好きになった覚えはない。うっとおしいから放せ。」<br /><br /> まったく、どうしてこんな事になったんだか…。<br /> そう思っていると、突然頭の中に、鮮明なイメージが湧き出てきた。否、叩き込<br /> まれた。…またか。<br /><br /> 俺が見たイメージは、赤信号を無視してふらふらと突っ込む深緑色の車。どうや<br /> ら居眠りしてるようだ。その矛先にはには人がいる―――俺たちだ。<br /><br /> 364 名前:もう何も信じない 第2話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 13:31:08 ID:HdjnMexj<br /> 「おい、ちょっといいか。」<br /> と、俺は光の手を引き、信号を離れる。<br /><br /> 「? どうし―――」<br /><br /> キキ――――ッ ガシャン!!<br /><br /> 激しい衝突音が響いた。今俺たちの目の前には、折れ曲がった信号機の柱と、ひ<br /> しゃげた深緑の車。そこは、ついさっきまで俺たちがいた場所だ。<br /><br /> ――――俺は、自分に降りかかる危険を、直前になって予知できる力を持ってい<br /> る。人々はこの力をどう思うだろうか。<br /> 便利? すごい? とんでもない。たしかに聞こえはいいが、わかるのは"俺自身"に<br /> 来る危険だ。それに、自分一人逃げるのがやっとだ。頭にイメージが来るのは、<br /> 本当に"直前"なんだ。<br /> たしか、2分後の未来が見える男の映画があったな。あっちの方が便利だし、何よ<br /> り人の役に立つ。<br /><br /> そもそもこんな力がなければ俺はこんなヒネた性格にはならなかったろう。親戚<br /> どもはこの力を気味悪がり、伯父には「化け物!」とすら言われ虐げられた。<br /><br /> まあ、この力のおかげで中学時代はケンカでは負けたことがない。殴ろうとする<br /> 動きを、文字通り見切ってしまうからだ。もっとも、好き好んでケンカした訳じ<br /> ゃない。あくまで"売られたケンカ"を"買って"ただけだ。<br /> ちなみに不良グループを一人で全員病院にノシつけて送った次の日からは、俺に<br /> 恐れをなしてか話しかける奴は誰もいなくなった。<br /> この力が役に立ったのは、その時くらいか。そう、俺は一人でいいんだ。誰もい<br /> らない。そう思ってたのに―――<br /><br /> 「…は~びっくりした。助けてくれたんだね? ありがとう。」<br /><br /> どうしてこいつは俺につきまとう? 普通避けるだろう!<br /><br /> 「…助けたつもりはない。ただ、見知ったやつに目の前で死なれちゃ寝覚めが悪<br /> くなると思っただけだ。」<br /> 「相変わらず素直じゃないねえ。ま、僕は君のそういうところ、大好きだよ?」<br /><br /> 何でだ。もう誰も信じない。そう固く誓った筈なのに―――――<br /><br /> 「…勝手にしろ。」<br /><br /> こいつの前では、その決意が揺らぐ。<br /><br /><br /><br /> 365 名前:もう何も信じない 第2話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 13:32:53 ID:HdjnMexj<br /> 第2話終了です。続いて、第2.5話を投下します。<br /> 第1話と第2話の光視点です。<br /><br /> 366 名前:もう何も信じない 第2.5話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 13:35:16 ID:HdjnMexj<br /> 君は相変わらずだね。その冷めた口調も、人を信じないところも。<br /><br /> いつから君を好きになったんだろう。<br /><br /> 小学生のとき、いじめっ子から僕をかばってくれたとき? 次の日君は痣だらけだ<br /> ったね。<br /> それとも、別れ際に「すまない」と僕に申し訳なさそうに謝ったときかな? 普段<br /> 無感動な君があんな風に謝るなんて意外だったけど、反面ほっとしたんだよ? ま<br /> だ君にはココロがある、って。<br /><br /> だから思ったんだ。僕が、君を守ると。たとえ世界中の人間が敵になっても僕だ<br /> けは、君の支えでありたいと。<br /><br /> 中学では離ればなれになってしまったけど、君を想わない日は1日もなかったよ?<br /><br /> 君がどんなにレベルの高い高校を受けても後を追えるように必死に勉強した。で<br /> も君は首席だったね。さすがだよ。<br /> 君は女の子らしい子が好きかと思って、髪も伸ばした。<br /> 君にご飯を作ってあげるために、料理だって覚えた。<br /> 君をいつでも受け入れられるように、ひとには言えないコトだっていっぱいした<br /> よ?<br /><br /> 君に信じてもらいたいから、僕は君への想いを隠さないと決めた。だから言うよ<br /> ―――<br /><br /> 「佐橋歩!僕は君が好きだ!付き合ってくれ!」<br /><br /><br /><br /><br /><br /> ―――僕の隣には今、歩がいる。目の前には廃車寸前の深緑の車。<br /> 言うまでもないが、歩が僕を助けてくれたんだ。<br /><br /><br /> 歩の力については、とっくの昔に知っていたよ。<br /> まだ幼い頃、歩の家に遊びに行ったときの事だ。<br /> 若くてきれいな女のひとが出てきてこう言ったんだ。<br /><br /> 「ごめんなさいね。もうこの家には来ない方がいいわ。」<br /> 「どうして?」<br /> 「歩はね…あのひとに嫌われているの。だから…」<br /><br /> ふと気が付いた。女のひとは、体に痣があった。そのとき僕が思ったことはひと<br /> つ。<br /> ――――虐待―――――<br /><br /> 「私は、あのひとに逆らえなくて、見て見ぬふりをしているの。最低よね…歩は<br /> きっと私を憎んでいるわ。でも、歩は私の姉さんの大事な忘れ形見なの。だから<br /> 、せめて歩の友達のあなたには危ない目に遭わせたくないの。でないと、またあ<br /> の子悲しむでしょう?」<br /> 「そう…ですか…」<br /><br /> でも、僕にはわからなかった。なぜ歩が嫌われているのか………だから、聞いて<br /> みたんだ。<br /><br /> 367 名前:もう何も信じない 第2.5話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 13:35:50 ID:HdjnMexj<br /> 「どうして? 歩君はそんな目に?」<br /><br /> その時、知ったんだ。歩が予知能力を持つことを。そのせいで虐待されていた事<br /> を。そして、何も信じられなくなったことを……。<br /><br /> 許せなかったよ。僕の大事な歩をそんなふうにしたなんて。<br /> お前さえいなければ歩は傷つかなかった。<br /> お前さえいなければ歩は僕に笑いかけてくれたはずだ。<br /> お前さえいなければ、歩は他人に怯えなくてよかったんだ。<br /><br /> だから、殺そう。<br /><br /> でも、それはできなかった。<br /> その前に、死んじゃったんだ。<br /> それがわかったのは、歩と別れてすぐ。<br /> 事故ってことになってるけど、僕にはわかる。きっと、あのひとが殺したんだ。<br /><br /> あのひともまた、歩を愛していたんだね。僕もそう。だから…わかるんだよ。<br /><br /> 今度は僕の番だね? 次に君を傷つける人がいたら、僕が殺してあげる。<br /> 君が望む方法でずっと苦しめてあげてもいい。だから……<br /> 僕だけを見て。<br /> 僕だけを信じて。<br /> 僕だけを愛して。<br /><br /><br /><br /> 368 名前:もう何も信じない 第2.5話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 13:41:27 ID:HdjnMexj<br /> 2.5話終了です。<br /> &gt;小学生のとき、いじめっ子から僕をかばってくれたとき?<br /> 次の日君は痣だらけだったね。<br /> このくだりは、歩の伯父が菓子折を持って<br /> 謝りに行ったことをさしています。<br /><br /> 369 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 13:48:06 ID:4MmFwjt3<br /> GJ!<br /> フォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!<br /> 皆病んでるなおい<br /><br /> 370 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 14:13:24 ID:HWrfOr82<br /> &gt;&gt;368<br /> 素晴らしい出来です<br /> GJ<br /><br /> 371 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 14:43:43 ID:PKJG4PFU<br /> &gt;&gt;368<br /> うへァあアぁぁ<br /> すばらしすぎるぜゴッド!<br /> GJすぎる!!<br /><br /> 372 名前:もう何も信じない 第3話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 15:22:50 ID:HdjnMexj<br /> 第3話投下します。<br /> 今のところためてた分はここまでです。<br /><br /><br /> 373 名前:もう何も信じない 第3話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 15:23:30 ID:HdjnMexj<br /> 「待っててね、歩♪もうすぐできるからね?」<br /><br /> そう言って、フライパンを振る美少女。<br /><br /> 「あー、はいはい。」<br /><br /> ため息混じりで空返事をする俺。<br /><br /> 結局俺はこいつにつきまとわれたまま家に帰る羽目になってしまった。<br /> 今光は昼飯を作ってくれている。<br /><br /> 俺は断ったんだが、こいつが<br /> 「ちゃんと食べてないからそんなに痩せてるんだよ!?でも大丈夫。<br /> これからは僕が作ってあげるよ。」<br /><br /> と言うもんだから、仕方なく折れた。反対しても退かなそうだしな。<br /> そんなに痩せてはないと思うがな…むしろ若干無駄な肉が気になりつつあるくらいだ。<br /> ちゃんと筋トレはしているが。<br /><br /><br /> 歩は痩せすぎだよ…どうせ一人だからって適当なものしか食べなかったに違いないね。<br /> せっかくカッコいいんだから、健康的にならないと台無しだよ?<br /> ピアスを8つもつける暇があるなら料理ぐらいちゃんとしなさい!って言いたくなるよ。<br /> でも、これってよく考えたらチャンス。歩に手料理を食べてもらえるなんて、<br /> 僕幸せだよ。むふふ。ぐへ。あはははは。<br /><br /> 「変な声を出すな。ったく…」<br /> 「はっ、声に出てた!?」<br /> 「ああ。あと、料理に変なもの入れんなよ。」<br /> 「僕はそんなことしないよ! もう!」<br /><br /> そうとも、僕はどこぞのヤンデレ娘たちと違ってそこら辺の常識はあるつもりだよ?<br /> 料理に血を入れたりとか、髪の毛混ぜ込んだりとか、<br /> その…(ゴニョゴニョ…)なんて入れたりしないよ!? 多分!<br /><br /><br /> 374 名前:もう何も信じない 第3話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 15:24:08 ID:HdjnMexj<br /> 1ヶ月がたった。光はその間ずっと昼夜と飯を作ってくれた。押し掛け女房か。<br /> 結論から言うと…光の飯はうまかった。<br /> 俺は自分以外の人が作った飯を食って安心したのは給食以来だ。<br /><br /> 伯母さんの作る飯もうまかったが、いつ"予知"できてしまうか内心怖かった。<br /> だから、俺は誰かが箸をつけてからそれを食べる、ということが習慣づいていたんだ。<br /> なのに……<br /><br /> 「はい、できたよ歩♪」<br /> 「ああ。」<br /> 「「いただきます。」」<br /><br /> もぐもぐ…今日はハンバーグだった。光は料理が上手だ。<br /> なんでこんな上手なんだと尋ねたら、<br /> 「愛する君のためにがんばったからさ。はぁと」<br /> と言われた。相変わらず訳が分からん。俺みたいなやつのどこがいいんだか………<br /><br /> 「ねぇ、歩。」<br /> 「なんだ。」<br /> 「今日は僕が食べる前にそれを食べてくれたね? 」<br /><br /> ――言われて気付いた。そういえば、なんで俺は警戒しなかった?<br /> 俺は光の料理を食べて…食べて…<br /><br /> 「やっと僕を信じてくれたんだね!?ああ、歩!うれしいよ!」<br /><br /> そこで俺の思考は止まった。<br /> いきなり光が抱きついてきたからだ。<br /><br /> 「ああ、歩…歩ぅ…ずっとこうしたかったんだ。君に信頼されたかったんだ。君<br /> を、愛…してるんだ……ひっく…うあぁぁぁん……」<br /><br /> 俺は、戸惑っていた。<br /> 俺を愛してると泣きながら訴える光に。<br /> 誰も信じない筈なのに心を許してしまった俺に。<br /> そしてそれを認めたくない俺に対して。<br /><br /> いつの間にか、俺は甘えていたんだろうか。<br /> 居心地のよさに。愛の囁きに。信じてほしいという一途な想いに。…光自身に。<br /><br /> もういい。認めよう。こいつなら信じられる。きっと俺を見捨てないでいてくれる。<br /> そうして俺は………<br /><br /> 「光。俺はまだ何も信じられない。だけど…<br /> だけど、お前だけは信じるよ。」<br /> 「あ…あゆ…む…」<br /><br /> 光を、信じた。<br /><br /><br /> ああ…歩…やっと僕を信じてくれたんだね? これでようやく始められるよ。<br /> これから君は僕"だけ"を信じ、僕"だけ"を愛してくれるようになるんだよ?<br /> その為には君を騙すことになるかもしれない…。でも、最後はきっと僕を選んで<br /> くれるはずだよ。<br /><br /> 信じて―――待っててね、歩?<br /><br /><br /> 375 名前:もう何も信じない 第3話[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 15:28:36 ID:HdjnMexj<br /> 第3話終了です。<br /> と同時に、平和な日々編、完。です<br /> 予定としては、光がいよいよヤンになります。<br /><br /> 第4話以降の話がまだ整わないのですが、気長に待ってやって下されば<br /> 幸いですm(--)m<br /><br /> 376 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 17:12:27 ID:pL5VZDgc<br /> &gt;&gt;317<br /> それ言ったのは木場さんじゃなくて海棠だろう<br /><br /> 377 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 18:07:57 ID:4MmFwjt3<br /> GJだが顔文字やめようぜぇぇぇぇぇぇぇ!<br /> なんかそれゆとり臭がするぅぅぅぅぅぅぅぅ<br /><br /> 378 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 18:08:00 ID:JU4kRpmn<br /> &gt;&gt;375<br /> 乙乙<br /> イイハナシダナー、でも光が黒くなるのが楽しみw<br /><br /> 379 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 18:19:59 ID:T+oQlcwb<br /> 奇才あらわる<br /><br /> 380 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 19:02:46 ID:PKJG4PFU<br /> &gt;&gt;375<br /> よしよしよぉぉぉし!<br /> 一気に3話公開とはGJ過ぎるぜ!<br /> 続き楽しみにしてます。<br /><br /> 381 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 19:38:32 ID:YUJ8zX4L<br /> GJ!!!<br /> 正座キツイから散歩してくる。ノシ<br /><br /> 382 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 22:11:18 ID:+hy9TrFh<br /> もう夜だから気をつけろよ!