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489 :シスターズ!!2話:新しい日常。:2010/12/31(金) 14:27:16 ID:8kNkUDgq 「今日はここまで。話についていけない奴は予習をやっとけよ」 国語の教師が教科書を閉じる。 ・・・ここの高校は生徒を良い進路に導く気が無いのか? 今、教師が持って行った教科書(自称)は少女漫画だったぞ? 放課に入るとすぐにクラスメートの殆どが九条さんを囲んで質問をしている。 可愛らしい笑みを浮かべながらポニーテールを揺らす姿は中々愛らしい。 こういう時、いつも下ネタ関係の質問を出して女子に軽蔑されるが、 一部のムッツリに大好評の良人は九条さんを見ようともしない。 「孝康は行かないのか?」 「少し気になることがあるからな・・・」 久しぶりってことは会ったことあるのか? 思い出さないと九条さんに悪い気がするので、まだ話しかけてはいない。 九条さんもこっちを気にしているようなので、必死で思い出す。 「駄目だ、思い出せねぇわ」 放課後になっても思い出せなかった。 恥を承知で本人に聞いたほうがいいかもしれない。 しかし、九条さんの周りにはまだ人だかりができていたので諦めた。 待ち合わせに遅れると彼方が拗ねるし。 490 :シスターズ!!2話:新しい日常。:2010/12/31(金) 14:29:07 ID:8kNkUDgq 彼方と同じ高校に通うようになってから自然と一緒に帰るようになっていた。 先に校門に着いた方がもう一人を待つ事がいつの間にかルールになっている。 「たか兄遅いよぉ」 「ごめんな彼方」 頭を撫でてやる。 「みゅうぅ」 彼方はくすぐったそうに目を細めながら撫でられている。 ・・・小動物みたいだな。 「そういえばもう大丈夫なのか?」 父さんに隠し子がいたなんて純粋な彼方には精神的にきついだろう。 「うん!」 元気に返事を返してきた。 立ち直るの早いな・・・俺はまだ気持ちの整理がついてない。 「だってお父さんに隠し子がいたって、会わなければいいんだよ!」 多分九条さんが父さんの隠し子の一人だよな・・・ 彼方には九条さんの事は暫く黙っていよう。 「だって、たか兄の妹は私だけだもん」 そう言ってほほ笑む彼方を見てそう思った。 買い物を終えた後、 家に帰ると、そこにはダンボールの山があった。 「あれ?たか兄お父さん達からなにか聞いた?」 彼方は父さん達の荷物だと思っているようだ。 俺は普段ではあり得る事のないリビングから漂う紅茶の香りから、嫌な予感しかしなかった。 491 :シスターズ!!2話:新しい日常。:2010/12/31(金) 14:30:45 ID:8kNkUDgq 「先に帰ったのに遅かったですね」 予感が当たり、そこには紅茶を気品良く飲む九条さんの姿があった。 「たか兄・・・もしかしてこいつが・・・」 彼方、こいつとか言っちゃいけません。 俺はこれからの事を思い、胃がキリキリと痛んだ。 「えっと・・・今日転校してきた九条さんだ」 「宮城彼方です。たか兄の妹です」 なんか彼方の言い方に棘があるなぁ・・・ 「九条三つ葉です。今日からここに住む事になりました。よろしくお願いしますね彼方ちゃん」 九条さんはフレンドリーに接しているのに・・・ 「ってなにか聞き逃してはいけない事を言っていませんでした?」 ここに住むとか冗談だよな? 「えっ?ここに住む事ですか?隆様から今日のことをお兄様に伝えるようお願いするとお母様が・・・」 あのクソ親父め! 俺は急いで廊下にある電話に走った。 最近、俺の中で父さんの株が大暴落している気がする。 「・・・お兄様が行ってしまいましたね」 「たか兄の事を兄と呼ばないでください」 「・・・どうしてですか?」 「たか兄の事を兄と呼んでいいのは本当の妹である私だけですから」 「それは無理な相談ですね。私がどれだけお兄様の事を見守ってきたと思っているのですか?」 「知らないし、知りたくもない」 「だけれど、見守るだけでは駄目でしたね。今朝も貴方はお兄様の朝食に何を・・・」 「黙れ!!」 「でも・・・これからは、お兄様の事をしっかりとお守りする事ができます」 492 :シスターズ!!2話:新しい日常。:2010/12/31(金) 14:33:30 ID:8kNkUDgq 「あの節操無しめ・・・」 父さんに電話した後にリビングに戻ると、重々しい雰囲気に包まれていた。 初対面の二人を残しておくのはまずかったな。彼方も人見知りだし。 「彼方・・・父さんに電話で聞いたが今日から九条さんはここに住むそうだ。」 最後に父さんの電話の後ろから「また・・・女と電話をしてるのね・・・」と母さんの感情の無い声がした後、父さんの悲鳴で電話が切れたが自業自得だろう。 「そうなんだ・・・」 彼方が少し青い顔で答えている。 体調が悪そうだ。 「彼方・・・少し疲れているなら早めに休んだらどうだ?」 「うん・・・そうする」 彼方が少し頼りなく二階にある自室に向かったのを見届けた後、 俺は九条さんへ振り向いた。 「九条さん、迷惑かけるかもしれないけどよろしくね」 「ええ、あとお兄様。一つお願いが」 「何?」 「私のことは名前を呼び捨てで呼んで欲しいのです」 「え・・・あぁ」 義妹とはいえ、会ったばかりの女の子を呼び捨てで呼ぶのは案外抵抗あるな・・・ 「じゃあ、これからよろしく。三つ葉」 「はいっお兄様!!」 少し変わった日常が動き始めた。

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