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687 名前:風の声 第4話「風の学校」[sage] 投稿日:2010/10/25(月) 23:21:05 ID:h5JCrbhY 土日の2連休は特に事件などなく平凡にすごしていた。 学校で授業を受けている平日と休日が同じ1日(24時間)というのは 分かっているつもりだが、なぜ平日は長く、休日は短く感じてしまうものなのだろうか? 俺がそんなことを考えてるのは今が日曜日の夜だからであろう。 明日からは高校生活初日が始まる。 “人”は期待に満ちたときなどに「胸が躍る」といった、擬人法を使うが俺にとっては不安で “躍る”の“お”の字も無い。 明日はあのウルサイ“人”に会う事になると思うと余計気持ちが沈む 『プルルルルルルルルル プルルルルルルルルル』 静かな部屋にいきなり音が加わると、反射的に“ビクッ”となってしまうものだ。 俺は携帯をとり電話に出た、すると俺の知り合いで1番KYな奴の声が聞こえた。 「もしも『ピッ』」 最初の三文字で十分だ、俺は今自分の心の中に潜む不安と戦っているのだ、 会話はあまりしたくない。その思いを電話の相手は1ミリも読み取ってくれないようだ 『プルルルルルルルルル プルルルルルルルルル』 画面を見るとさっきと同じ奴だ 「はい・・・」 「・・・さっきは何ですぐに切ったの? お兄ちゃん・・・」 「夕美か。さっきは間違えて電話を切るボタンを押しちまったんだ」 「・・・ウソ 本当のことを言ってよ」 「そんなに本当のことが聞きたいのか?」 「うん」 「お前の今後の人生を保障しないぞ・・・」 「・・・じゃあ、やめとく」 別に言っても夕美の人生を狂わすほどの理由でもない。ただ夕美を傷つけたくないからだ 『電話の相手がお前だからだ』なんて事言われたら普通の人でも傷つくだろう 「姉貴は?」 「お姉ちゃんなら帰ったよ。愛しい人が待つ家に」 (帰ったのか・・・) 前回、姉は社会人ですでに家を出ていると言ったが正確に言うと同棲しているのだ 俺が中学を卒業し、引っ越す前に一度だけ姉はその同棲している人を家に連れてきたことがある。 とても優しい人で俺や夕美にも初対面にもかかわらず優しく接してくれる笑顔が絶えない人だった。 ただ、その時の俺の質問で「姉貴のどこが好きになったんですか?」という質問をした時 笑顔が消え「いろいろとすごいところだよ・・・」と震えながら話してくれたのを覚えている。 (姉貴に何かされているのだろうか?) 考えていた俺は電話先の夕美の声で我に返らされた 1時間半後・・・ 「そしたら、そのときね」 「・・・」 「お兄ちゃん?」 「まだ続くのか?」 「ぜんぜん続くよ♪」 『ピッ』 時計を見ると日付が変わっていたことに気づく、明日は高校生活初日だ。 寝坊でもしたら示しがつかない 俺は目覚ましをセットし布団に潜り込んだ (明日が平和に終わりますように・・・) 薄れ行く意識の中で俺は祈りながら眠りについた 692 名前:AAA[sage] 投稿日:2010/10/26(火) 00:56:13 ID:FeR7HvfW 「こんなものかな」 月曜日、現在時刻7時 俺は今日の昼食、簡単に言うと弁当の作り終えたところだ まさか、話題になっている「弁当男子」に自分もなるとは思いもしていなかったが やってみると意外と楽しいものだ。 朝食を済ませ、作った弁当を鞄に詰め込み制服に着替える。 ネクタイの締め方の検索結果がでたパソコンの画面を見ながらネクタイを締め 家を出た。バイクを止めている駐輪場に来るといつも思うのが、なぜ俺のバイク(スクーター) の両脇を大型バイクが止まっているかだ。別に止めてあることには文句は言わないが 俺のバイクが大型バイクにいじめられている様に見えてかわいそうに思えてくる そんなくだらない考えを消し、バイクに乗って駅に向かった 駅に着いた俺はものすごく最低最悪な気分になっていた。 なぜかって?それは俺の目の前にいる“人”が原因だ 「おはよー翼♪」 俺に声をかけて来る“人” 大空 舞だ 693 名前:AAA[sage] 投稿日:2010/10/26(火) 00:57:29 ID:FeR7HvfW 「おはよー♪この2連休何してた?」 「・・・(頭痛ぇ)」 「私はね、友達と電話で盛り上がってたよ」 「・・・(何でこいつが居んの?)」 地獄だ。ただでさえ“人”とは関わらないようにしたいのに相手から関わってきたら何の意味も無い 話しかけられながらバス停についた時にはこの“人”のせいで酔ってしまった 酔い直しのために鞄から酸素ボンベを出す。本当は吸っているところを人には見られたく無いのだが 吐くのと吸うのだったら、吸うほうがマシだ。 ボンベに口にくっつける部分の付属品を取り付け吸っている行動を横から凝視されている。 いつもだったらすぐに気分が楽になるのに今回はいつもより長時間酸素を吸っていた。 「(シュー)」 「ねぇ、それなぁに?」 「(シュー)」 「もしかして、危ない薬?」 「そう思っていればいいだろ・・・」 おもわずボンベを口からはずし返答してしまった。 「酸素でしょ。