<br /><br /> 383 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 22:13:18 ID:HWrfOr82<br /> &gt;&gt;375<br /> GJ!<br /> 短期間で3話も読めて私は幸せです<br /><br /> 384 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 23:04:05 ID:r1TbBlYG<br /> &gt;&gt;375<br /> GJ!!<br /><br /> &gt;&gt;376<br /> 木場も言ってたよ<br /> 先生を殺す時だったかな<br /><br /> 385 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 00:09:41 ID:XQdeawbB<br /> 和服に日本刀ってかなり相性の良いヤンデレウエポンだよな!!<br /><br /> おまいらの考えるヤンデレウエポンって何?<br /><br /> 386 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 00:21:56 ID:+6EuOwCs<br /> 泥棒猫と恋人(ヤンデレ視点)が一緒にいるのを見た時の何かを隠したような笑顔<br /><br /> 387 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 00:22:17 ID:wj5QMocU<br /> ヤンデレウエポン・・・・?<br /> そんなの彼を愛する一途な心に決まってるだろJK<br /><br /> 武器なんて最終手段<br /> 安易に持ち出すのは無粋ですよ<br /><br /> 388 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 00:44:29 ID:P6XHjRtT<br /> 目だろう<br /><br /> 目は口ほどに物を言う、とも言うし…<br /> 眼力(と殺気)だけで十分だと思うんよ<br /><br /> まぁそのコアの部分に深い深ーい愛があるから為せることなんだけども<br /><br /> 389 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 04:03:05 ID:CmvFlcSI<br /> 勿論、呪術です<br /><br /><br /> 390 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 06:38:54 ID:v1EFYK+M<br /> 拘束具かな<br /><br /> 391 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 07:01:12 ID:ihAJfSQM<br /> おっぱいだろ<br /><br /> 392 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 08:06:31 ID:ynb/gdka<br /> それは貧乳ヤンデレは不完全とでも言いたいのかこの野郎<br /><br /> 393 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 08:20:11 ID:742FNd74<br /> 彼の家の合い鍵<br /><br /> 394 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 08:24:57 ID:ihAJfSQM<br /> &gt;&gt;392巨乳は体を使い、貧乳は知恵を使う<br /><br /> 395 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 10:02:59 ID:UxbQgGXI<br /> &gt;&gt;394<br /> 乳に行く分の栄養が脳に行ったから頭がいいんだとでもいいたいのか?ああん?<br /><br /> 396 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 10:50:51 ID:nnSJ9GlM<br /> ちっぱいでもおっぱいはおっぱいだこの野郎! <br /> むしろそっちがいい!<br /><br /> 397 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 12:17:09 ID:ihAJfSQM<br /> &gt;&gt;395「乳に行く分の栄養が脳に行ったから頭がいいんだと言いたいのか?ああん?」<br /><br /><br /> なんという貧乳ヤンデレっ子<br /> 激しく萌えた<br /><br /> 398 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 14:03:41 ID:nR4DNldD<br /> いやこれだけではただの貧乳ツンギレだ<br /><br /> 399 名前:もう何も信じない 第4話[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 15:21:12 ID:tQKLbVg3<br /> 完成したので、投下します。<br /> いちおう病み編突入って感じです。<br /> 4話と4.5話です。<br /><br /> 400 名前:もう何も信じない 第4話[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 15:22:14 ID:tQKLbVg3<br /> その日俺は放課後の図書室にいた。光には前もって自宅に帰ってるよう言っておいた。<br /> …誤解があるようだが、同棲してる訳じゃない。ただ晩飯を作ってもらい、<br /> 食ったら帰す。それだけの仲だ。それでも以前の俺ならまったく考えられない話だが。<br /><br /> 「佐橋くん、次はこの棚にお願いね。」<br /> 「はいはい、わかりましたよ。」<br /><br /> 俺は今、図書委員会の仕事をこなしている。やりたくてやった訳じゃない。担任が<br /> 「全員、必ず何かしらの仕事をしろ」<br /> といったもんで、仕方なく一番楽そうな図書委員に入ったんだ。<br /> …なぜか光には反対されたが。<br /> で、今日は月一度の集まり。<br /> が、来ているのは二人だけ。俺と、2年の女子だ。他は多分サボりだな。ったく…<br /> どんなやつらだよ。<br /><br /> 「真面目に来てくれたのは君が初めてかもね。」<br /> 「別に。仕事っすから。」<br /> 「ええ、そうね。でもうれしいわ。正直一人じゃしんどいもの。」<br /><br /> この先輩―――環 左京―――の話によると、他の図書委員は俺みたく仕方なく入<br /> って来るような奴だらけだったらしい。<br /> だから誰も来ないのか。確かに面倒ではあるが…こんな静かな空間で黙々と<br /> 仕事をする…俺にとっては理想の空間だ。<br /><br /><br /> ようやく仕事が終わり、帰り支度を始めたのが7時。<br /> 腹減ったな。今日は光はいないからマックかなんかで済ますか。<br /> と思っていると――――<br /><br /> 「佐橋くん、こんな遅くまで付き合わせて悪いわね。」<br /> 「…いえ、問題ないですよ。」<br /> 「そう…佐橋くん、このあと空いてる?もしよければお茶でもどうかしら?」<br /><br /> …いきなりなにを言うんだこの人は…。<br /> まあでも、どうせ独りだ。構わないだろう。<br /><br /> 「いいですよ。」<br /><br /><br /> 環先輩との話はことのほか面白かった。<br /> 好きな音楽や、趣味や、食べ物。いろんなことで気が合った。<br /> 喫茶店で軽い食事までご馳走になった。それくらい出すと言ったのに、<br /> 「気にしなくていいの♪」<br /> と言われれば引っ込むしかなかろうが。<br /><br /> 今は8時半。あとは帰って寝よう。<br /><br /><br /> 401 名前:もう何も信じない 第4話[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 15:22:46 ID:tQKLbVg3<br /> がちゃり。<br /><br /> 鍵を開け、部屋に入る。<br /><br /> 「…………光。どうして―――」<br /><br /> 俺のベッドで光が眠っていた。<br /> 実に気持ち良さそうに寝息をたてて…いや、目を覚ました。<br /><br /> 「ん…ぁあ、歩か、お帰り。ごめんね、寝ちゃったみたい」<br /> 「帰ったんじゃなかったのか!?」<br /> 「君と話がしたかったんだよ。だから、待ってたんだ。」<br /><br /> よく見るとその頬には涙のあと。<br /><br /> 「………なんだ? 」<br /><br /><br /> 「君はひどい奴だよ。僕というものがいながら、他の女にかまけるなんて。」<br /> 「いや、だから意味が」<br /> 「もちろん、君にも僕にとっても喜ぶべきことだよ。今まで他人を拒絶してきた<br /> 君が普通にひとと接することができるようになってきたんだから…。でも…」<br /><br /> はぁ、と息継ぎをし、光は続けた。<br /><br /> 「君が僕以外の女と話するところなんて………見たくなかったよ。<br /> ショックだったよ。僕はもう君には必要ないのかい!?」<br /> 「…違う。そうじゃないよ。」<br /> 「ならどうして!僕の気持ちは分かってるだろう!?嫌だよ!君を奪われたくなんかないよ!<br /> 僕には歩が必要なんだ。好き…なんだ……でも、君が必要としてくれないなら……ひぐっ…」<br /><br /><br /> 気が付いたら、光を抱き締めていた。<br /><br /> 「すまない…光。お前、そんなにまで俺を想っててくれてたんだな…。」<br /> 「そうだよ…僕は、ずっと君を想ってた。君に会えない3年間は辛かったよ。死ん<br /> でしまいたいくらいにね…。」<br /><br /> 「…なあ光…、お前が嫌だというなら、もう環先輩とは会わないよ。」<br /> 「……………約束だよ?信じてるからね。もし破ったら……………」<br /> 「?」<br /> 「ううん、なんでもないよ。」<br /><br /><br /> 君が必要としてくれないなら、僕は生きてる意味はないんだよ……?<br /><br /> 約束だよ、歩。もし破ったら……………<br /> その女、殺しちゃうから。<br /><br /><br /> 402 名前:もう何も信じない 第4話[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 15:23:39 ID:tQKLbVg3<br /> 4話終了です。続いて4.5話投下します。<br /><br /><br /> 403 名前:もう何も信じない 第4話[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 15:25:56 ID:tQKLbVg3<br /> 今日は、歩がいない。何でも、「委員会の仕事で遅くなる」そうだ。<br /> だから僕は反対したのに。君と一緒に帰れないなんて、残念だな。<br /><br /> でも歩、君はまだ立ち直ったわけじゃないからね。こうして、僕が目を光らせてないと――――<br /><br /> 「・・・・・たのは君が初めてかもね。」<br /><br /> ―――え。 誰あの女。まさか歩、僕に黙って女と逢ってたの・・・?<br /><br /> 「別に。仕事っすから。」<br /><br /> そうだよね。仕事だよね。歩はすごい人見知りやさんなんだから、そんなはずないよ。<br /> でも・・・なんであの女、あんなに嬉しそうなの・・?<br /> まるで発情期の雌猫みたい。<br /><br /> 「ええ、そうね。でもうれしいわ。正直一人じゃしんどいもの。」<br /><br /> ・・・なんなの。あんた一体何なの?僕から歩を奪おうっていうの!?<br /> どうして歩!? 僕というものがありながら、どうしてそんな女なんかと!!<br /><br /> でも歩は、ただ黙々と仕事をしていた。<br /> そりゃそうだよ。仕事って言ってたもの。当たり前だよ。<br /><br /><br /><br /> 「そういえばあの、光っていったかしら。君にべったりな娘。」<br /> 「ええ。光がどうかしました?」<br /> 「あの娘とは付き合ってるの?」<br /><br /> なに・・・?付き合ってなかったらあんたどうするっての!?<br /> でもお生憎様。僕と歩は愛し合って――――――<br /><br /> 「いや、そういうんじゃないですよ。」<br /> 「あら、そうなの?」<br /><br /> ―――――っどうして。どうしてそんなこと言うの!?<br /> 僕はこんなにも君を愛してるっていうのに!それだけじゃ足りないの!?<br /><br /><br /> 「・・・佐橋くん、このあと空いてる?もしよければお茶でもどうかしら?」<br /><br /> ・・・この雌猫め・・・歩を誘惑しようっての・・!?<br /> ねえ、行かないよね、歩。お願い・・やだって、行かないっていってよ。<br /> 僕がいるじゃない。君が望むならなんだってしてあげるから。ね?僕と帰ろうよ・・・<br /><br /> 「いいですよ。」<br /><br /> ・・・・いや。<br /> ・・・イヤ。<br /> イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ<br /> イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ<br /> イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ<br /> イヤだイヤイヤイヤイヤイヤ――――――<br /><br /> 404 名前:もう何も信じない 第4.5話[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 15:27:02 ID:tQKLbVg3<br /> 気がつけば僕は泣いていた。だめだ。気づかれちゃ。<br /> ここで盗み聞きしてたなんてばれたら嫌われる。<br /><br /> 「・・・・っ・・・ぅ・・・ふぇぇ・・・」<br /><br /> だから、懸命に声を殺した。<br /><br /><br /><br /><br /><br /> がちゃり。<br /><br /> 合鍵を使って、歩の部屋に入る。<br /> 泣き疲れ、なお涙が止まらない僕は、歩のベッドに横たわる。<br /><br /> ああ・・・歩の匂いがするぅ・・・<br /><br /> 僕は歩の枕に顔をうずめ、つたない動きで、下着に手を伸ばす。<br /><br /> 「ぁぁ・・・歩・・・あゆむぅ・・・・僕はいつでも君を待ってるのに・・・<br /> どうして何もしてくれないの・・・寂しいよ・・・もう独りはやだよぉ・・・・<br /> ずっといっしょにいてよ・・・ぼくをあいしてるって・・・おねがいだよぉ・・・・・・」<br /><br /><br /> 僕は小さく絶頂を迎え――――――<br /><br /> 「あいしてる・・・あゆむ・・・」<br /><br /> そのまま、眠りについた。<br /><br /> 405 名前:もう何も信じない 第4.5話[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 15:30:17 ID:tQKLbVg3<br /> 4.5話終了です。<br /> &gt;&gt;403<br /> タイトルを4話にしたままでした。<br /> 申し訳ありませんが、保管庫には、4話と4.5話を分けていただけると幸いです。<br /><br /> 406 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 15:31:28 ID:BirMJeDV<br /> &gt;&gt;405<br /> 楽しく読ませて貰いました<br /> 何だか、お話に加速度がついてきた感じw<br /><br /> 407 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 16:36:36 ID:HfXOkibu<br /> &gt;&gt;405<br /> ウヒョー! GJ!<br /> 光かわいいよ光<br /> 続き楽しみにしてます!<br /><br /> 408 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 17:19:15 ID:phrXA39M<br /> GJ!!<br /> 病んできたねー<br /> 楽しみだ<br /><br /><br /> 409 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 19:06:33 ID:ZMplfuhu<br /> &gt;&gt;405<br /> GJ<br /> これからも頑張ってくだされな<br /> ただし無理はするなよ?<br /><br /> 410 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/23(火) 22:45:44 ID:LB8UPuOJ<br /> ._<br /> /77/<br /> _/ i ムイ<br /> /ヾ、 /<br /> /   ソ  ___<br /> .   /i___/ ./7Y二ヽ、   ←ヤンデレから逃げる俺<br /> /./  /  ( (二二ニ=}<br /> .  //  {   )ヽ、-イj〈<br /> (/   .ー<ミTyヽニ//`&gt;─┬、_<br /> `ー-、   i L_// ./ >├ー-、二ヽ、<br /> \  .  &lt;  /  > || _,、  ',<br /> ヽ   >-‐' L .」レ   ',  ',<br /> ',  「o     Y i      ',  ',<br /> i  `i     .| .|     .}、ノ.ヽ<br /> |  |    i |.      ',  .∧<br /> |  .|    { i        T  }<br /> |  |     || |       ヽ)}'<br /> |  |     ||  |<br /> |  |     ||   i<br /> |  | , -‐  ̄` T}<br /> L⊥/      i<br /> i i   __ノ<br /> .| .|  {<br /> i .|  .|<br /><br /><br /> 411 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 00:07:11 ID:Zd6KjnHG<br /> 死ね<br /><br /> 412 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 00:19:28 ID:ThqTikJV<br /> &gt;&gt;411<br /> そんな厨臭い言い方してももう誰も釣られないぜ?<br /> さ、釣りたいが為にスレの空気を汚したんだから謝ろうな<br /> 俺も一緒に謝ってやるからさ、な?<br /><br /><br /> 413 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 00:23:10 ID:xtpYMR/y<br /> &gt;&gt;412<br /> &gt;&gt;411はヤンデレなんだよ、きっと<br /><br /> 414 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 03:57:18 ID:THJYuPe3<br /> 誰も居ない……。<br /> 清算編第四話を投下するなら今のうち……。<br /><br /> 415 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 03:58:36 ID:THJYuPe3<br /> 「それで? どうだった?」<br /> 「やっぱり駄目だ。まともな返事なんか一度もしてくれない」<br /> 自室から出てきた弟は、首を振ってからそう言った。<br /> 仮面の女の襲来の後、夕食もとることなく俺と弟は妹に尋問を行っている。<br /> 尋問と言うよりも簡単な問いかけだ。<br /> ――お前は寝ていた弟に何をしようとしていた。<br /> これに妹が答えてくれればいいだけなのだが、如何せん口を噤んだままだから手に負えない。<br /> 最初に俺が妹と一対一で話してみたが、あの妹はその場に寝転がって無視しっぱなしだった。<br /> いっそのこと、寝ている妹の上に覆い被さって真上から問い詰めてみようかと思ったりしたが、<br /> そうなったら今度は俺が多くの人間から問い詰められそうなので実行に踏み切らなかった。<br /> 妹を強引に押さえつけながら、彼女が弟にした行為を問い詰める兄。<br /> 受け取る人間によっては兄妹の仲を疑ってしまうことだろう。<br /> ちょっと強引だが、俺と妹がソッチの関係で、でも実は妹は弟が好きだから寝ている弟に手を出し、<br /> その現場を偶然にも目撃して腹を立てた俺が妹を詰問している……なんてことを考える人間がいるかもしれない。<br /> 七割ぐらい嘘が含まれていて、荒唐無稽とも言い切れないのが嫌なポイントだ。<br /> 仮面の女の言葉は事実なのか。<br /> もしも事実だったなら、仮面の女が止めていなければ最悪な事態になっていた。<br /> 兄妹の関係どころか、家庭崩壊の危機だ。<br /> ああでも、うちの両親はそんな最悪の過程を経ているのだから、なんとかしようとすればなんとかなるのか……?<br /> なんとかなるとしても、俺は御免だ。<br /> 兄妹でそんなことするのは間違っている。<br /> 俺は、弟と妹が男と女の関係になるなんて嫌だから。<br /> 「ねえ、兄さん。本当に……そうなの? 妹が僕になにかしたって」<br /> 「それが本当かどうか確かめようとしてるんだろ、今」<br /> 「そうだけどさ……なんで兄さんはそんなこと確かめたいの? 妹がしようとしてるところを見たの?」<br /> 「……まあそんなところだ」<br /> 嘘。本当は見ちゃいない。仮面の女がそう言っていただけだ。<br /> 上半身が肌着一枚の弟が転がっていた状況からして、信憑性はある。<br /> ちなみに、弟には仮面の女の正体はおろか、彼女が現れたことすら教えていない。<br /> 同級生に他人の家へ不法侵入する子がいるなんて知ったら、いくらお人好しの弟でも避けるに違いない。<br /> 俺は仮面の女の味方だ。彼女の正体をばらしてはいけないのだ。<br /> 「兄さんがそう言うなら、事実なんだろうけど……けど、僕にはやっぱり信じられない」<br /> 「妹がそんなことするはずない、ってか?<br /> お前もいい加減に危機感を覚えてくれよ。前に澄子ちゃんに捕まったことで懲りてないのか」<br /> 「そんな! ……そんなはず、ないじゃないか!」<br /> これはびっくり。弟が吼えた。<br /> 「僕だって少しは警戒していたよ! いや、少しどころじゃなくてかなり!<br /> 前から……前から、あの子がそういう目を僕に向けていたのには気付いてた。<br /> だけどまだ注意が足りてなかった。あんなことされるんだったら、そもそも、あの子を信用すべきじゃなかった。<br /> 呼び出しに応じるべきじゃなかったんだ」<br /> 「……悪い。無神経なこと言った」<br /> 「ううん、僕こそごめん。兄さんは何も悪くないのに」<br /> どうやら弟は相当酷い目に遭わされたらしい。<br /> 何をされたのかは……概ね予想できるけど。<br /> 弟が怒るなんて滅多にないことだ。<br /> 花火以外の人間にそういうことされるのは、弟にとっては相当なショックだったんだろう。<br /><br /><br /> 416 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 03:59:34 ID:THJYuPe3<br /> 「兄さんは思い出したんだっけ。小学生の頃のことと、伯母さんのこと」<br /> 「ああ。つい最近だけど」<br /> 「妹はね、先週花火が家に来てようやく思い出したらしいよ。<br /> 自分が酷い目に遭ってたこと。伯母さんからかばっていたのが兄さんだってこと。<br /> 内容は真逆だよね。間違って覚えるのも仕方ないけど。<br /> あの日の兄さんは、僕から見ても怖かったから。…………あ、ごめん」<br /> 「いや、いいよ。自分のやったことはわかってる。<br /> 子供の頃の記憶なんて曖昧なもんだからな。妹は悪くない」<br /> 俺が暴れた日を境に、妹は怖い目に遭うことはなくなった。<br /> 最後に見た恐ろしい人間は――刃物を持った俺。<br /> 伯母と俺に対する認識が入れ替わるには十分なインパクトだ。<br /> あの日に妹をかばっていたのは弟なんだから、妹の記憶が全て間違っているわけじゃない。<br /> 「昔のことを思い出したなら、もっと理解できないよ。妹が僕にそんなことするなんて」<br /> 「どうしてそう自信たっぷりに誤った認識を口に出来る……」<br /> 「え、兄さんは僕が間違ってるって言いたいの?」<br /> ……それ以外に何があると?<br /> 「お前な、妹に好かれてるって知ってるのか?<br /> それも兄弟愛なんてレベルじゃなくて、もっと深い関係を望んでるんだぞ、あいつは」<br /> 「ううーん……もしかして、その辺でずれてるのかな」<br /> 「何が?」<br /> 「兄さんと、僕の考え方。前提が違うっていうか、兄さんが惚けてるっていうか。<br /> ここまで逆の考えになってるなんて知らなかったよ」<br /> 「……さりげなく俺を馬鹿呼ばわりするとは。お前って男はつくづく……」<br /> 「いや、別に悪気があった訳じゃないんだけど。<br /> ……はあ。こうなったらもう、しょうがないや。<br /> 無理矢理にでもわからせるしかないね、兄さんと妹に」<br /> 「なぬ?」<br /><br /><br /> 417 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:00:10 ID:THJYuPe3<br /> 弟は妹が待つ部屋のドアを開けた。<br /> さりげなく手招きしてくるということは、俺にも同席しろってことか。<br /> いいだろう。俺とお前、どっちが正しいのか。<br /> 白黒つけてやろうじゃないか。<br /> 「待たせて悪かったね、兄さんとちょっと話をしてたんだ」<br /> 「……自分だけじゃ手に負えないからって、お兄ちゃんに頼るなんて。二人がかりで聞き出そうなんて。<br /> お兄さん、情けない。ずるい。卑怯だわ」<br /> 机に突っ伏した妹は振り返りもせずそう言った。<br /> 弟よう、やっぱり俺は間違っちゃいねえぜ。<br /> 俺の妹はお前が好きなんだよ。俺のことは嫌いなんだよ。<br /> それでも俺が間違っているっていうなら、見せてみろ。<br /> 俺が間違っていると言える根拠ってやつを。<br /> 「いや、さっきの件についてはもういいんだ。あれは兄さんの見間違いだったんだって」<br /> ――――え? そんなこと言ってないぞ?<br /> 「ほら、やっぱりお兄さんが間違ってるんじゃない。<br /> 私がそんなことするはずないでしょ」<br /> 「うん、そうだね。するはずがないっていうか――できるわけがない、って感じだけどね」<br /> 「え……?」<br /> 妹が顔を持ち上げた。<br /> 弟は自分用の椅子に座り、妹を見る。<br /> 驚きを顔に浮かべる妹と、微笑みを浮かべる弟。<br /> 弟はたったの一言で優位に立った。<br /> 「お兄ちゃん、何を言ってるの?」<br /> 「動機がない、そもそも相手が違う、そして……覚悟もない。<br /> やっぱりそうだったんだね、その顔は」<br /> 「や、違う。違うの。私、本当は……お兄ちゃんを……」<br /> 「僕を、何?」<br /> 「……! お兄ちゃんの、ばかあっ!」<br /><br /><br /> 418 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:01:40 ID:THJYuPe3<br /> 妹は椅子を蹴飛ばすと、部屋の扉を乱暴に開いて出て行った。<br /> 玄関の開く音、続けて駆け足の音。<br /> なんでか知らないが、妹が家を出て行ってしまった。<br /> 「おい、なんかすごい悔しそうな顔で出て行ったぞ、あいつ! <br /> お前何言ったんだよ! 全部聞いてたけど!」<br /> 「……言い方がきつかったか。まさかあそこまで堪えてるなんて。<br /> 兄さん、今ので大体わかった? 妹が何を考えてるのか」<br /> 「できるわけがないとか、動機と覚悟がないとか、相手が違うとかか?<br /> そんなんでわかるか。ヒントが足りん」<br /> 「……やっぱり気付かないんだ。<br /> 兄さんは頭の回転は速いのに。記憶力だってすごいのに。大事なことには気付けないんだね」<br /> ええい、どこかで聞いたことのあるような、寒気を催す台詞を口にするんじゃない。<br /> 何となく貞操の危機を感じてしまうじゃないか。<br /> 「そうだね。兄さんはともかくとして、妹にはそろそろ――はっきり意識させた方がいい。<br /> 兄さん、妹を捜しに行こう。もう外は真っ暗だから、危ない目に遭わないとも限らない」<br /> 「言われなくてもそのつもりだ。<br /> あてはあるか? あいつの行きそうなところなんて俺にはわからないぞ」<br /> 「行き先はきっと兄さんの探しそうな――――いや、なんでもないよ。<br /> 僕にもわからないから、手分けして探そう。<br /> もしも万が一、まぐれで僕が見つけたら兄さんに連絡するから」<br /> 「おい、万が一とかまぐれとかってなんだ」<br /> 「そのまんまの意味だよ。<br /> それで、これはお願いなんだけど。兄さんが妹を見つけたら、僕にはすぐに連絡を入れないで欲しい」<br /> 「お前は俺と妹の二人きりでしばらく話をしていろとでも言いたいのか」<br /> 「ご名答。その通りだよ」<br /> 「あのな、お前――――」<br /> 突然向けられた弟の手によって、俺の言葉は止められた。<br /> 止めざるを得なかった。<br /> 弟の目は真剣そのもので、ふざけている様子が一切なかった。<br /> 「兄さん、お願いがあるんだ」<br /> 「今日のお前はお願いばかりだな。……言ってみろ」<br /> 「僕抜きで、妹と話をしてほしいんだ。<br /> 今二人が話さないといけない。じゃないと、妹が壊れていってしまう」<br /> 「壊れる? それってどういう意味だ?」<br /> 「……今の妹は危ういんだ。誰かが助けないといけない」<br /> 「その役にふさわしいのはお前だろ。俺なんかが――」<br /> 「兄さん」<br /> 弟は椅子から立ち上がり、手慣れた仕草でコートを纏い、こう言った。<br /> 「妹を、兄さんと僕のふたりで助けよう」<br /><br /><br /> 419 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:02:59 ID:THJYuPe3<br /> 主人公のことが大好きなヒロインが突然行方をくらました。心に何らかの感情を抱きながら。<br /> 話の展開ではクライマックス。<br /> このイベントをクリアすればエンディングだ。<br /> こういう場合のお約束というと、近所の河原とかどこかのベンチに一人でいるヒロインを主人公が発見し、<br /> 感情をぶつけ合い最終的にはお互いの気持ちを理解し合う、というものになる。<br /> 少なくとも俺はそんなものだと思っている。<br /> というかそうじゃなきゃヒロインが救われない。<br /> 配役をうちの兄妹に当てはめた場合、主人公が弟、ヒロインが妹になる。<br /> 俺など、主人公に協力を要請されて探しに出かける友人の役に過ぎない。<br /> 友人は結局ヒロインを発見できず、ヒロイン発見の報すら知らされず延々捜し回るのだ。<br /> もちろん描写などカット。友人はカメラの外。<br /> 友人は大抵良い奴で、翌日にはヒロインが見つかったことを喜び、連絡を入れなかった主人公を責めたりしない。<br /> 断じて友人はヒロインを発見してはならない。<br /> 繰り返すが、友人はヒロインを発見してはならない。<br /> 今の例は、俺が現在置かれている状況と酷似している。<br /> 妹が夜中に家を出て行った。<br /> 妹に好かれている弟は捜しに出かける。<br /> 俺は弟と手分けして妹を捜索する。<br /> うむ。お膳立てされたような整いっぷりだ。<br /> これで弟が妹を発見すれば、晴れてイベントクリア。<br /> 二人はハッピーエンドを迎える。もちろん兄妹的な意味で。<br /> それが理想であり、他にあってはならない。<br /> だというのに――――俺は何をやっているんだ。<br /> 主人公の友人はヒロインを発見してはいけないのに!<br /> なぜ! 俺は妹を発見してしまったのだ!<br /> 妹もあっさり俺に見つかるような所にいるんじゃない。<br /> 一番近い、といっても到着するまで歩いて二十分以上かかるコンビニ。<br /> そこに向かう途中の坂道の手前にあるバス停のベンチに妹は座っていた。<br /> せめて俺じゃなくて弟に発見されろよ。もしくは友人の家にでも邪魔してろ。<br /> ここから引き返すということも、無視することも、もはやできない。<br /> なぜなら、俺が妹の姿を確認した瞬間、妹と目が合ってしまったのだ。<br /> 距離は約一メートル。<br /> まさかここには居ないだろうなんて思って、通り過ぎざまにバス停のベンチに目を向けたらこうなった。<br /> 不覚、ここに極まれり。<br /> こんなの、普通では考えられない。<br /> シナリオの最後の最後がこんなんだったら、そこまでプレイしてきたユーザーから脚本を書いた人に苦情が届く。<br /> なんだこの斬新ゲー。<br /><br /><br /> 420 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:04:37 ID:THJYuPe3<br /> 「よう、こんばんは」<br /> 「……こんばんは、不審な人物のお兄さん」<br /> 「最終が出て行ったバス停のベンチに居るお前も不審だよ、十分に」<br /> 「あは、はは……じゃあ、私は不審な人物の妹さん、かな」<br /> 妹は俯き、表情を見せない。<br /> 案の定落ち込んでしまっている。<br /> 話をしてやってくれ、ねえ。<br /> ま、どっちにしてもこのまま放っておくつもりはない。連れ帰ることに変わりない。