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94 名前:キモオタと彼女 4、75話 投稿日:2010/10/03(日) 05:05:48 ID:LPRU/MHX ウチがあの人に出会ったのは、2年ちょっと前の話です。 ウチは、まだ大学入りたてで満員電車に慣れていなかった頃、痴漢に遭ったです。 それはもう、驚きましたですよ。 田舎じゃ、そんな事はなかったですし、男の人には免疫がなくて、誰の手かもしれない人に体を触られているのは、恐怖しかなかったです。 怖かったです。 怖くても、声もあげられなかったです。 周りには、男性の乗客しかいなくて、ジェスチャーで訴えればもしかして助けてくれるかもしれない。 そして、たまたま目が合った真面目そうなサラリーマン風な男の人に、後ろの痴漢に気付かれないように、手で「痴漢されている。」というニュアンスを含んだジェスチャーを送ったです。 それが、伝わってないのか。 何故か、相手はニヤニヤしながら、こちらを見始めたです。 …あぁ、ウチの困る姿を見て楽しむつもりですか…。 もう、どうでもいいです。 勝手にしやがれです。 ウチがそう思ったのと同時に、下着の中に手を突っ込まれてきたです。 「っん!」 ッツ、ふざけんなです。 そこまで、許したつもりはねぇです。 と、大声で怒鳴り散らしたい所ですが…。 案の定、ただただ黙っていることしか出来なかったです。 それを、良いことに奥に入れられて…。 その時は、死にたくて仕方なかったです。 痴漢には会い、見知らぬ男には見捨てられ、自暴自棄になっていた所に…。 彼に会ったです。 「オッフ、や止めなされ。 ち、痴漢行為は犯罪でござる。」 後ろを振り返ると、顔が整った男と、お世辞にも普通とは言えない容姿の男がいたです 「はぁ? 俺が痴漢したっての? っていうか、お前がしたんじゃねぇの?」 「オゥフ、何を言ってなさるのか。 拙者は見ましたぞ。 貴方が痴漢しているのを。」 …正直言いますと、どう見てもオタクっぽい人が、痴漢行為を働いたように見えましたです。 でも、私は… 「…そう…です。 その人が…痴漢です…。」 私が、震えながら指を指したのは…。 整った顔の方の男に指を指しましたです。 「ふっざけんなよ!? 糞女ァ!! 言いがかりもいい加減にしろよ!!」 「っひ…!」 整った顔が一気に崩れ、恐ろしい顔でこちらに迫って来た時は、失神しそうになったです。 95 名前:キモオタと彼女 4、75話 投稿日:2010/10/03(日) 05:11:17 ID:LPRU/MHX 「やややや止めなされぼぼぼぼうひょくはいけないでござんす!」 震えながらも、ウチをかばってくれるオタクの人…。 背中は、汗びっしょりだし、何か酸っぱい臭いもするし、正直頼りない人だけど…。 そんな人だけど、勇気を振り絞ってウチを助けてくれるのは、凄く嬉しかったです……。 「ってめぇ! きめぇんだよ!」 ッガ! 「おぶぷ!」 私を助けてくれた彼は、奇妙なうめき声をあげながら、派手に後ろに飛び、人混みの中に倒れ込んでしまったです。 その瞬間、今まで道場以外で使いたくなかった合気道で、後ろを振り向いていた相手の腕をとり背中にまで捻り、関節を外した。 ポキン 「ッギャアアアア!!」 気持ちのいい音ともに、相手の悲鳴が満員電車の中に響きわたる。 車内の到着のアナウンスがなっている気がするが、男の悲鳴が大きすぎて、何も聞こえはしなかったです。 着いた後、男は駅員に引っ張られていきましたです。 引っ張られながらも、私に罵声を投げつつ、駅員室の方に連れていかれたです。 あっ…。 今まで張り詰めていたものが一気に萎み、座り込んでしまいました。 こ、怖かったぁ……。 安心したら、どんどん涙が出てきて、とてもじゃないですが、平静を保てなかったです。 ウチは、その場にうずくまり、泣いていました。 その時、泣いているウチに声をかけてくれる人はいなかったです。 やっぱり、先程の男の関節を外した時、男が絶叫した瞬間を、乗客が一斉にうちと男を見て驚いたのでしょう。 小柄な女が男の腕を捻っているのを見たら、うちに近づきたくなくなるのも、当然ですね…。 そんな事を思うと、更に涙が出て来て大変でした。 「だ、だ大丈夫ですか…?」 顔を上げると、ウチをかばってくれた男の人でした。 「ここここれをよよよ良かったら、使って下さい!」 と言われて、渡されたのがポケットティッシュとお水でした。 それをウチが受け取った瞬間、男の人は走ってどこかにいっちゃいました…。 彼のそんな姿を見て、さっきまでの感情が嘘のように吹き飛んだ。 見ず知らずのウチの為に、殴られて痛い思いをしているはずなのに、ウチの事を気遣ってくれた彼の優しさに心惹かれましたです…。 今度、彼に会ったらお礼を言おう…。 そう心に決めた私は、先程までの辛い気分は吹っ飛び、代わりに胸のどこかで心地よい優しい痛みを感じていた。

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