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47 :悪意と好意と敵意 ◆f7vqmWFAqQ :2010/05/09(日) 13:13:54 ID:lt0f9Q3V 携帯電話をベットに投げ捨てる。病院に搬送されて5日経った日の出来事だった。 どうしてこうなったのか…世間では今回の犯人は長谷川で通り魔も長谷川だろうと断定された。綾小路家は必死になって彼を探している。 そして俺と寂は世間的には犯人ではなく被害者となった。 だが、俺が綾小路を殺した事や寂の連続殺人は一生自分たちに付き纏うだろう。 しかし寂の占いは本当に当たっている。俺と親しくなった女性みんな死んでやんの、寂と親以外。 意識不明の重態に陥ったその寂の病室に向かう。俺はと言うと昨日意識不明の重態から目覚めた寂に比べたら軽いという形容詞すら生温い程の軽傷だった。 寂の居る1106号室に到着する。ノックをしても返事が無い。昨日目覚めたからただのしかばねのようではないはずだ。 返事を貰わないまま病室に入ると寂が居た。俯いて日本人形みたいな髪で顔が隠れていた。 「よう」パイプ椅子を広げて座る。 「ごめんなさい!私なんでもするから!だから」寂の口に右手を添えて黙らせる。 「俺だって人殺しだから…許すとかそんな権利はないし義務もない。」 墓より生きている人間の方を大事にするのが信条。まぁばあちゃんの受け売りだけどね。と心の中で付け足してから手を離す。 「怒ってない?嫌ってない?」 「嫌いな奴の見舞いになんか来ないって。だからその…」言え!俺言え!好きって言え! 「あー…んー…」言えない自分が不甲斐無い。 寂が俺を疑問の目で見る。「早く言いなさいよ!」という感情が込められてる気がしないでもない。覚悟を決める。 「好きだ…付き合ってくれ」言った。言ったぞ!!そして寂を見る。 「…………はい。」返事はyesだった。 「でもその代わり浮気したら目玉くりぬくから。」ヤバい。目がマジだ。 「浮気なんて出来るかよ。まだ死にたく無い。」 寂が俺の手を引っ張る。ベッドに着地。 「ねぇ…しよ…」顔を赤らめて言う。可愛いけどさ、 「病人は大人しく寝てろ。」 「じゃあ…キスだけでも!」寂の最大限の譲歩に応じて唇を重ねる。 「んっ…!」色っぽい声が漏れる。襲いたいが我慢して唇を離す。 「ねぇ…一緒の大学受験しよっか。」 「そうだな…」寂の提案に頷いてまた唇を重ねた                                 fin.

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