<br /> 「隣、座るぞ」<br /> 許可をもらうことなくベンチに腰掛ける。手を着くとざらざらしていた。<br /> ふと、妹が薄着をしていることに気付いた。やはり寒いのか、くしゃみをしている。<br /> いきなり出て行くからそういうことになるんだ。反省しろ。<br /> とは思いつつも、ついコートを脱ぎ、妹の肩に被せてしまう。<br /> 仕方ないことだ。風邪をひいたら反省もできないんだから。<br /> 「優しいのね、お兄さん。自分が寒くならない?」<br /> 体は寒い。だけどお前の近くにいるから心は寒くない――なんて言ったら一気に冷え込むな。やめておこう。<br /> 「ちょっとは寒いさ。けど今日は風が強くないから、気にするほどじゃない。<br /> それにほら――お前冷え性だったろ。それでも寒いぐらいじゃないのか」<br /> 「そんなことまで知ってるんだ。お兄ちゃんも知らないはずなのに」<br /> …………当たるもんだな、当てずっぽうって。<br /> 「じゃ、有り難く借りておくね」<br /> 「おう。ところで、まだ帰らないのか?」<br /> 「うん。だって家に帰っても、どんな顔してお兄ちゃんに会えばいいのかわからないもの。<br /> いつもみたいにしてればいいのか、それとも……」<br /> 「いつも通りでいいじゃないか」<br /> 「無理よ。どうしても、絶対に、無理。<br /> もし、ここに来たのがお兄ちゃんだったら、顔会わせられなくて、逃げ出してた。<br /> たぶん、そんなことはないだろうなって、思ってたけど」<br /> 「そこまで悲観するなよ。俺が先に見つけただけだ。偶然だ。あいつだって怒ってないぞ」<br /> 「そういう意味じゃないの。お兄さんの考えてるのとは、違う。似てるようで、でも違う。<br /> 顔を合わせづらいの。あんなことをしちゃったから」<br /> 「やっぱり、やってたのか」<br /> 「やろうとしただけ。……悔しかったの。花火ちゃんにあんなこと言われて。<br /> 勘違いなんかじゃない。私だってお兄ちゃんのこと好きなんだから。<br /> お兄ちゃんが喜ぶようなことができるってことを知らしめてやりたくて」<br /> 「でもできなかった、か」<br /> 「…………うん。悔しいけど、認めたくなかったけど、どうしても駄目だった。<br /> たぶん、お兄ちゃんはそのことをわかってて、あんなことを言ったのよ」<br /> こりゃ、理由を聞くのは野暮だな。<br /> やっぱり怖いんだろう。男はともかく、下手すると女はかなり痛い思いをするというし。<br /> とりあえずよかった。妹が完全に覚悟を決めない限り弟と肉体関係を結ぶことはなさそうだ。<br /><br /><br /> 421 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:06:22 ID:THJYuPe3<br /> 「ねえ、お兄さん」<br /> 「ん?」<br /> 「雨がどんな味だったら嬉しい?」<br /> こりゃまた、先の会話と繋がりのない話題を持ってきたもんだ。<br /> 「水道水と同じのが一番だ。苦かったり甘かったりするのは勘弁だ」<br /> 「じゃあさ、いつもはうっすら苦い味で、時々水道水だったりしたら?<br /> 天気予報で曇り時々雨、降水確率四十パーセント、おそらく苦い味がするでしょう、なんて言われたら」<br /> 「……絶対に雨に濡れたくなくなるな。傘は毎日手放せない」<br /> 「そうなるよね。そしてきっと、みんな当たり前の雨の味なんか忘れてしまって、雨そのものが嫌いになる。<br /> 苦い雨が降らなくなってしまっても、きっとそれは変わらない。<br /> 雨が降らなきゃ、世界中が干からびちゃうのにね」<br /> 「だな。でも、まずそんな世界にはならないだろう……たぶん。<br /> 話が大きく逸れている気がするんだが、戻してくれるか」<br /> 「逸れてるみたいだけど、ちゃんと繋がってるよ。<br /> だって私はそんな世界に住んでる人たちの気持ち、ちょっとだけわかるから。<br /> 何の変哲もないものがどれだけ大事なのかってこと。<br /> たまにとっても苦くてもそれは必要なものだっていうこと」<br /> 妹が立ち上がる。<br /> コートの袖に腕を通し、車の一切通らない道路の手前まで進んでいく。<br /> そこで妹は腕を広げ、踊るようにくるりと回った。<br /> まるで、雨が降ることを望んでいるように。<br /> 月の出た夜の、冬の寒さの中で、一身に雨を浴びているようだった。<br /> 外はこんなに寒いのに、つい真似をしたい気分になってしまったのは、妹のターンが綺麗に決まっていたからだろう。<br /> 妹は夜空を見上げながら、楽しそうに、悩みから解き放たれたように踊るのだ。<br /><br /><br /> 422 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:07:07 ID:THJYuPe3<br /> 「私はもう嫌いにならないよ。<br /> 普通の雨も、苦い雨も。<br /> 全部含めて潤いをくれるものだから。代わりになってくれるものなんかない。<br /> あの日から今日まで、毎日傘を差してきて、晴れた日だけしか笑うことはできなかったけど。<br /> 本当は私、どっちかというと雨の日が好きだったの。<br /> 朝からずっと降り続いて、空を暗く覆ったりしない、さぁぁっていう音を立てる穏やかな雨が。<br /> 今になって、そのことがわかった。<br /> ……帰ろ、お兄さん。お腹減っちゃった」<br /> 「それはいいけど、もう大丈夫なのか?」<br /> さっきはあんなに落ち込んでいたのに。<br /> 「大丈夫よ、お兄さん。むしろここに居る方が辛いわ。ここ、寒いもの」<br /> 「……結局なんだったんだよ、さっきの雨の味が云々っていうのは」<br /> 「あれはただの喩え話よ。お兄さん、知らないの?<br /> 雨っていうのはね――――」<br /> 妹は、俺が久しく見ていなかった柔らかな笑顔を向け、言った。<br /> 「もともと、味なんかしないものなのよ」<br /><br /> 妹の気持ちも、何を雨に喩えたのかも、いまいち理解できない。<br /> だが、俺の妹の機嫌はころころと変わるんだと、今回の件でわかった。<br /> そう、まるでにわか雨のごとく。<br /><br /><br /> 423 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:08:34 ID:poY+ckGA<br /> 支援<br /><br /> 424 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:10:50 ID:THJYuPe3<br /> 投下終了。<br /><br /> そして、このまま誰にも気付かれることなく離脱――できない!?<br /> &gt;&gt;423、支援乙!<br /><br /> 425 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:14:38 ID:poY+ckGA<br /> &gt;&gt;424<br /> GJです<br /> 夜勤明けにリアルタイムで見れて疲れが取れたよー<br /> 続きも楽しみにしてますのでmyペースで頑張ってください!<br /><br /> 426 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:15:34 ID:k2Ye09or<br /> 離脱なんてさせないんだから・・<br /> ずっとずっと一緒だよ・・・?<br /><br /> という電波を受信したGJ<br /><br /> 427 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 04:40:22 ID:lOpV5CVt<br /> やほーい、GJ!<br /><br /><br /> 428 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 05:18:12 ID:pvsZ67bv<br /> 寝る前にいいもの見れた<br /><br /> 429 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 05:27:55 ID:396Z9yJM<br /> ぐっじょー<br /><br /> 430 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 06:37:48 ID:5Ynh8nV3<br /> GJ!やっぱり報われない葉月さんw<br /><br /> 431 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 07:40:29 ID:5pLBnfxF<br /> そろそろエロが来ると信じてる。<br /><br /> 432 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 07:45:31 ID:ZqEY6x53<br /> これは…まさかの妹エンド?<br /><br /> 433 名前:もう何も信じない 第5話[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 07:55:22 ID:g93LsK1U<br /> 話をぶった切って申し訳ないですが。。。投下します。<br /><br /><br /> 434 名前:もう何も信じない 第5話[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 07:56:29 ID:g93LsK1U<br /> ―――歩。君はなんて思うかな?<br /> 僕を軽蔑する?怒る?それとも以前みたいに、僕を無視するのかな―――<br /><br /> 僕は今自宅にいる。深夜2時。両親は寝静まっている。<br /> 僕はこれから罪を犯す。でも、これは僕らの未来のためなんだよ?<br /> ――――だって、父さんがこう言うんだ。<br /> 「もう歩に会うな」って。<br /> 母さんだって、<br /> 「歩くんだけはだめ」って言うんだ。<br /> 二人とも何言ってるの? 僕たちは愛し合ってるんだよ。<br /> 何で会っちゃいけないなんて言うのかなあ!?<br /> そんなの僕、耐えられないよ。母さんたちは僕が嫌いなんだね?<br /> …もういいよ。僕の、僕たちの未来を邪魔するやつなんて、いらない。<br /> 歩の伯母さま。見ていてくれてますか? 今度は僕の番です。<br /> 歩を傷つけるやつなんか…………<br /><br /> 僕が殺しちゃうから。<br /><br /> そして僕は灯油とマッチを持って庭に向かう。どこに撒けばよく燃えるかな?<br /><br /> ――――電話が鳴った。大丈夫。ちゃんとマナーモードにしておいたから。<br /> 「光!!今すぐ家を出るんだ!」<br /> ああ、やっぱり君には"視えて"いたか。君自身、不思議に思ってるはずだよ?<br /> 今まで自分のことしか視れなかったのに、最近は僕の未来も視えるようになってること。<br /> でも僕にはわかる。もう君は、僕なしじゃいられないんだね?<br /> 僕を失うことが君にとって一番の"危険"なんだよ。だから、僕のことが視えるんだ。<br /> でも僕は、君に嘘をつく。<br /> 「こんな夜遅くにいったいどうしたんだい?」<br /> 「いいか、よく聞け!家が…放火される。視えたんだ。だから早く逃げるんだ!<br /> 消防車なら俺が呼んどくから!」<br /> ごめんね、歩。僕は嘘をついた。僕は、知らないふりをする。<br /> 「そう…ありがとう、歩。また君に助けられたね。」<br /> そう言いながら僕は、火を灯す。<br /> 「本当に、助かったよ。」<br /> さようなら、父さん、母さん。<br /> 歩…騙してごめんね?<br /> でも、きっといつかわかってくれるよね?<br /> だって君には僕が必要で……<br /> 僕には君がすべてなんだから。<br /><br /> 435 名前:もう何も信じない 第5話[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 07:57:27 ID:g93LsK1U<br /> ―――夢を見た。<br /> それは、赤く染まった景色。炎か?<br /> どうやら、何かが燃え上がってるようだ。<br /> よく目を凝らす。中には人がいた。<br /> …光? まさか、あれは――――<br /><br /> 目を覚ます。時計を見る。<br /> AM 01:58<br /> 夢か… しかし、なんて夢だ。光のやつ、夢の中で笑って…?<br /> パシッ――――――――<br /> !?<br /> ……まさか!夢と同じ光景が視えるなんて…ってことは、光が危ない!<br /><br /> まだ間に合うか? 俺は光の携帯に電話をかける。<br /> 1…2…3…4…5…6…7……出た。<br /> 「光!!今すぐ家を出るんだ!」<br /><br /> 消防車を呼びながら俺は光の家に走る。<br /> 一度も行ったことはない。だけど、道はさっきの"予知"が教えてくれた。<br /> こんなことは初めてだ。けど、予知は外れたことはない。きっと大丈夫だ。<br /><br /> それが、3日前のこと。<br /> 結果だけ言うと、光は無事だった。<br /> が、光の両親は…亡くなった。<br /> 家は全壊。幸いと言ってはなんだが、近隣の住宅への飛び火はなかった、<br /> ただそれだけだ。<br /> 光は今、俺の部屋にいる。<br /> 火事で住まいをなくした光を、俺が連れてきたんだ。<br /> 「もう、大丈夫だよ。」<br /> とは言ってるが、顔色が悪い。<br /> 「いいよ、寝てろ。今メシ作ってやる。お粥なら食えそうか?」<br /> 「うん…ごめんね?」<br /> 「いいって、気にするな。困ったときはお互い様、だろ?」<br /><br /> 俺はもう一度、あの夢を思い返す。<br /> あの炎の中の、狂気に満ちた、しかし純粋な笑顔を。<br /> ―――馬鹿な。それじゃ、まさか光が―――<br /> いや…よそう。光がそんなことするはずがない。<br /> 俺を暗闇から救い出してくれた光が、そんなことするわけないんだから。<br /> 「歩、愛してるよ。」<br /> そう言った光の笑顔が、心なしか夢の中と同じように見えた、なんてことある訳ない<br /> んだ。<br /><br /><br /> ああ、君は優しいね。なんだか申し訳ないよ。<br /> もし今君に、僕が実の両親を殺したと知られたら・・・捨てられるのかな。<br /> そうしたらどうすればいいんだろう。怖いよ。<br /> お願いだよ、僕を・・・見捨てないでよ・・・<br /><br /> ―――イマサラ、ナニヲイッテルノ―――<br /> ・・・え?<br /> ―――オマエハムカシオナジコトヲシタジャナイ―――<br /> ・・・・誰?<br /> ―――タイセツナヒトノタメニ、アイツヲコロシタ―――<br /> 知らない!そんなの知らないよ!あなた誰!<br /> ―――ワスレタノ?ワタシハアナタ、アナタハ―――<br /> 違う!違う!そんなことあるわけない!イヤ・・・イヤ・・・<br /> 「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」<br /><br /> 436 名前:もう何も信じない 第5話[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 07:59:59 ID:g93LsK1U<br /> 第5話終了です。光がぶっ壊れてきます。<br /><br /> これからバイト行ってきます。ノシ(←用途合ってますかね??)<br /><br /> 437 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 09:07:42 ID:P8wx64lO<br /> 光可愛いよ光。<br /> 愛する人のために無茶をするのはいい子です<br /><br /> 438 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 09:29:45 ID:ThpmiuHk<br /> &gt;&gt;436<br /> うむ、心の底からGJ<br /><br /> 439 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 10:17:06 ID:khS4+i1X<br /> &gt;&gt;424<br /> GJ。なぜ平日にと思ったら1周年に合わせたのか<br /><br /><br /> &gt;&gt;436<br /> GJ。落ち着いた人が病むのはいいね<br /><br /> 440 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 11:00:10 ID:M7ID9vZZ<br /> うおわ!<br /> お二方ともGJ!<br /> ヤンデレ家族の方はなんかものすげぇことになってるぜ……ゴクリ<br /> もう誰は、やっぱ光かわいいよ光。ブッ壊れて来ましたね!<br /><br /> お二方とも続き楽しみにしてます!<br /><br /> 441 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 14:53:51 ID:g93LsK1U<br /> 相談なんですが・・・・<br /><br /> ・・・誰か光の立ち絵描いてくれませんか?