それぐらいは分かるよ。私にもやらせて」 「断る」 「いいじゃん」 「いい加減にしろ・・・」 ボンベを持った右手を高く上げ大空には届かないようにするものの大空も背伸びして 取ろうとして来る。しかも密着してくるためまた酔ってきてしまった。 そのとき、バスが来た 「(あ、バス・・・)」 「隙あり~!!」 「!?」 バスに気を取られ、右手が少し下がったところを大空が見逃さず、ボンベは大空の手に渡り ボンベの酸素を吸われていた。俺の所有物に“人”が触れている。そう思うと心の奥底から 恐怖と怒りが湧き上がってきた。 「返せ!!!」 『ビクッ』 俺の怒りに大空は体を一瞬震わせてものすごく驚いた表情をしていた。 自分でも驚いてる。こんなにも感情をあらわすことはあまり無いからだ バス停に居た他の客の視線が俺へと注がれていた 「ご、ごめん・・・」 俺は差し出されたボンベをひったくり、その勢いのまま鞄の中にしまった。 その後、バスの中で大空が話しかけてくることは無かった。 694 名前:AAA[sage] 投稿日:2010/10/26(火) 00:59:24 ID:FeR7HvfW 午前中、大空が俺に話しかけてくることは無かった。話しかけてきたのは昼食の時だった。 俺は朝作った弁当を机に出しふたを開ける。中学のころは母が作っていたので弁当を開けるのも 一つの楽しみだったが、今はそのような楽しみは無い。 周りの連中は机を寄せ合い集団で食べているが、俺は一人窓際の席で風の声を聞きながら昼食をとっていた 「(落盤事故で閉じ込められた33人全員救出成功。何番目にか救出された人の 妻と愛人が現場に居合わせて問題が起きた・・・かわいそうに(誰が?))」 風の声の中にはこうしてニュース的なことを教えてくれる『風のうわさ』がある。 自分の中で風の声を考えているのに出来事を教えてくれるのは少しばかり矛盾しているような気がする 風のうわさを聞きながら最後の玉子焼きを食べようと箸を伸ばしたときだった。 「いただき!」 「!?」 横から伸びてきた手が俺の玉子焼きをさらって行き、そのまま口へダイブ・・・ 「おっ、意外とおいしいね。この玉子焼き」 俺が最後に取っておいた玉子焼き・・・ 「翼のお母さんが作ったの?」 俺の玉子焼き・・・ 「明日から、もらってもいい?」 オレノ タマゴヤキ・・・ 「ねぇ、聞いてる? って、どうしたの? 涙目になってるよ?」 大空の言葉で気がついた。たかが食べ物で何、涙目になってんだ俺は 俺は弁当箱を片付けるとそのまま教室を出て、『風屋根』へと向かう 今日の『風屋根』は横風が激しかった 風を浴びながら柵に寄りかかっていると階段のドアが開き“人”が出てきた 「柵に寄りかかると、柵が倒れて志望フラグだぞ。少年」 振り返るとそこには、老人が立っていた。この『烏羽高校』の校長先生だ 「“人”は慣れないかね? 風魔 翼君」 「なんで俺の名前を?」 「私の教え子からキミの事をよく聞かされるんだ」 「教え子?」 「隼 大輔だよ」 「!!」 「キミの病気、『対人恐怖症』とでも言うのかな? その事についてはあいつから聞かされているからね 少しばかりは力に慣れると思うよ」 「・・・そう・・ですか」 その後、沈黙が続きそれを破るかのように予鈴がなった。 俺は、校長に会釈して、教室に戻った。 それから1ヶ月は同じような生活が続いた 朝は大空に遭遇し、教室では大空が話しかけてきて、昼休みには『風屋根』へ行って 午後の授業が行われ、大空につかまって一緒に帰宅 1日のほとんどを大空につかまっているが基本平和だった。 大空の事は置いといて、このような日々が続く事を願ったが まさか、高校生活が始まって、たった1ヶ月であんな事件がおきるなんて思ってもいなかった。 それは、今までとは違う悪夢との遭遇だった。 695 名前:AAA[sage] 投稿日:2010/10/26(火) 01:00:48 ID:FeR7HvfW 時をさかのぼる事、日曜日25時半 『プルルルルルルルルル プルルルルルルルルル』 「はい」 「お姉ちゃん?わたしだよ」 「夕美?どうしたの?」 「今日ね1時間半もお兄ちゃんとお話ができたの」 「へ~良かったじゃない。夕美を応援したかいがあってうれしいな♪」 「お姉ちゃんは今何してるの?」 「私?私はね、虫の駆除の準備しているの」 「虫?」 「そう。私がいない間にあの人にまとわりつく虫が現れたの・・・」 「最悪じゃん・・・」 「それで今ナイフを研いでいるんだけど、刺殺だけじゃ物足りないのよね・・・」 「じゃあ、焼却処分とかは?」 「さすが妹♪」 「じゃあ応援してるからおねえちゃんも頑張ってね♪」 「ありがとう。夕美♪」 『ピッ』 刺殺してからの焼却処分・・・殺りがいがあるわ・・・。 ウフッ、フフッ、アハハハハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハッハッハハハハハハハハハハハ ハハハハッハハハハハハハハハハハハハハッハハハハハッハハハハハハハハハハハハッハハハハハハハ

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