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875 :キレた人々 :2009/11/18(水) 00:50:08 ID:ZQE6TSNe 「キミとボクは似ているね」 高校の入学式が終わった後の教室。 あいつから最初に言われたのはそんな言葉だった。 「本当に、キミとは仲良くなれそうだ。今後ともよろしく」 あいつは握手の為か手を差し出した。 俺はあいつの手を握り返すことなく、形だけで返した。 「よろしく」 思えばその時からだったのかもしれない。 すでに壊れてしまった俺の日常が、完膚なきまでに破壊されたのは。 876 :キレた人々 :2009/11/18(水) 01:09:44 ID:ZQE6TSNe とある秋の日の土曜日。 ゆとり教育世代の俺は、行きつけの市民図書館で適当に本をあさっていた。 あ行から順に、人気どころで芥川なんかを意味もなく読みふけって。 とりあえず、暇つぶし位にはなりそうな厚さの本を見つけ、何時も座って いる席に移動する。 窓際の日当たりの良い場所なのだが、すでに先客がいた。 「やあ、奇遇だね。こんなところで会うなんて」 黒髪のショートカット。整った顔立ちにスレンダーな体。 さらにボーイッシュな服装のせいで近くに来ないと少年と間違われそうな 美少女。 名前を如月神無(きさらぎ かんな)という。 「おや、芥川かい?ボクもけっこう読んだよ。ボクは羅生門が隙かな」 聞いてもないことをつらつらと述べる。 「内容はどうでもいい。暇さえ潰せればそれで」 こいつがいると静かな休日を過ごせない。 俺は踵を返して貸し出しカウンターに本を持っていった。 877 :キレた人々 :2009/11/18(水) 01:26:32 ID:ZQE6TSNe 「つれないなぁ。キミとボクの仲じゃないか」 一体どういう仲なんだ。 「やあなぁ、キミとボクは同類じゃないか。同じ人間失格だろうに。 おっと、これは太宰だったね」 どうでもいい訂正だ。 しかし人間失格は言いえて妙だな。そこは肯定してもいい。 人間失格。頭のキレたイカレ野郎。 念じるだけで物を浮かせたり、思考が読めたり、透視が出来たり。 そんな領域の俺達は、もう人間じゃないんだろう。 俺は、俗に言う超能力者。頭の壊れた、人間失格。

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