<br /> 自分で挑戦したものの、絵が根本的にダメなので・・<br /> 頭の中でもイメージがコロコロ変わって<br /> いまいち定着しないので、正直泣けてきます<br /> 自分で考えたキャラなのに・・・orz<br /> まじで頼んます!<br /><br /> 迷惑だったり、「なんだこいつ」と思われたら、スルーして下さい。<br /><br /><br /> 442 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 15:26:13 ID:pvsZ67bv<br /> 陽之下<br /><br /> 443 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 17:06:27 ID:ENinuQEx<br /> 棒人間なら良いぜ<br /><br /> 444 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 17:37:53 ID:NzOZE0V5<br /> 二人とも乙!<br /> 俺も棒人間なら・・・<br /><br /> 445 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 17:40:24 ID:g93LsK1U<br /><br /> ・・くだらないこといってお騒がせしてすいませんでしたorz<br /> ほんと、反省してます。<br /> 何とか、脳内イメージを完成させたいと思います。<br /><br /> ストーリーの方は先ほど一応最後までのプロットは完成しました。<br /> 明日あたりには次の話が出来上がりそうです。<br /><br /> 446 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 18:50:29 ID:diSzNCnD<br /> 長編ならトリップつけた方がいいぜ!<br /> そしてGJ!<br /><br /> 447 名前:名無しさん@ピンキー ◆//pb0M9wQE [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 19:16:48 ID:g93LsK1U<br /> トリップがよくわからなかったのでぐぐってきました。<br /> ついでに、試してみます。<br /><br /> 448 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 19:23:11 ID:oNjxSWp+<br /> 次はROMるぐぐってくるんだ<br /><br /> 449 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 19:38:14 ID:k2Ye09or<br /> まぁ必要以上に作者として書き込むのはあまり褒められた行為ではない<br /> それによってスレがあれることがよくある<br /> あれ・・・?<br /> この流れどこかで見たような・・・<br /><br /> いかん眼から汗が<br /><br /> 450 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 21:28:34 ID:Ac53Ddhe<br /> &gt;&gt;445<br /> 俺の脳内だとこんな感じ。あ、貧乳だったっけ…<br /> ttp://key.visualarts.gr.jp/product/little/chara_yuiko.htm<br /><br /> 451 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 23:47:38 ID:ENinuQEx<br /> リトバスかぁ<br /> まだ買ってないなぁ<br /><br /> 452 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 23:55:23 ID:dqN0zG/D<br /> 天地創造のメイリン以来の秀逸なボクっ子ですなgj<br /><br /> 453 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 23:57:02 ID:EfPoE8gy<br /> ボクっ娘というと亜沙先輩しか思い浮かばないから困る<br /><br /> 454 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 00:09:02 ID:6o+3JoX6<br /> カルタグラのキモウトを健気にした感じだな<br /><br /> 455 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 00:45:50 ID:egFffhQT<br /> &gt;&gt;454<br /> 俺のトラウマを掘り返すなぁぁっ!<br /><br /> 456 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 00:58:08 ID:QT9YqV/1<br /> きたああああああああああああ<br /><br /> 457 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 01:11:55 ID:krfKrFr7<br /> 男ヤンデレ×女ヤンデレは幸せになれるんだろうか<br /><br /><br /> 少なくとも浮気の心配はないな<br /><br /> 458 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 01:16:10 ID:oOOOQLhF<br /> 変態男×ヤンデレ娘をどうか…<br /><br /> 459 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2008/09/25(木) 02:55:19 ID:V1zWSc4E<br /> !ねすまみてげ上はにまた<br /><br /> 460 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 03:55:35 ID:QT9YqV/1<br /> アルテマ使え<br /><br /> 461 名前:もう何も信じない 第6話[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 07:49:28 ID:VJewfE0Q<br /> 第6話投下します。<br /> &gt;&gt;450<br /> ありがとうございます!自分の中の光のイメージと結構近かったです。<br /> まあ光は貧乳な設定ですが。。。<br /><br /> 462 名前:もう何も信じない 第6話[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 07:51:22 ID:VJewfE0Q<br /> あの痛ましい事件から2ヶ月が経った。<br /><br /> 光は、人が変わったかのように何かに怯えるようになった。<br /> 以前の光を知ってるやつなら、誰でも変に思うだろう。<br /> ただそれは、どうやら両親の死が原因じゃないようなんだ。<br /> 学校でクラスメートにその事でいたわりの言葉をかけられても、また俺がその話をしても、<br /> 「大丈夫。もう平気だから。」<br /> とだけ言うんだ。<br /><br /> じゃあ、お前は一体何をそんなに恐れてるんだ?<br /> 俺はそのことを、こいつに相談したんだ。<br /><br /> 「で・・・どう思う?」<br /> 「…そうだな。両親が死に、次は自分だ、と思ってるとか?ちなみに真面目な意見だ。」<br /><br /> こいつは、環 右京。左京先輩の弟だ。<br /> 俺にとって数少ない、腹を割って話ができる相手だ。<br /><br /> 以前は、右京とは必要最低限のことしか話さない仲だった。<br /><br /> だが何度かそうしているうちに、「こいつは自分からは他人の領域に入り込んでこない。<br /> だからなんとなく、こいつなら頼りになる。」と思ったんだ。<br /> それからは、親友・・・というのとはまた違うが、悩み事を互いに話せる仲になった。<br /> これも、光のおかげだ。俺は光のおかげで、前よりひとを疑わなくなった。<br /> だからこそ、今こうしてまたひとつ、悩みを打ち明けられている。<br /><br /> 「真面目に返すが、それはないだろうな。」<br /> 「そうか………まあ何にせよ、佐橋がついててやれば、安心するんだろう?しばらくはそれでいいんじゃないか?」<br /> 「時がたてば……ってか?……正直いうと、俺は光を早く恐怖から解放してやりたいんだ。<br /> でもあいつは何も言ってくれない。………環のいうとおり、このまま待つしかないのか………?」<br /><br /> 下校のチャイムが鳴る。<br /> 俺はいつもどおり、光と一緒に帰る。<br /> 「ねえ歩・・・右京君と何話してたの。」<br /> そう言う光。その笑顔は・・・・いつか視た、"あの"笑顔。<br /> 「心配するな、光。お前の話をしてたのさ。」<br /> 「えっ・・・なあんだ、心配して損しちゃったよ。」<br /> 「環のやつ、うらやましがってたぞ?お前みたいな嫁がいるなんて、って。」<br /> 「嫁だなんて・・・そんなぁ♪////」<br /> ふと見ると、もとのはにかんだ笑顔に戻ってる。よかった―――――<br /><br /> 463 名前:もう何も信じない 第6話[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 07:52:08 ID:VJewfE0Q<br /> 俺が一番悩んでるのは、以前よりさらに激しくなった、光の、俺への執着心。依存心とも言うべきか。<br /> たとえば、俺がコンビニに行くほんの数分が耐え切れなくて・・・・<br /> 光はカッターで手首を切ろうとした。横ではなく、縦に。それも一度じゃない。<br /> 俺がそれを"予知"できなければ、今頃は命がいくつあっても足りないだろう。<br /> そうして帰ってきた俺にすがりつき、ひたすら<br /> 「ひとりにしないで」「みすてないで」「たすけて、ひとりはこわい」<br /> と、泣きながら懇願するのだ。<br /> それから、以前俺が女子から手紙をもらったときは、(環曰く、こう見えて俺はもてる、らしい。訳わからん)<br /> 「約束・・・覚えてるよね・・・・?」<br /> と、あの笑顔で言うのだ。<br /> 当然俺は手紙の主をふる。でもそれは俺のためとか、光のためだけじゃない。<br /> そうしないと、その子はきっと殺される。何でだろうか。光がそんなことするはずないのに、<br /> 俺の"予知"でない予感が、そう告げるんだ。<br /> でも俺は、光から離れようとは思わない。<br /> 今の光には俺が必要なんだ。<br /> それに、光がいなければ俺はずっと孤独だった。俺にも、光が必要なんだ。<br /> それが恋愛感情なのかはまだわからない。でも、光が望むなら・・・・・<br /><br /> 「歩、愛してるよ。僕は絶対、君のそばを離れたりなんかしないよ?」<br /> 「・・・・ああ。俺もだよ。」<br /><br /> 俺は、光を抱いた。<br /> あの日、光は突然何かに取り憑かれたように怯えだし、俺に"救い"を求めた。<br /> 俺にはただ、そうすることでしか光を恐怖から救えなかったんだ。<br /> でも構わない。俺だって光に救われた。<br /> 光が望むなら、それで癒しになるのなら、俺はいくらでも光を抱いてやるさ。<br /><br /> 「君がいてくれるなら、何にも怖くないさ。<br /> だから・・・・僕を見捨てないでね?」<br /><br /> 光は、最近よく俺にこの台詞を言う。光が何を怖れてるか全部は俺にはわからない。<br /> ただひとつ言える事は・・・・<br /><br /> 「心配するな。俺には、お前しかいないんだから―――」<br /><br /> 光は、俺に見放されることをとても怖れている、ということだ。<br /><br /> 464 名前:もう何も信じない 第6話[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 07:54:48 ID:VJewfE0Q<br /> 第6話終了です。<br /> ・・・トリップ付け忘れた・・・orz<br /> 次回からはつけたいと思います。<br /> それから、スレの住人の方々へ。いろいろ一人で騒いじゃってすいません。<br /><br /> 465 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 08:24:47 ID:07HuWCTQ<br /> 電車の中でにやけせうになった。あぶないあぶない<br /><br /> 466 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 12:24:04 ID:qAEJkMRf<br /> これはいい依存w<br /> 破滅に向かってる感じがするのもまた良し。<br /><br /> 467 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 14:23:43 ID:C26Vlnxn<br /> 乙<br /><br /> 468 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 14:50:17 ID:z1sUg6Rd<br /> うほほい壊れてきてるねぇ。<br /> GJだぜ!<br /><br /> 469 名前:もう何も信じない 第6.5話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/25(木) 23:42:18 ID:VJewfE0Q<br /> 第6.5話を投下します。<br /> 時間軸は、第5話の直後です…が、第6話の別視点です。<br /> トリップは、これで固定します。<br /><br /> 470 名前:もう何も信じない 第6.5話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/25(木) 23:43:30 ID:VJewfE0Q<br /> 「いやぁぁぁぁぁぁ!」<br /><br /> 「光!?どうした!」<br /><br /> ――――ホラ、アナタノダイジナヒトガシンパイシテルワヨ?――――<br /><br /> 「やめて!いや!いやぁ!!!」<br /> 助けて! こわい!こわいよ!僕の中になにか怖いものがいる!<br /><br /> ――――モシアノヒトガ、アナタガリョウシンヲコロシタコトヲシッタラ、ドウ<br /> ナルノカシラ?――――<br /><br /> 「ひっ……あ、あっ…やだ……歩…たすけて………」<br /> 「光っ!?」<br /><br /> 僕は、歩にすがるように抱きつく。<br /><br /> 「あは……歩…僕…ぼく…」<br /> 歩…君にこうして抱かれてるだけで…僕は…<br /><br /> ――――アナタニソンナシカクアルノカシラ?――――<br /><br /> ……え?<br /><br /> ――――リョウシンヲコロシ、ワタシノ××××ヲダマシテイルアナタニ―――<br /> ―<br /><br /> い…いや………いわないで……<br /><br /> ――――ワタシノ××××ニアイサレルシカク、ナイワヨネ?――――<br /><br /> 「いや―――――っ!!!」<br /> 「落ち着け!光っ!」<br /> 「―――っ」<br /><br /> ―――なに?あったかい…あれ、ぼく、あゆむに きす されてる――――<br /><br /> 「ぷは…あゆむ………もっと、して……?」<br /> 「光?」<br /> 「もっと、ぼくをあったかくして?それで…こわいの、わすれさせて…?」<br /> 「まてっ!光!お前―――」<br /> 「はやく…たすけて………こわいよ……あゆ…むぅ…」<br /><br /> 「…わかった。」<br /><br /><br /> ああ…僕、歩に抱かれてるんだね?<br /> ずっと、待ってたんだよ?<br /> もっと、ぼろぼろになるまでシテいいんだよ?<br /> だから―――<br /><br /> 「はぁっ…あゆむ………すき………すきぃ……」<br /> 「光… っ、光っ!」<br /><br /> 「っあ…きもち…いい……よ………あゆむ…あゆ、むっ!あゆむっ!あぁぁぁぁっ!<br /> 」<br /><br /> 471 名前:もう何も信じない 第6.5話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/25(木) 23:45:13 ID:VJewfE0Q<br /> 「じゃあ、買い物行ってくる。大人しく寝てるんだぞ?」<br /> 「うん………だって、立てないし。」<br /> 「それは………その……なんていうか……すまん。」<br /> 「あははっ、大丈夫だよ。その…ちゃんと気持ちよかったから、ね?」<br /> 「っっ…そんな恥ずかしいこと、真顔で言うな。」<br /><br /><br /> パタン<br /><br /><br /> 歩、ぼく、幸せだよ。愛する君とやっとひとつになれて……<br /> その…ちょっと痛かったけど、いっぱいシテれば慣れるよね、うん!