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403 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/12(水) 03:59:22 ID:xaTSpVS1 ボニー&クライド型、ヤンデレ率薄、男視点 2レス使います 車に転がり込むと、即座にキーを回し、エンジンをかけた。 まだ昼の2時をまわったばかりで、車の中は夏の日差しで焼けつくようだ。 舌打ちをしながら、「タダで」手に入れたビールを手にした。 「アレ」はもう三途の川に着いた頃だろうか。 「酒飲んでる暇があったら早く車だしてよ。」 いつの間にか助手席に乗り込んだ相棒の女が呟く。 「この辺のおせっかいが通報するかもしれないんだからさ。あと・・・」 何だか文句をつけているが、これには俺にも言い分がある。 車を発進させながら言い返した。 「まてよ。通報されんのはお前がまた突然ぶっぱなしたからだろうが。 手を触っただの触られただのって。そんなんで銃振り回す奴がいるか。」 そう言ってもう一度ビールに左手を伸ばす。 国道をそれた田舎の街道は、通る車はおろか人すら見当たらない。 畑は無く、草原が続いている。建物といえば先ほどの雑貨屋だ。 見飽きた風景と蒸し暑さで、のどが無性に渇いてしまう。 が、缶を握ろうとした瞬間、ヌルっとした感触が手の甲に広がった。 チラと見ると、伸ばした手には白いゲル状の液体がかかっている。 404 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/12(水) 04:04:18 ID:xaTSpVS1 あらら、下げ忘れてたかも。ゴメンね。>>403の続きで終わり 「なにすんだよ。」 この状況は初めてではない。だから次の展開も予想はつくが、一応抗議した。 「黙っててよ。あんたの手、洗ってるんだから。」 遮った女の声は妙に緊迫していた。 どうやら、女が俺の手に「タダ」石鹸をかけたらしい。 いつものことだ。もう慣れた。 女はミネラルウォーターを俺の左手にかけてよく泡立てた。 血どころか汚れさえついていない手を、女は何か呟きながら真剣に洗っている。 いつも通りの虚ろな目だが、どこか爛々としている。 「あのババァが触りやがった。畜生。缶なんか触らせるもんか。畜生。 汚い手で飲ませられるか。畜生。」 女が手を洗う間は、カーステさえ操作できない。 抜けたような青空だが、車内の空気はやたらと重い。 やがて、手を洗い終わると、女は俺の手に唾を垂らす。ニッと笑った。 「終わった。これでいいよ。“あんたとあたしの”手はもう大丈夫。」 唾で台無しだが、嬉しそうなので文句はつけない。 そうして、既に諦めた俺はいつもこうして話題を変える。 「ありがとな。それで、いくらだった?」 次は、他の女と抱き合ってみるか。 ニヤニヤしている女の顔を横目にビールを飲む。 いつのまにか、向こうには積乱雲が見えていた。

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