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45 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/08/25(水) 14:53:27 ID:IV3nlGlo ~~~~~~~~~ 風奈の部屋にて 「風奈……今から大事な話しをするから、ちゃんと聞いてほしいんだ」 「なーにー?」 まだ何も知らない風奈は、俺の胡座の上に座って、笑顔で聞いてくる この無邪気な風奈の笑顔を、俺が崩さないといけないんだ 「あのな……父さんと母さんが二人で、海外に転勤することになったんだ」 やはり、風奈は驚いた顔をしている 無理もない、いきなりそんなことを言われて驚かない方がおかしいと思う 「え……本当?」 「あぁ……本当だよ」 「じゃあ、もうお母さんとお父さんには会えないの……?」 「ずっとじゃないよ」 「じゃあ……どれくらい?」 「それは……分からない」 風奈の瞳は揺れていて、今にも泣き出してしまいそうだ 「……そんなの、やだ!」 46 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/08/25(水) 14:54:41 ID:IV3nlGlo そして…… 「やだぁ……やだよぅ!うわぁぁぁぁぁん!!」 風奈は泣いてしまった 俺は、しばらく風奈を抱き締め、頭を撫でていた これで少しでも風奈が落ち着いてくれたらと思いながら 「うぅぅ!やだよぉ!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 正確な時間は覚えていないが かなりの時間、慰め続けていたと思う 段々と、風奈が泣き止んできた そして、風奈は俺を見て言う 「うぅ……ひっぐ…お兄………ちゃん……は?」 「大丈夫、俺はちゃんと居るよ」 「……本……当?」 「勿論!本当だ!」 俺は、風奈が安心できるように笑顔で言った 「……うん、良かった……お兄ちゃんは居なくならないでね……」 「安心しろって!」 親以外の唯一の「家族」である俺が残ることを知り、風奈も少し落ち着いたみたいだ 47 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/08/25(水) 14:56:52 ID:IV3nlGlo そういえば、まだ説明してないことがあったな 「……それに由美子も一緒なんだ、寂しくはないと思うよ」 俺がそう言うと 「え?何で……由美子お姉ちゃんが出てくるの?」 一瞬、風奈の表情が変わった気がした それに、なんだか引っ掛かる言い方だな…… 「あぁ、実はな……」 とりあえず俺は、風奈に何故由美子も一緒に暮らすのかを説明した 「それじゃあ仕方ないね……ねぇ、お兄ちゃん……」 「ん?なんだ?」 「今日は……一緒に寝てもいい?」 きっと、風奈も不安なんだよな 「おう!久しぶりに一緒に寝るか!」 「ありがとう、お兄ちゃん」 「兄妹なんだから、遠慮すんなよ」 「……うん!今日は沢山、お兄ちゃんとお話ししたい!」 やっぱり可愛いなぁ、こんなことを言われて喜ばない奴なんているのか? そう思っていた俺だが、結局、朝日が登るまで風奈の話しを延々と聞かされる羽目となった…… まぁ、今日は休日だから良かったけど 嬉しいんだろって?そんな気持ちはもう、微塵も残っていませんよ…… 48 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/08/25(水) 14:59:29 ID:IV3nlGlo 「風奈……もう寝てもいい?」 もう限界だ、これ以上睡魔と闘う精神力が、俺にはない 「……うぅ、もっともっと話したいのにぃ」 そう言って、風奈は頬を膨らませた それより、もっと話したいって……どうして話のネタが切れないんだ、おかしいだろ…… 「ごめんな風奈、起きたら、また話そうな」 そう言って、風奈の髪をくしゃくしゃにした 風奈は、これをやられると嬉しいらしい、理由は気持ち良いからだそうだ、俺には理解できない まぁ、俺には誰もそんなことをしてくれる人がいないから、理解できないのは当然なんだろうけど 一度くらい、やられてみたいとは思うな、まぁ風奈や由美子には頼めないけど……恥ずかしいし なんだか、色々考えていたら、余計に眠くなってきた…… 「ん……えへへ~お休み、お兄ちゃん!」 お休みと返事をして、さっさとベッドに潜り込む これでようやく眠れるんだ…… 「お兄ちゃん……お兄ちゃんは風奈だけのモノだよ……あんな女と一緒になったら許さないから……」 49 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/08/25(水) 15:00:45 ID:IV3nlGlo ~~~~~~~~~ 由美子 お父さんには感謝しないとね 優君のお父様とお母様を、どこか遠くに連れてに行ってほしいって言ったら、本当に遠くに連れて行ってくれたんだから それに……かなり長い間は帰ってこないようにね 優君には悪いかなぁと思ったけど、仕方ないよね? 私と優君の邪魔をする、あの糞虫を消さなきゃいけないんだから 優君もきっと分かってくれる筈! ……それにしても、楽しみだなぁ 夢にまで見た、優君との同棲生活…… 今の内に料理の練習をしとかなきゃね! だって……美味しい料理をたっくさん作って、優君に恩返しするんだから!

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