<br /><br /> ―――イッパイしてレバ、ネェ――――<br /><br /> 「――ひっ!」<br /><br /> ――――マッタク、マルデサカッタめすねこミタイネ――――<br /><br /> 「いやぁ!あなた誰!どうしてぼくの中にいるの!」<br /><br /> ――――ワスレタノ?ナラ、オモイダサセテアゲル―――<br /><br /> 「…っ!?」<br /><br /> ―――だれ?<br /> …歩? まだあんなにちいさいんだ、かわいいなぁ。<br /> ……あれ、あんただれ?<br /> 歩をいじめるの?<br /> なにするの?歩、泣いてるじゃない。<br /> …やめろ…あたしの歩をいじめるなぁぁ!<br /><br /> ザクッ―――――<br /><br /> あははっ、ざまあみろ。歩をいじめるやつは、このあたしが―――<br /><br /> 歩、どうしたの?<br /> なにをそんなにこわがってるの?<br /> あたし、歩をたすけてあげたんだよ?<br /> ―――? なんていってるの?<br /><br /> 「………さん………とおさんっ……」<br /><br /> とおさん? そっか、あれは、とうさんだったんだ。<br /><br /> ―――ホラ、オモイダシタ?――――<br /><br /> どういう事?それじゃ、僕は………<br /><br /> ――――ソウ、コロシタ――――<br /><br /> 「そんな…じゃあ、ぼくはいったい……」<br /><br /> ―――ワタシハアナタ。アナタハワタシ。ソシテワタシタチハ――――<br /><br /> 472 名前:もう何も信じない 第6.5話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/25(木) 23:46:09 ID:VJewfE0Q<br /><br /> ―――っ!そんな、馬鹿なこと…それじゃあ……僕は…<br /> ………もう…何がなんだが分からないよ。苦しい…とにかく、はやく楽になり<br /> たい………<br /> あはっ、あそこにいいものがあるね――――<br /><br /> カチカチカチ……………<br /><br /> これで、ここを切れば………きっと楽になれる………<br /><br /><br /> バタンッ!<br /><br /> 「やめろっ!光!!」<br /><br /><br /><br /> ――――ちっ、もう少しだったのに、運のいい女。<br /> でもこの調子なら、すぐ折れるわ。<br /> そうすれば、私は私を取り戻せる。<br /><br /> そう、あなたはわたし。<br /><br /> 私は―――佐橋 晶。<br /><br /> 473 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/25(木) 23:55:00 ID:BNM9bA2V<br /> GJ!<br /> 続きマジ気になるw<br /><br /><br /> 474 名前:もう何も信じない 第6.5話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 00:11:19 ID:fILIDVGb<br /> 投下終了の書き込み忘れてました。<br /> 一応、6.5話は&gt;&gt;472までです。<br /><br /> 475 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/26(金) 02:41:04 ID:6mUomNtv<br /> GJすぎる!<br /> 寝る前にいい物を見たぜ……<br /><br /> 476 名前:Hurricane Run ◆RFJtYxNEj6 [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 02:54:03 ID:woy1eNh9<br /> 投下します<br /><br /> 477 名前:オン・ステージ[sage] 投稿日:2008/09/26(金) 02:54:33 ID:woy1eNh9<br /> 彼女が初めて彼の姿を見たのは、学校に入学してすぐだった。<br /> 新入生歓迎、とか名づけられたれた部活紹介。<br /> 全国的な強豪だとかいう演劇部はごく簡単な劇を披露した。<br /> その主役を務めていたのが彼だった。<br /> そして、彼女は彼に夢中になった。<br /> 演劇に関しては何も知らない。しかし彼の演技が素晴らしいというのは一目でで分かる。<br /> 一挙手一投足が、観客の五感すべてを魅了する。世の中にこんな人間がいるのかと思った。<br /> 後に、彼は若くして天才と称される人物であることを知った。<br /> 彼と同じ舞台に立ちたい。共に演技をしてみたい。<br /> 本気でそう思った。<br /> まもなく演劇部に入部した。劇の経験は小学校の学芸会程度。<br /> 無論、親や友達からは猛反対を食らった。<br /> しかし、入った後の彼女の努力は凄まじかった。自分の心身全てを賭け、必死に演劇に打ち込んだ。<br /> すべては、彼と同じ舞台に立つために。<br /> 元々その素養があったのかは分からない。彼女は、1年後には彼と並んで称されるほどの役者に成長していた。<br /> ほどなく、彼から交際を申し込まれる。返事はもちろんOK。<br /> 天才カップルなどと呼ばれ、校内中から祝福を受けた。<br /> しかし。<br /> 何度、甘い愛の言葉を囁かれても。<br /> 何度、抱きしめあっても。<br /> 何度、濃厚なキスをしても。<br /> 何度、愛撫を受け体を重ねあっても。<br /> 彼女の心は満たされなかった。<br /> 唯一充足感を覚えるのは、彼と同じ舞台に立つ時のみ。<br /> そんな毎日の中で、あることに気づく。<br /> ―自分は、彼が好きなんじゃない。舞台に立っている彼が好きなんだ。<br /> 思えば、彼を初めて見た時も彼は演技をしていた。ここまで来た理由も、彼と同じ舞台に立ちたいから、だった。<br /> 舞台に立つ彼は、彼女のあこがれ。<br /> 彼と舞台に立つたび、不思議な高揚感が身を包み、どんな複雑な演技もいとも簡単にこなすことができた。<br /> 事実、2人の共演は物凄い反響を呼び、もはやその名は徐々に全国にまで知れ渡るようになった。<br /> 時は流れ、やがて彼にとっては高校最後の公演を残すのみとなったある日。<br /> 彼は大事な話があると彼女に告げた。それはこの公演をもって役者を引退すること。<br /> 高校を卒業したら、大学に入って普通の青春を謳歌してみたい。それが彼の願いだった。<br /> 彼女は目の前が真っ暗になるのを感じた。<br /> 彼と共演することだけが、彼女の生きる全てだった。それを失くしたら、どう生きて行けばいいのだろう?<br /> 不安と焦燥感にかられた。しかし、今は公演に集中しなくてはならない。<br /> 台本をパラパラとめくる。<br /> その手が、ふと、最後のあたりで止まった。<br /> 途方もない考えが、頭をかすめた。<br /> 忘れようとしても、その考えはしつこく頭の中に残り続ける。<br /> ―自分の全てを失うというのなら、いっそこの手で。<br /> ―――――この手で・・・<br /><br /> 478 名前:オン・ステージ[sage] 投稿日:2008/09/26(金) 02:55:21 ID:woy1eNh9<br /> 最終公演の当日。<br /> 天才と呼ばれた役者の突然の引退宣言。当然、観客は雲霞のごとく押し寄せた。<br /> 演目は中世、上流社会を舞台にした恋愛もの。<br /> この日の彼の演技は、普段より遥かに研ぎ澄まされ、人々を圧倒し。<br /> 彼女の演技は、いつにない激しさと妖艶さで、人々を魅了した。<br /> やがて、演劇はクライマックスを迎える。<br /> 嫉妬に狂った女が、主人公に迫る。<br /> 懐の短剣で、主人公を刺し殺す。<br /> 倒れる主人公。<br /> やがて女は去っていき、幕が閉められ、観客は万雷の拍手を送る。はずだった。<br /><br /> 「・・・っ・ぐお・・・おま・・・え・・・」<br /> 「ごめんなさい、でもね、私は舞台の上のあなたがすべてなの」<br /> 「それを失うというのなら・・・私は自分で終わらせるの・・・」<br /><br /> 前列の観客が、異変に気付く<br /> 倒れた彼が、痙攣した後、ぴくりとも動かなくなる<br /> 胸元から、血糊ではない、真っ赤な液体が溢れ出し・・・舞台を赤く染めてゆく<br /> 『おい、事故だ!』<br /> 『剣が本物にすり替わってたんだ!』<br /> 『幕を降ろせ!早く救急車を呼べ!』<br /> 『きゃああああああっ!!!』<br /> 騒ぎが波のように広がってゆく。<br /><br /> 「ふふっ」<br /><br /> 不意に笑い声が響いた<br /> 全観衆の目が舞台に向く<br /> 彼女は笑っていた。返り血を、その全身に浴びて<br /><br /> 「ふふっ、くっ・・・あはははははははははははははははははは!!!!!」<br /><br /> 凍りついた空気の中<br /> ステージに幻を追い続けた少女の笑い声が、いつまでも響き続けた<br /><br /> 479 名前:Hurricane Run ◆RFJtYxNEj6 [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 02:58:43 ID:woy1eNh9<br /> 以上です<br /> 演劇やドラマ撮影の最中に事件が起こるのは推理小説なんかでよくあるパターンですが、<br /> どことなくヤンデレっぽい感じがするなあと思ってこの話を思いつきました。<br /> しかしこういう事故って実際あったりするんでしょうかね?<br /><br /> 480 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/26(金) 08:06:50 ID:qjZ6S6MS<br /> よくやった<br /> GJ<br /><br /> 481 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/26(金) 12:20:56 ID:v02zGJ3p<br /> &gt;&gt;474<br /> 真のヤンデレ登場? これはwktkするw<br /><br /> &gt;&gt;479<br /> 舞台に立っている彼が好きな彼女からすると現実の彼は邪魔者なのですね(´;ω;`)<br /><br /> 482 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/26(金) 19:31:38 ID:FR+4idwj<br /> きめえ<br /><br /> 483 名前:もう何も信じない 第7話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 19:37:13 ID:fILIDVGb<br /> 第7話投下します。<br /><br /> 484 名前:もう何も信じない 第7話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 19:38:28 ID:fILIDVGb<br /> ―――知りたくなかった。<br /><br /> かみさま、どうしてですか?<br /><br /> どうして、僕から大事なものを奪ってくんですか?<br /><br /> こんなのって・・・あんまりだよ。<br /> ひどいよ。いっそ殺してよ。<br /> なんで、歩なの?他の人じゃだめなの?<br /> 僕が両親を殺したから?歩を騙したから?<br /> ねえ・・・なんとか言ってよ・・・<br /> どうして、僕たちが――――<br /><br /> 「・・・・っ! 光!大丈夫か!」<br /> 「・・・あ、あゆむ・・?どうしたの・・」<br /> 「お前、すごくうなされてたぞ。大丈夫か?ほら、水だ。」<br /><br /> 夢・・?あれは全部夢だったの?・・いや違う。<br /> 僕は、何かを知ったんだ。そして―――<br /> ・・あれ?僕は、何を知ったんだ?思い出せない。なにか、ものすごく大事なことだったのに。<br /><br /> いや、きっとこれでいいんだね。そんなの、思い出す必要ない。僕には、歩がいればいいんだ。<br /><br /> 「おかわり、いるか?」<br /> 「・・・ううん、いらない。いらない、他に何もいらないからっ・・・」<br /><br /> 僕は、歩にすがる。<br /><br /> 「おねがい・・・ずっと一緒にいて・・・・。」<br /><br /> そう、他に何もいらないから・・・<br /> かみさま、どうか僕から大事な人を奪わないで。<br /><br /> 485 名前:もう何も信じない 第7話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 19:39:23 ID:fILIDVGb<br /> それが、2か月前のこと。<br /> 僕は、もはや歩なしではいられなかった。<br /><br /> 歩がトイレに行く数秒が我慢できなくて、一緒についていった。<br /> 歩が他の女の子と話しているのを見て、捨てられるんじゃないかと思ってびくびくしてた。<br /> 体育の授業で離れたときは、ほんとに吐きそうになった。あんなものが週3回もあるなんて・・・地獄だよ。<br /> 暇さえあれば、人目をはばからず歩の唇にむしゃぶりついた。<br /> ひとりぼっちでいると、ものすごく怖かった。その分、歩にたくさんシテもらった。<br /><br /> 僕は、もうだめだね。<br /> 歩がいてくれないと死んじゃいたくなる。まるで、麻薬中毒者みたい。<br /><br /><br /> 「心配するな。俺には、お前しかいないんだから―――」<br /><br /> 君も、僕なしじゃいられないんだね?あは・・・・うれしいなあ。<br /> いいんだよ?もう僕は君しかみえない。いっそ君もそうなっちゃえばいいのに。<br /> でも、どうしてかなあ?「おまえしかいない」って言ったのに―――<br /><br /> 「………てわけで光。終わるまでどっかで待っててくれないか?」<br /><br /> どうして、僕を独りにするの?<br /> 僕のことが嫌いなの?もううっとおしいの?僕の愛だけじゃ足りないの!?<br /> ………そう、じゃあ、君も僕と同じにしてあげる。<br /> 僕のことしかみえなくしてあげる。<br /> そうすれば、ほら。二人だけの世界。すばらしいよ。<br /><br /> 「ふ…ふふ……歩…許さないよ………明日、たっぷり"おしおき"してあげるからね…?」<br /><br /><br /> 486 名前:もう何も信じない 第7話 ◆KG67S9WNlw [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 19:42:07 ID:fILIDVGb<br /> 第7話終了です。<br /> 6話の「2ヶ月が経った」と同じタイミングに戻り、そのまま8話に続きます。<br /><br /> 487 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/09/26(金) 20:25:54 ID:Qbb9W9ge<br /> いいねいいねー。このお話好きだ。<br /><br /> 488 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 02:48:40 ID:f6FHEB/E<br /> 次から投下します<br /><br /> 489 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 02:51:31 ID:f6FHEB/E<br /> 俺がまだ小さいころ、母親とヒーローショーを見に行ったことをいまだに俺は鮮明に覚えている。<br /> 子供をステージ上に攫い、高笑いを上げる典型的な悪役。<br /> そして司会のお姉さんが観客と一緒にヒーローの名を呼ぶと、我等がヒーローが威勢よく台詞を叫びながらステージに躍り出てくるんだ。<br /> ヒーロー達は悪役と戦い、そして最後には必ず勝つ。<br /> それが当時の俺にはとてもまぶしく、とても格好よく見えた。<br /> 『ああ、ボクもヒーローになってみんなを悪い奴らから守りたいな』<br /> 幼心にそう思った。<br /> ヒーローショ-が終わり、興奮冷めやらぬ状態で母親にそのことを話した。<br /> 「そうね。正義がヒーローになってみんなを守ってくれたら安心ね」<br /> 「うん!ボクかならずヒーローになってみんなをまもってあげる!」<br /> 「そう。お母さん嬉しいわ」<br /> 母は微笑みながら俺の髪を優しく撫でた。<br /> 「でもどうやったらヒーローになれるのかな?へんしんベルトがあればいいのかな?」<br /> 『ヒーローなんて本当はいない』<br /> 残酷な現実を知らない幼い俺の問いに、母は俺の目をじっと見つめながら答えた。<br /> 「いい、正義?ヒーローになるために本当に必要なのは変身ベルトなんかじゃないわ。ヒーローになるために本当に必要なもの。それはね、正しい心。<br /> だからあなたはいつも正しい行いをしなさい。そうすればきっと変身ベルトなんかなくてもあなたは本当のヒーローになれるわ」<br /> 「うんっ!わかった!」<br /> 言葉の意味の半分も理解してはいなかったが、とにかくヒーローになりたかった俺は元気よく答えた。<br /> すると母は笑ってもう一度俺の髪を撫でた。<br /> それが妙にくすぐったく感じて、俺はやや強引に母の腕から抜け出すと駆け出した。<br /> 「おかあさんはやくかえろ!ボクおなかすいた!」<br /> 「あらあら。それじゃあ今日は何にしようか?」<br /> 勝手に走り出した俺を母は小走りで追いかけ、温かい大きな手で俺の頼りない小さな手をぎゅっと包み込んだ。<br /> 「ボクね、ハンバーグがいいな!」<br /> 「はいはい。じゃあ帰りに買い物していきましょ」<br /> 繋いだ手をぶんぶんと振り回しながら二人寄り添って帰った。<br /><br /><br /><br /> ――その日からだ。俺が「ヒーローになる」という夢を追いかけ始めたのは。<br /> 人が嫌がることも進んで行い、困っている人がいたら自分ができる範囲で力を尽くし、いじめられているやつがいたら一対多数でも特攻しにいった。<br /> おかげで「ウザイヒーロー気取り」などと陰口を言われていそうだが、俺の行いによって少しでも救われた人がいるのならそれでいい。<br /> それは俺にとってまた一歩憧れのヒーローに近づけたということなのだから。<br /><br /><br /> 490 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 02:52:37 ID:f6FHEB/E<br /> 『ピンポーン』<br /> 軽快なチャイム音が静かな住宅街に響く。<br /> 「すいませーん。あいつ起きてますかー?」<br /> 俺、『赤坂 正義』は今幼馴染の家に朝っぱらから来ている。<br /> 何故早朝に他人の家にお邪魔しているかというと、これが俺達の習慣だからとしか言いようがない。<br /> 俺は毎朝早くに起きて、そいつを家まで迎えに行き、それから登校するという生活を送っている。<br /> ヒーローたる者がだらしなくしていては皆に示しがつかないからな。<br /> 逆にあいつは普段はしっかりしているのに朝に弱い。<br /> 休日は昼過ぎまで惰眠を貪っている。俺には到底考えられん。<br /> やや心配性な彼女の両親に<br /> 「マサ君が来てくれればあの子は一発で起きるからお願いできるかしら?」<br /> と直々に頼まれ、こうして毎朝迎えに来てやってるというわけだ。<br /> 「はーい。今着替えてるみたいだからちょっと上がっててー」<br /> 明るい声がインターフォンから響く。<br /> 許可も出されたことなので勝手にドアを開けて中に入らせていただくことにする。<br /> 「お邪魔しまーす……あ、おはようございます、橙子さん」<br /> 通されたリビングでパタパタと忙しそうに朝食の支度をしているのは母親の橙子さんだった。<br /> 彼女はいつ見ても美人だ。というか物心ついたときからあまり顔が変わっていないような気が……<br /> 一体この人何歳なんだ?前に聞こうとしたら笑顔のまま物凄い殺気を出してきたので結局聞けなかったが……<br /> ところで何故今頃食事の支度を?<br /> いくらあいつがねぼすけだといってももうすぐ着替え終わって二階から降りてくると思うのだが。<br /> 「おはよう、マサ君。今日は私も寝坊しちゃってね。今すっごく忙しいの」<br /> 「またですか?俺も手伝いますよ」<br /> 「ゴメンね~。後で何かおいしいお菓子作ってあげるから」<br /> やはり親子だ。朝から「寝坊は遺伝するのか?」とくだらないことを考えながら、やや貧相な朝食をテーブルの上に並べていく。<br /> 「朝食は一日の活力ですよ、橙子さん。ちゃんと食べなきゃダメですよ?」<br /> 「あはは、なかなか起きられないのよね~。ちゃんと毎朝起きられるマサ君は偉いわ~。よしよし」<br /> 橙子さんが俺の頭を笑顔で撫でてくる。<br /> いい年した男がこうして年上の女性に頭を撫でられるというものは非常に恥ずかしいものでして。<br /> 「ちょっ、やめてくださいよ橙子さん!」<br /> 「んふふ~。照れちゃって可愛い~♪」<br /> 俺は抵抗を試みるが橙子さんのこうした行為から一度も逃げ切れたことがない。<br /> だが無情にも橙子さんは調子に乗ってべたべたと俺に抱きついてくる。<br /> うわ、ちょっと本当にやばいぞこれは。<br /> 相手がいくら子持ちの人妻とはいえ、この同年代の女子には出せない大人の色香、<br /> 優しく包み込んでくる温かさとむっちりした柔らかい体の感触に俺の理性は陥落寸前だ。<br /><br /> 「何してるの二人とも……」<br /> 突然後ろから聞こえてきた底冷えするような低い声に俺は背筋が凍った。<br /> 沸騰寸前だった脳みそが一瞬にして冷却されていく。むしろ凍結する。<br /> 恐る恐る振り向くとそこには朝の不機嫌さもあいまってか、鬼の形相をした幼馴染が立っていた。<br /> 名前は『黒田 佳奈美』。俺と同じ高校二年生だ。<br /> 少しきつ目の印象を受けるが、やはり彼女は長年付き合ってきた俺から見ても十分美人の部類に入る少女だと思う。<br /> しかも勉強、運動とも死角なし。まさに天は彼女に二物も三物も与えている。<br /> 彼女に想いを寄せる男子も少なからずいることだろう。<br /> だがこのように怒りっぽくて、見た目通り性格がきついのが難点だ。<br /><br /><br /> 491 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 02:55:15 ID:f6FHEB/E<br /> 「お、おぅ。おはよう佳奈美」<br /> 俺は一瞬にして凍りついた空気を打破しようと何事もなかったかのように佳奈美に話しかけた。<br /> 「おはよう。人妻、しかも幼馴染の母親に朝から手を出してる変態ヒーロー気取り」<br /> 「待て、それは誤解だ。俺は無実だ。話し合おうじゃないか」<br /> 「黙れ変態」<br /> 泣いていいかな、俺?<br /> っていうか橙子さん。俺に抱きついたままニヤニヤしていないでこの状況を早く説明してくださいよ。<br /> 「んふふ、佳奈美こそ朝から焼きもち焼いちゃって。ご馳走様」<br /> 「なっ……!?や、焼きもちなんか焼いてないわよ!!」<br /> は?二人は一体何を言っているのだろうか?<br /> 朝食の中に焼いた餅なんかないぞ?<br /> よくこの親子は俺には分からない内輪ネタを話すから困る。<br /> 「いつまでもぐずぐずしてるとお母さんがもらっちゃうわよ?んふふ、とっても美味しそう……」<br /> そう言って俺になんだか熱っぽい視線を向けてくる橙子さん。<br /> なんだ、風邪気味か?美味しそうってこの朝食のことか?<br /> 「い、いい加減お母さんから離れなさいよっ!!この変態!!」<br /> 佳奈美が真っ赤になって俺と橙子さんを強引に引き剥がした。お前も風邪か?<br /> 家族のうち誰かが病気になると他の家族にも感染しやすくなるからうがい、手洗いはしっかりしろよ。<br /> しかし柔らかい感触が離れてしまったことは残念……などと俺は感じていないぞ。断じてだ。<br /> 「冗談、冗談よ。私にはお父さんがいるもんねー」<br /> そう言ってクスクスと笑う橙子さん。<br /> 確かに佳奈美の両親は近所でも有名なおしどり夫婦だ。<br /> 年甲斐もなくいつまでも学生時代の甘い恋を引きずっているので、見ているこっちの方が恥ずかしくなるほどお互いがべったりな状態だ。<br /> 佳奈美はしょっちゅう橙子さんから父親についての愚痴、もしくはのろけ話を延々と聞かされるらしい。<br /> そこまで来ると両親の仲が良さ過ぎるっていうのも考え物だな。<br /> 「でも早くしないと本当に誰かに食べられちゃうわよ?」<br /> 「う、うるさい!あたしはご飯を食べるからね!」<br /> そう言ってがつがつとご飯を書き込む佳奈美。<br /> しかし朝からヤケなのか勢い良いな。他のやつらなら確実に胃がもたれるぞ。<br /> 「マサ君。こんな娘だけどよろしくお願いね?」<br /> 不意に真剣な目で橙子さんが俺を見つめる。<br /> 分かってますよ、ちゃんと佳奈美は学校に遅刻させないよう連れて行きますから。<br /> 「はい。ちゃんと責任を持って佳奈美を連れて行きます!」<br /> 佳奈美の親に頼まれているんだ。元気よく返事をした。<br /> 「ブフッ!?!!?」<br /> のわっ?!佳奈美のやつ突然口から勢いよく米を噴出しやがった。<br /> 汚いからレディーがそんな真似すんな。いや、まだガールか?<br /> 「あら~、とうとうその気になってくれたのね!今のセリフ聞いたらお父さんきっと大泣きしちゃうわね」<br /> 橙子さん、そんな泣いて喜ぶほどのことじゃないと思うんですけど。<br /> 「な、な、な……あ、あんた今何言って……」<br /> 何にそんな驚いてるのか知らんが口の回り米粒だらけだぞ。ちゃんと拭きなさい。<br /> 「だから俺が責任を持ってお前を学校に遅刻しないように連れて行くって言ったんだが?」<br /> 至極普通に俺は当然のことを言っただけだ。<br /> しかし佳奈美と橙子さんの反応は俺が予想していたものと大きく違った。<br /> 佳奈美は金魚のように口をパクパクと、橙子さんにいたっては笑顔のままで固まってしまった。<br /> あれ?俺何かやらかしたか?<br /><br /><br /> 492 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 02:56:09 ID:f6FHEB/E<br /> 「あ、あんたってやつは……もう行くよっ!!この最低鈍感男!!」<br /> やっと正気に戻ったかと思うと俺を思い切り罵倒する佳奈美。<br /> 何が起こったのか理解できずに呆然と立ちつくす俺。<br /> その間に佳奈美は鞄を持って勢いよくドアを開けて家から出て行ってしまった。<br /> 「な、何だぁ?いきなり怒ったりして……」<br /> 「う~ん……今のは流石にマサ君が悪いわね」<br /> 橙子さんが困った顔で俺を見てくる。<br /> 「あの~、俺の発言に何か至らぬところがありましたか?」<br /> 「……それはマサ君の宿題としておくとして、早く追いかけたほうがいいんじゃないの?」<br /> なにやら憂鬱そうな表情でどこか遠くを見ている橙子さん。<br /> だが今は橙子さんの言うとおり、佳奈美を早く追いかけたほうがいいな。<br /> 「はぁ、わかりました。じゃあ、行って来ます」<br /> 「行ってらっしゃい。気をつけてね」<br /> 橙子さんに挨拶をすると家を出て駆け出す。今は隣にいないあいつに追いつくため。<br /> やれやれ、あの不機嫌様じゃかなりどやされそうだな……<br /><br /> 「ハァハァ……しかしここはいつ来てもすごい人だかりだな」<br /> 今俺は非常に疲れている。もはや教室に辿り着くだけの体力しか残されていない。<br /> 何故なら俺はたった今購買という飢えた学生諸君が自分の好物を買い逃さないように我先に争う地獄絵図の中を突破して来たからだ。<br /> 大げさに説明していると言われそうだがこの表現はあながち間違ってないと思う。<br /> まさか焼きそばパン一つ買うのにここまで体力を消耗するとは恐るべし購買。<br /> さて、昼食は弁当派の俺が何故こんな目にあっているのか。<br /> それは今朝の出来事から続いている。<br /> あの後、訳も分からないままとりあえず佳奈美に追いつき、散々頭を下げたことによって何とか佳奈美のご機嫌メーターが半分ほど回復した。<br /> しかし、怒りに我を忘れていた佳奈美はなんと弁当を鞄の中に入れてくるのを忘れてしまったのだ。<br /> するとこのドジッ娘は<br /> 「あんたの弁当よこしなさい。あんたのせいで忘れたんだから」<br /> と理不尽極まりないことを言ってきやがったのである。全く持って信じられない女だ。<br /> 「そりゃお前、自業自得だろ。何故俺のせいになる」<br /> と俺は思ったがそんなことは口が裂けても言えなかった。<br /> 日本において円滑なコミュニケーションを行うには空気を読む能力が必要なだけだ。決して俺はチキンなわけじゃない。<br /> というわけで少女の空腹を満たすために自作弁当を泣く泣く献上した哀れなヒーローは己の腹も満たすためにこの戦場へと飛び込んだわけだ。<br /> 「ふぅ、さっさと飯を食ってのんびりしよう」<br /> ヒーローと言えども体力は無尽蔵にあるわけもなく、休息は必要である。<br /> よって今日の昼休みの予定は焼きそばパンを胃に詰め込んだ後、佳奈美のお小言を聞き流しながらボーっとすることに決定だ。<br /> そう思って教室に戻ろうとしたのだが、<br /> 「おーい、赤坂。ちょっとこっち来い」<br /> 突然後ろから声をかけられたので振り向くとそこには担任の水野ティーチャーが。<br /> 「どうしました?また娘さんの自慢なら飯食いに行かせてもらいますよ」<br /> この先生は6歳になる娘を溺愛しているのでHR、授業中問わずに娘を絡めた話をしてくることで有名なのだ。<br /> 「違ぇよ。この前お前が出した進路調査の内容についてなんだがな……」<br /> 珍しく真剣な顔をしている先生の言葉を聞いた時、俺は昼休み中に昼飯を食うことはできなくなったと確信した……<br /><br /><br /> 493 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 02:57:13 ID:f6FHEB/E<br /> 「……んで、将来希望する職業を書く欄にふざけてるとしか思えないようなものを書いたってことで呼び出しくらった。<br /> そして『これは何か?』と聞いてきた先生に自分がいかにヒーローになりたいかということを熱く語ってきたと?」<br /> 俺の目の前で呆れ顔をしている佳奈美は溜息をつきながら<br /><br /> 『あなたが将来希望する職業を三つ書いてください。』<br /> 2-A 赤坂 正義<br /><br /> 1、戦隊物のヒーロー(レッド)<br /> 2、戦隊物のヒーロー(レッド以外)<br /> 3、敵の怪人幹部<br /><br /> と書かれた調査用紙を俺に突きつけてきた。<br /> 「毎度毎度あんたも懲りないわねぇ。頑固者って言うか、一度言ったことは維持でも曲げないってゆーか。<br /> あんたと同じ特撮オタクの太田君だってこんなこと書かないわよ?」<br /> お前も毎度毎度この手の話題が上るたびに俺に説教してるだろ。<br /> いい加減諦めたらどうだ?ってセリフはこっちが言いたい。<br /> 「ふざけてるとは何だ。俺はいたって真剣だぞ」<br /> しかしこうは言ってみるものの、確かに高校2年生にもなってこんなことを大真面目に書くのはどうかしてると自分でもたまに思う。<br /> だが、俺のヒーローに対する思いは半端なものではないのだ。<br /> 何せ4歳のときに「俺はヒーローになる!」と誓ってから今に至るまで一度もその志は折れていない。<br /> しかし、佳奈美は俺の発言が気に障ったのか、不満げに眉を顰める。<br /> 「あのねぇ。流石にそれは先生に真面目に進路を考えているのかって怒られても仕方ないわよ。あたし達来年は受験生だよ?<br /> 正義は成績いいんだし、先生としては良い大学に行って、真っ当な職について欲しいんじゃないの?」<br /> 普通に考えたら誰もがそう考えるであろうことを言われたので俺も負けじと反論する。<br /> 「もちろんそれは分かってる。しかし、夢を諦めてもいいと思えるようなものに今まで遇ったことがないし、これから先もないと思うんだ」<br /> だが佳奈美はさも頭が痛い、と言いたげに手を額に当て、冷たく言葉を投げかける。<br /> 「夢、夢って言うけどねぇ。あんた夢だけで食っていけると思ってるの?」<br /> 「む……」<br /> この手の質問は卑怯だと思う。<br /> 確かに一体どれだけの人間が自分の夢を追い続け、それで生活していくことができるというのか。<br /> 大半の人間が夢を諦め、夢を追い続けたものも貧窮にあえぐのが現実だ。<br /> 俺は皆に言わせれば夢ばかり追い続け、現実を見ていない大馬鹿野郎だろうけど、夢を追い続けている俺だからこそ、そのことを一番分かっているんだ。<br /> でも夢を諦めてしまったらそこで終わりじゃないか。<br /> 自分がやりたいことを諦めて、無難な道を選び、一生を過ごしていくのかと思うとぞっとする。<br /> 俺は「あの時ああしていればよかった」なんて後悔はしたくないんだ。<br /> もしも夢を諦め、現実に従うことが大人になると言うのならば、俺は一生大人になんかなりたくない。<br /> なのにどいつもこいつも言うことはみんな同じだ……!!<br /> だから俺は先ほど教師にも言ってやった言葉を、苛立ちを隠せない口調で幼馴染に吐いてしまった。<br /> 「とにかくこれは俺の問題だ。いくら佳奈美が俺の幼馴染だからといっても関係ないだろ。……俺は帰る」<br /> 「あ、ち、ちょっと!!」<br /> 自分の鞄を乱暴に掴み、足早に教室から出て行く俺に佳奈美は慌てて袖を掴む。<br /> しかし、頭に血が上っている俺にその行動はむしろ理不尽な怒りを大きくするだけだった。<br /> 思い切り彼女の手を振り払うと、彼女の方を一度も振り向かずにわざと音を立てて戸を閉める。<br /> 「ま、正義……」<br /> ドアの向こうから漏れてきた彼女の悲痛な叫びに耳をふさぎ、廊下を思い切り駆け抜け俺は学校を飛び出した。<br /><br /><br /> 494 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 02:57:49 ID:f6FHEB/E<br /> ……俺って最低なやつだな。<br /> 一人きりの帰り道は冷たく、いつも隣にある温もりがいないことを嫌でも感じさせる。<br /> 佳奈美はいつものように俺のことを心配して言ってくれただけだろ。<br /> なのに、俺は正論を突かれたことに勝手に逆上し、これ以上その話は聞きたくないと逃げ出した。<br /> ヒーローならこんなときに逃げ出したりするだろうか。いや、しないね。<br /> まったく何が「俺はヒーローになりたい!」だ。口から自嘲的な笑みがこぼれる。<br /><br /> 昔から佳奈美は優しいやつだった。<br /> 口調こそ少しきついけれど、何だかんだで俺を見捨てることなく、傍にいてくれた。<br /> 皆が戦隊物を卒業する年になっても、「恋人するならピンク!」と堂々と言っている俺に対して少し釘を刺すだけで変わらずに接してくれたことはとても嬉しかった。<br /> 加えて佳奈美は皆から人望もあるし、面倒見がよく、容姿も整っている。<br /> 勉強に関してもちゃんと努力して上位を常にキープしているし、運動だって人並み以上にできる。<br /> これだけのモテ要素が揃っているにもかかわらず、彼女に恋人ができたと言う話を聞いたことがない。<br /> 告白してくる男子はいるものの、全て断ってしまったらしい。<br /> 中には学校きっての外見、内面ともにイケメンで知られている輩もいたというのにだ。<br /> 普段あれだけ彼氏ができたらどこに行きたい、一緒に何を食べたいとかそんな話ばかりしてくるくせに。彼氏が欲しいのか欲しくないのかはっきりしろ。<br /> しかしなんともったいないことを。俺に告白してくる女子なんて一人もいないのに。<br /> まぁ、俺の心はピンクさんという永遠の女神に捧げているから平気だがな。……本当だぞ?<br /> こうは言ってみたものの、男女交際など付き合うも断るも自由なのだから、本来は彼女の恋愛事情に首を突っ込むべきではないのだろう。<br /> だが自意識過剰だと思われそうだが俺が恐れていることが一つある。<br /> 佳奈美が一向に男と付き合う気配を見せないのは俺のことが心配で、男と付き合っている余裕などないと思っているせいなんじゃないかということだ。<br /> かといって夢を諦めるのは嫌だ。勝手かもしれないがこれだけは譲れない。<br /> だから俺は一緒にいる佳奈美まで馬鹿にされないように周りに認められるよう努力してきた。<br /> 幸いにも彼女にたいした被害は出ていないようだが、よくクラスの連中に<br /> 「お前たち付き合ってんだろ?」「今日も元気に夫婦で登校かよ。お熱いこった」<br /> などと言われてしまうのは仕方がないことなのかもしれない。<br /> 幼稚園の頃から一緒にいたもんだから、今じゃどちらかがいない方がおかしいような状態になってしまった。<br /> 少しは考え直した方がいいのかもな、この関係……<br /> お互いいい年だ。そろそろ互いに自立すべきだと思う。<br /> だがきっかけがない。何かきっかけさえあれば……<br /><br /> とにかく今俺がやるべきことは戻って佳奈美に謝ることだ。考えるのはそれが終わってからでいい。<br /> 俺は立ち止まり、振り返ると学校に向かって駆け出した。<br /><br /><br /> 495 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 02:58:56 ID:f6FHEB/E<br /> ……なんだか正義の様子がおかしい。<br /> 昼休みが終わってからずっとだ。何をしてても上の空って感じ。<br /> 午後の授業だっていつもは先生に当てられたら無駄に元気良く答えるのに、今日はボーっとしててもう一度呼ばれるまで全く気づかなった。<br /> あたしと話してる時だってそう。<br /> 正義と話してるときはあたしの心が洗われる楽しい時間なのに、返ってくる答えは<br /> 「ああ」「うん」「すまん、聞いてなかった」<br /> どういうことよ!!あたしと話すのはそんなにつまんないってこと?!<br /> いつもだったら頓珍漢な答えでもちゃんと彼なりに考えて相槌を打ってくれるのに。<br /> 最初はお昼を抜いたからボーっとしているのかなと思ったけど明らかにおかしい。<br /> 無性に気になって問い出したらやっぱり将来の夢について先生と揉めていたと白状した。<br /> だからあたしは言ってやった。いつまでそんなことを言ってるのって。<br /> そう、あたしは何も間違ってない。世間一般的に考えたらそれが当然だろう。<br /> なのに――<br /><br /> 「とにかくこれは俺の問題だ。いくら佳奈美が俺の幼馴染だからといっても関係ないだろ。……俺は帰る」<br /> 正義は苛立った口調でそう言うと自分の鞄を掴み、あたしの手を振り解いて足早に帰ってしまった。<br /><br /> ――どうして?どうしてそんなこと言うの?<br /><br /> 関係なくなんかないよ。<br /> だってあたしと正義の将来に関わることなんだよ?<br /> こういう大切なことはちゃんと二人で決めなきゃいけないのに。<br /> やっぱ男としては夢の一つや二つくらい持っていてほしいけど、それがあたしと正義の仲を邪魔するようなものなら諦めてよ。<br /> いつまでも子供っぽいこと言ってあたしを困らせないで。<br /> そんなことしなくてもあたしはちゃんと正義のことを想っているから。<br /> そう、正義はあたしだけのヒーローでいればいいの。<br /> なのに何故彼は分かってくれないのだろう?<br /> こんなにもあたしの心は正義への想いで溢れているのに。<br /><br /> はっきり言ってあたしは正義のことが好きだ。どうしようもなく愛してる。<br /> ずっと昔から正義のことだけを想い続けてきた。<br /> 小さい頃からあたしと正義はいつも一緒だった。<br /> お互いの両親も<br /> 「二人は本当に仲がいいな。将来は結婚でもするのか?」<br /> って言っていたっけ。<br /> あたしも<br /> 「うん!あたしまーくんのおよめさんになるー!」<br /> なんて言ってたなぁ。<br /> 今でもそのことを思い出すと胸が熱くなるんだよ?<br /> 正義が空気を読まずに<br /> 「えー?ボクのおよめさんはピンクがいいなぁ」<br /> と言って、みんなをがっかりさせたことは除いて。<br /> 男の子にからかわれて泣いていたあたしを慰めて、男の子達に一人で殴りかかっていったこともあった。<br /> 傷だらけになって帰ってきた時に見せた「仇は取ってきたぞ」と言わんばかりの誇らしげな笑顔。<br /> 正義があたしのためにしてくれたんだと思うと、とても嬉しくてまた泣き出して彼を困らせちゃったな。<br /> 年を重ねるに連れて要領良く周りと付き合い、本当の気持ちをなかなか表に出せなくなった不器用なあたし。<br /> そんなあたしと違って、何事にも真剣に取り組み、自分が信じるものを貫くその姿により一層惹かれていった。<br /> 要するにあたしはそんな彼がたまらなく好きなのだけど、最近はだんだん彼に対する想いを抑えることができなくなってきた。<br /><br /> だっていつまでも誰構わずそんな態度を取り続けてたら、悪い女まで寄ってきちゃうかもしれないんだよ?<br /><br /><br /> 496 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 03:01:28 ID:f6FHEB/E<br /> 正義は昔から良く言えば優しい、悪く言えばお人よしだった。<br /> ちょっとというか、かなり生真面目なところはあるけど、曲がったことは大嫌いで、困っている人がいれば全力で助ける。<br /> いじめられている子がいれば、たった一人でもいじめっ子達に立ち向かっていった。<br /> ボコボコにされても、いじめられていた子が泣きながらたった一言、<br /> 「ありがとう」<br /> と言ってくれれば何事もなかったかのように元気に笑っていられるような奴なのだ。<br /> 助けられた子が彼に対して好意を抱かないわけがない。<br /> 一体何度正義に想いを打ち明けようとする女の子が現れただろう。<br /> その度にあたしの心はギシギシと音を立てて、痛んだ。<br /> 目の前が真っ暗になって、体の中身全てを吐き出してしまいそうになった。<br /><br /> だから彼に思いを打ち明けようとする女が現れるたびに、あたしは最低な行動をとった。<br /> 想いを打ち明けるチャンスを狙っている女の子の前でわざと正義と一緒に行動したり、過剰なスキンシップをとってあたし達が付き合っているという誤解をさせた。<br /> 正義の下駄箱に想いをしたためたラブレターが入っていたら彼が読む前にこっそり回収し、これでもかというほど破った後トイレに流した。<br /> あたしに正義との仲を取り持って欲しいと言ってきた女の子の頼みは何だかんだ言っても絶対に聞かなかった。<br /> それでも告白を決行しようとする女には<br /> 「実はあたしと正義付き合ってるの。でもみんなには内緒にしてね?」<br /> と嘘を吐いた。<br /> 普段から正義と一緒にいるあたしが言うことだ。<br /> みんな疑いもせずに涙に濡れた微笑と「お幸せにね」という言葉だけを残して去っていった。<br /> だけど彼女達の想いを踏み躙る度にあたしの心は罪悪感に押し潰されそうになった。<br /> 自分から告白する勇気もないくせに他人の告白は何食わぬ顔で妨害なんて許されることじゃない。<br /> それでも正義だけは取られたくない。<br /> その一心であたしは行動を繰り返した。<br /><br /> だってそうじゃない?<br /> あなた達はたまたま正義が優しくしてくれたから好きになっただけ。<br /> 助けてくれるなら誰でもよかったんでしょ?<br /> あなた達はきっと彼の優しさを全て搾り尽くして、あとはボロ雑巾のように捨ててしまうだけ。<br /> 本当の彼を見ようともせずに優しいという一面だけで評価しているのがいい証拠だ。<br /> そんな女達に正義を渡すわけにはいかない。あたしが正義を悪い女たちから守らなきゃいけないんだ。<br /> あたしはあんな奴等とは違う。もし正義が夢を失って変わってしまったとしても全てを受け入れて愛せる。<br /> あたしには彼を支え、彼と共に歩いていける自信がある。ずっと昔から一緒にいたし、今もまるで仲睦まじい夫婦みたいに寄り添って生きている。<br /> だから正義に一番ふさわしいのはあたし。あたしに一番ふさわしいのも正義。<br /> そう、他人なんかどうでもいい。あたしと正義。それだけでいい。<br /><br /><br /> 497 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 03:02:39 ID:f6FHEB/E<br /> なのに正義はいつも他の人のことばかり気にする。<br /> いつもこんなに近くにいるのにあたしだけを見てくれない。<br /> クラスの気持ち悪い特撮オタク達と話している時は話すのに夢中になるあまり、あたしがどんなに呼びかけても無視さえする。<br /> もしかしてあたしが悪いのかな。あたしが正義の好きな戦隊物とかの話ができないから……<br /> で、でも仕方ないじゃない!普通いい年した、しかも女が日曜の朝早くに起きてわざわざ戦隊物なんか見たりしないでしょ!<br /> あたしだって正義と共通の話題で楽しく話したいから、朝弱いけど頑張って休日なのに早く起きようと努力してるのよ?<br /> たいてい寝過ごしちゃったり、親が起きてたら恥ずかしくて違う番組にしちゃうけど……<br /> だから代わりにあたしは普通の恋人達が興味を惹かれるような話をたくさんしている。<br /> 可愛い服が売ってるお店、おいしそうなデザートが食べられるレストラン、今話題の映画や遊園地、夜景が綺麗な場所とか恋人同士が和気藹々と話すような話。<br /> 実際あたしは一日中正義とこの話をしていても飽きない自信がある。<br /> なのに正義はそういう方面にはとんと疎くてあたしをよくがっかりさせる。<br /> もう!いい加減そんな恥ずかしい趣味は卒業してもっとあたしと青春して欲しい。<br /> でもいいの。好きな人を自分色に染めるっていうのも恋愛の楽しみの一つだ。<br /> 幸いにも正義は誰にも汚されずに綺麗なまま真っ白に育ってくれた。元が真っ白に近ければ近いほどより色濃く自分色に染め上げられる。<br /> あたしだけに染め上げられた、あたしだけに溢れんばかりの愛をくれる、あたしだけの正義。<br /> ああ……想像するだけで体が、特に下半身が、熱くなって疼いてくる。<br /> 正義があたしを突然押し倒して、「やめて」って叫ぶあたしの体を強引に貫き、初めてを散らされた痛みに涙するあたしに意地悪く微笑むの。<br /> なのに口では「愛してる」って言いながらたくさんキスしてきて、どんなに拒否しても情け容赦なくドロドロした濃い精液をたっぷりと中に出される。<br /> そんな妄想ならいくらしたことか分からない。その度に延々と終わらないくらい自分を慰めてきた。<br /> いけない。はしたない女だって正義にばれたらきっと軽蔑される。でもね、正義が思ってるよりもずっとあたしは淫らで汚れた女なの。<br /> ああっ、正義!!お願いだから早くあたしを奪って!!正義にだったらいつでも守り通してきたこの操を捧げる覚悟はできてる。<br /> だからあたしも正義のこと好きにしてもいいよね?あたしも正義をあたしだけの物にして閉じ込めちゃうから。<br /> 誰も目に映らないように、誰の目にも映らないように。<br /><br /> だからもう正義のヒーローごっこなんかしなくていいんだよ。正義はいつまでもあたしの中だけで輝き続ける永遠のヒーローなんだから。<br /> その代わりこれからはあたしを、あたしだけを見て。<br /> うまく感情を表に表せないあたしの心に染み入る正義の優しさ。いつも危なっかしいことばかりしている正義を支えるあたしの愛ゆえの献身。<br /> そう、あたしと正義は二人一緒で初めて完全になれるの。二人だけで完璧に完成して完結している世界に他の存在なんていらない。<br /> あたしと正義の仲を引き裂くような奴が現れたらあたしはそれを力尽くで排除するだろう。<br /> たとえそれが法に触れるようなことになろうとも、だ。<br /> でもそんなことしなくても平気だよね?<br /> だってあたし達はお互いのことを誰よりも理解し合っているんだから。<br /> 何があろうともちゃんと最後には互いの愛を確認しあえるの。<br /> ほら、その証拠に……<br /><br /> 「佳奈美ぃーーーっ!!!」<br /><br /><br /> 498 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 03:03:22 ID:f6FHEB/E<br /> バタバタと大きな足音を立てながら乱暴に戸を開けて、正義が教室に駆け込んできた。<br /> 息を切らせて、膝に手をつきながらもその目はこちらに向けられている。<br /> やっぱり正義は戻ってきてくれた!!<br /> 他ならぬ『あたし』の元へ!!<br /> 何だかんだ言ってもあたし達は固く結ばれてるんだよね?<br /> 「佳奈美すまんっ!!今日は先生にも説教されてたからついイライラしてしまったんだ。佳奈美は何も悪くないのに八つ当たりしてしまって本当にすまない。<br /> このとおりだ。許してくれ」<br /> 正義が勢いよくあたしに頭を下げた。<br /> こちらに許しを請う上目遣いのその目はずるいと思う。<br /> だってそんな目をされたら何だって許してしまう。<br /> 「……しょうがないわね。特別に許してあげる」<br /> 「佳奈美……!」<br /> 「ただしこんなことはもう二度としないでね?あたし結構傷ついたんだから!」<br /> 「ああ。肝に命じておくよ」<br /> そう、あたしは正義がいなくなるだけでダメになっちゃうの。<br /> 支えるモノがなくなったらあとはどんどん傾いて倒れるだけ。<br /> 正義がいなくなることを考えただけで目の前が真っ暗になる。<br /> 「さぁ、帰りましょ。お詫びとして何か甘いものでもおごってもらおうかしら?」<br /> 「ちょっと待ってくれ!今月はヤンデレンジャーのレッドのフィギュアを買う予定が……」<br /> 「あら、そんなことを言える立場かしら?」<br /> 「ぐ……わかったよ。けどあまり高い物はよせよ?」<br /> 「さぁ~て、どうしよっかなぁ~?」<br /> そう言ってあたしは正義の手を引いて走り出す。<br /> 彼が「廊下は走るな!」とか言ってるけどそんなのは耳に入らない。<br /> だってあなたといるこの一瞬がどうしようもなく嬉しくて、楽しくて、愛しいのだから。<br /> 正義といるだけであたしはこんなにも幸せになれる。<br /> 逆に正義がいないだけであたしはこの世で一番不幸な少女になっちゃうんだよ?<br /> だからもうこんなことはしないでね、正義?<br /><br /> あなたを一番理解できて、一番愛せて、一番幸せにできるのはあたしだけなんだから。<br /><br /><br /> 499 名前:Rouge?Noir?[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 03:04:09 ID:f6FHEB/E<br /> 投下終了です<br /><br /> 500 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/27(土) 03:21:52 ID:mDYy2PsP<br /> &gt;&gt;499<br /> 乙GJ。小さなすれ違いから生まれる大きな溝イイヨイイヨー</p>

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